夏の北岳・間ノ岳
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- GPS
- 96:00
- 距離
- 17.1km
- 登り
- 2,198m
- 下り
- 2,195m
コースタイム
北岳山荘4:20〜間ノ岳5:35〜北岳山荘7:05
北岳山荘岳8:40〜北岳9:30〜北岳肩の小屋10:45〜白根御池小屋12:50〜広河原15:40
天候 | 1日目 曇り時々晴れ 2日目 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2010年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
帰り:芦安〜白根I.C.〜一宮御坂I.C.〜東部富士五湖道路〜東名御殿場I.C.〜海老名I.C.〜海老名駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山届けは、タクシー降りるあたりの建物の2階。 広河原〜二股 大樺沢の水量は多い。ときおり登山道を川のように流れているが特に問題なし。 二股〜八本歯のコル 雪渓のため夏道のルート目印通りに進めない箇所あり。沢の右側(×印あるが)を直接上がり沢を渡る場所がある。 八本歯のコル〜トラバース分岐 特に問題なし(サルが崖で騒いでいて、クマかと勘違いして怖かった)。 トラバース分岐〜北岳山荘 トラバースの雪は全くなし。ただハシゴや手すりが雪でつぶされたままでボロボロ。高山植物が見頃(ただし、キタダケソウはごく一部を除いておわっている模様) 北岳〜間ノ岳 雪は全くなし。快適に歩ける。高山植物多数。ライチョウの親子見かける(子は3羽) 北岳山荘〜北岳 高山植物多数。人は結構多目。 北岳〜北岳肩の小屋 特に問題なし 北岳肩の小屋〜白根御池〜広河原 特に問題なし(樹林帯はジメジメして滑る箇所多い) 写真は特に注記ないものはstk Nikon D300 SIGMA 10-20mm f/4-5.6 EX DC HSM |
ファイル |
(更新時刻:2010/08/03 00:39)
2日目GPSログ(間ノ岳は記録なし)
(更新時刻:2010/08/16 19:59)
1日目GPSログ
(更新時刻:2010/08/16 19:59)
帰路GPS
(更新時刻:2010/09/04 00:17) |
写真
感想
DNS Trek Club結成1周年にあたるこの時期、北岳登山を決行
ボルダリングで負傷したS藤隊員を除く8名で参加、、、の予定だったが、H内隊員アクシデントで急遽不参加。参加7人中4人がテント泊、3人が小屋泊。F本ルート工作隊長とW邊隊員が自分とK城装備隊長の準備したテントに泊まる算段だ。
当初予定では10時登山開始、16:30北岳山荘到着。そのために、中央道八王子I.C.に7時過ぎに乗ろうと思っていたのだが、渋滞やらで時間を食い結局11:50に登山開始。このルートを登るには正直よろしくない時間に広河原を出発。
ただ、ルートを歩いていると結構人がいる。おそらく二股分岐から白根御池に向かう人達であろう。
まともな夏山は実は私も経験が少ない。甲斐駒と槍穂くらいで、両山行ともバテた記憶があるので水分補給等は気を遣うよう心がけた。
広河原から2000m付近の大樺沢の橋までは樹林帯だ。雲っていて直射日光がないのは幸いだが、湿度はあり汗がかなり出る。脱水症状にならぬようこまめに給水を行う様指示、自分も取りつつ進む。大樺沢の急流付近では急にヒヤっと空気が冷たくなる。暑いときには嬉しい限りだ。
橋を渡って進むと雨が降ってきた。最初は小雨なので無視して進むが、少し進むと粒が大きくなってきたのでザックカバーにレインウェアを付ける。山でこの瞬間は一番嫌いな時だ。
しばらくすると二股に付く。ここで白根御池〜草スベリ方面と八本歯のコル方面の分岐だ。北岳山荘に向かう我々は八本歯のコル方面に向かうが、こちらに行く人は圧倒的に少ない。というか我々の先には誰もいない。後の男女のパーティー一組。なんでも7末くらいまでは、残雪の影響を考慮し草スベリ方面が一般的なルートであるとの事。(ただ、時間が遅いという話もあるが(笑))
このあたりから雪渓が出てくる。ただし右側の夏道が露出しているので問題なく進む。斜面に大きな岩があるあたりから雪渓方面に進む事になる。この付近で本山行のメインイベント?が発生した。
夏道を示す矢印が、雪渓を指している。段差が激しくとても登れない。迂回することになるが、真ん中の沢をさかのぼるか、さらにその右手前の沢の逆側斜面を登るか。。右手前は登ってみたがガレていて危なそうだ。そう判断して沢を登ってから岩を直登するルートを選んだ。。これが大失敗だった。沢はなんなく登れたが、その後の岩が一枚岩で手足をかける手がかりがほとんどない。わずかにあるが「カチ」レベルのホールドでザックを背負った登山靴ではフィットしない。そのルートにK城隊員が取り付いたが万一スリップした際に数メートル墜落する可能性があるので雪渓側に出ることにした。これも失敗。。雪渓はかなり硬い状態で危険極まりない。一早く抜けたルート工作隊長のF本隊員も転倒してあわや下まで!という心配をしたが、うまくスリップを止めた。その後もそこの通過は難渋を極め最後は細引きまで出して確保する始末。一部始終を見ていたS木宴会班長は右手前ルートを進んだところ、なんなく上までいけてしまった。。ルートファインディング失敗である。わずか2,30m進むのに40分も費やしてしまった。しかも一回偵察に出たあげくの誤りで今回の自分の大きな反省点だ。
その後、今度はしっかりステップが切ってある雪渓をトラバースし、八本歯のコルへの急登が始まった。正に心臓破りのこの道。天気もイマイチで時間もなくあせりばかり出るのだが、一つラッキーな事があった。突然霧が晴れてなんと北岳バットレスが姿をあらわしたのだ。大迫力の岩壁。さすがに雨だったのでクライマーは一人も見えなかったが、霧をまとったバットレスはものすごい存在感をふりまいていた。
その後、ハシゴが連続するほどの急さになりペースがバラバラになり始める。自分は先頭をいっていたが、ここでずっと先のハシゴで黒い人型の大きな動物がハシゴを前向きに降りるのが見えた! もしかしてクマ?? あそこからここは一本道?(本当はコルの先なのでボーコン沢の頭への分岐T字路をはさむ) 遭遇するかもしれないという事で、トップ3人で念のため大きめの岩を持って進むことにした(なぐさめだが)。するとその後右の崖方面で何か動物が動く音がガサガサと! さらに落石も起こしているようでガラガラと絶え間ない音がする。しかもだんだん近づいてきている。。いよいよヤバイと思い3人(K合隊員とW邊隊員と自分)で右側と距離をとり一斉狙撃?体勢に入った。。
が、、結局こなかった。どうやら後から来たメンバーに聞くとサルらしい事が判明。あのハシゴを降りた奴もそう見えなくもない。ようやく手に持った石を捨てて登山を再開する事ができた。あせらせやがって。。。
しばらくいくと稜線に出てようやく八本歯のコルだ。ここで少し晴れ間が出てボーコン沢の頭方面が見えるようになった。
稜線には出たが展望は悪い。特に西方面はほとんど展望がない。きつい登りは終わったが、まだ緩やかには続いている。パーティーとしてはあまりペースが上がらずじりじりと進んでいく。そして少し経つと北岳稜線へ出る道と、北岳山荘へ直接向かうトラバースルートの分岐に出た。当然トラバースの方が近いがここは残雪多く、2週間前まではピッケル、アイゼンが必須であった箇所だ。ただ事前に雪が完全に溶けたのが確認できたのでこの道を進むことになる。ここは、高山植物の宝庫であった。シナノキンバイとハクサンイチゲが大量に咲いている。イワギキョウもかなり見かけた。トラバースルートはそこそこの岩場だが、特に危ないところはない。写真に収めながら足早に宿を目指した。
そしてようやく北岳山荘に到着。我慢できずソッコーでS木宴会班長とビールで乾杯。かなりの人が来ているようで、テントもたくさん。人も一杯。テン場がなくなる程ではないが、宿からは離れた場所しか残っていなかった。小屋泊組は、2つの布団で3人。1つに3人という状態を考えるとだいぶ楽な状態だ。小屋は人が多いので食事を5回に分けているとの事。5回目の19:30にエントリーされた。テント組は急いでテントをたて、落ち着いた頃には大分暗くなっていた。食事はヘッドランプを使って、寝ている人達に迷惑かけないよう静か〜〜に進めた。体力に余裕あるものは、明日の朝空身で4:15に間ノ岳ピストンに出発するという事で、小屋泊組とテント前で一杯飲みつつ予定を決めた後、20:30には分かれ21:00にはテント組も就寝。
夜は、眠れなかった。特に暑い寒いとかそういう要素はないが、テント泊で熟睡出来たことはなく「いつも通り」眠れない。21〜23時くらいと2時〜3時半だけ眠れたが後はほとんど起きていた。温度は快適なので、まあ何も考えずボ〜〜っとしていた感じだ。時間を持て余す時はiPodで音楽を聴くが今回はそういう気分でもなく、時々のどの渇きを癒すため水を飲み、ベンチレーションの穴から星空が出ていないか見たりした。昨日の反省や今日のこれからの稜線への期待などが頭をもたげた。
3時半を過ぎると空が少し明るくなり出した。いよいよ朝だ。おなかが減ったので出る前に少し食べていこうか、そう判断し3:45くらいに湯を沸かし始めた。鶏ガラのスープにモチを入れて食べた。同じテントのF本隊員も起きて準備をする。他のテントも活動を開始したようで、灯りがついているものが多い。その頃、宿泊組のK井隊員から宿組は睡眠に徹するとの意思表示を受け一旦別行動へ。K城隊員のテントは4時前くらいに動き出した。アタックザックの準備を終え、準備万端。中白根までは40分ほどかかるから、そこでご来光を迎えるには遅くとも4:20には出発しなければならない。4:25にはとりあえず準備の整ったF本隊員とW邊隊員とでヘッドランプをつけて出発した。案外登る人が多い。空身や小さいザックが多いので、我々同様間ノ岳ピストン組であろうか。途中、小キジを撃とうと思ったが人が多すぎて振り切るのに苦労した(笑) 遅れるとまずいと思い、そこそこのペースで中白根山へ急いだ。あたりは大分明るいがご来光には間に合ったようだ。
5時頃と見込んでいたが、4:54には日が昇り始めた。地平線ぎわに雲があるが上空は快晴。きれいに朝日が見えてきた。高い山でのご来光は去年の富士山以来か。写真を収めまったりする。K城隊員は姿が見えてこないので、我々だけで間ノ岳へ向かうことにした。
ここからは絶景と、お花畑の連続。北岳はその優美な三角錐を見せつけ、右奥には鳳凰三山、左奥には甲斐駒と仙丈ケ岳が堂々とそびえる。相当な数の写真を撮りつつ進む。間ノ岳までは小ピークがいくつかあり、まだこれじゃないのかと何度か期待を裏切られたが、体が昨日に比べ格段に軽いのできつくはなかった。日が昇ると東の雲海が逆光に照らされ美しい。富士山もくっきりと雲海の上に浮かんでいる。途中雪渓もあり素晴らしい景観が続いた。そしていよいよ間ノ岳到着。5:45くらいだ。ここは静岡との県境。さらに静岡側には南アルプス南部が延々と続く。ここは民家や道路などの人工物が全く見えず、南アルプスの奥深さが感じられる場所だ。農鳥岳や塩見岳等写真に収め戻ることにした。
帰り道、先ほどの雪渓付近で女性が口に「し〜〜」のポーズをして横を指差している。最初はん?と全く分からなかったがライチョウがいるのだ。よくよく見ると親鳥と雛が3羽くらいいた。ちょこちょこと動き東斜面の方に進む。自分のは超広角レンズなので写せなかったが、F本隊員が何枚か撮ったようだ。北アルプス以外で見たのは初めてだ。
帰り道はたくさんの登山者とすれ違った。空身の人もいるがザックを背負っての縦走の人も結構いた。20人くらいの大パーティーもいた。日差しが段々強くなり7時過ぎにはK城隊員と合流。ほどなくテント場への帰着となった。
宿組みはもう準備が出来ているので、北岳頂上あたりでの合流とし分散。我々4人は朝飯を食べ、テントを片付ける。結局スタートは8:30くらいになった。北岳方面はかなりの人だ。強い日差しが照りつける中、急斜面を上がっていく。ここはまさに高山植物の宝庫!こんな量を見たのは初めてだ。しんがりにつきバシバシ写真を撮りつつ前を追った。途中東側から雲が沸いてきて展望がさえぎられるが、西側はガスが届かず普通にいい眺めだ。
朝の空身と違いザックは食事分が少し減ったとはいえやはり重い。結構息があがるような斜面を少しずつ進み、ようやく日本第2位、3193mの山頂に到着した。体力的にもだいぶきていて、最後の高度差100mくらいは頂上のビールを思い浮かべて頑張った(笑) この頃、雲が僅かに減り間ノ岳の山頂部分だけが見えた。先行していた3人と合流し仲間で記念写真を撮る。
頂上の大パノラマを満喫し下山開始。200m弱を下りると北岳肩の小屋到着。S木宴会班長とビールで乾杯、だがよくみるとK城装備班長もしっかり飲んでいる。やはり皆考える事は同じか。ここの東斜面は高山植物の宝庫で、ハクサンイチゲやシナノキンバイが群生している。後で気付いたのだがここにキタダケソウも一部だけ残っていた。撮影中ガスがかかってきたが、それはそれでいい雰囲気になりかなりの数を撮影した。
休憩を終え、草スベリ方面の下りへ向かう。ここも高山植物で一杯だ。ガスが濃くなってきて展望は利かない。樹林帯に入り後は斜度があるこの登山道を下るだけ。この下りは相当長く感じた。時々行動食や水分をとったりで休憩を入れ、白根御池にたどり着いたのは12:45になっていた。ここで遅めの昼食。カップラーメンやらザックの中でクシャクシャになったパン等を食べる。水も豊富でしっかり補給。まだ残り700mは降りなければならない。かなり長い休憩の後、14:00過ぎに広河原へ向け出発。
ここからは相当な長く感じた。登山で一番イヤな時間だ。K井下山隊長はいつも通り調子よく、いいペースで進む。T尾隊員も下りのコツをつかんだ様でいいペースだ。自分は、今回ストック2本持ってきたにも関わらず、1本が硬くなって伸ばせないというトラブルに見舞われていた。1本で下りたので足の負担はそれなり。水曜くらいまで筋肉痛をひきずるはめになった。最後は結構皆バテバテになりながらも、15:30に下山完了!無事全員登頂・下山でホっと一息。ビールを飲みたい気分だが、後で運転があるので我慢。
さっそくだが反省点
・高速割引後の高速は大渋滞。行動開始が遅くなるので、根本的に行動計画の見直し必要・山小屋18:30は重罪。。
・雪渓のある八本歯のコルは、初心者向けのルートではない。
・それでもルートファインディングさえ間違えなければ、ちょっとしたスリルで終わるはずが、「相当な」スリルになったのは大失態でした。。
とはいえ、感動的な景観も味わえ印象に残る登山になったのではないか。
余談だが、帰りの小仏トンネルを迂回出来、帰りは早かった。今回は大月手前から大渋滞。一宮御坂I.C.で下りて東名御殿場I.C.へ。一宮御坂から2時間20分程度で海老名到着!こんないいルートなら前から使えばよかった。大月までいければ河口湖方面出てもいいし、とにかくあの忌々しい小仏トンネルを通らないで済むのはすばらしい。
さらに余談だが、水曜くらいまで筋肉痛の人は多数だった模様。3000m級は疲れますね。
了
はじめまして。
天気がはっきりしませんね。1日には甲斐駒ケ岳から北岳を見ていましたが、ガスが湧いて姿を消してしまうんですね。でも離れた所から見る北岳はいい姿です。
どうも、はじめまして〜
1日、朝方は甲斐駒見えてましたがだんだんこちらも東側からガスが沸いてきて草スベリ以降は曇りでした。
すごいところ登られてますね〜〜
また見させていただきますね〜^
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