集大成の北アルプス大縦走 〜荒天続きで途中断念も満足〜
- GPS
- 63:44
- 距離
- 120km
- 登り
- 10,866m
- 下り
- 11,192m
コースタイム
- 山行
- 6:33
- 休憩
- 0:07
- 合計
- 6:40
- 山行
- 11:35
- 休憩
- 1:29
- 合計
- 13:04
- 山行
- 5:31
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 5:36
- 山行
- 6:09
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 7:10
- 山行
- 8:00
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 9:18
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 7:15
- 山行
- 5:38
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 6:02
- 山行
- 8:02
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 8:28
また、時々GPSが止まって歩程が変になっていますが、適当に見てください。
天候 | 前半曇り時々晴れ一時台風、後半ずっと荒天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
不帰のキレット、八峰キレットはガイドブックを参考してください(ホールドはしっかりしており、足のグリップもよく効くので、怖がらなければなんてことありません)。 蓮華岳は、蓮華の大下りを過ぎ北葛乗越までの間、不帰曲と同程度の岩場ですがもろい。ホールドにした岩が外れる場合があるので、3点確保をしっかりと。 船窪第1峰から2峰、また不動岳にかけては、もろい花崗岩のやせ尾根で、登山道は崩れて度々付け替えないといけないそうですが、技術的な難しさは特に無く、ザイルやパイプをしっかり整備してくれてるので、不安はあまりありません(岩がもろくアンカーがどうなるかわからないので、頼らずに手を添えるだけにしましょう)。 不動岳から先も、もろい道が続くのですが、ここから烏帽子まではザイルや目印が殆ど無く、南沢岳の登りでは、消えかけたマークがある場所から右上へ足跡もつかないザレを登ります(本当にここでいいのかなと行ったり戻ったり数回確認しました)。ルートファインティングをしっかりと。 |
写真
装備
備考 | ザックカバーって単なる布切れのくせに高いので、百均で買ったレインコートをかぶせたら丁度合うので喜びましたがやっぱりダメ。半日で破れてしまいます。今回、とある小屋で「どこかから出てきたのがあるので」といただいたので助かりました。 カメラもやはり完全防水がいいです。 体力以上に、持ち物が濡れるのが気になり、精神的に相当こたえます。 |
---|
感想
仕事をやめて時間ができたら、と思っていた北アルプスの全縦走、「やっちゃいました」ではなく「行ってきました」
まず行くに当たって考えたのは、計画で11日かかる山の食料をとても持っていく自信は無いので、金の力を借りて小屋泊まりにする。4大難所は以前行った事はあるが30年以上前の事、その時からバランスや反射神経も弱っているので、危ないと思ったら途中でやめること。でした。
<第1日> 蓮華温泉〜朝日小屋
荷物減量のために、栂海新道については今回の縦走と切り離して7月に行ったが、その時にバスが遅れて冷や冷やだったのに懲りず、時間と金の節約のため、また直江津経由で蓮華温泉到着
今回は定刻どおりバスが到着し一安心。天気はまずまずといったところ。
花は7月に行った時とは顔ぶれががらりと変わり、大分寂しくなっていた。
雪渓は全て消えており、その分道をクネクネする事になり多少時間がかかったが、前回より1時間程早く小屋到着
前日が雨で白馬に登った人が少なかったためか、この日は全て蓮華温泉からの客で12~13名程
<第2日 朝日小屋〜白馬岳〜唐松頂上宿舎>
今年最強の台風が近づいており、少しでも先に進んでおきたかったので、3時過ぎに出発
でかい雪倉岳を超え白馬岳に到着するが、台風の影響か山頂でも数名に会っただけ。
最初の雷鳥に会い(この後10回近くご対面)ながら、先を急ぐため今回も杓子岳の頂上はパスしてトラバース
天狗山荘 本当はここで泊まりたかった(建物はきれいにできていた)がまだ宿泊できず残念
不帰の剣は高度感はあるが、特に不安なく通過
1日13時間 やっとの事で唐松頂上宿舎到着(天気が悪いからか、この日の夕食は残念ながらカレーで富士山の小屋のようなイメージだった。) 宿泊者7名
<第3日 唐松頂上宿舎〜五竜岳〜キレット小屋>
台風の速度が早くなり、今晩でも通過しそうなので絶対に昼までには着きたいと思い、早めに出発し7時に五竜山荘着
先に行くか悩むも、「今日は東風なので尾根が風を防いでくれるが、明日も天気が悪く西風になりまともに風を受ける事になるので、行くだけ行って、もし危険と思ったら戻ってきたら」との小屋番さんのアドバイスを受けキレットへ進む。
五竜山頂ではそこそこ強い風が吹いていたが、頂上以外はあまり風の影響を受けず、雨で多少滑るのを気にしながらキレット小屋到着
到着すると、若い方の小屋番さんが
こんな日に来てもらったら嫌なんだけど。←「分かるけど〜」
予約してもらわないと困るんだけど。 ←「分かるけど〜」
キレット小屋って、他に比べて避難小屋としての位置づけが強いと思うんですが。その後もず〜と不愛想 もうちょっと気持ち良く対応できませんか・・
この日の宿泊は、京都の母娘と滋賀のソロ女性、そして大阪の私と関西人計4人で、あの態度は無いよな〜と皆でブツブツ。
夕方より風雨が強くなるが、それなりの荒天といった感じで、小屋がミシミシ軋むという事は無くホッとしましたが、翌日すれ違った人から話を聞くと、関空が海に沈んだとか、昨晩泊まってた面々の地元がドエライ事になっているよう。帰ったらどんな事になってるんだろうと不安になりました。(実際、近所の家の屋根が飛んでたりドエライ事になってました)
<第4日 キレット小屋〜鹿島槍ケ岳〜爺が岳〜新越山荘>
台風一過。多少雨と風が残っていたが特にきつくない。
鹿島槍北峰頂上では何も見えなかったが、南峰から下り始めると予報に反してだんだんいい天気に。爺が岳頂上では、針ノ木はもとより、剣・立山、鹿島槍もよく見える。
新越山荘は、そこらの壁にかわいい掲示があって、女の子が管理しているような、とてもきれいな小屋。喫茶室メープルからは眺望バツグンで、小屋の人もとても感じが良かったです。
夕食は冷凍物がメインになりますが、とても品数が多く(10品以上)て、いつものご飯一口おかず一口のペースで食べていると食べきれません。
お客は、私とあと1人の2名だけ。
なお、朝にテレビを見ていると、昨日、台風で近畿が大変な事になってると言ってたら、今度は北海道が地震で大変な事に。去年今年と日本は災害続きでどうなってるんでしょうね。
<第5日 新越山荘〜針ノ木岳〜蓮華岳〜船窪小屋>
針ノ木岳はメジャーでは無いが、さすがに北アルプスのど真ん中。白馬から剣立山・槍穂高まで北アルプスの山々の全てが見渡せます。
この日、日差しはあるものの風がとても冷たい。
針ノ木小屋では、途中の橋が壊れたとの事で補修のため4m程ある丸太を加工されており感謝です。
蓮華岳はのびやかでとても気持ちのいい山
頂上からはすぐ近くに船窪小屋が見え、ここから2時間程あればいけるんじゃないのと思いますが、蓮華の大下りを終わった頃から急峻な岩場になります。岩がもろいため、難しさからすると不帰や八峰よりも上だと感じながら、ほぼコースタイムで船窪小屋に到着
船窪小屋はさすがに心が温まると人気の小屋で、おじさんとおばさんの意思を引き継いだ小屋番さんが、鐘を鳴らして迎えてくれ、小屋の前でお茶の提供とスリッパも用意していただきました。
客は、父娘、夫婦、学生時代の友人ペアと私の7名で、ランプの下ですぐに親しくなり、食後は小屋の人も一緒にネパール茶をいただきながら、他の小屋では味わえない楽しい夜を過しました。
<第6日 船窪小屋〜不動岳〜烏帽子小屋>
夜から風雨が強くなり朝になっても同じ。午前中は少しだけましなようなので、少しでも前へ進んでおこうと、鐘に送られながら歩き出したら、幸いにも稜線以外は風は弱かった。
不動岳まで花崗岩のザレた道が続き、危ない所もあるが、要所にロープが張ってあるので、危険な目には合わなかった。
しかし、南沢乗越から南沢岳の登り、ラッセルするような砂礫を進んたら道がわからない。マークは古いのがあるが、そこから砂礫を上がろうとするが、踏み跡もなく踏ん張りもきかないので、ここではないだろうと行き来するも、やはりここしか無いと強引に登ると正解。ここから烏帽子まではロープやマークが殆ど無く、どちらかと言えば一番難しい場所かもしれない。
気温も下がり風雨共に強くなったので、烏帽子のピークをパス、野口五郎まで足を延ばす気力も無くなり、烏帽子小屋着
烏帽子小屋は手造り感満載の家族的な山小屋で、とても親しみやすかった。
なお、烏帽子岳手前の四十八池付近は、小屋から烏帽子岳の先にあるだけにあまり知られていませんが、北アで三本の指に入るような心休まる佇まいで、また晴れた時に絶対来てみたいと感じた場所でした。
この日は、元はテント泊の予定だった人と私の2名のみ。
<第7日 烏帽子小屋〜野口五郎岳〜黒部源流〜三俣山荘>
天気予報を見てたら、今後一週間全く良くない。たまに曇マークの日があっても富山や松本を見ると「大雨」の予報だったりして期待できない。
なので、もう諦めて七倉から下山しようと決断するが、小屋の方から、高瀬ダム手前の濁沢にかかる橋が数日前に流され、掛け直したがまたすぐに流された。この雨では渡渉するのは危険だとの話を聞き、予定どおり双六に向かう事にした。
風は最初さほどでもなかったが、雨が強く(下界では大雨警報)合羽も意味をなさなくなってきた。野口五郎を通過、水晶小屋もスルー(カメラを出す余裕なんてなかったので、この間の写真は一切なし)し、岩苔乗越(標識が壊れているので地図を要確認)から黒部源流に入るが、登山道が川状態。本流をどこで越えるのか不安を抱きながら、5〜6回股下までの徒渉を繰り返し、やっと三俣山荘到着
こちらの小屋でも「まず着替えてゆっくりしてから手続きしていただいたらいいですよ」と親切な言葉
建物も山小屋の雰囲気を持ちながらも洒落た感じで、小屋の人は若い方ばかりでとても仲が良く皆元気いっぱい。(私が岩苔の標識の事を伝えたからか、朝方は暗いうちから、源流のパトロールに行かれてました)
この日は、立山薬師から同じく槍に向かう予定の方と2名で、食堂で映像とワインを楽しみながらいい夜を過ごさせていただきました。
<第8日 三俣山荘〜双六〜新穂高下山>
天気予報は今日明日雨、明後日は曇りとなってるがまたその後も雨予報
とりあえず槍まで行って停滞すればいいやと思い歩き出すが、風雨が強くとても冷たい。(結果論で言えば、三俣山荘にあと1泊したら、もう少し行けたのかも)
双六小屋を過ぎ樅沢岳を登り出すが、ピーク数十m手前で風雨がより強烈になり収まる気配なし。年季が入った合羽も3日目ともなると意味をなしておらず、ここから槍までの西鎌尾根は、まともに西からの風雨を受ける状態で数時間程歩くことになるため、このまま1〜2時間もすれば低体温症になると判断し、双六小屋に引き返す。
小屋の方に相談すると、明日は今日よりも悪いかも。まだ情報は入っていないが鏡平から下も通行できなくなるかもしれず、降りるなら今日かもと聞き、時間的にもまだ小屋に入れてもらえそうにないので下山を決意
鏡平方面からは、結構上がって来られる方がおられましたが、「もういいや」という事で全コース縦走は諦めて新穂高へ下山しました。
下山すると、新穂高周辺も台風の被害が甚大だったようで、地域一帯が停電・ホテルも休業
観光客もおらず、2km程下の「ひがくの湯(ここはやっと前日に電気が復旧したとの事)」で汚れと疲れを落とし帰阪しました。(高山からの電車も、この日の大雨で午前中不通、徐行運転)
<あとがき>
以降、槍ケ岳〜穂高〜焼岳〜中の湯との計画を、あと3日という所で結果的には全走できませんでしたが、それぞれの場所で自分なりに適切に判断したおかげで無事帰って来れたと思ってます。
また、荒天のせいで各山小屋ではお客さんが殆どおらず、その分、一緒になった方、また山小屋の方とも親しくお話ができ、いい出会いができたと満足感に浸っています。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
素晴らし過ぎます!自分もいずれはこんな大縦走をやってみたいです。
今年はまだこんなに美しい鹿島槍はお目にかかれてないので羨ましいー。
solacho-さん コメントありがとうございます。
まあこんな事できるのって時間ができたからですね。
といって、それを待ってたら体が動かなくなるので、仕事を延長するか悩みましたが、自由をとりました。(家族にも感謝です)
仕事を持ってると、無理して行ってしまうので怖いですよね(特に最近は山小屋も基本予約なのでそれも気になって(上で携帯通じないし))。
どうぞ、楽しい山歩きを楽しんでください。
只々、凄い!
koro0180さん
いやいや、帰ってきたら体ガタガタですよ。
というか、山小屋で寝だす時は腰や足が痛くって寝付けないのに、朝動き出すと元気になるって勝手なもんですね。
まあこれで一応目標は達成したので、今後どんな山旅を楽しむか、またゆっくり考えます。
コメント遅くなりましたが、、やっとじっくり読めました。
それにしてもすごい体力ですね〜。
憧れはあってもなかなか実行するのは
備考のザックカバーのくだりがcyuusanらしくて笑ってしまいました
そうそう、日記のほうも読みました。
この前、行方不明になった2歳児見つけた仙人みたいなボランティアのおじいさんいましたが、あの方とcyuusanが似てるな〜と思っていたんです
行動力に頭が下がります。
padmaさん ごぶさたです。
いやあ、百均の合羽をリュックにつけた時は、サイズもばっちり、飛ばされないよう留められるし、完全防水で完璧だ〜と思ったんですけどね。<もっと言ったら、テントをピクニックシートで自作して晴れた日だけでもと、とぼけた考えも持ってましたが>
やっぱり試す時は予備として本物(ごわごわになった骨董品)も持っていっとくべきだったと反省してます。(雨対策がしっかりできてたら続行してたかも)
まあ、少しの間、存分に遊ばせてもらったんで、またお金稼がないと生活が・・
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する