白峰三山縦走・・初日はガスガスながら二日目は絶景を眺めながらの天空のお散歩
- GPS
- 33:54
- 距離
- 24.7km
- 登り
- 2,620m
- 下り
- 3,281m
コースタイム
- 山行
- 6:54
- 休憩
- 1:08
- 合計
- 8:02
天候 | 初日:霧雨のち雨はやむものの終日ガス(夜は雨) 二日目:出発時(5時半)はガスが掛かっていたが、その後晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2016年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
写真
感想
会社の登山愛好家たちとの年一回のアルプス縦走。
今年は、日本第2、第3の高峰、北岳、間ノ岳を含む南アルプスの白峰三山縦走を計画した。
関西では梅雨明けした後も、関東方面は何やらすっきりしない天気が続いているようだったが、梅雨明け期待でいざ、日本最高所の稜線へ。
夜行で車を走らせ、深夜に奈良田駐車場に到着して、仮眠。広い第2駐車場に駐車したため、始発で乗ることができず5時35分発のバスは既に一杯。ここから乗った乗客は、広河原までのくねくね道を1時間ほど立ちづめで移動したものだった。
広河原のビジターセンターで登山届けを出して、雨具の準備して、出発。霧雨に当たりながらの登山はただ下を向いてゆっくりと上がるしかない。
こういう時は結局高山植物を楽しむことになる。あれは何、これは何、ってあやふやの花の名前をご披露。。聞かされた人も迷惑だったのではと。
二俣では多くの人が肩の小屋方面へ行くのと別れて沢を更に詰めていく。雪渓もだいぶ小さくなっていて、雪渓上を歩くことは無かった。八本歯ノコルの下から始まる丸太梯子は何段にも続く上に段々足も上がらなくなってくるので結構きつかった。
コルへ飛び出す手前で上空に青空が覗いて一喜一憂する。コルの手前辺りで今まで見たことの無い花を見かけ、これがひょっとしてキタダケソウ?なんて喜んだのだが、後で小屋の人に確認したら違っていた。考えてみたらキタダケソウは6月初旬頃の雪解けに合わせて咲くハクサンイチゲに似た花なのでさすがにもう遅いだろうし、形も違っていたようです。
八本歯のコルから先も次から次に続く丸太梯子とゴロゴロした大きな岩を縫いながらの登りに辟易とする頃、漸く北岳山荘へのトラバース道分岐に到達すると、そこには数人のテレビロケの人達が撮影しているところに出くわした。丁度、北岳方面から下ってきて、これからお花畑の広がるトラバース道へ進むという設定だったようで、ガイドの男の人と女性のキャスターさんが通り過ぎるシーンだった。でも、このガスの中での撮影ではいまいち映像的に残念だなと思ったりした。
我々もこの地点にザックをデポして北岳山頂をピストンすることにした。
身軽になった身体で山頂を目指す。40分ほどで到達した日本第2の高峰北岳山頂は、さすがに多くの登山者で賑わっていた。ただ、真っ白なガスの中展望は何もなく、残念だった。
ザックをデポした分岐へ戻ってお花畑の中のトラバース道を1日目の泊地である北岳山荘へ。。
1日目は、ついにガスが晴れることもなく、夕方から夜にかけては雨も降っていた。
二日目、いよいよ間ノ岳、西農鳥岳への日本で最も高い稜線を縦走する。早朝未明、東の空がほんのり赤く染まり出し、富士山が雲海の上に現れる。そしてボーコン沢の頭の横からご来光まで見られ、この日の縦走の期待が高まった。
5時半の出発時は、まだ薄っすらとガスが掛かっていたが、そのお陰で美しい御来迎(ブロッケン現象)を見ることができた。
この日最初の3,000m峰の中白根山に登るうちガスはすっかり晴れ、北に北岳、仙丈ヶ岳、南に間ノ岳のダイナミックな姿が現れた。中白根山から間ノ岳へは標高3000mの稜線、意外と遠い間ノ岳への道のりだが、素晴らしい展望と高山植物を楽しみながらの雲海の上のまさに天空のお散歩コースだった。
そしてたどり着いた間ノ岳(3,190m:日本第三位)の山頂からの360度の展望は最高。南に西農鳥岳、塩見岳、荒川岳、赤石岳などの南アルプス南部の3,000m峰が連なる。東には富士山(日本最高峰)、北には前日登頂した北岳(日本第二位)を始め、仙丈ケ岳、甲斐駒ケ岳、八ヶ岳、鳳凰三山などに加えて遠く槍・穂高から後立山連峰に至る北アルプス、そして西には中央アルプスの山並み、、一体幾つの日本百名山が見えているのか数えたくなる位だった。
パノラマを満喫して、白峰三山の最後農鳥岳を目指す。まずは、標高2,800mの農鳥小屋へ400mの下り。小屋の少し手前で仙塩尾根へのトラバース道(三国平の標識有り)を右側に分ける。農鳥小屋は標高2800mの稜線上、下ってきた間ノ岳とこれから向かう農鳥岳のダイナミックな山容を前後に望む展望台である。トイレが外部だったり、宿所も土間から直接だったりで設備的には北アルプスの小屋とは比べるべくもないが、長い稜線上の貴重な山小屋と言えそうだ。民宿の看板があったのを写真に撮っていたら管理人のおじさんから大門沢小屋に14時までに降りるようだったら一気に奈良田まで下った方が方が温泉にも入れてご飯もおいしい、ゆっくり寝られるよってアドバイスを貰った。元々、計画は大門沢小屋泊りではあったが奈良田まで降りられたらという考えも有ったので、とりあえず大門沢小屋に着いて判断しましょうということで出発することにした。
西農鳥岳への登りはザレた岩交じりの上、なかなかに急だった。また、農鳥岳へ向かう途中辺りからガスが上がってきてしまい、周囲の展望が限られてきたのは残念だった。それでも11時前に大門沢への下降点を通過。。この日、ずっと前後になってきた栃木県の鹿沼東高校の登山部の20数名のグループと一緒に大門沢小屋を目指した。下降点の標高は2820mなので小屋までの標高差で1000m、奈良田までの標高差は実に2000m、これまで経験のない一気下りが待っていた。大門沢が左側から近づき、何本かの支沢を横切ると下降点から2時間半で小屋に到着した。
高校登山部のグループを含めてほとんどの人達が小屋泊まりにする中、温泉の誘惑に勝てず30分の休憩の後に奈良田への下山を決行。若い高校生たちが沢で水浴びをして遊ぶ中、橋を渡って樹林の中の下山路を下る。ただ、大門沢は小屋を含めて発電所へ降りるまで携帯電話が通じる場所が無いので民宿への連絡は降り切るまでできないので注意である。
2時間弱でダム(発電所の取水口)を通過、そのすぐ下の大規模な砂防ダムを過ぎると漸く林道に降りる。後は、発電所まで2km、奈良田まで4kmの林道歩きである。
もう足はパンパン、トボトボと歩いて第一発電所のバス停に到着した時、民宿「えびなや」さんの車が待っていた。先行したdexorosyroさん達が民宿と連絡を取って迎えに来てもらったようで、正直ホッとした。
駐車場経由で宿まで送ってもらい、更に天然の「奈良田の里温泉 女帝の湯」までサービス券付で堪能し、充実の縦走を終えることができた。
自分にとって白峰三山縦走は、学生時代以来の42年ぶりだった。何十年経っても変わらぬ雄大な景観とお花畑を改めて満喫できたことは素直に嬉しかった。やっぱりアルプス登山は素晴らしい。。
今回の歩行距離:25.9km 2016年の累積距離:406.2km(27回目)
1日目:7.9km、 2日目:18.0km
今回の累積標高:2,939m 2015年の累積標高:33,395m
1日目:1,803m、 2日目:1,136m(下降は3,134m)
chamchanさん, dexorosyroさん、こんばんは。
雲の上から顔を出す、富士山を横手に見ながら歩くのは南アルプスならではで、
北岳、間ノ岳、農鳥岳へと続く天空のハイウェイは最高の縦走路ですね。
北岳は相変わらずかっこ良い。大門沢下降点からの奈良田への急降下は、とっても長くて膝に厳しそうです。
農鳥小屋の名物おっちゃんは、私に「笹山の稜線がとっても良いよ」と勧めてくれました。いつか笹山ダイレクト尾根を歩いてみようと思います。
kickeyさん、こんにちは。いつもコメント有難うございます
今回は、関東地方の梅雨明けが遅れる中、不安定な天気が
続いていたので初日のガスガスでダメかなあと諦めていた
ところでしたが、二日目が奇跡的にも思えるような好天に
なって本当に良かったと思いました
kickeyさんのような大縦走とは比べるべくも有りませんが
これはこれで自分にとって40年前を思い出しながらの楽しい
山行でした。
本当に南アルプスの山容はゆったりしてダイナミックです
農鳥小屋の管理人さんは、名物おっちゃんなのですか、
やっぱり。実のところ結構遠慮して書いたのですが、実際には
男だったら下ってみな!くらいの感じに焚付けられたのが
本当の所でした。でも正直頑張って良かったって思いました。
今回は若い仲間たちにも引っ張ってもらいました
それと、「笹山」って実は3日目の早朝に奈良田を散歩したとき、
奈良田湖にかかる吊り橋に「笹山」の標識が付いてたんです。
これはどこか奥にある集落なのかなくらいに思っていたので
すが、笹山というのは広河内岳から南に延びる尾根上の
黒河内岳のことだったのですね。
是非、ご一緒させてもらいたいところだけど、そのコースだと
小屋もないので自分には無理ですね。。
行けば行くほどに次から次に行きたいところができるって
山歩きの醍醐味なんでしょうね。。
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