大峰奥駈道(吉野から熊野へ)
- GPS
- 98:01
- 距離
- 103km
- 登り
- 7,145m
- 下り
- 7,313m
コースタイム
- 山行
- 4:34
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 4:51
- 山行
- 11:21
- 休憩
- 1:28
- 合計
- 12:49
- 山行
- 10:20
- 休憩
- 1:32
- 合計
- 11:52
- 山行
- 10:34
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 11:44
天候 | 10/12 晴れ 10/13 曇り時々晴れ 10/14 曇り一時晴れ 10/15 曇り 10/16 曇り時々晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
熊野本宮大社から新宮駅:バス 新宮駅から名古屋駅:JR特急南紀 |
その他周辺情報 | 下山後、湯の峰温泉公衆浴場利用 6:00〜22:00 大人¥250 ※石鹸・シャンプー等の設置無し |
写真
感想
1度歩いてみたいと思っていた大峯奥駈道。
山と高原地図を買ったのは3年前。
今年のG.W.に6連休を確保するも、踏ん切りがつかず不発。
今回、天候に恵まれ、無事に歩き切ることができました。
まずは、距離が長いので計画立案が難しかったです。
当初4日間で検討を続けていましたが、どうしても歩けそうなプランにならない。
5日間へと変更するも、アクセスに余裕は出ましたが、行程は劇的に楽にはなりませんでした。
2日目はコースタイム14時間以上ですが、そこを2時間位削れるだろうとの胸算用で臨みました。(結果的に甘い考えだったことを思い知らされました。)
1日目
10時半前に近鉄吉野駅下車。
ちょっと駅のトイレ(ウォシュレットですごくきれい)に寄ったら、目の前でロープウェイが出発してしまった。
次は15分後だったので歩きましたが、いきなりの急坂でした。
吉野山駅からは観光気分。
蔵王堂は立派でした。
途中で、2日目の昼用に柿の葉寿司を購入。
良いお天気ですが、左足の付根に痛みが走り嫌な予感が生じます。
吉野の散策も金峯神社で終わり、そこから少し上って山道に入りました。
青根ヶ峰手前で昼休憩中の林業関係者が今日会った最後の人達でした。
その先ものんびり歩き、ニ蔵宿に泊まりました。
2日目
今回一番長く歩く予定の日。
4時過ぎに小屋を出発しました。
しかし、早くも大天井ヶ岳からの下りで古傷の左膝靭帯が痛み出しました。
それでも山上ヶ岳の周辺は行場などの見どころも多く、楽しめました。(その分時間もかかりました。)
山上ヶ岳には誰もいませんでした。
小笹ノ宿で長めの休憩を取った後、再び歩き出しますが足どりは重い。
リスクを承知で、ペースアップのため今補給したばかりの水を1L捨てました。
大普賢岳からは山上ヶ岳がよくみえました。
しかし、その後の国見岳から稚児泊へは急激な下りで、膝に大きな負担がかかりました。
七曜岳に着いた頃には、フラフラで集中力もなくなり、このまま歩き続けたら滑落や道迷いなどの致命的なミスを犯しそうな危険を感じました。
一旦、行者還避難小屋泊まりに計画変更しました。
しかし、行者還岳をピストンする間、ザックをデポして身軽だったので、少し冷静に考えることができました。14時間強の行程の4時間分を、11時間強の明日に繰り越したら、奇跡が起きない限り消化できないだろう。予定通り5日間で歩き切るためには、今日は何としても弥山小屋まで行くしかない。
行者霊水をチャージし、行者還避難小屋で長めの休憩を取ったのち、覚悟を決めて歩き出しました。
既に疲れた体、一旦切れた気持ちで、コースタイム4時間のところを3時間で歩くことができました。
我ながら意外とやるなと思いました。(自画自賛)
何とか弥山小屋に辿り着き、泊まれることが確定した時には、正直ホッとしました。翌日のお弁当も作ってもらうことができました。ここに営業小屋があって本当に助かりました。
今日の宿泊客は、2人でした。(小屋はすごく大きくて立派でした。)
3日目
2日目まで予定通りこなせたので、少し安心していましたが、そう甘くはありませんでした。
ほんのちょっとした下りでも左膝が痛み、全然ペースが上がりません。
そんな中、比較的平坦で五鈷峰から舟ノ垰の間を気分良く歩いていると、赤い木の実がたくさん入った糞がありました。すごく新しいものではないので、さほど気にしなかったのですが、その先で視界が開けたら動く黒い物体が目に入りました。クマでした。
向こうの方が先に気付いたようで、40M位前を谷の方から樹の茂みを目指して駆け上がって行きました。きれいな毛並みで軽快に走り、「自分もあれ位動けたら、もっと楽しいだろうなあ」と思いました。
釈迦ヶ岳山頂からは、周りの山々が良く見えました。10人位の人達と一緒になり、小屋で作ってもらったお弁当をありがたくいただきました。
その後南奥駈けに入りましたが、「この先のピークは全部巻いて行きたい」という気持ちでした。
結局、コースタイムをオーバーして行動終了となりました。
かろうじて、ライトが要らないうちに持経ノ宿に着きました。
小屋では、予想に反し神奈川からの女性2人組と御一緒となりました。
水場も近く、電気も付いて(100円/2h)快適な小屋でした。
4日目
昨日の反省から、4時過ぎに歩き出します。
玉置神社駐車場売店の営業時間内に辿り着き、栄養を補給したいとの思いから、気合いは充分です。
真っ暗の中の林道では、この道で正しいのかと不安にもなりました。
気合いはあっても、左膝の痛みは変わらずペースは上がりません。
抜本的な改善が必要なので、途中からダブルストックを投入しました。
駐車場でのチェルト泊のポール用を主用途に持参したストック。
今回最も活躍したアイテムでした。
可変長のダブルストック。多分、これなしでは計画通り歩くことは無理でした。
行仙岳には電波塔が立っていました。
笠捨山には2つ反射板が有りました。
地蔵岳は鎖場も多く、結構険しかったです。
いくつもピークをこなし、何とか、16時頃に駐車場到着。
売店では、ビール2本、こんにゃく2皿、しいたけうどん1杯をいただきました。
翌日の昼用にさんま寿司も購入しました。
夜は、風でポールが倒れたり、結露の滴りが顔に落ちてきたり、時々車がやってきたりと、熟睡とはほど遠い状態でしたが、予想の範囲内なので不満は感じませんでした。
5日目
最終日ですが、本宮大社までは8時間以上かかるので、今日も早立ちします。
歩くのを楽しむというのとはほど遠く、ひたすら次のポイントを目指して歩きました。
七峰越の手前で、大斎原の鳥居が見えた時はうれしかったです。
熊野川の河原に到着し、靴と靴下とタイツを脱いで、川に入ります。
瀬踏みがいい加減で、水深が膝近くになった時にはこけそうになりましたが、なんとかストックを突いて持ちこたえ、渡り切りました。
その後は大斎原に上がり、観光客に交じって本宮大社へ向かいました。
今回の山行、私の経験の中では間違いなく一番ハードなものとなりました。
1日10時間を超えて行動すること自体かなり珍しいですが、それが3日間続きました。
大汗かきで普段は水をたっぷり持つのですが、今回は軽量化との兼ね合いで、初日以外は全て行動中に使い切りました。
秋で気温が丁度良かったこと、全く雨が降らず天候に恵まれたことから達成できた本当に”ギリギリ”の山歩きでした。
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