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Yamareco

記録ID: 77020
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

北アルプス大縦走〜表銀座・裏銀座(中房温泉-燕岳-大天井岳-赤岩岳-西岳-槍ヶ岳-樅沢岳-双六岳-三俣蓮華岳-鷲羽岳-野口五郎岳-三ツ岳-烏帽子岳-船窪岳-北葛岳-蓮華岳‐針ノ木岳-扇沢)

2003年04月27日(日) ~ 2003年05月02日(金)
 - 拍手
GPS
127:30
距離
69.5km
登り
7,568m
下り
7,573m

コースタイム

コースタイムは無雪期のもの(過去の別の日の山行記録を組み合わせたお勧めコース)
【1日目】7時間55分(中房温泉 - 大天荘)
中房温泉 - 第一ベンチ(水場) –(1時間10分)- 第ニベンチ -(1時間50分)- 合戦小屋 –(1時間10分)- 燕山荘 –(45分)- 燕岳(北燕岳) -(40分)- 燕山荘 -(1時間50分)- 切通岩 –(40分)- C1△大天荘

【2日目】8時間40分(大天荘 - 槍ヶ岳山荘)
大天荘-(15分)- 大天井岳 -(10分) - 大天荘 -(30分)- 大天井ヒュッテ -(20分)- 牛首展望台 -(10分)-大天井岳ヒュッテ -(2時間50分)- ヒュッテ西岳 -(15分)-西岳 -(10分)- ヒュッテ西岳 -(1時間)- 水俣乗越 -(2時間10分)- ヒュッテ大槍 -(50分)- C2△槍ヶ岳山荘

【3日目】7時間50分(槍ヶ岳山荘 - 三俣山荘)
槍ヶ岳山荘 -(35分)- 槍ヶ岳 -(25分)- 槍ヶ岳山荘 -(1時間)- 千丈沢乗越 -(2時間30分)- 樅沢岳 -(20分)- 双六小屋 -(1時間30分)- 双六岳 -(1時間)- 三俣蓮華岳 -(30分)- C3△ 三俣山荘

【4日目】8時間30分(三俣山荘 - 烏帽子小屋)
三俣山荘(1時間30分)- 鷲羽岳- (50分) -ワリモ北分岐- (50分) -水晶
小屋- (40分) -東沢乗越- (1時間10分) -竹村新道分岐- (45分) -野口五郎岳- (15分) -野口五郎小屋- (1時間30分) -三ツ岳- (1時間) – C4△烏帽子小屋

【5日目】7時間30分(烏帽子小屋 - 船窪小屋)
烏帽子小屋 -(50分)- 烏帽子岳 -(2時間40分)- 不動岳 -(1時間50分)- 船窪岳- (2時間10分) – C5△船窪小屋キャンプ地

【6日目】10時間30分(船窪小屋 - 扇沢):針ノ木岳ピストンはオプション
船窪小屋キャンプ地- (20分) -七倉岳- (2時間) -北葛岳- (3時間) -蓮華岳- (40分)- 針ノ木小屋(1時間) -針ノ木岳- (30分) -針ノ木小屋- (2時間) -大沢小屋- (1時間) -扇沢バスターミナル
天候 晴れ 又は 曇り
過去天気図(気象庁) 2003年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
【中房温泉】約75分/長野自動車道の豊科インターチェンジ - 中房温泉登山口P
【扇沢】約70分/長野自動車道の豊科インターチェンジ -(北アルプスパノラマロード)- 豊科IC
【帰り】最寄の駅:大糸線信濃大町駅まで川中島バス路線バスで約40分、片道\1,330:下山口の扇沢バスターミナルより(時刻表:http://www.alpico.co.jp/access/route_k/kurobe/ )
コース状況/
危険箇所等
*裏銀座は、本来は烏帽子岳からブナ立尾根を下るが、交通の便を考慮して、扇沢へルートとした。(以前、立山から薬師岳、黒部五郎岳、双六岳、槍ヶ岳、裏銀座、扇沢へと5泊6日テント周遊したことがある。)
・中房温泉:http://www.nakabusa.com/
・有明温泉有明荘:http://www.enzanso.co.jp/ariake/index.html
・黒部黒部立山アルペンルート:http://www.alpen-route.com/
・大町温泉郷 薬師の湯:http://www.kanko-omachi.gr.jp/play/onsen/yakushi.htm
・長野県警察・山岳情報(登山届) http://www.pref.nagano.jp/police/sangaku/sangaku.htm
・岐阜県警察・北アルプス登山情報(登山届):http://www.pref.gifu.lg.jp/pref/s18885/alps/index.html
本コースの行程表
本コースの行程表
裏銀座の稜線 燕山荘より(春)
2004年05月01日 11:15撮影 by  CYBERSHOT, SONY
5/1 11:15
裏銀座の稜線 燕山荘より(春)
中房温泉(表銀座の起点)
2002年07月27日 13:46撮影 by  CYBERSHOT, SONY
7/27 13:46
中房温泉(表銀座の起点)
第一ベンチ下の岩清水
2004年05月01日 07:54撮影 by  CYBERSHOT, SONY
5/1 7:54
第一ベンチ下の岩清水
春の合戦小屋(名物:スイカ)
春の合戦小屋(名物:スイカ)
燕岳山頂(2,763m)
裏銀座(春)
裏銀座(秋)
雷鳥(雌・春)
2003年04月27日 17:09撮影 by  CYBERSHOT, SONY
4/27 17:09
雷鳥(雌・春)
ホシガラス
2002年07月29日 12:20撮影 by  CYBERSHOT, SONY
7/29 12:20
ホシガラス
大天井岳(春・燕山荘より)
大天井岳(春・燕山荘より)
槍ヶ岳(春・燕岳より)
槍ヶ岳(春・燕岳より)
大天井岳
喜作新道のレリーフ(切通岩)
喜作新道のレリーフ(切通岩)
大天井岳と大天荘
大天井岳と大天荘
穂高岳・槍ヶ岳(春)
2004年05月02日 05:16撮影 by  CYBERSHOT, SONY
5/2 5:16
穂高岳・槍ヶ岳(春)
槍ヶ岳(夏)
槍ヶ岳(秋)
立山・高瀬ダム・針ノ木岳
2003年04月28日 08:04撮影 by  CYBERSHOT, SONY
4/28 8:04
立山・高瀬ダム・針ノ木岳
キャンプ指定地
常念岳
2004年05月02日 14:40撮影 by  CYBERSHOT, SONY
5/2 14:40
常念岳
槍ヶ岳の夕景
裏銀座の夕景
2004年05月01日 18:33撮影 by  CYBERSHOT, SONY
5/1 18:33
裏銀座の夕景
有明山とご来光
2004年05月02日 04:51撮影 by  CYBERSHOT, SONY
5/2 4:51
有明山とご来光
大天井岳ヒュッテ
2003年09月14日 13:03撮影 by  CYBERSHOT, SONY
9/14 13:03
大天井岳ヒュッテ
大天井岳
2002年09月24日 10:49撮影 by  CYBERSHOT, SONY
9/24 10:49
大天井岳
高瀬ダム・針ノ木岳
2002年09月24日 10:46撮影 by  CYBERSHOT, SONY
9/24 10:46
高瀬ダム・針ノ木岳
牛首展望台からの赤岩岳と穂高岳
詳細は以下を参照 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fe/Akaiwadake_from_ushikubitenboudai_2002_9_24.jpg
2002年09月24日 10:55撮影 by  CYBERSHOT, SONY
9/24 10:55
牛首展望台からの赤岩岳と穂高岳
詳細は以下を参照 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/fe/Akaiwadake_from_ushikubitenboudai_2002_9_24.jpg
槍ヶ岳(牛首展望台より)
2002年09月24日 10:51撮影 by  CYBERSHOT, SONY
9/24 10:51
槍ヶ岳(牛首展望台より)
常念岳(赤岩岳より)
2003年09月14日 14:37撮影 by  CYBERSHOT, SONY
9/14 14:37
常念岳(赤岩岳より)
槍ヶ岳のモルゲンロート
槍ヶ岳のモルゲンロート
中岳・大喰岳
槍ヶ岳と北鎌尾根
槍ヶ岳と北鎌尾根
槍ヶ岳(東鎌最上部より)
槍ヶ岳(東鎌最上部より)
槍ヶ岳アーベンロート
槍ヶ岳アーベンロート
槍ヶ岳山頂(笠・白山)
槍ヶ岳山頂(笠・白山)
槍ヶ岳からの南アルプス
槍ヶ岳からの南アルプス
穂高岳方面の展望
穂高岳方面の展望
裏銀座前半の稜線
裏銀座前半の稜線
樅沢岳(弓折岳より)
樅沢岳(弓折岳より)
三俣蓮華岳・薬師岳(樅沢岳より)
詳細は以下を参照 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cc/Hut_Sugoroku_and_Washibadake_2004-8-12.jpg
2004年08月12日 11:16撮影 by  CYBERSHOT, SONY
8/12 11:16
三俣蓮華岳・薬師岳(樅沢岳より)
詳細は以下を参照 http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cc/Hut_Sugoroku_and_Washibadake_2004-8-12.jpg
水晶岳(三俣蓮華岳より)
2004年08月13日 15:05撮影 by  CYBERSHOT, SONY
8/13 15:05
水晶岳(三俣蓮華岳より)
槍ヶ岳(三俣蓮華岳より)
2004年08月13日 15:07撮影 by  CYBERSHOT, SONY
8/13 15:07
槍ヶ岳(三俣蓮華岳より)
槍ヶ岳・穂高岳(三俣蓮華岳より)
2004年08月13日 14:43撮影 by  CYBERSHOT, SONY
8/13 14:43
槍ヶ岳・穂高岳(三俣蓮華岳より)
三俣山荘と鷲羽岳
2004年08月12日 16:56撮影 by  CYBERSHOT, SONY
1
8/12 16:56
三俣山荘と鷲羽岳
鷲羽池と槍ヶ岳
双六岳・三俣蓮華岳
双六岳・三俣蓮華岳
黒部五郎岳
薬師岳(鷲羽岳より)
薬師岳(鷲羽岳より)
鷲羽岳(水晶小屋より)
鷲羽岳(水晶小屋より)
野口五郎岳(水晶岳より)
2004年08月13日 09:51撮影 by  CYBERSHOT, SONY
8/13 9:51
野口五郎岳(水晶岳より)
烏帽子小屋からの三ツ岳
烏帽子小屋からの三ツ岳
烏帽子岳・立山の夕景
烏帽子岳・立山の夕景
烏帽子岳頂上
シナノナデシコ
北葛岳頂上
針ノ木峠からの爺ヶ岳
針ノ木峠からの爺ヶ岳
後立山連峰
立山・剱岳(針ノ木岳より)
立山・剱岳(針ノ木岳より)
立山・黒部湖
爺ヶ岳・扇沢
 ̄躋拏命申
2003年04月27日 17:09撮影 by  CYBERSHOT, SONY
4/27 17:09
 ̄躋拏命申
大天井岳写真集
A筌岳写真集
は姫岳写真集
タ緇蹴拏命申
μ邯五郎岳写真集
μ邯五郎岳写真集
Э縫量擲拏命申
撮影機器:

感想

・コースガイド風のコメント
槍ヶ岳は、北アルプス南部のスカイツリー。
【表銀座】とは、中房温泉の燕岳登山口から合戦尾根を登り、喜作新道の東鎌尾根から槍ヶ岳へ至るルート
【裏銀座】とは、高瀬ダムからブナ立尾根を登り、野口五郎岳、鷲羽岳、双六岳を経由して西鎌尾根から槍ヶ岳へ至るルート

また西銀座ダイヤモンドコースとは折立登山口から、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、双六岳を経由して西鎌尾根から槍ヶ岳へ至るルート

今回は、表銀座を上り、裏銀座を下りに利用するルートを紹介する。ただし、下りは交通の便などを考慮して、急坂のブナ立尾根は利用せず、針ノ木大雪渓から、扇沢へ下るルートとした。
健脚の山慣れた人なら、予備日なしで、5泊6日テント周遊可能と思われる。山小屋利用で、10日程であれば、ゆったりとした稜線歩きを楽しむこともできる。

【1日目】7時間55分(中房温泉 - 大天荘)
燕岳の登山口の少し下の中房川の橋の横には、登山者用の駐車場があり、近くでは温泉が湧き出している。登山口の少し上には、中房温泉がある。タクシーとバスは、燕岳の登山口前まで入る。急登で有名な合戦尾根を上っていくと、第一ベンチがある。北側の斜面を少し下っていくと、岩の隙間から冷たい水が湧き出している。荷揚げ用のケーブルをくぐると、第二ベンチがある。樹林帯の急坂を登って行くと、第三ベンチ、富士見ベンチその先、荷揚げ用のケーブルの終点の合戦小屋(売店と休憩所のみ。 http://www.enzanso.co.jp/sansou/kassengoya.html )がある。名物は、地元の波田町のスイカで、荷揚げ用のケーブルが役立っている。
 小屋の先の急坂を登ると合戦尾根の頭の展望地がある。高山植物が咲くハイマツ帯を進んでいき、無雪期は北側のトラバース道を、春先の残雪期は稜線を直登すると燕山荘(収容人数600人、テント30張り、 http://www.enzanso.co.jp/sansou/index.html )に到着する。不要な荷物をデポして、花崗岩の奇石が並ぶ燕岳(2,763m)を往復。(余裕があればその先の北燕岳まで)小屋周辺の花崗岩砂礫地には、高山植物の女王のコマクサが自生している。
 燕岳山頂では、西方に裏銀座が見渡せる。
 燕岳や大天井岳周辺では、雷鳥、ホシガラス、イワヒバリなどが見られる。
 燕山荘まで戻り、大天井岳方面へと勾配の小さな見晴らしの良い稜線を進む。振り返ると燕岳と燕山荘が見える。
 稜線の途中には蛙岩と呼ばれる花崗岩の奇石がある。大下りと呼ばれる急坂を下り、お花畑をトラバースして、為右衛吊岩まで登り返し、お花畑を通り、切通岩のの鞍部に達する。そこには、喜作新道を開設した小林喜作のレリーフがある。猟師であり、殺生小屋を開業した人物である。大天井岳に登頂するために、分岐を左に進み、東斜面をトラバースして大天荘(収容200人/キャンプ30張可 http://www.enzanso.co.jp/daitenso/daiten_syukuhaku.html )に向かう。大天荘から山頂は近い。
 大天井岳(2,922m)山頂からは、360度の展望があり、槍ヶ岳などの絶好の展望台である。また、大天井岳は夕景やご来光のポイントでもある。

【2日目】8時間40分(大天荘 - 槍ヶ岳山荘)
大天荘からは、大天井岳の北斜面のトラバース道を下って、大天井ヒュッテ(収容80人 http://www.mcci.or.jp/www/otenjyo/ )に向かう。小屋のすぐ東には、絶景の牛首展望台がある。
 大天井ヒュッテから、お花畑のトラバース道を進む。途中の貧乏沢コルの北鎌尾根への下降点の一つがある。赤岩岳(2,768m)への痩せ尾根を登り、トラバース道を進んでいくと西岳ヒュッテ(収容人70人、テント30張り、 http://www.nakabusa.com/lodge/lodge.html )がある。稜線上から、槍ヶ岳、穂高岳、常念岳などの展望が得られる。
 ヒュッテ西岳のすぐ北にあるハイマツ帯の西岳(2,758m)の山頂からは間近に槍ヶ岳を望むことができる。
 小屋から、ハシゴや鎖のある坂を下っていくと、槍沢への下降点及び北鎌尾根への下降点の一つである水俣乗越がある。岩尾根の急坂を登っていくとヒュッテ大槍がある。(収容人100人 http://www.enzanso.co.jp/ooyari/index.html )槍を仰ぎ見ながら、岩の尾根を進み、槍の穂先の基部を回り込むと、槍ヶ岳山荘に達する。(収容650人、テント30張りの北アルプス南部の最大の山小屋、 http://www.mcci.or.jp/www/yarigatake/ )
 槍ヶ岳山頂へは、往復で約1時間(シーズン最盛期には、蟻の行列のように渋滞する場合がある。)、大部分で西側の上り、東側の下りにルートが仕分けられている。白いペイントを参考にして、三点支持を基本に慎重に進んでいく。特に前後に登山者がいる場合、浮石を落とさないように注意が必要。狭い平らな山頂の北端には祠があり、ピラミダルな北鎌独標の山容を間近に望める。また、山頂からは、北アルプスのほぼ全山、白山、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、富士山、八ヶ岳などの日本のほとんどの高山を望める最上級の展望台である。

槍ヶ岳山頂へは、往復で約1時間(シーズン最盛期には、蟻の行列のように渋滞する場合がある。)、大部分で西側の上り、東側の下りにルートが仕分けられている。白いペイントを参考にして、三点支持を基本に慎重に進んでいく。特に前後に登山者がいる場合、浮石を落とさないように注意が必要。狭い平らな山頂の北端には祠があり、ピラミダルな北鎌独標の山容を間近に望める。また、山頂からは、北アルプスのほぼ全山、白山、御嶽山、中央アルプス、南アルプス、富士山、八ヶ岳などの日本のほとんどの高山を望める最上級の展望台である。
 双六小屋からは、ハイマツ帯の急坂を登っていき、広い平らな部分の先には、双六岳(2,860m)の山頂がある。次のピークの丸山の先に、展望が良い三俣蓮華岳(2,841m)の山頂がある。
 山頂から、北東の斜面を下っていくと三俣山荘(収容70人、テント70張り、 http://kumonodaira.net/mitsumata.html )がある。


【4日目】8時間30分(三俣山荘 - 烏帽子小屋)
ハイマツ帯を通過した先から、石が散乱した急な登山道を登って行く。途中東方の下方に鷲羽池が見える。鷲羽岳(2,924m)からは、360度の絶景が得られる。
 鷲羽岳から下っていった先には、西側を巻く登山道にワリモ岳入口があり、岩場の上にはワリモ岳(2,888m)山頂がある。その先のピークの西側を巻き、登って行くと赤岳山頂直下に、小さな水晶小屋(収容30人 http://kumonodaira.net/suisho.html )がある。
 クロユリの咲く東沢乗越へ下り、痩せ尾根を登り返すと、湯俣温泉へ下る竹村新道分岐がある。真砂岳の北東斜面を巻き、石が散乱した登山道を進むと野口五郎岳(2,924m)がある。山頂からは真南に、硫黄尾根越しに槍ヶ岳を望むこができる展望地となっている。
 山頂から少し先の東側には野口五郎岳小屋(収容50人、テント10張り)がある。平坦な見晴らしの良い稜線を進んでいくと、三ツ岳(2,844m)がある。コマクサが咲く花崗岩の砂礫地を下って行くと烏帽子小屋(収容100人、テント20張り、 http://www.dia.janis.or.jp/~eboshi/ )がある。裏銀座のブナ立尾根の下山口への分岐がある。小屋の近くにはヒョウタン池がある。


【5日目】7時間30分(烏帽子小屋 - 船窪小屋)
烏帽子岳の先のニセ烏帽子岳からは、間近に鋭く尖った烏帽子岳の花崗岩の岩峰を望むことができる。烏帽子岳へは、分岐道から往復約25分。烏帽子岳山頂付近のお花畑では、シナノナデシコ、タカネナデシコ、ウサギギク、ミヤマトリカブト、トウヤクリンドウなどの高山植物が見られる。
 その先には、烏帽子四十八池がある。南沢岳(2,625m)の先、南沢乗越から急坂を登ると不動岳(2,601m)がある。稜線を一旦下り、小ピークを幾つか乗り越えると船窪岳(2,459m)がある。展望は、針葉樹林帯で良くない。その先のピークを乗り越えると、針ノ木谷へ下るコルがある。再び南斜面がガケになっている斜面を登っていくと、船窪小屋のキャンプ指定地がある。水場は、危険なガレ場を下ったところの湧水。少し離れた船窪小屋(収容50人、テント5張り、 http://photo.lomo.jp/funakubo/ )で受け付けを行う。

【6日目】10時間30分(船窪小屋 - 扇沢):針ノ木岳ピストンはオプション
船窪小屋から七倉岳(2,509m)に登り、痩せ尾根を下り、登り返すと北葛岳(2,551m)がある。山頂からは針ノ木岳と蓮華岳が望める展望地である。
 ここから、大きく下り、最後の大試練の標高差で520m程の急坂を登り返すと蓮華岳(2,798m)がある。周辺の花崗岩の砂礫地はコマクサの大群生地になっている。その先が針ノ木小屋(収容100人、テント22張り、 http://www.harinoki.com/ )がある針ノ木峠である。急な痩せ尾根を登っていくと、岩場の尾根となり針ノ木岳(2,820m)がある。山頂からは、黒部湖や立山などの絶好の展望地になっている。
 針ノ木峠まで戻り、針ノ木雪渓を下る。雪が解けた時期には、北側の斜面の夏道を通る。勾配が緩やかになると沢沿いに大沢小屋(収容20人、テント2張り、 http://www.harinoki.com/infooosawa.html )がある。巻道を進み赤沢と鳴沢を横切る。車道を横切りさらに下って行くと、終点の扇沢バスターミナルに到着する。

【関連図書】
・『ヤマケイ アルペンガイド 上高地・槍・穂高』山と渓谷社、ISBN 4-635-01319-7
・『山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地2010』昭文社、ISBN 978-4-398-75717-3 http://ec.shop.mapple.co.jp/shopdetail/001016000098/order/
・『日本百名山地図帳』山と渓谷社、ISBN 978-4-978-53055-2
http://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%99%BE%E5%90%8D%E5%B1%B1%E5%9C%B0%E5%9B%B3%E5%B8%B3-2008%E5%B9%B4%E7%89%88-%E5%B1%B1%E3%81%A8%E6%BA%AA%E8%B0%B7%E7%A4%BE/dp/4635530558
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