登山者救助現場に遭遇した空木岳
- GPS
- 31:30
- 距離
- 19.7km
- 登り
- 2,243m
- 下り
- 2,243m
コースタイム
⇒ 15:00 駒峰ヒュッテ(泊)
17日 04:30 駒峰ヒュッテ⇒ 04:40 空木岳山頂⇒ 05:50 赤椰岳(あかなぎだけ)⇒ 06:55 南駒ヶ岳⇒ 08:00 赤椰岳⇒ 09:30 空木岳⇒ 09:35 駒峰ヒュッテ10:00⇒ 10:50 空木岳避難小屋分岐⇒12:50 尻無⇒ 13:15 池山小屋入口(水場)⇒ 14:20 池山林道終点池山空木岳登山道入り口⇒
14:35 三本木地蔵下林道登山口
天候 | 16日 晴れのち曇り 17日 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
手前を左折して別荘地内を抜け池山林道を登って行きました |
コース状況/ 危険箇所等 |
車で菅ノ台バスセンター手前を南に左折して迷いながら別荘地内を上り,池山林道三本木地蔵下の林道路肩に車を置きました。 林道終点手前路肩崩壊のため通行止めになっており、林道ゲートまでしか車で行けませんでした。ゲート横の駐車場はすでに満車状態で車を置けるスペースは無く路肩にも駐車してあり車を置くのに手間取りました。 「池山空木岳登山道」の道標が有る所から登り始めると直ぐに三本木地蔵があり登って行くと再び林道に出て、林道終点になり広い駐車場があり脇には東屋とトイレがあり本来ならばここまで車で来れるようでした。 登山届のポストに登山届を入れてなだらかな登山道を大きくじぐざぐに曲がりながら笹に覆われたカラマツ林の中を登り池山山頂をめざしました。 標高1773.8mの池山は樹林の中にあり三角点がぽつんとあるだけの寂しい山頂でした。少し下がると避難小屋とこのルート最後の水場がありザックを下ろして一息入れました。 さらに登って行くと太い幹の広葉樹林帯に入り、アルミ製と鉄製の階段やクサリ場が現れて勾配も急になり滑落しないように注意して登りました。 空木岳避難小屋分岐を過ぎると展望が開けてハイマツ帯の中に駒石などの大きな岩の奇石が現れて日本庭園のようでした。 ガスの切れ間から下を覗くと眼下には空木岳避難小屋が見え、近くには登山者の姿も見えました。 駒峰ヒュッテに到着すると空木岳山頂が間近に見えましたので、しばらくの間テラスから見上げたり太田切本谷の景色を眺め今日の疲れを癒しました。 駒峰ヒュッテは今日から小屋番のスッタフが常駐するようでした。寝具無で3500円の宿泊代を払い二階に上がりザックを置ました。 缶ビール500円を買い一階のテーブルで持参したきゅうりとピーナツをつまみながら単独行の人達との話が盛り上がり、日本酒もザックから取り出して飲んでしまいうきうきした気分になりました。 夕食はコンビニのおにぎりと冷やし中華を食べて早めにシェラフに入り就寝しました。 翌日は身支度の音で目が覚め窓から外を覗くと天気が好く明るくなり始めていました。急いでシェラフをたたみ、標高2863.7mの空木岳山頂へ向かいました。 360度見渡せて駒ヶ根市内は雲海に覆われてその奥に南アルプスが見えていました。日の出に間に合い太陽に照らされた山は黄金色に染まりとても美しく魅力がありました。 赤椰岳へ向かい下がって行くと小ぶりですがウスユキソウがたくさん咲いていました。 標高2798mの赤椰岳を過ぎると擂鉢窪避難小屋からの登山道脇にはシナノキンバイなどのお花畑があり見ごろでした。 標高2841mの南駒ヶ岳山頂に着くと今春登頂した南木曽岳と恵那山が見えその時の景色が頭に浮かびました。 南駒ヶ岳は展望が良く空木岳と比べても見劣りしませんでした。 来た道を空木岳へと戻り駒峰ヒュッテに下がった時、長野県警のヘリコプターが飛来してきて空木岳山頂で登山者を救助するところを見ました。感想のコーナーで改めて書きます。 昨日登ってきた道を戻り車を置いてある池山林道に到着しました。 |
写真
感想
中央アルプスにはロープウエイで千畳敷に上がり木曽駒ケ岳に数回訪れたことがありますが,いずれの時も天候に恵まれず雄大な山容を見たことはありませんでした。
今度こそはと気合を入れて池山尾根から登り空木岳と南駒ヶ岳に登頂することにしました。
宿泊した駒峰(こまほう)ヒュッテはきれいな避難小屋でした。基本的には寝具、食量、水は持参するのがたてまえですが、夏山シーズンに入り小屋番がおりましたので有料でシェラフを借りることもでき、カップ麺や水も販売していました。
小屋番が常駐していない時は自己申告で使用料を料金箱に納めるシステムになっていました。
登頂した百名山の中でもでも、空木岳は何回も登ってみたい魅力ある山になりそうです。
小ぶりでしたが初めて見たウスユキソウの可愛い花の群生地、百離淵のシナノキンバイが主力に咲いていたお花畑は丁度見ごろで心が和み最高の気分を味わい幸せを感じさせてもらいました。
南駒ヶ岳は空木岳に劣らずお気に入りの山になりそうです。山頂からは今春登頂した南木曽岳と恵那山が見えその時の風景が頭の中でよみがえりました。
越百山(こすもやま)に続く柔らかい女性的な稜線尾根を眺めていると歩いてみたい気持ちが湧いてきました。
空木岳戻る時空木岳山頂木曽殿越寄りで数人の登山者が動いているのが見え一人は銀板みたいな物を持っていました。撮影でもしていると思い込み空木岳山頂を避けてヒュッテに下がりました。
ヒュッテ到着寸前にヘリコプターのエンジン音が聞こえてきて、長野県警のヘリコプターが飛んできました。
小屋番の人に尋ねると30代の男性が心拍停止だと登山者から通報があり、ヒュッテから110番したといっていました。
ヘリコプターは山頂を旋回してからホバーリングして救助隊員を吊降ろしていったん現場を離れて旋回しました。再び現場上空に戻り登山者を吊り上げて麓に立ち去りました。
小屋番の男性が銀マットを抱えて山頂から降りてきました。途中で見たのは銀マットでヘリコプターに位置を知らせるために使用したとわかりました。
ロープウエイを利用して千畳敷から縦走して来ても標高3000mちかい空木岳は簡単に登れる山ではありません。
標高差は大したことは無いように見えますが距離があり累積標高差はかなりの高さになると思います。
ある程度の体力と高度順応ができていないと事故につながると思います。
「参考情報」池山尾根で出会った登山者の情報です。18日三ノ沢岳で再会した時お話したことと一致しました。
岩のトンネルをくぐって、もう少しで木曽殿山荘という地点で真下の岩場に黒い足だけが覗いています。
何事?と覗くと30代くらいの男性2人パーティーのひとりがバテて岩場の登山道でまるっきり動けなくなっていました。
とはいえ私も進まないわけにはいかないので、バテた男性を踏まないようにガケ沿いに設置された木の手すりに身体を預けるようにして移動。が、手すりの木のささくれが1.5センチほど右手中指に刺さってしまいました;
動を続けることも出来るけど、今後の岩場の通過や化膿することを予測すると、
すぐに除去したほうがいいなと判断して、その場で処置。
ピンセットは持ってきてないし、あったとしても残りそうなので、ハサミで皮膚ごとカットして、ささくれを除去。ちょうど化膿止めの軟膏も持ってきていて、塗った上から傷テープを貼付。
そんな処置の間に2人パーティーと会話を交わすも、バテている男性は実際できるわけのない「登山をリタイヤする」発言…他にも息切らしつつ喋っているのですが、単語自体ははっきりしてるものの、文章として成立しておらず、錯乱してるような雰囲気。
塩分や水分は摂取していて、前日は木曽殿山荘に宿泊し、登り始めて30分とのこと。こんなにバテてしまうものなのかしら??しかも、錯乱って…
同行者の男性が「こんな岩場ではヘリも降りられない。まず、駒峰ヒュッテに行こう」「そしたら、どんだけ寝てもいいし、ヘリだって呼べるんだから」と。治療が終わり、2人パーティーとそこで別れました。
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