【初秋の山】火打山〜妙高山
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.9km
- 登り
- 1,975m
- 下り
- 2,179m
コースタイム
- 山行
- 6:40
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 8:50
天候 | 6日:晴れのち曇り 7日:曇りのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
今回は、職場の方々と火打山・妙高山へ。
中・高校時代の生物部の合宿で、野尻湖の湖畔からその美しい山様を望んで以来ずっと登ってみたい気持ちをしまいっぱなしにしていた山々だ。
4日
職場をザック姿で出て、京都の町中で拾ってもらって、北陸周りで目指す。
北陸道を快走する道中は、話が盛り上がり過ぎて結局一睡もしないまま、笹ヶ峰駐車場へ。
適当にテントを張って仮眠をとる。
5日
朝起きるとよい天気で、黒姫までよく見える。
総勢8人となかなかの大所帯だ。
登山口のゲートをくぐると、林間のなかに木道が整備された素晴らしい登山道が続く。
周りを見れば美しいブナ林が広がり、日本海側の山に来たことを感じさせ、林床を見れば、前日までの雨の影響か、たくさんのきのこが顔を出し秋の訪れを告げている。
黒石沢を渡渉すると、斜度がきつくなり十二曲がりが始まる。
ご丁寧に何曲り目かを教えてくれる看板付き。一つ一つの曲がりの感覚はまちまちだ。
十二曲がりを登り切り尾根に乗ってからしばらくも急登が続く。
ふと振り返ると遠くに白馬から後立山連峰の山々が見え、GWに縦走したあたりを一望できてテンションが上がる。よく見ると劔まで見えていて素晴らしい。
そんなこんなで登って行くと、カンバ帯からシラビソ帯へと遷移し、樹林限界付近の様相となりながら富士見平へ。
残念ながら富士山は見えない。
富士見平から、黒沢岳の山腹をトラバースする道からは、火打から焼山までの稜線を望むことができて気持ちがいい。
途中、ブルーベリーもといクロマメノキの実を頬張ったりもする。
ササ混じりの草原もあり、オヤマノリンドウなど湿原性の植物なども出てきて間もなく宿泊地である高谷池ヒュッテへ辿り着いた。
昼ごはんがてらのプチ宴会が始まる。
なんか、今日はここで行動終了のような様相を呈しているが、それをなんとか乗り越え、宴会もそこそこに火打山を目指す。
ヒュッテを出て、高谷池の湿原にそって歩きながら登っていく。
夏と秋の端境でなので、さほど花は期待していなかったが、イワイチョウやイワショウブ、ウメバチソウ、ヒメウメバチソウ、ワタスゲなど意外と花が残っている。
とりわけ、イワイチョウの草紅葉は、その名の通り湿原の一角を黄色に染め上げていてとても綺麗。
天狗の庭のあたりで、湿原の美しさはピークに達する。まさに美しい庭園。
湿原の淵に散りばめられた岩といい、静かに水を湛える池塘といい、絶妙としか言い様がない。
湿原を離れ、いよいよ火打山を目指して標高を上げていく。
ガスに巻かれるか巻かれないかというなかを登っていく。
標高を上げると、ミョウコウトリカブトや枯れ果てたオタカラコウが出てきて一気に秋っぽくなるが、シラタマノキやアオノツガザクラの花が残っていて驚いた。
ライチョウ平で休憩していると、火打山登頂記念のしおりをいただく。
なにやら高山植物とその花言葉が書いてあると思ったら、格言しか載っていないバージョンもあった。
久々に見るハイマツに懐かしみを覚えながら、最後のひと登りをこなして火打山山頂へ。
ガスガスで展望はないが、ここまでいろいろ盛り沢山でなかなか満足の行くピークだ。少し休んで体が冷えきる前に下山開始。
一気に高度を落としていき、ガスに覆われて少し幻想的になった湿原などを通り過ぎてヒュッテまで戻る。
ヒュッテに戻ってからは、ビールや酒、つまみを放出しての宴会。
暮れなずむ中、いい感じでよってきたあたりで晩ごはんとなる。
晩ごはんは、カレーとハヤシライスの食べ放題。
とてもおいしく、ここぞとばかりに胃袋にかきこむが、満腹と同時に酔いが一気に回ってきてあえなく撃沈。
日が暮れてからはあまり覚えておらず、気がついたら就寝時間だった。
6日
明け方に昔の山の夢で目をさます。ちょっとテンションが下がったので、昨日枕元に置きっぱなしした岳人を読んでモチベーションを上げる。
そんなこんなでうとうとしていると、外から雨音が聞こえてきて激萎えするが、一時的なもので一安心。
朝ごはんは中華丼と豚汁。ご飯がスルスル入る。
明るくなりきった6時位に小屋を出発。久方ぶりの小屋泊だったが大満足だ。
今日は曇り空だが、視界は思いの外よく火打山方面もよく見える。昨日は気付かなかったが、焼山からは白い噴煙が上がっている。
予報は午後から下り坂とのこと。いつまでもつことやら。
小ピークの茶臼山を越えると下界方面の眺めがよく、日本海まで見渡せる。
雲海の向こうには志賀高原あたりが望め、とりわけ雲海の切れ目にある妙高市の西側の稜線は派手さはないがいい感じだ。
黒沢池は高谷池よりもはるかに広大な湿原。まるでU字谷のような地形だ。
その端に佇む黒沢池ヒュッテは気象レーダーのような変わった形をしていた。
黒沢池から外輪山を越えると、妙高山がずしりと聳える。あまりにも聳えすぎていて若干の登攀意欲の減衰も否めない感じだ。
シモツケソウが咲き乱れるガレ場のトラバースを過ぎて長助池分岐へ。
ここに荷物をデポして山頂アタックを目指す。
山頂への道は最初から急だが、後半に向けてさらに急になる。
ところどころ岩混じりの段差となり、補助のロープなんかもある。ただひたすらピークを目指して登るのみ。
頂上稜線へ出るコルの両側は、大きな岩壁がありさながら門のようだ。
頂上稜線からは、野尻湖方面が一望できて素晴らしい。祠をお参りして、ちょっと回りこんだところにピークのボッコがあった。
若干ガスに巻かれつつあるが、それなりに下界などを見渡すことが出来る。
ちなみに三角点はいわゆる北方にあるが、最高点はちょっと奥。しっかりと最高点を踏む。
ゆっくり休みたいがすこしポツポツきはじめたので、そそくさとピークを後にする。
下りは、急なところは少し慎重になりながら一気に下る。
長助池分岐に着く頃には雨はいよいよ本降りの様相を呈してくる。
分岐で小屋でもらったお昼ごはんをかき込んで下山開始。
こんなに降られるのは久々だなと思えるくらいの雨の中、どろどろになった登山道を滑ったり、枝に頭をぶつけながら下っていく。
燕新道は地図で見るからにはそこまで大変には見えないが、そんなにいい道ではない。まあ、新道と名のつく道などどこもそんなものかもしれない。
微妙に滑落に気をつかうような箇所もあった。
長助池や小倉池に若干癒やされつつ、小倉沢の渡渉点へ。
若干増水していて濁っている。渡渉に大きな問題はないが、短時間で増水しているので、1日中雨のときなんかは結構大変かもしれない。
そのあとは、一瞬道をロストしたりしながらひたすら下っていく。
さすがに2日間の疲れの色を隠し切れない感じだ。
急なつづら折りを下り終え、急に巨大な岩壁が見えたと思ったら惣滝の分岐で、ほどなく林道へ出る。
時間や天気が許せば、惣滝や河原温泉なんぞも見学したいものだが、それは次回へ。
林道自体は思ったよりも短かくあっさり終わったが、ここまで歩ききった疲れはあっさりでは済まないくらい。
ただ、それを上回る充実感に満ちた山行だった。
あとは車を回収したりして雨で冷えきった体を温泉で温め、宿へ移動して反省会という名の宴会へ。
山行もさることながら、反省会でしたいろいろな山の話がとても充実感と幸福感に満ちたもので、よい締めくくりとなった。
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