白馬大雪渓〜白馬岳〜不帰ノ嶮〜唐松岳〜八方
- GPS
- 56:00
- 距離
- 24.6km
- 登り
- 2,681m
- 下り
- 3,151m
コースタイム
猿倉7:20-8:29白馬尻小屋8:50-9:04大雪渓(アイゼン装着)9:15-11:29葱平(昼食)12:10-12:56小雪渓(アイゼン装着)13:00-渡った先で30分ほどお昼寝-13:35避難小屋(水場で休憩※ここの水は飲めません)13:45-14:01お花畑(気圧に体を慣らすため休憩)14:30-15:09村営山荘-15:21分岐-15:50白馬山荘(チェックイン)16:20-16:35白馬岳山頂17:00-17:05白馬山荘(宿泊)
<2日目>
白馬山荘4:50-5:50杓子岳巻き道(朝食)6:20-7:31白馬鑓ヶ岳山頂7:40-7:59鑓温泉分岐-8:26天狗山荘(昼食休憩)8:55-9:20天狗の頭9:30-9:46天狗の大下り(ストック収納)9:50-11:36不帰喫の頭-11:50不帰曲崖登り下(休憩)12:07-12:26空中橋-12:58不帰曲の北峰-13:17不帰曲の南峰(小休止・ストック準備)13:28-14:21唐松岳山頂14:45-15:07唐松岳頂上山荘(宿泊)
<3日目>
唐松岳頂上山荘7:30-9:00丸山ケルン-10:22八方池(休憩)10:47-11:44八方池山荘(小休止)リフト待ち10分-12:35八方駅-12:47八方第3駐車場
天候 | <1日目>晴れ <2日目>晴れ <3日目>晴れ時々曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
マイカー利用、豊科I.Cから白馬村へ。 縦走最終日に八方尾根を下るため、ゴンドラ八方駅に近い八方第3駐車場(無料)に駐車。平日の早朝だったためガラ空きでした。 第3Pからは、タクシーを呼んで猿倉まで。料金は3150円(迎車料金含む)。 <3日目> 八方尾根を下り、八方池山荘からグラードクワットリフト→アルペングラッドリフト→兎平→ゴンドラリフトアダム→八方駅(約22分/1200円)。 観光客で混雑のため、リフト待ち時間が10分ほどかかりました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<1日目> 猿倉から白馬尻はコースコンディション良好。 大雪渓は充分に雪が残っていましたが、数日晴れが続けばすぐに痩せてきそうです。 1週間後も同じコンディションではないかもしれません。 雪渓上部はまだ雪深く、このときはまだ葱平まで登れました。 葱平から白馬岳山頂は基本的にはコースコンディション良好。 岩室跡周辺はやや登山道が崩れているので注意。 小雪渓のトラバースは踏み跡がありますが、万が一のためにアイゼンを装着した方が良いと思います。 このときは、みなさんアイゼンを装着して渡っていました。 <2日目> 白馬山荘〜唐松までコースコンディション良好。 風が強いときの痩せ尾根の通過は注意が必要です。 不帰ノ嶮は慎重に行けば問題ないと思いますが、それなりに高度感のある箇所が在ります。 鎖の無い岩登りでは、三点確保必須です。 体全部を使いますから腕の力も必要、健脚なだけでは心もとないかもしれません。 やはり岩稜登山に慣れていない方が初めて行かれるには難所ではないかと思いました。 あらかじめ五竜岳や、唐松〜五竜縦走で岩場に慣れておくと良いと思います。 <3日目> 唐松岳頂上山荘から八方池までは、ところどころ登山道に雪が残っており、意外な場所でトラバースルートになっているので注意。 アイゼンは必要ありませんが、この時期にしてはめずらしく扇の雪渓も雪で埋まっているくらいの見慣れない様相でした。 その他登山道は問題ありません。 |
写真
感想
※今年7月の記録なので、直近の様子を知りたい場合、情報としては鮮度が落ちていると思います。
二度目の単独縦走です。
昨年、念願の大雪渓を登り白馬岳に登頂し栂池へ縦走。
秋には唐松から五竜岳を縦走。
縦走に慣れ、岩場も経験し、いよいよかねてより行きたいと思っていた不帰へ。
昨年の縦走の間のルートを埋めるべく、難所越えのために準備を整えてきました。
果たして、積年の思いを遂げられるか!?
*昨年の大雪渓登山の山行記録
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-78235.html
<1日目>
三日目に八方尾根を下りるので、マイカーはリフトの駅に近い八方第3Pに駐車。
タクシーを迎車して猿倉へ。
タクシー会社に電話してから10分か15分で来てくれました。
猿倉で登山届けを提出し、白馬尻へ向かいます。
登山道はとくに問題なく快適に大雪渓に向かえました(^^)
白馬尻で小休止。
雪渓はだいぶ痩せてきてる印象。
雪渓取り付き口までも、特に問題ありません。
ケルンの近くでアイゼンを装着し、イザ、大雪渓へ!
雪渓上部はガスっていましたが、登っていくと徐々に晴れ来ました。
痩せてはいるけど、雪が深い印象。
落石は平年並みに多いです。
良いペースで葱平まで登り、お昼ごはん休憩。
降りてくる人に小雪渓の様子をたずねると、アイゼンが必要とのこと。
葱平で外したアイゼンは、すぐに取り出せるように収納しました。
岩室跡のあたりは少し登山道が崩落気味だったので、落石を起こさないよう気を使って通過。
小雪渓は昨年のようにステップが切ってなかったけれど、踏み跡を辿れば問題なく渡れます。
ただし、念のためアイゼンは装着した方がベター。
というわけで、アイゼンを再装着し、ストックのゴムキャップも外して、ガッチリと雪を捉えながら慎重にトラバース。
渡りきった先で、30分お昼寝しました(笑)
お昼を食べて眠くなったのもありますが、高山病に掛かりやすいので、高度に体を慣らしたかったのもあります。
お昼寝で元気回復。
少し登ると避難小屋に到着しました。
冷たい小川も流れていて、ひんやりキモチイイ。。。
あんな日向で寝こけてないで、もうちょっと頑張って、ここまで登ってから寝れば良かった(^▽^;)
お花畑までひと登り。。。。ですが、このあたりから酸素の薄さで思うように足が運びません。
でも、昨年よりはずいぶん良いペースで上がれたかも。
お花畑をすぎても体調も崩れず、のんびりとしたペースではありますが、順調に村営山荘を通過、旭岳の分岐へ。
あとひと登り。
でも、ここからがツライ。
見えてるのに、あと少しなのに、ちょっと歩いてはちょこっと休み。
無理せず、マイペースでね(^^)
山荘に到着しチェックインしたあと、明るいうちに白馬岳へ。
雲で覆われて山々は拝めませんでしたが、雲海から剱岳が顔を出し、なんとも勇壮な眺めでした。
またここに来れて、良かった(^^*)
夕飯まで爆睡して、夕飯のあとも早々に爆睡(笑)
平日だったので6畳のお部屋に女性ふたりと、ゆうゆうとした「間取り」。
おかげでよく眠れて疲れが取れました。
<2日目>
実は、前日の19時ごろ強烈な頭痛に見舞われ、このまま回復しなかったら翌日の縦走を諦めて安全なルートで下山しようと思っていました。
頭痛薬を飲み、タオルハンカチを濡らして頭を冷やして寝たら、翌朝にはスッキリ治っていてひと安心。
朝ごはんをお弁当に変更していたので、5時前には出発です。
早朝から晴れ渡り、剣岳や立山がくっきり。
その稜線に続く槍ヶ岳、穂高連邦までよく見えます。
なんてラッキーなんだ♪
村営山荘のテン場を過ぎ、しばらく行くと岩の多い道に。
朝露に濡れた岩は滑りやすく、慎重に歩いたにもかかわらず急な下りで足が滑り、ペタン☆とシリモチついちゃいました(^^;
宿泊した白馬山荘と白馬岳を、なんどもなんども振り返り名残りを惜しみます。
山稜から射す朝日が神々しかったです。
杓子岳までは前後にだれも歩いていなかったので、稜線を独り占めでした(^^*)
ブロッケン現象を楽しんだり、ライチョウさんの親子に出会ったり。
歩いていたらどこからかピヨピヨと鳴き声が。。。よく目を凝らすと雛が数匹よちよち歩いていました(*´∇`)
周囲を捜すと、母鳥も。
また、杓子岳の巻き道でも、つがいのライチョウさんに出会いました(^^*)
杓子岳は、山頂ルートを途中まで登りかけたのですが、あまりの風の強さとガスっていたのとで断念。
巻き道へ降り、白馬山荘の売店で購入しておいたパンとコーラで朝ごはん。
ここで本日初めて登山者とすれ違い。
天狗山荘から来られたようです。
ごはんを食べている間にガスが晴れ、白馬鑓ヶ岳へと向かいます。
杓子岳のコルを過ぎるとザレ場の登り。
急な傾斜をジグザグとつづら折りに登っていきます。
登り切ったところが小鑓でしょうか?
かなり両サイドが切れたった狭いピークです。
風が強くて、煽られたら真っさかさまだ。。。。と、しばし渡るのを躊躇。
後から来た方が追いついたので、先に行っていただきました。
「♪アルプス一万尺こやりのう〜えで♪」の「こやり」って、この「小鑓」?(^^;
(※一万尺は約3000m=おおよそ北アルプスの山々の高さ)
だったら、とてもじゃないけどこの上でアルペン踊りなるものは踊れません(>_<)
なんて思ったものだから、ここを越えて以降「♪アルプス一万尺〜」の歌が頭の中でぐるぐるしていました(笑)
*追記*
調べてみたら、この歌の「こやり」は槍ヶ岳の方の小槍のことでした(^^)
4番の歌詞に「槍や穂高・・・」なるフレーズが。
一旦下って、しばらく登ると白馬鑓ヶ岳山頂に向けて広くなだらかな傾斜の道に。
山頂からは周囲に連なる尾根と名だたる山々を拝むことができ、晴れ渡ったこの日はまさに絶景でした。
小蓮華から白馬、杓子、反対側には不帰と唐松に八方尾根、その向こうには五竜と鹿島槍の双耳峰。
さらに早朝からの眺望も褪せることなく、剣・立山連峰に槍・穂高まで迫力の北アルプスを一望に見渡せました。
こんな景色を目にしてしまうと思うのです。
ああ。
登ってよかった。
登らなければ一生目にすることはなかったであろう景色。
知らずにいたら勿体無い(^-^)
充分に眺望を堪能し、先へと進みます。
15分くらい下ると鑓温泉への分岐が。
さらに15分ほどで天狗山荘の標識が現れました。
標識に従い尾根から降りると、山荘の裏手には雪田が。
ベンガラでルートを示してあり、踏み跡がしっかりついているので、アイゼンがなくてもトラバースできました。
ふかふかの雪を踏みしめながら雪田を降りると天狗山荘に到着。
おなかもすいたので、少し早めのお昼ごはんを兼ねて、休憩をとることに。
天狗池の前にあるベンチを借りて、白馬山荘で準備していただいたお弁当をいただきます。
ここには山荘裏の雪田の雪融け水をろ過した水場もあり、無料でいただけます。
コンロやコッヘルを持ってきていれば、この水で自炊したりお茶をいただくことも可能だったなぁ。。。
軽量化のために一式車に置いてきてしまいました(>_<)
食後は少し食休みをとってから出発。
天狗尾根は歩きやすくなだらかでした。
しばしのんびり尾根歩きのあと天狗ノ大下りへ。
下りきった着地点を見下ろすと、えらく標高差があるのだなと感じます(^^;
ストックを収納し、念のため軽くストレッチをしておきました。
下り始めてすぐに鎖と岩場。
難しくはありませんが、どこを通ってどこに下るのかパッと見よくわからないので、時々前を行く人影を探して確認(笑)
ルート表示は明確にありますが、その場その場で目印を探しながらだけでなく「ああ、あんなふうにあの方向に下るのね」と解っていると、心のゆとりが違います。
(これって、カーナビと同じ感覚。ちなみに私はナビつけない派で、事前にドライブ計画をキチンと立てて地図を持って出かけるアナログ人間。笑)
とはいっても、岩場に次ぐ岩場、長い鎖の崖下りと、常に緊張感が伴います。
ガレ場の下りでは、落石を起こして下をおりている人に当たったら大変と、気を遣って歩きました。
下りきるのに1時間近くかかったような気がしますが、長く感じたのか、本当にそれだけの時間が掛かったか、いまとなっては定かではありません(^^;
デジカメの記録を見てみれば解るので、ルートタイムにはほぼ正確に反映できると思います。
下りきったところでひとやすみ。
みなさんこの不帰キレットで、足を休めたり、お昼を摂ったりしていらっしゃいました。
この先は、いよいよ不帰ノ剣です。
充分に休息を取り備えておかなければ。
自分はすでに天狗山荘でお昼を済ませていたので、休憩だけしてサクサクと先へ進みました。
不帰一峰はなんなくクリア。
ごろごろした岩場のルートはやや歩きづらいですが、ルート表示に従って淡々と進むと乗り越えられてしまう感じ。
でも、ニ峰はそうはいきません。
ここからが本番ですね。
という大事なところで、強烈な眠気が(笑)
早起きと、疲れもでてきたのでしょうか。
この先、ゆっくり休憩できる場所はどう考えてもないだろうと思い、二峰の崖登り手前の、大岩の横で一休みすることに。
初めて超える岩場で、疲れで集中力が切れたら危険ですしね?
てことで、30分ほど爆睡しました(^_^;
お昼寝の後って、なぜこんなに元気になるのか。
というくらい体力も集中力も回復したので、核心部にトライ!
真下にくると、ほぼ垂直といっていいほど切り立った崖です。
少し登ると鎖があるので、腕の力も存分に使って登ります。
というのも、小柄な女性では足掛かりの歩幅が広すぎて届かない。。。
リーチのハンデは仕方ないので、足で踏ん張れない場所は、腕の力を使って自分の体重とザックの重さを支えつつ登ります。
軽量化だいじだー(>_<)
ほぼ垂直に鎖場を登りきると、こんどは崖に沿って右方向に鎖が。
足掛かりの幅は30センチ無いだろうというルートです(^_^;
横ばいに進み、折り返してさらに左へ鎖のルートが続きます。
ここまでくると、画像や動画を撮ってる余裕はありません☆
体を固定するタイミングもなく、ひたすら集中力を切らさないように一気に通らないと危なくて。
無茶な感じの鎖場を過ぎると、噂の「空中はしご」です。
さすがにこれは、一気に。。。とはいかず。
あまりのアリエナイ感じにしばし躊躇(笑)
まぁ、これも前後に人が全く居ない状況だったからで、混雑していれば有無を言わさずサクサクと渡ったことでしょう(^^;
なんだかんだいいつつも、実際は意外と冷静で、動画を撮影するくらいの心のゆとりはありました(笑)
もちろん、渋滞してたら迷惑なので、そんな悠長なことはしませんが。
その後も、足場の悪いルートや、もはや「道」と称してよいのかもわからない岩場&鎖場のオンパレード。
1時間くらいそんなところを越えて行ったでしょうか??
これでもか!っていう挑戦を叩きつけられているような状況に、必死に喰らいついていく心持ちでした。
動画を撮ったのは、「こんなに危険コースだから安易に来てはダメよ」っていう意味も込めてなのですが、動画サイトにUPしたら危険行為であるという意図のコメントを頂戴いたしました。
いや、おっしゃるとおりです。
登ることに集中した方が懸命です。
もちろん自分自身も生半可な気持ちでこのルートを選び越えたわけでもなく。
充分に注意して、冷静に淡々と登っていました。
テンション高かったわけではなくて、誰もいなかったから素直に感じたことをそのまま口にしていただけで(笑)
と、それを観た方が思わずたしなめたくなるほどには、難易度の高い危険コースです。
岩場ルートが初めてとか、岩場にあまり慣れていない方は、難易度の低い場所を経験しステップアップした上で来られる方がよろしいかと。
いきなり不帰越えは、ちょっと大変かもしれません。
不帰では毎年何人かの方が亡くなったりレスキューのお世話になったりしています。
わずかな奢りでまさかの事態になれば、自身の危険はもちろん、周囲にも甚大な迷惑をかけることになります。
慣れた方でも、不安要素がひとつでもあったら引き返した方が無難と感じました。
自分も、自身を過信することはなく、でも、体力や集中力は充分な状態で登りました(^^)
二峰の北峰は狭く、鎖の先にプレートが付いているだけで特に標識はありませんでした。
尾根を伝って南峰へ渡り、ここまで来てやっとホッとできます。
核心部を越えたので、ストックを準備し、不帰三峰を巻く道を進みます。
尾根から離れているため、どこが三峰なのかよくわかりませんでした。
平日のうちに尾根に上がっていたおかげなのか、不帰の鎖場や狭い岩場で渋滞することがなく(むしろ前後に誰もいなかった)、自分のペースで越えられたのはよかったかも。
ひとけの無いルートを静かに自分のペースで歩けるのはなんて贅沢なんだろう。
周囲の景色、遠くの山々、歩くルートの様変わりする地質。。。。すべてを充分に噛み締めながらの山行は極上の幸せです。
三峰を巻いたあと、残り唐松岳まではやや岩場もある道に。
最後の岩場を登り、間近に山頂を見上げながらもうひとふん張りを頑張ります。
ジグザグと、ザレた道を一歩山頂に近づくにつれ、何か大きな感情がこみあげてくるのですが、頂上につくまでは気を抜かないように我慢ガマン。
やっとの思いで登り切り、山頂に踏み入れた瞬間、「ついたぁ〜!」と思わず声が。
この日、同じルートで自分の先を歩いていたご夫婦が、気が付いて笑顔で近づいてこられました。
このご夫婦、前日の大雪渓でもほぼおなじペースで登っていたため、二日間にわたって休憩や山頂で顔を合わすたびに声をかけてくださったり写真を撮ってくださったり。
一人で縦走したけど、独りじゃないと思えたのは、この方々のおかげだ。
そんな方に「よくやった!」って拍手で迎えられたら、さっき抑えた感情が一気に溢れて涙がこぼれてしまった。
「よかったぁ〜。ひとりでも越えられたよ〜」って言葉を漏らすと、八方尾根からトレッキングされてきた方々まで、口々に「えらい頑張りはったなぁ〜」「おつかれやねぇ」と笑顔で言葉を掛けてくださいました。
こんな、山頂でたまたま居合わせた人たちまでが。。。。ますます胸がいっぱいになってしばらく涙が止まらなかったです(笑)
高い山の上にいると、みんな心が清くなるのかな。
自然と思いやりあう姿は、厳しい環境においていちばん大切なことだと思い知る。
自分も、もっと経験を積んだら、こうやって見知らぬ登山者にも暖かい言葉を掛けたり手助けができるような人になれるかな。
山頂で30分ほど体を休めつつ、不帰越えを成し遂げた感動を噛み締めました。
1年ぶりの唐松は相変わらず良い眺望で、何度も訪れているだけに安心できます。
山荘まで後もう少し、最後まで気を抜かないように下山。
到着してまず、チェックイン。。。の前に自販機のジュースを一気飲み(笑)
実は、不帰二峰を登りはじめてすぐ水が尽きてしまい、わずかに残ったポカリだけで乗り越えたのでした。
乾ききった喉は、1本400円のオレンジジュース2本を一気飲みしないと癒せなかった(^▽^;
軽量化はだいじですが、水は絶対にケチっちゃイケマセン(>_<)
この日は土曜だったせいで山荘は盛況な様子。
かろうじて、女性だけのお部屋でひとり一枚のおふとんで寝れました。
定員オーバーまでいかなくてよかった。
遅くに到着された方は、男女混合のお部屋だったりしたみたいですが。。。
美味しい夕飯の後はストレッチをして、早めに休むことに。
明日も良いお天気だといいなぁ。
<3日目>
今日は八方尾根を下るだけなので、朝食時間に合わせてゆっくり目に起床。
といっても、日の出の時刻には目が覚めてしまいました。
山頂でご来光を見るため、同じお部屋の皆様はすでにお出かけの様子。
外に出てみるとまさに夜明けの瞬間でした。
ご来光よりも、目の前の光景に思わず息を呑みました。
蒼い薄闇の雲海の中、くっきりと浮かぶ剣・立山連峰。
剣山の上にはほぼ丸い月が。
あまりの幻想的な様子に、身じろぎもできず、夜明けを迎える。
だんだんと雲海に紅色が差し、剣岳がモルゲンロートに染まってゆく。
ここはどこのパライソか?といいたくなるほど、夢のような光景に言葉を失う。
この日、ここにいられてよかった。
こんな光景たぶんもう一生見れないだろう。
それほどに、奇跡のような自然の贈り物。。。
周囲の山々も、まるで海に浮かぶ島々のようです。
「雲海」とは、よく言ったものだ。
ひとり静かに佇み、感動を全身に染み込ませました。
朝ごはんより先に思わぬご馳走を目にしてしまい、思ったほど食欲が出なかったかな。
正直なところ、二日間でかなり消耗したので、疲労で吐き気がしそうなくらいだったかも。
よく眠れたけれど、さすがに三日目は疲れが抜けないですね。
二泊縦走が初めてなので、疲労のいなし方も慣れてなかったかもしれません。
途中でシャリバテすると困るので、一応ご飯はキチンと頂き、出発準備。
下る体力は残してあるけど、登ってきた方の話では、まだあちこちに雪が残ってトラバースする箇所があるとのこと。
アイゼンは必要ないとのことですが、慣れた登山道でも気を抜かないようにしなければ。
下山し始めに、南アルプスの方向を見たら、富士山が見えました(^^)
二日続けて眺望に恵まれて大満足です♪
下り始めてすぐに最初の雪渓トラバースが。
わずかな距離ですが慎重に。
その後も、ところどころに雪が。
丸山に付くと急に混雑し始めました。
日曜だし、日帰りの軽登山のかたが登ってきてるようです。
これはきっと、登山道が渋滞するなぁ。。。
白馬三山は雲に隠れはじめ、名残りを惜しみつつ早々に丸山を後にします。
が、丸山の下はかなり広範囲に雪田が残り、登りと下りで渋滞が。
山ガールさんや家族連れ、団体登山も目立ち、昨日までのストイックな山行とはうってかわって華やかな雰囲気に(笑)
登山ブームで初心者向けの八方尾根に来られたらしき方々も見受けられ、下ろしたての登山用品や服が初々しいです(^^*)
でも、なかには高山病になりかけて具合が悪くなっているお嬢さんや、マナー知らずな行為、デジイチ片手に撮影に夢中になり周りに配慮のできない方も多く、考えさえられる面もしばしば。
観光の延長ではなく、危険を伴うスポーツであること、自然を相手にしていることを、もっと自覚されて欲しいものです。
そんなことを思いつつ扇の雪渓通過。
この時期、斜面いっぱいに雪の残る扇の雪渓なんて、高校生のとき以来かも(^_^;
渋滞でのろのろペースながらも、譲り合いや、心無い方へのベテラン登山者の機微のおかげで、大きな問題なく八方池まで下りて来れました。
うん、危険行為はその場でベテランさんが叱ってあげないとダメだと思う。
ここは下界とは違う、厳しい場所なんだって、ちゃんとわかってもらわなくちゃ、いつか怪我人や事故が起きると思うのです。
とはいいつつも、2日分の疲れと本日の下りの渋滞で消耗し、気持ちとは反対にヨレヨレな感じで八方池に到着。
疲労甚だしくどこか休憩できる場所はあいてないかと歩いていたら、観光客の方に写真を撮ってくださいとお願いされ。。。
そんな余裕は寸分もないのだけど、重たいザックを背負ったまま皆さんが揃うのを待ち、雪渓をバックにパチリ。
「もう一枚おねがいしまぁ〜す」
(ToT)
おねがい、ザックを降ろさせて。どこかに座らせて。
の言葉を飲み込んで、笑顔で応じる私(苦笑)
観光客の皆さん、時間のかかる記念撮影は、もっと軽装で元気なヒトに頼んでくださいお願いです(涙)
涙目になりつつ、登山者と観光客で大混雑の八方池でザックをおろし休憩。
あさごはんお代わりしなかったから微妙にエネルギーも切れかけ、カロリーメイトを補給。
この分ではリフトやゴンドラも待ち時間が出そうだと思い、体を休めたあとは淡々と木道を下りていきます。
観光の方はお子様連れも多いので、注意を払いつつ、周囲のペースにあわせてゆっくりの下山となりました。
木曽駒ケ岳の千畳敷カールでも思いましたが、登山者にとってはただの通過するルートにすぎない道も、観光客にとっては立派な「レジャーの場」なのです。
疲れていても、楽しんでいる方々を不快にさせる行動は慎みたいものですね(^^)
やっとのことで、リフトの駅まで辿りつき、様子を見ると10分待ち程度でした。
まだ昼前だったおかげでしょうか。
お約束のソフトクリームをいただき、早めにリフトの列に並びます。
山頂方面はすっかり雲に隠れてしまい、八方池でももう、昨日歩いた尾根は拝むことができませんでした。
ゴンドラを乗り継ぎ、白馬村へ。
下界はなんと灼熱の猛暑(+_+)
汗だくになりながら愛車の待つ第3Pへ。
二日もこんな野外に幌車を放置するのは心配で仕方なかったのですが、無事な様子にホッとしました。
ただいま(*´∇`)
今回も、いや、今回は特に、心に深く残る良い山行でした。
帰り道の運転も気をつけて!です(^^)
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