祖母谷温泉ラウンド〜紅葉の北アルプスマイナールート〜
![情報量の目安: S](https://yamareco.info/themes/bootstrap3/img/detail_level_S2.png)
![都道府県](/modules/yamainfo/images/icon_japan_white.png)
- GPS
- 33:52
- 距離
- 38.2km
- 登り
- 3,867m
- 下り
- 4,511m
コースタイム
- 山行
- 7:41
- 休憩
- 0:46
- 合計
- 8:27
天候 | 【2017/10/08】晴れ、季節外れの残暑 http://www.tenki.jp/past/2017/10/08/chart/ 【2017/10/09】晴れ、季節外れの残暑、午後から雲が湧き日没後に通り雨 http://www.tenki.jp/past/2017/10/09/chart/ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
【八方池山荘(1840)〜唐松頂上山荘(2640)】 よく整備されており非常に歩きやすい。 注意すべきは人の多さとよく磨かれた岩。 ハイシーズンや連休は混雑し通過に時間がかかるため朝一便での出発が吉。 チケットセンターも大混雑するため、遅くとも始発1時間前には並びたい。 往復の場合は事前にコンビニ等で前売券の購入がおすすめ。チケット購入の長蛇の列をパスできる。 チケットは各種割引があるので会員証持参のこと。 (往復:モンベル、JAF等、片道:JRO) 【唐松頂上山荘(2640)〜大黒銅山跡(1840)】 登ってきた800mを一気に800m下降。 唐松山荘のテン場を縫って下降開始。テン場から先は踏み跡薄く足元の細いガレ場のトラバース。鎖やロープも数箇所あり。3点支持で確実に。 唐松山荘を見送る尾根を過ぎて、つづら折れの樹林の急坂に入ると、道幅広くふかふかで歩きやすい。 下りきると池や池塘が登場。ひとときの天国感。 大黒道山跡は平らで風も遮られ水場も近い(往復約15分)ため、緊急時のビバーク適地。 携帯電話は圏外(ドコモのみ確認) 【大黒銅山跡(1840)〜餓鬼山(2128)】 800m下降した直後に300mの急登。 細かいアップダウンを織り交ぜた急登、幾度となく現れる偽ピーク、盛夏を思わせる季節外れの昇温と快晴も手伝ってかなり削られ、ピーク手前でたまらず大休止。大黒道山跡で1本休憩を入れておけばよかった。 餓鬼山ピークは展望が抜群。普段目にすることのない五竜、唐松、天狗の裏側の山容が素晴らしい。 携帯電話は電波掴むが弱い(ドコモのみ確認) 【餓鬼山(2128)〜餓鬼山避難小屋(1840)】 ザレた崩落地、ヤセ尾根の樹林帯、剥き出しの木の根、連続するハシゴ等々、アトラクション満載の急坂でペース上がらず。マイナールートだが危険箇所の多いセクションのためか整備状況はかなりよい。 避難小屋はとてもきれい。避難小屋脇の池に紅葉が映える。 携帯電話は電波掴むが弱い(ドコモのみ確認) 【餓鬼山避難小屋(1840)〜餓鬼ノ田圃(1650)〜南越峠(1450)】 傾斜も緩く歩きやすい広葉樹のトレイル。紅葉のトンネル歩きが気持ちいい。 ところどころぬかるみ有り。 餓鬼ノ田圃は地図とGPS位置が異なる。 携帯電話は終始圏外(ドコモのみ確認) 【南越峠(1450)〜祖母谷温泉(790)】 ここまでの歩きやすいルートから一変。当コースで一番劣悪なコンディション。徐々に深くなる南越沢に沿って下っていく。 沢沿いに付けられた足元の狭い登山道には草が生い茂り、沢に向かって傾いている。石は苔生したものはもちろん、白く安全と思われるものも一切信用できない。さらに高巻きやロープ下降も多い。 常にグリップの悪い急坂が700m/2h続くため、心身ともに常に緊張を強いられ非常に堪える。 今夏、富山の74歳男性が滑落遭難し、チョコと沢水で6日間長らえたのがまさにここ。 南アルプスのバリエーションを歩き尽くした同行の友人をして廃道レベルと言わしめるほど。ここまで酷いルートは初めて歩いた。本当に誰でもすっ転びます。 携帯電話は当然圏外(ドコモのみ確認)なので、日の出前や日没後の暗い時間の通過はできるだけ避けたいセクション。 南超峠から下降しはじめてすぐ、右手に水場有り。 【祖母谷温泉(790)〜不帰岳避難小屋(1950)】 祖母谷沿いの林道を15分ほど進むと涸れ沢の名剣沢に突き当たる。沢を10mほど遡行し、対岸に登山道入口。暗い時間は分かりにくいが、沢中の岩数カ所にマーキング、登山口入口にピンクリボン有り。 登山口からすぐ使用する白いロープも目印。 祖母谷温泉小屋のお母さんいわく、見落として登りすぎる方が多いそうなので暗い時間は特に注意。 その後は百貫ノ大下りまでトラバース気味の林道歩き。細かいアップダウンが多く、ほとんど標高が稼げない。 百貫ノ大下りを越えてしばらく進み、1700mあたりからやっと尾根歩きが始まるも、小ピークを登っては超えるアップダウンの連続に前日に続く昇温&日射が追い打ちをかける。 前日のダメージが色濃い体にはキツく、ペースが全く上がらない。 上がらないまでも体感的にCTは巻いているだろうと思ったら休憩込みでほぼオンタイム。この区間、かなりCT厳しめですね。 水場マークは避難小屋周辺のみだったが、途中何度か通過する沢水も問題なく飲めた。 避難小屋はTHE避難小屋というところ。寝袋や非常食(お米、賞味期限がはるかに切れた切り餅)、鍋、ガスカートリッジ等の備蓄がありがたい。 携帯電話は終始圏外(ドコモのみ確認) 【不帰岳避難小屋(1950)〜清水岳(2603)】 標高差600m、売り切れた足にはとても辛いが、歩を進めると徐々に樹林が疎になり、風も秋の空気に。やがて2300あたりからチングルマの群生する美しい池塘が何度も登場。白馬三山や立山・剣の稜線を望む素晴らしいトレイル。 このあたりはぜひまた夏に再訪したい。ただし白馬岳からの往復でw 清水岳ピークは主張が弱い。清水平から望む景色は圧巻。朝日・雪倉〜小蓮華、白馬三山、五竜〜スバリまで続く後立の峰々、さらに遠く雲上に浮かぶ槍ヶ岳の存在感。そして振り返れば立山・剣、毛勝三山。 それにしても白馬の裏側は素晴らしい。滑走欲を掻き立てられる斜面が無限大。春に何度か滑ったがぜひまた狙いたい。 【清水岳(2603)〜白馬岳頂上宿舎(2750)】 カラダはボロボロだったけど、素晴らしい稜線歩き。 ここもまた夏に再訪したい。 【白馬岳頂上宿舎(2750)〜大雪渓〜猿倉(1250)】 大雪渓は8月末の通過時よりさらに小さくなり、雪渓上を歩いたのは100mもなかった。 紅葉に包まれた大雪渓は日が当たっているうちに歩きたかった。 |
その他周辺情報 | 【祖母谷温泉】 1泊2食 9500円 (朝食抜き8500円) やや温めの永遠に入っていられる露天風呂が最高。24hいつでも入浴可。シャンプーやボディソープも備付有。 宿泊者しか入れない熱めの内湯もポカポカになって気持ちいい。 ビールや清涼飲料水がとてもリーズナブルで助かりました。 【八方の湯】 下山後は定番の八方の湯へ。他所よりやや高めですがアメニティ類の充実と清潔な館内の安心感は下山後にピッタリ。 連休最終日の19:00すぎということもありガラガラ。 入浴料:大人800円(JAF割750円、1会員の提示につき5名まで) 営業時間:09:00〜22:00(最終受付21:30) HP:http://hakuba-happo-onsen.jp/happo/ |
写真
このあたりでお会いしたトレランの男女混成4人パーティ、みなさんとても強そうでした。
祖母谷スタートかと思いきや、阿曽原温泉からとのこと(;・∀・)
餓鬼山ピークから聞こえてきたであろう歓喜のシャウトの早さに驚愕。
爽やかな笑顔が印象的でした。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
サンダル
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
針金
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
|
---|---|
共同装備 |
ツェルト
|
感想
栗駒山で全山燃えるような紅葉を堪能できたけれど、10月の3連休ももう少し歩きたい。
各地から届く素晴らしい紅葉の写真を見ながらいろいろとプランを練るも、連休初日の予報は最後まで覆らず…
1泊だと行けるところは限られるし、今年は紅葉が当たり年だからどこも混みそう。
ということで、前から歩いてみたかった北アルプスのマイナールート清水尾根へ。
2日とも長く、標高差も大きいハードルート。だいぶ日も短くなってきたけど、涼しくなってきたし1泊でも大丈夫だろうと、かねがね狙っていた友人を誘ってGO!
が、これが想像以上にハードでした。
気温上がると言っても10月だから、と、ベースを1枚多く着たのが失敗。爽やかな朝の空気で快調だったのも大黒銅山跡まで。
季節外れの昇温で盛夏のような暑さと日差し、大きな標高差の急坂の連続。
水分もエネルギーも削られて餓鬼山に着く頃にはヘロヘロ…。
大休止後持ち直して紅葉歩きを楽しんで進むも、南越沢の急下りでトドメ。
過去イチ劣悪で気の抜けない激渋コースに足と精神を削られて全員ボロボロ…。
やっと辿り着いた祖母谷温泉は最高でした。
永遠に入っていられる温泉と美味しいご飯、尽きない山の話でリフレッシュ。ゴール感満載で心地よく就寝。
も、あっという間に起床時間。
体バキバキだけど登って帰るとかマジか…
2日目も長いので朝風呂もそこそこにヘッデンスタート。が、前日に続き朝から暖かく、取付きの急坂からもう汗が滲む。
日の出と同時にどんどん昇温。早く稜線に出たいが、前日のダメージが甚大でペースも上がらない。前日よりは歩きやすいトレイルだが、急登と連続するアップダウンに削られる。
不帰岳避難小屋でまたしても大ブレイク。
それでも稜線に出てじわじわ高度を上げると徐々に秋の空気へ。清水岳手前からは池塘あり草紅葉あり山腹に広葉樹の紅葉あり、と素晴らしい稜線漫歩。花の時期に再訪したいエリアでした。ただし今度は白馬からの往復でw
予定を大幅に超過して白馬頂上宿舎に着くと小屋締めで物悲しい晩秋の雰囲気。
惜しむらくは紅葉に囲まれた大雪渓。日の当たってる時間に歩きたかった…
2日間キツかったけど人もほとんどいなく、山とじっくり向き合える素晴らしい山行でした。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
shibainuさん、CAKさん、Evergreenさん
大黒銅山への降りから祖母谷温泉でご一緒しました
あの日は暑かったですね、私も餓鬼山への登りでノックアウト
山頂で足がビンビンに攣ってしまってしばらく身動きできませんでした
祖母谷温泉で出発前に「名剣沢を登りすぎないように」とのアドバイスをいただき大変助かりました。ナイトハイクだったので対岸の取り付きがわかりにくく最初に聞いておいてよかったと思いました
Evergreenさんはどこかでお顔を拝見したことがあるなーと思ったら、いつも南アルプス深南部のブログを読ませていただいている方でした、どうりで見覚えがあるわけですね
その時わかっていればもっと色々お話しできたのにと思うと残念です
またどこかで再会できるといいですね
sakura0725さん先週はおつかれさまでした。
わざわざ白馬側まで回ってきてのラウンドだったんですね、運転もおつかれさまでした。
もっと涼しく楽しめる予定だったのに真夏のようでしたね。
いろいろ反省です^^;
2日目の朝は、早すぎたので温泉に入ってたのですが、その間に出られたのですね。
せっかくなのでご一緒すればよかったですね。
必ずまたどこかでお会いすると思いますので、またよろしくお願いします。
今度はテン場で乾杯させてください。
sakura0725さん
先に出ていたとは思わず、来ないなーと勝手に心配していたのですが、圧倒的な速度での白馬山頂経由での下山。お疲れ様でした。
僕も今コメントを見てお名前に見覚えがあるなーと思っていたら、ブログどころか4年前に小窓ノ王〜小窓間ですれ違っていましたねw 今度お会いしましたら色々と語り合いましょうw
shibainuさん、CAKさんお久しぶりです。
Evergreenさん、初めまして。山では二度ほど見かけていますけど。
自分も餓鬼山ルートと清水尾根を3週間ほど前に歩いたのですが…。
自分が抱いた感想とshibainuさんの感想と被りすぎて、何だか笑ってしまいました。
・大黒銅山跡からの暑さ
・南越沢からの劣悪な下り
・CTがつめられない不帰岳避難小屋までの登り
・白馬からの往復で池塘エリアまで往復したい
などなど。
楽しくレコを拝見できました。ありがとうございます。
それにしても、相変わらずの健脚ですね!
山行お疲れ様でした
usofuyuさんこんにちは。
ご無沙汰しております。
山にはほぼ毎週行っているのですが、ヤマレコサボりまくってました^^;
なんと、usofuyuさんも祖母谷ラウンドやられたのですね。
しかも我々よりも暑い時期に…
いやー、渋いとは聞いていましたが想像以上でしたねー。
けれど、普段目にすることのないアングルでいつもの山々を見れたのはとても新鮮でした。
祖母谷温泉は次はトロッコで行きたいです。
各駅停車で温泉三昧しながらw
では、またどこかで!
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する