記録ID: 770105
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖
南ア深南部横断! 中ノ尾根山〜合地山〜光岳〜信濃俣〜大根沢山(合地山北東尾根、柴沢吊橋、ムギウネホツ)
2015年11月21日(土) ~
2015年11月23日(月)
![情報量の目安: S](https://yamareco.org/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 31:18
- 距離
- 43.5km
- 登り
- 4,509m
- 下り
- 4,499m
コースタイム
1日目
- 山行
- 9:46
- 休憩
- 6:49
- 合計
- 16:35
2日目
- 山行
- 7:33
- 休憩
- 2:45
- 合計
- 10:18
6:03
13分
標高1202mピーク
10:45
10:54
67分
標高1656m点
12:01
12:11
66分
標高2043m点
16:21
天候 | 初日 快晴、2日目 晴れのちガス、3日目 晴れのち高曇り+ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
mamepyonさんに送っていただきました。ありがとうございます。 下山口:白樺荘 井川自主運行バスで横沢へ(一日1本) |
コース状況/ 危険箇所等 |
●白倉林道〜中ノ尾根山登山口 林道崩れ箇所はなし。水は登山口少し手前に何箇所か汲むところがあります。 ●中ノ尾根山登山口〜中ノ尾根山 笹が出るまでは踏跡明瞭な登山道。笹が出てから稜線までは笹の中に踏跡あるが、稜線に出てから中ノ尾根山までは不明瞭箇所もある。しかし、基本的に歩きたいところを歩ける。危険箇所はなし。 ●中ノ尾根山〜合地山2峰 踏跡薄くなるものの合地山2峰までずっと踏跡、マークが続いている。合地山1峰の登り始めでやや藪漕ぎがある程度。笹の背は低いため、漕ぎ要素はほぼない。 ●合地山2峰〜北東尾根〜柴沢吊橋 踏跡、マークともになし。最上部の下りがかなり急で倒木も多いので慣れていないと中々標高が落とせない。同行者との間でかなり差が開くことがあった。ルート自体は基本的に北東向きに進み、標高1455mピークで進路を北向きに変えることと、標高1320mピークで進路を東向きに変えることを考えておけば大丈夫。永野氏の本では標高1320mピークから北西尾根を降りているが、林道が崩壊しているように見えた千頭山吊橋よりも先の林道に降りてしまうため、あまりオススメできない。標高1202mピークからは北東向きの尾根を進み、崖にぶち当たったら東側の斜面を下るとすぐに林道である。水は寸又川に降りて汲みます。合地山北東尾根の標高点のあるところは大体がテント泊適地です。 ●柴沢吊橋〜ムギウネホツ〜百俣沢ノ頭〜光岳 柴沢吊橋は少し傾いていて中々に揺れる。動画撮影しながら渡るのは大変だった。 柴沢吊橋から初め尾根に上がるまでが正念場。急斜面をトラバースしながら尾根に上がるがこの箇所がほぼ全区間崩れているので、寸又川に落ちないように注意しながら上がっていく。一部区間にはロープもある。尾根に上がってからは踏跡やや薄めな区間もあるが、登山道はかなりいい状態で残っている。登りで迷うことはないだろう。急登区間多い。樹木の勉強に最適な尾根。ムギウネホツのテント泊適地は標高点の書いてあるところ全てです。 ●百俣沢ノ頭〜信濃俣〜大根沢山 3年前よりも明らかに踏跡が濃くなり、マークも増えた。痩せ尾根かつ踏跡明瞭、マーク豊富なので心配するようなところはない。強いてあげるとすれば、ブナ沢ノコル〜大根沢山の登り始めの急坂くらいか。ここは軽く藪漕ぎをしつつ尾根を行くか、藪を避けてやや不安定なところを行くかの選択がある。大根沢山の登り、標高2000-2100m辺りは稜線を避けて広い谷筋を登るが、現場に行けば簡単に判断できるだろう。 寸又川左岸稜線のテント泊適地は信濃俣ノコル西の2101m標高点、信濃俣〜前信濃俣の間の標高2180m辺り、椹沢山、カバ沢ノ頭、標高1913mピーク西、大根沢山です。水場は信濃俣ノコルから南西(椹沢)に標高100m程下るか(確認済みだが汲んではいない)、ブナ沢ノコルからブナ沢へ下って行く(未確認)とあるようです。 ●大根沢山〜田代沢ノ頭〜白樺荘 大根沢山はとても広い山頂なので初め向かう尾根を間違えないように。尾根の選択さえ誤らなければ、これでもかというくらいマークがある。以前は田代沢ノ頭〜畑薙方面にはマークがなかったのだが、明らかにマークがたくさんつけられていた。白樺荘方面は見える範囲に10個近くのマークがあることもあるくらいの興醒めな感じ。何も恐れることはなかった。明神谷林道は標高1140mから入るが、ここから先も林道を避けることは可能。勿論1kmの短縮にもならないので林道を行くのもありだ。 ※今回はone-hunterさんの合地山北東尾根の記録、永野敏夫さんの「南アルプス・深南部」の合地山北東尾根の記録、その他数多くの白樺荘〜大根沢山の記録を参考にさせていただきました。この場を借りてお礼申し上げます。 |
写真
黒沢橋
踏板が腐っている、抜けている箇所が多い。知り合い曰くこの先の林道崩れていて黒沢山に取り付くのは危険とのこと。林道を早々に外して斜面を上がったがロープを3回出したとのことだ。
この日は日帰り装備らしきおじさんが一人向かっていった。
踏板が腐っている、抜けている箇所が多い。知り合い曰くこの先の林道崩れていて黒沢山に取り付くのは危険とのこと。林道を早々に外して斜面を上がったがロープを3回出したとのことだ。
この日は日帰り装備らしきおじさんが一人向かっていった。
中ノ尾根山登山口の休憩小屋。利用できます。
この辺りでもう一人の単独登山者の行程をお聞きする。中ノ尾根山〜合地山〜黒沢山〜シャウズ山〜北西尾根という経路を取るそうだ。静岡の山(山と渓谷社)を開いていたが、合地山が取り上げられていて笑ってしまう。各県の山の中では静岡の山という本は、後で確認してみたらガンカク尾根も載っていたりと明らかに異色だ。
この辺りでもう一人の単独登山者の行程をお聞きする。中ノ尾根山〜合地山〜黒沢山〜シャウズ山〜北西尾根という経路を取るそうだ。静岡の山(山と渓谷社)を開いていたが、合地山が取り上げられていて笑ってしまう。各県の山の中では静岡の山という本は、後で確認してみたらガンカク尾根も載っていたりと明らかに異色だ。
柴沢吊橋を渡った先からは急斜面のトラバースで尾根へ上がる。山と高原地図に「荒れてきている」と書いてありますがその通りで、尾根に上がるまでは殆どの箇所が落石で埋まるか登山道が流れていたりしてやや危険でした。
尾根に出ると落ち着きます。ムギウネホツは光岳へ向かう急登箇所の多い長大な尾根。光岳にはっきりと向かう唯一の尾根で、中ノ尾根山〜合地山からもその長大な広尾根がはっきりと見て取れました。あれを見てしまったら登るしかないでしょう。
なんだ、このキモいのは!葉枕からトウヒ属なのはわかりますが、どうみてもトウヒではないw 大分先で標札がかかっていて分かりましたが、ハリモミというそうです。モミとついてはいますが、トウヒ属です。
こいつはモミではなくウラジロモミ。小枝に縦縞があり、無毛です。モミ属は葉先が2つに割れますが、ウラジロモミはモミほどは割れず、葉を触っても痛くありません。葉の裏側が白いからこの名がついたとありますが、モミやシラビソも白いのでそれで見分けるのは難しい・・。
シラビソもモミ属で、モミと同じく小枝は有毛ですが、明らかに自生している標高が違うのと葉を触っても全く痛くないことから区別できます。成長しているものは樹皮の醸し出す緊張感から判断!w
オオシラビソの標札がかかっているものもあったが、僕が見ている感じ、ムギウネホツにオオシラビソは見当たらなかった。光岳の西側には結構自生していましたが。
オオシラビソの標札がかかっているものもあったが、僕が見ている感じ、ムギウネホツにオオシラビソは見当たらなかった。光岳の西側には結構自生していましたが。
信濃俣ノコルから水場を探してきました。この時期はもう少し下らないとまともには組めなそうですが、信濃俣ノコルから南西に標高50mくらい下った椹沢の源頭付近ですでに少し水が出ていました。ここの水場は昭和54年版の「アルパインガイド 南アルプス(白籏史朗)」に記載がありました。
前黒法師岳と不動岳が目立ちます。手前の山は諸沢山。ここから見ると不動岳のヒコーキ平尾根がちょうど悪沢岳の北尾根のようで、登りたい欲が高まってくる。日向林道が死んでしまったのでアプローチするとしたらあそこからかな・・。
ブナ沢ノコル。「南アルプス・深南部(永野敏夫)」にはここからブナ沢方面へ下ると水があることが記されていますが、確かに稜線からでも沢音が聞こえてくるレベルだったので少し下ればあるでしょう。
撮影機器:
感想
深南部のコアなところを文字通り横断してきました。
去年は深南部を縦走したので、今回は横断!大きな目標は合地山と光岳のムギウネホツ。これを繋ぐルートとして中ノ尾根山〜合地山〜北東尾根〜柴沢吊橋〜ムギウネホツ〜光岳を設定しました。
結果、気持ちのいい針葉樹の樹林帯と笹原をほぼ予定通りに歩けてよかったです。とても心癒やされました。初深南部で初のまともな道なし登山でちゃんとついてきてくれた研究室後輩のlinol_3にも感謝!素晴らしい3日間となりました。
初めての深南部ということで笹薮や倒木に苦戦しながらもなんとか無事に歩き通すことができました。展望の開けた高山ばかりが山ではないなと思える気持ちの良い山歩きでした。
ルートファインディング能力の未熟な僕一人では遭難確実な不明瞭な道をばっちり先導してくれたEvergreen大先輩に圧倒的感謝です
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コメント
この記録に関連する登山ルート
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evergreenさん、はじめまして。
長い行程、お疲れ様でした。
深南部、まだまだ入り口しか齧ってませんが、いつか奥まで入りたいなと思っております。
非常に参考になりました。
また、樹木の区別を知りたいなと思っていて、このレコはその意味でもお勉強になりました!!
※もし良かったら教えて下さい。
2000m級の山々を歩いていると、ときどきとても良い香りに包まれることがあります。勝手にシラビソの香りと思っているんですが、正体を知りたいんです・・・。
初めての方に不躾ではありますが、お詳しそうだったので、よろしくお願いします。
superfrogさん
ありがとうございます。自分も更にもっと奥地を歩きたくなってきました。この辺りは歩くたびに歩きたいところが増えていきますね。
樹木に関しては自分もまだ勉強を始めたばかりで、まだ樹皮と葉くらいしか注目してみていません。確かにその香りに包まれる感覚は分かります。調べたところシラビソの可能性が高いですが、今度確認してみますねw
evergreenさん
むちゃ振りをしてしまい申し訳ないです。
今日も登っていたのですが、落ちていた葉っぱが気になってしかたありませんでした
いろいろと知識が増えるのは楽しいですね。
ありがとうございました!!
Evergreenさん、こんばんは
現在の柴沢へはかなり困難なルートを歩かねば到達出来ないので登山者が入る事は稀だと思うのですが、今回はまさかの一日違いで柴沢〜ムギウネホツというルートを歩かれたという事で本当にビックリしました
そして今回は樹木の勉強も兼ねていたという事で、僕も折角なので勉強していきたいと思います
今後もEvergreenさんの南アルプス・南嶺・深南部の記録を楽しみにしています
kaikaireiさん
こちらこそ驚きました。kaikaireiさんも感激するだろうなと思っていたら、まさかの一日先を越されていたとは完全に想定外でしたw
針葉樹は特に知ろうとしなければ全て同じに見えてしまうほどマニアックですが、数が少ないので覚えやすいです。是非w
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