八丁山〜鷹ノ巣山〜ネズミサス尾根下降失敗〜奥多摩駅
- GPS
- --:--
- 距離
- 19.0km
- 登り
- 2,008m
- 下り
- 2,285m
コースタイム
- 山行
- 11:07
- 休憩
- 0:43
- 合計
- 11:50
天候 | 晴れのち曇りのち少雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
八丁尾根:八丁山手前の岩稜帯の通過に注意 鷹ノ巣尾根:ヤセ尾根が続くので足元注意。最後の急登は道形不明瞭になるが直上すればヒルメシクイノタワの道標真裏に出る ネズミサス尾根下降:先週登ったばかりなのに下降したら迷ってしまった。GPSを忘れたのが敗因。恐らく隣のカラ沢尾根を下ってしまったのではないかと思う。下部は急峻な岩場になりこれ以上の下降は危険と判断し引き返した。 ※後日確認し、やはりカラ沢尾根に迷い込んでいたことにほぼ間違いないと結論しました。 |
写真
装備
備考 | GPSなしで道のないルートを降る危険性を痛感。おまけに、コンパスも狂っていた。通常使わないものでも、山行前に状態を確認しておくべきだった。 追記:下山後調べたところ、コンパスの狂いは電子機器による磁針の反転によるものと推定されました。このコンパスの回復を試みた結果はヤマノートに掲載しました。 http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=1792 |
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感想
今日はタワ尾根方面を目指していたが、日原集落の先で、工事中のため通過はしばらく待てと言われた。時間がもったいないので、東日原の駐車場に引き返しルート変更。紅葉で程よく色付いている八丁山から鷹ノ巣山を目指すことにした。下降は状況次第だが、先日登ったネズミサス尾根が歩きやすかったので下ってみたい。予定変更を家族にメールし歩き出す。
ここでGPSを忘れたことに気付いたが、八丁山からのルートは登ったことがあり、迷うような箇所はほとんどなかったと記憶しているのでとりあえず取付きの仕事道に入る。よく踏まれた明瞭な道で、小屋跡の釜やカマドも前回通り。やがて明るい自然林に出ると踏み跡は薄れる。前回はすぐに稜線に上がったが、今回は植林帯の上縁を巻き気味に斜上してみたところ、思った通り伐採跡に出た。ここは稲村岩尾根の全貌がよく見える場所で、ちょこんと突き出た稲村岩が新鮮だ。
ここから暗い植林の中を鹿柵沿いに登ってゆく。やがて植林帯が終わり30分ほどで岩稜が始まる。ここからがこのルートで最も楽しいところ。やや高度感はあるものの慎重に行けば難しくはない。何より眺めが良く、奥多摩では貴重だ。八丁山から先は鷹ノ巣尾根と呼ぶようだ。お伊勢山までは細い稜線が続くがそれほど危険は感じない。
巳ノ戸の大クビレに降り立つ。ここはかつて巳ノ戸林道と呼ばれる登山道が通っていて、私も十代の頃何度か歩いた。確か鷹ノ巣避難小屋のある巳ノ戸の大クビレに直接出られたはずだが、今は大崩落して廃道となってしまったようだ。
痩せ尾根は終り、巨木が混じる美林を楽しみながら登ると、急斜面となる。踏み跡が分散していてどう歩こうか迷うが、とにかくひたすら登るとヒルメシクイのタワに飛び出した。鷹ノ巣山までは一般道を一登りだ。誰もいない鷹ノ巣山でしばらく展望を楽しむ。浅間尾根がだいぶ色付いてきている一方、山頂周辺の紅葉はそろそろ終盤だ。
カラ沢の頭で腕時計の高度計を補正しコンパスを出す。しかし方向が変だ。ザックに入れたまま長い間使っていなかったが、どうも狂ってしまったようだ。ここで引き返して稲村岩尾根を下ることも頭をよぎったが、これも腕時計に付いているコンパスで間に合うだろうと強行を決意。後にこの判断ミスを後悔することになる。
尾根筋には標柱や赤テープが時々あり快適に下れる。高度計が780mを示したあたりで岩場に突き当たる。ここで尾根を外れ植林帯を下るはずなのだが様子がおかしい。しっかりした仕事道があった筈だが、ほとんど道形がなくはるかに急だ。また、赤テープが2−3あったと記憶しているがここには全くない。それに、標高はもっと低かったはずで、日原川の音が聞こえるぐらい近かったと思う。長めのロープを持参しているので強引に下り仕事道を見つけることもできるかもしれないが、リスクが高いので、とりあえず引き返すことにした。
地形図から、ネズミサス尾根末端近くで右に分かれる枝尾根に迷い込んだと想定し、登り返しながら正しいと思われる尾根を探したが、それらしい尾根がない。ひょっとしたらカラ沢尾根に入り込んでしまったのか?時折高度計とコンパスで確認していたつもりだったが、その可能性も捨てきれないので、尾根が分岐する標高1350mあたりまで登り返さないと判断できない。この時間だとじきに日没なので再下降はかなりの危険を伴うし、再度間違えたらもう引き返す体力はないだろう。いっそのことカラ沢ノ頭まで引き返し、石尾根を下るのが最も安全と判断した。
暗くなってきても登りは迷いようがない。しかし体力は限界に近付いてきて、足が頻繁に攣る。非常用のカロリーメイトゼリーを忍ばせていたことを思い出し、何口かすすると効果てきめん!痙攣がスッと治まった。喘ぎながらカラ沢の頭に辿り着いたのはちょうど18時、あたりは真っ暗だ。ポツポツと小雨も降り出したので雨具を着用し石尾根を下り始めた。
思った通り、多くの人が歩く道なので、ヘッドランプの限られた視界でも道形がわかり易い。途中、六つ石山から水根に下ることも考えたが、傾斜が急だしハンノキ尾根に迷い込んだら大変だ。ひたすら石尾根を、道を外さないように注意しながら下り続けた。途中ガサガサ物音がしたり、光を森に向けると目が光ったりするのでちょっと怖い。それにしても石尾根は長い。奥多摩駅に到着したのは21時を回っていた。
ネズミサス尾根は過去に道迷い遭難が発生しているようだ。私の場合、ほんの1週間前に登ったばかりという油断が慎重さを欠いた行動に結び付いたのだと思う。バリエーションルートでは登りと下りは全くの別物と考えるべきだ。後で調べたら、カラ沢尾根の最下部には急峻な岩場があり下降にはかなりの危険が伴うことが判明。強行せず引き返した判断は正解であった。
GPSを持参しなかったこと、長期間放置していたコンパスが狂っていたこと、にもかかわらず下降を決断したこと…こういうミスの積み重ねが事故に結び付くのだなー、と反省。
こんにちは。
カラ沢ノ頭から標高差700m(ほぼ尾根も終盤)も下降してなお2時間余の登り返し、足攣り、小雨にもめげず無事生還されたのは判断力&精神力あってのことでしょう。敬服致します。
ネズミサスやタル沢のルートは守屋MAPを眺め「いつかは・・・」と思ってますが、金元副隊長の救助本にもたびたび登場するエリアで、北斜面、支尾根多数、”みん足”でも踏み跡が疎と(特に下りは)躊躇しております。
おそらく体勢を立直し、GPS携えてリベンジされるのではないでしょうか。その時はお気をつけて。(レコ楽しみにしてます)
コメントいただき有難うございます。
ご指摘の通り最後の最後でルートミスと判明した時はあせりました。振出しに戻ったようなものですからね。鷹ノ巣避難小屋で一泊、とも考えましたが、もし携帯が通じなかったら家人が心配し救助隊…となり大ごとですので、最も安全な石尾根を下ることにしました。
当然、検証も兼ねてリベンジを考えております。できればカラ沢尾根を登って確認しネズミサス尾根を下りたいところですが、カラ沢尾根下部は難しそうなのでかなり気合を入れないと無理かもしれません。
ネズミサスは登りなら危険は少ないのでぜひトライしてみてください。日原はいいですよ〜
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