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積雪期ピークハント/縦走
白山
静かな白山の周回(釈迦新道〜チブリ尾根)
2016年05月14日(土) ~
2016年05月15日(日)


体力度
8
2~3泊以上が適当
- GPS
- 23:04
- 距離
- 32.9km
- 登り
- 2,777m
- 下り
- 2,754m
コースタイム
1日目
- 山行
- 11:12
- 休憩
- 0:36
- 合計
- 11:48
距離 16.5km
登り 2,209m
下り 591m
2日目
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 11:12
距離 16.5km
登り 568m
下り 2,186m
天候 | 晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
金曜日の深夜に市ノ瀬に到着して車中仮眠。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●市ノ瀬〜七倉の辻〜御前峰〜室堂 釈迦岳あたりまでの釈迦新道は特に危ない場所はないが、雪に埋まっている場所では木枝がうるさいのと、ルーファイが必要。GWにつけられたかすかなトレース以外はなかった。釈迦岳以降の釈迦新道は雪の斜面トラバースで少々ヤバイ箇所が2〜3箇所ある。12本爪アイゼンと、万一滑落したときに備えてのピッケルおよび滑落停止技術が必要。雪は腐っていてアイゼンが決まらない部分も多々あり。 市ノ瀬を出発してから七倉の辻まで誰にも会わず。七倉の辻で初めてひとつのパーティとすれ違い、ルート状況を聞かれた。七倉の辻からお池あたりまでは特に問題なし。今回、大汝峰は時間の都合で巻いた。お池から御前峰へは、雪の急斜面を斜め登高しないといけないので、アイゼン、ピッケルが必要。夏山同様に御宝庫に取り付いてから御前峰まで到達する。御前峰と室堂とのあいだの一般登山道は、下部だけ雪が残っていて、上部はすべて夏道が出ている。アイゼンは必要としなかったが、下部の雪は早朝にカチコチに凍るので、ご来光を見に登る場合などはあったほうがいい。 今回、せっかくテント泊フル装備でやって来たのに、力量不足と釈迦新道のトラバースなどで時間を食ってしまい、南竜までたどり着けそうもなくなった。結局、タイムアウトで室堂で泊まることにした。室堂の冬季小屋は、5/1からは自炊小屋となって素泊まり代金が徴収される(計算の不得意な若いニイチャンいわく)。マットと毛布4枚付で、なんと5300円だった。えーーー! 自炊小屋には15人ぐらいの宿泊者がいた。ボク以外はおそらく、別当出合からのピストンみたい。 ●室堂〜南竜ヶ馬場〜別山 あさいちに御前峰をピストンし、ご来光を拝んだ。室堂に泊まった価値があった。南竜までは展望コースを進んだ。GPS軌跡を見ていただいたら分かると思うが、標高2350mあたりで稜線を外し、アイゼン、ピッケルを使ってクライムダウンしなければならない場面が一箇所だけある。 南竜のテン場は、雪もほとんど融けて、テント適地になっていた。もっとチカラがあれば、初日にここまで来れたのにと悔やまれた。昨晩だれかテン泊していたのかどうか分からないが、今はだれもいなかった。静かで本当に居心地の良い場所だ。一番奥のバンガローから右に入ってルートに戻る。油坂の頭への取付きは、一面雪で覆われていて、沢はまだ割れておらず、難なく取り付くことができた。頂上までは急坂ではあるが、しっかり雪に覆われていて、かつ一定の斜度で登れるのでコツコツ登れば、すぐに頂上に着ける。頂上で進行ルートが望めるので、これからさきのルートを確認しておこう。 油坂の頭から別山までの白山主稜線は、夏道が出ていたり、雪の斜面をトラバースしたりするが、これまで登って来たルートと比べてそんなに難しくはなかったように思う。ピッケルで確保しながらキックステップを決めて進めば、吸い込まれそうな大斜面のトラバースも恐くはない。室堂からずっと誰一人とも会わなかったが、御舎利山を巻いた鞍部から別山山頂にかけて、10人ほどの登山者がいて、まだ山頂にもかかわらず人里に戻った感じがした。それほど静かな白山主稜線をわがもの顔で縦走できた。 ●別山〜御舎利山〜市ノ瀬 別山と御舎利山のあいだは、半分ぐらい雪稜を進み、夏道に取り付く。チブリ尾根は最初だけ雪がないが、すぐに雪の急斜面となり、長い直線的な踏み跡となる。今回はほぼ階段状になっていてアイゼンを付けることはなかったが、状況により付けたほうがいいだろう。避難小屋以降も雪の部分はあるが、危険な場所はない。それよりも登山靴の防水機能を重視したい。今回ボクは夏靴(一応ゴア)だったが、防水機能が衰えて、靴下が濡れ、そのため足先が大変痛くなった。チブリ尾根は長いので、長時間これに耐えなければならなくて、歩みもノロノロになって、とても辛かった。なにやら満身創痍状態で市ノ瀬の駐車場にたどり着いた。 - |
その他周辺情報 | 今回は、新しくなった白峰温泉総湯に初めて入りました。以前の銭湯の雰囲気が好きだったんですが、まあ時代の流れですかね。 平日は、正午〜21時まで 火曜日定休 土・日・祝日は、10時〜21時まで 650円 http://www.shiramine-m.com/ - |
写真
キバナシャクナゲと思われる群落。開花が待ちどおしい。シャクナゲは、ピンクが一般的な低山系で、白黄色は高山系。キバナシャクナゲは、ハクサンシャクナゲ(白色)より高地で生息するらしい。
感想
これから梅雨に入るまでの新緑の季節は、個人的に一年で一番大好きな登山シーズンです。そんな素敵な季節に、白山へテント泊フル装備で行ってきました。初日は、登山口となる市ノ瀬を出発してから釈迦新道を辿ったのですが、七倉の辻まで誰とも会わず、また二日目は、室堂を出発して南竜を通り、白山の主稜線を別山まで誰にも会わないというパフォーマンスの高さです。しかもずっと好天で陽射しが強く、顔の左半分がコゲてしまいました。多少、難しいトラバース部分などがあるものの、これほどまで白山核心部を独占させていただけるとは思いも寄りませんでした。静かな白山を思う存分、堪能できました。最高です。
唯一残念だったのは、初日、力量不足で南竜までたどり着けず、室堂で泊まらざるを得なかったことです。御前峰からご来光を望むというオマケを付けることができましたが、やはり南竜でテント泊をして、静かな白山を堪能したかったのです。今回は南竜もおそらく独り占めできたのに・・・と思うと残念ですが、登山シーズン初めの体力としては、ボクには限界だったろうと感じています。今シーズンもバリエーション登山に向けて精進あるのみです。
繰り返しで恐縮ですが、いまの時期において、今回のルートは一般向けではありません。安易な装備や、未熟な経験・技術で突っ込むと、取り返しのつかない事になりますので、くれぐれもご注意ください。
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室堂まで行けばお会いできたのに・・・
でも、素泊まりで¥5.3千は高すぎなのです
南竜は小屋前にテントを張った形跡があったくらいでしたが、
テン泊装備らしい方とすれ違ったので一張くらいはあったかもです。
下りはチブリ尾根なんても思いましたが、別当まで車入れているので諦めました
HELPですが、
-1:キランソウの類いでニシキゴロモ
-2:リュウキンカ
-3:ハコベの類いでサワハコベ
-4:ラショウモンカズラ
ではないかと
間違ってたらゴメンナサイ。
白峰総湯、
大学が金沢でしたので、昔のステンレス風呂の頃が懐かしいです
トモキキさん、
びっくらぽん!になるところでした
4月末まで無料なのに、5/1からいきなり夏山の素泊まり料金を、この冬季小屋泊に対してブン取るなんて、県がすることではありません!プンプンです
そうですか・・・南竜でテン泊した方がいらっしゃったようですか。南竜独り占めは、どっちにせよ駄目だったんですね。
HELPご回答、助かります。さすがですね。HELP1と3は全くお手上げでした。HELP2、4は、初めて意識した名前です。他の方のレコにもいっぱい登場してますよね。
キンダイの学生さんでしたか・・・白峰総湯そういえば、ステンレス風呂の頃ってありましたね。やたら熱かった思い出があります。
いづれ、どっかでお会いしそうで、楽しみです。
クマ
ワタクシがコメントをさせて頂くのは
とっても場違いと思いますが…
クマさん、もっともっとクマさんな風貌かと思っていましたよ。
(たとえばヒゲボーボーとか
まあ、遭遇する機会はないかもしれませんが、
いや、そうでもない、『小宝』があるか…、
覚えときますよ
へへどん、
コメント、いつでも、うえるかむです。
昔、ひげボーボーで、クマというあだ名を頂戴しました。
いまは、ビジネス上、控えめにしております。
遭遇する機会はおおいにありますよ。
京都西山の徘徊は大好きですからね!
突然出会っても、ぎゃーとか言わんとってくださいね。
小宝は、やみつきになるので、断ってます(笑)
クマ
クマさん こんばんは
Sanchanレコでニアミスのコメント見ましたよ!お会いできればさらに凄い偶然だったんですけどねぇ。七倉山に無理してでも行くべきだったかな・・
釈迦岳前峰からの景色は圧巻ですね。前回のBCではまさにあの絶壁に向かっていたので危ないところでした・・地獄谷の写真や大汝峰、エコーラインなど滑ってきた斜面を振り返る感じで新鮮な目線で拝見しました。(地獄谷は滑ってませんが・・)
テント泊出来なくて残念でしたが御来光は最高でモトとれたって感じですかね
僕もこのルート2年前から行きたいと思っていて今年こそは!と思っています。この時期はトラバースが危険なのとルーファイが必要なのでもう少し雪がなくなったら行きます!お疲れ様でした
コーエイさん、ほんま残念でした。
でも、お互い、いい感じでBCのフィナーレを飾れたことを、うれしく思います。来シーズンにつながりそうですね。
コーエイさんは、このルートをワンデイで考えているのですよね?それなら、あと1ヶ月は待ったほうがいいですね。今の状況では、雪で結構な時間を食ってしまうので、ツライでしょう。
さて、これからは登山シーズンです。BCとはカラダの使い方も、筋肉もだいぶん違います。早めにベースを造り上げて、バリエーション登山に対応できるカラダにしていきましょう。源次郎尾根から北方稜線など、プランを挙げていきますので、がんがん参加してくださいね。
クマ
クマサン、ニアミス残念でした。
koueiさんが言う通り、計画通り七倉山に行ってたらお会いできたかもしれませんね。
このルート、今の時期は技術的にも体力的にも結構辛いルートなのに歩き通してしまうところはさすがですね。
お互い事前に計画シェアしてkoueiさんの焼き肉をご馳走になるべきだったかも(笑)
猫も杓子も別当出合!
えっ? 今回は、さんちゃんまで・・・
残念ですぅ!
(あとで言い返しされそうですが、自分を追い込むためです)
とは言うものの、オヌシはこのルートをワンデイするツワモノ!
今は雪で無理なことを十分承知されているのも、さすがですね。
個人山行では計画など挙げずに、偶然に期待したいところですが、
肉食系さんちゃんのような不純な動機が湧いてきたら
それとなく計画をみせびらかすことにしますわ
グループ山行は別ですよ!
今までどうり、楽しくいきましょうね
クマ
kuma-san、バリエーションルートにテントフル装備でお疲れ様でした。
お花きれいで
鍋倉山の後のコテージ山菜宴会は一泊にさくさくの山菜天ぷら by sakusaku、
その他お腹はちきれんばかりの手作り料理で¥5,400.- でした。
朝は大盛りグリーンカレーにタケノコ汁etc.
>未熟な経験・技術で突っ込むと、取り返しのつかない事になりますので
はーい
サクサク山菜てんぷら、送ってくれ〜
特に、タラの芽のやつを希望!
ウドの柔らかいやつもいいねぇ!
でも、ちょっと最近は”食べレコ”に傾倒していない?
”山レコ”も期待してまっせ〜
クマ
テント泊装備でこの時期の市ノ瀬起点白山三山周回凄いですね。
釈迦新道や別山への縦走は静かな山旅を堪能できたようで羨ましいです。
初日に南竜まで届かなかったのは残念ですが、今の時期は静かでちょっと泊まってみたいです。
写真の解説に景色の感想だけでなくトラバース個所や滑落の危険がある場所など安全面にも注意されてる様子が感じられて流石だなと思いました。
ソウさん、
この時期の登山は、新緑がいいですね。
ボクは一年で一番好きな時期です。
ソロテント山行では、すべての判断が、
行動の良し悪しに直接かかわってきます。
その判断には、経験がモノを言います。
慎重になるべき部分は、経験から来ています。
それをちょっとお伝えしています。
また、ソロテント山行は、
単なる登山ではなくて、
旅の要素が加わります。
そのため、人ごみを避けます。
群れている人間を見ると
衆愚に思えます。
自然と対話する精神レベルが
とても高いのです。
静かな南竜テント泊、残念でしたわ。
クマ
BCが終わったと思ったら間髪入れずにこんな山行しちゃうなんて、このクマさんは休むことを知らないのですね〜。
それにしても素晴らしい、そしてうらやましい
静かな残雪期の白山主脈縦走。お花もたくさん。
これはマネしたい。
すっかり出遅れてしまいましたが、どのみちHELP MEでわかったのはその4だけでした。うーん。
カノスケどん、まいど。
このような入魂の山行レコで、花の名前を間違えるから、みんなにズッコケられるんですよね! そのせつは、サンカヨウをご教示いただき、ありがとうございました。
白山、いいでしょ!來シーズンは、是非、ここでBCスキーしましょうね!
クマ
誰もいない釈迦新道を一人歩く、いいですね。
長い長い釈迦新道、僕は上りに使う勇気はありませんが(^_^;)
2日ともの好天でご来光も拝めて、最高じゃないですか!
あと、男前のくまさんが毛むくじゃらのくまさんに出くわさず何よりでした(^o^;)
やまちゃん、まいど。
やっぱ、山は静かなほうがいいですし、
ソロテント山行は、むしろロングルートに似合います。
釈迦新道も、長さなら、チブリ尾根と同じようなものですよ。
チブリ尾根をピストン出来るのなら、全然問題なしです。
このようなロングルートは、
旅をしている感覚で、自然と関わりながら登っていけばいいわけで、
目標はともかくとして、経過を楽しむ考え方ですね。
油坂の頭は、熊の足跡にキックステップを差し入れながら登りました。
ワイルドだろ?(古っ!)
クマ
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