ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 182075
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

夏の北アルプス中央部、雲の平と裏銀座の山々

1992年08月12日(水) ~ 1992年08月16日(日)
 - 拍手
GPS
97:00
距離
42.2km
登り
3,375m
下り
3,567m

コースタイム

8/12 8:40高瀬ダム湖畔発-13:40烏帽子小屋(泊)
8/13 6:20 烏帽子小屋発-8:50野口五郎小屋(泊)
8/14 6:30野口五郎小屋発-6:40野口五郎岳-8:30東沢乗越-9:10水晶小屋-9:50-10:00水晶岳-11:30岩苔分岐-12:20-50鷲羽岳-13:20岩苔分岐-14:10祖父岳-15:30雲の平山荘(泊)
8/15 6:00雲の平山荘発-8:20黒部川源流部-9:10三俣山荘-10:40-11:30三俣蓮華岳-13:20双六小屋-15:50鏡平小屋(泊)
8/16 5:20鏡平小屋発-6:40秩父沢出合-7:30林道出合-9:10新穂高温泉着
天候 8/12 曇り、小雨
8/13 雨
8/14 曇りのち時々晴れ
8/15 晴れ時々曇り
8/16 晴れ
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー
(行き)新居浜ー(JR)ー松本-(JR)-大町ー(タクシー)高瀬ダム湖畔(登山口)
(帰り)新穂高温泉-(バス)-高山-(JR)-名古屋ー(JR)-新居浜
コース状況/
危険箇所等
道は全部良好
8/12 高瀬ダム湖畔より烏帽子岳の稜線を望む、どんよりと雲がかかっている
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
8/12 高瀬ダム湖畔より烏帽子岳の稜線を望む、どんよりと雲がかかっている
高瀬ダムの堰堤、ロックフィル型ですごい傾斜だ
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
高瀬ダムの堰堤、ロックフィル型ですごい傾斜だ
ブナ立て尾根の登りにて、タマガワホトトギス(か?)
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
ブナ立て尾根の登りにて、タマガワホトトギス(か?)
ブナ立て尾根の登りにて、ヒメシャジン(か?)
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
ブナ立て尾根の登りにて、ヒメシャジン(か?)
8/14 登山3日目にしてようやく晴れ間を望めた。野口五郎岳山頂部にて
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
8/14 登山3日目にしてようやく晴れ間を望めた。野口五郎岳山頂部にて
野口五郎岳山頂付近より、朝日を望む
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
野口五郎岳山頂付近より、朝日を望む
野口五郎岳から水晶岳への縦走路、ガスが上がってゆく
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
野口五郎岳から水晶岳への縦走路、ガスが上がってゆく
野口五郎岳から水晶岳への縦走路にて、気持ちの良い青空
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
野口五郎岳から水晶岳への縦走路にて、気持ちの良い青空
縦走路より、水晶岳を望む
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
縦走路より、水晶岳を望む
(同じく)水晶岳遠望、眼下に小さく五郎池が見える
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
(同じく)水晶岳遠望、眼下に小さく五郎池が見える
ガラガラした岩屑の稜線を歩く
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
ガラガラした岩屑の稜線を歩く
真砂岳の西にはお花畑が広がっていた
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
真砂岳の西にはお花畑が広がっていた
真砂岳西のコル付近のお花畑
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
真砂岳西のコル付近のお花畑
水晶岳分岐付近より、立山付近を遠望する
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
水晶岳分岐付近より、立山付近を遠望する
水晶小屋分岐より水晶岳山頂への稜線
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
水晶小屋分岐より水晶岳山頂への稜線
水晶岳山頂、岩がガラガラした風景
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
水晶岳山頂、岩がガラガラした風景
水晶岳山頂より、眼下の谷を見下ろす
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
水晶岳山頂より、眼下の谷を見下ろす
水晶岳山頂付近にて、霧に見え隠れする岩稜とお花畑
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
水晶岳山頂付近にて、霧に見え隠れする岩稜とお花畑
ミネウスユキソウの群落
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
ミネウスユキソウの群落
水晶岳山頂付近より、野口五郎岳など裏銀座の稜線を振り返る
2012年04月14日 15:26撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:26
水晶岳山頂付近より、野口五郎岳など裏銀座の稜線を振り返る
(同じく)水晶岳山頂付近より、野口五郎岳方面の遠望、手前には大きい雪渓
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
(同じく)水晶岳山頂付近より、野口五郎岳方面の遠望、手前には大きい雪渓
水晶岳付近のお花畑
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
水晶岳付近のお花畑
同じく、お花畑と雪田、ミヤマキンポウゲなどが咲いていた
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
同じく、お花畑と雪田、ミヤマキンポウゲなどが咲いていた
同じく、水晶小屋付近に広がるお花畑
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
同じく、水晶小屋付近に広がるお花畑
水晶小屋付近より、水晶岳を望む
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
水晶小屋付近より、水晶岳を望む
岩苔分岐付近から、ワリモ岳、鷲羽岳へ続く稜線
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
岩苔分岐付近から、ワリモ岳、鷲羽岳へ続く稜線
ワリモ岳を越え、鷲羽の登りより、水晶岳方面を振り返る
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
ワリモ岳を越え、鷲羽の登りより、水晶岳方面を振り返る
鷲羽岳山頂にて
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
鷲羽岳山頂にて
雲の平に向かう道より、水晶岳を振り返る
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
雲の平に向かう道より、水晶岳を振り返る
祖父岳直下より、雪田と祖父岳の円頂
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
祖父岳直下より、雪田と祖父岳の円頂
雲の平に入った。木道の向こうはるかに、雲の平山荘が小さく見えてきた
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平に入った。木道の向こうはるかに、雲の平山荘が小さく見えてきた
雲の平、テント場にはテントの花がパラパラと咲いている
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平、テント場にはテントの花がパラパラと咲いている
雲の平より、遠く水晶岳の山頂部が望めた
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平より、遠く水晶岳の山頂部が望めた
雲の平は、予想に反して花は少なかった。わずかにダイコンソウの群落
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平は、予想に反して花は少なかった。わずかにダイコンソウの群落
雲の平より、ちぎれ雲をまとった祖父岳
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平より、ちぎれ雲をまとった祖父岳
8/15 朝、雲の平より、雲の合間に見える水晶岳
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
8/15 朝、雲の平より、雲の合間に見える水晶岳
朝日さす、雲の平の草原
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
朝日さす、雲の平の草原
雲の平には池塘がパラパラとある
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平には池塘がパラパラとある
朝日を浴び始めた黒部五郎岳の遠望、雲の平より
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
朝日を浴び始めた黒部五郎岳の遠望、雲の平より
雲の平の岩塊平原の向こう、黒部五郎岳がくっきりと見える
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
雲の平の岩塊平原の向こう、黒部五郎岳がくっきりと見える
朝の雲の平より、祖父岳
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
朝の雲の平より、祖父岳
早くも霧に覆われてきた雲の平
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
早くも霧に覆われてきた雲の平
黒部源流地帯を行く
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
黒部源流地帯を行く
これが黒部の源流か..
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
これが黒部の源流か..
黒部源流付近より、三角錐の鷲羽岳を見上げる。その向こうはワリモ岳
2012年04月14日 15:27撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:27
黒部源流付近より、三角錐の鷲羽岳を見上げる。その向こうはワリモ岳
三俣蓮華岳付近のお花畑、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲなどが咲いている
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳付近のお花畑、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲなどが咲いている
三俣蓮華岳山頂付近より稜線を望む
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳山頂付近より稜線を望む
ハクサンイチゲなどを主体としたお花畑が広がる中を行く
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
ハクサンイチゲなどを主体としたお花畑が広がる中を行く
アオノツガザクラも咲いている
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
アオノツガザクラも咲いている
夏雲湧く稜線、三俣蓮華岳付近
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
夏雲湧く稜線、三俣蓮華岳付近
三俣蓮華岳付近より雲の平を望む、右の鈍頂は祖父岳
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳付近より雲の平を望む、右の鈍頂は祖父岳
三俣蓮華岳付近より、鷲羽岳を望む
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳付近より、鷲羽岳を望む
三俣蓮華岳付近、青空、夏雲、白い雪
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳付近、青空、夏雲、白い雪
夏の稜線
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
夏の稜線
三俣蓮華岳山頂にて、とうとうと流れゆく夏雲を飽きずに眺めた
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳山頂にて、とうとうと流れゆく夏雲を飽きずに眺めた
三俣蓮華岳からの縦走路より、中央右は鷲羽岳、中央奥に水晶岳を遠望する
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
三俣蓮華岳からの縦走路より、中央右は鷲羽岳、中央奥に水晶岳を遠望する
双六乗越付近にて、池塘と双六岳の遠望
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
双六乗越付近にて、池塘と双六岳の遠望
鏡平山荘にて、夕暮れの空、雲間に思いがけなく高く、槍ヶ岳の穂先を見た
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
鏡平山荘にて、夕暮れの空、雲間に思いがけなく高く、槍ヶ岳の穂先を見た
鏡平にて、雲が切れ、槍ヶ岳の全貌が見えてきた
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
鏡平にて、雲が切れ、槍ヶ岳の全貌が見えてきた
8/16 朝焼けをバックに黒々した槍ヶ岳のシルエット、鏡平にて
2012年04月14日 15:28撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
4/14 15:28
8/16 朝焼けをバックに黒々した槍ヶ岳のシルエット、鏡平にて
撮影機器:

感想

【山行No 177】

※ お盆休みを利用して、遠くてなかなか行けない、長年の憧れの雲の平を第一目標とし、
合わせてその周辺の山々に遠征することにした。

8月11日(火)
 ・今日はお盆休みの初日。移動日に充てる。
  この数日、風邪気味で体調がイマイチなので、朝寝をして、
  昼過ぎに四国(新居浜)を出発し、夜7時過ぎに松本着。
  松本は雨の夜だった。予約した駅前の宿に泊まる。

8月12日(水)
6:39 松本発
 ・大糸線の電車に乗り、大町へと出発。
  ホテルから朝ごはんの代わりに弁当をもらったので車中で食べる。
  北アルプスも雲に隠れており、展望もない中、ゴトゴト走る電車は、やけにのんびりしている。

7:44-50 大町
 ・時間が惜しいので、ちょっと贅沢だが、タクシーで行く。
  前年までは、タクシーでも七倉までしか行けなかったが、
  この年より、タクシーだと高瀬ダムまで行ける、とのこと。ちょっとラッキー。

8:30-40 高瀬ダム堰堤(標高=1250m)
 ・タクシーを降り、さっそく登り始める。
  高瀬ダムは巨大なロックフィルダムで、なかなかに豪快。それに比べると、目指す稜線が、以外と貧弱に見える。
8:50-9:10 取りつき手前
 ・なんだかお腹の調子が悪いので、ちょうどあったトイレを使用し、スッキリした。
  体調も天候も、なんだかぐずついているなぁ..
9:20 水場(標高=1300m、気温=18℃)
 ・この登り唯一の水場になる。水を補給する。
 ・ここからさっそくブナ立て尾根の急登が始まった。
  うわさに聞く北アルプス三大急登の一つだし、
  食糧やシュラフ込で15kgの荷物なので、ペースはゆっくり目で行く。
10:20 ゴダンオトシ(標高=1600m)
 ・朝からどんよりした雲ゆきだったが、とうとう小雨がぱらついてきて、嫌な感じだ。
11:30-50 白ザレ(標高=1950m)
 ・雨が本降りになる前に、昼食にしようと思い、ザックを開けて食糧を見ると、
  なんと!!
  重たい目をして担ぎ上げてきたパンのうち、2パックまでもがカビが生えているではないか...
  ちょっとショッキングだ。頭に来たが、その場に捨てるわけにもいかず、そのまま持って上がる。
12:20 三角点(標高=2200m、気温=16℃)
 ・この付近より周辺はモミ林となり、林床にはゴゼンタチバナやオオレイジンソウなど、花がパラパラでてきた。
  その後、雨もパラパラ降ってくるが、カッパを着るのも暑苦しいので、横着して、傘を差して登る。

13:40 烏帽子小屋着
 ・雨が本降りになる前に小屋に到着できて、ほっとした。
  小屋にはすでに40人ほどいる。
 ・烏帽子岳までは往復で1時間程度とのことだが、雨がパラパラ降っているので
  なんとなく行く元気が湧かず、午後は小屋でゴロゴロして過ごした。
  (後から考えると、ちょっともったいなかった...)
 ・夕食は天ぷらなどが出た。
  夜になって雨は本降りとなり、山小屋の屋根をたたく雨音が響いていた。
  体調がイマイチのせいか、頭も重苦しくて寝苦しい夜だった。

8月13日(木)
 ・夜中じゅう、風と雨の音が小屋を包んでいた。
  5時に起きて朝食を取り、どうしようか、と考える。
  天気予報では、今日だけでなく明日まで天気が悪いとの予報なので、あきらめて下山する人も多いが、
  雲の平を目指すには、今日も少しでも先に進んでおきたいので、出発とした。

6:20 烏帽子小屋発
 ・雨具を着こんで出発する。 ..が、雨、風、霧の三拍子そろった中を進むので、意気は上がらない。
  ポケットラジオで音楽を聴きながら、ひたすら忍耐の行軍。
7:20-30 三つ岳山頂
 ・この山頂を越えたあたりから、風はひときわ強くなってきた。
  風速は15〜20m/sはあるのではないだろうか?
  体が風にふらふらと揺れるような中を、ひたすら前に進む。ピッケルがほしいくらいだ!
 ・この付近の登山道は花は結構多い。
  キバナシャクナゲ、コマクサ、チングルマ、コイワカガミ、ハクサンイチゲなど。
  天気さえよければ良い道だろうに、と思いながら進む。

8:50 野口五郎小屋 着
 ・ちょっと休憩のつもりで中に入る。
  中に入ると、TVの音が聞こえ、温かくて、外とは天国と地獄のような差だ。
  本来、今日はなんとか水晶小屋まで行けないか?と思っていたが、
  小屋の中の心地よさに参ってしまい、再度外に出る気は失せてしまった。
  たった2時間半しか行動していないが、今日はここに泊まることに決定。
  (ほかに同様に烏帽子小屋を出た人たちも、多くがここに泊まるようだった)
  その後も、難民の群れが流れ着くように、続々と小屋には人が入ってきた。

 ・いざ、泊まることに決定すると、あとは気楽な時間があるばかり。
  午前中はTVで高校野球を見たりして過ごし、ラーメンの昼食を取った後は、
  昼寝などして、至極のんびりと過ごした。
 ・経営が烏帽子小屋と同じなのか? 夕食のメニューは昨日と同じ天ぷらだった。
  ただし、ごはんの炊き具合はイマイチ。
 ・今日は結局60人の宿泊。布団4つに7人の詰め込み具合となった。

8月14日(金)
 ・5時に起きて外を見ると、雨は上がっているが、雲は低く垂れこめドンヨリしている。
6:30 野口五郎小屋 発
 ・今日もぱっとしない天気かな? と思いながら出発する。
  とすると、思いもよらず、周りの雲は風に吹き飛ばされてキレかかっており、待望の青空が見え始めた。
  まぶしい太陽は、まるで懐かしいものでも見るようだ。
6:40-50 野口五郎岳(標高=2924m、気温=10℃)
 ・小屋からすぐのところが野口五郎岳の山頂だった。
  強い風に洗われるように雲は消えてゆき、青空がグングン広がってきた。
  槍ヶ岳も、雲間にちらっと見えて、いい感じ。
 ・この後は緩やかな稜線歩きとなる。眼下の五郎池は、なにかを中に秘めているような神秘的な印象だった。
7:30-40 真砂岳(の西のコル)
 ・この付近一帯はお花畑となっており、ミヤキンポウゲ、ハクサンイチゲ、コイワカガミなどの群落となっている。
8:30 東沢乗越
 ・上空、アマツバメが飛翔している。風を切る音を残して...
  少し下の樹林帯から、メボソやルリビタキのさえずりも聞こえ、いかにも夏山らしく、良い感じだ。
9:10-20 水晶小屋(分岐)
 ・水晶小屋は小さいとは聞いていたが、予想以上に小さい小屋。
  「昨日ここまでこなくて、むしろ良かったかもしれない」、とも思う。
  昨日の強風でトイレが壊れたとのことで、小屋のおじさんが修理していた。
 ・再び夏雲がわいてきて稜線は霧が湧いてきたが、ここに荷物を置いて空身で水晶岳へと向かう。
 ・この付近の稜線もパラパラとお花畑があって気持ちがいい。イワオオギ、ヨツバシオガマ、ミヤマシオガマなど。

9:50-10:00 水晶岳山頂(標高=2986m)
 ・北アルプス最奥の百名山にようやく登頂できた。60個目になる。
  霧が覆っていて展望は少なかったが、遠くには黒部湖も見えた。
10:30-11:00 水晶小屋
11:30-40 岩苔乗越
 ・ここは雲の平への道と、鷲羽岳への道の分岐となっている。
  鷲羽岳を目指すため、ここで再びザックをデポして、サブザックで鷲羽へ向かう。
 ・途中、ワリモ岳を越えて進むが、以外と急な登りが続く。

12:20-50 鷲羽岳山頂(標高=2924m)
 ・61個目の百名山に到着。
  人気(ひとけ)のない静かな山頂だ。岩の上にごろりと寝転ぶ。
  そよ風とせせらぎの音だけがあり、ほかには何にもない贅沢な山の静寂を味あう。

13:20-30 岩苔分岐
 ・デポしたザックを背負い、今日の最終目的地、雲の平へと向かう。
  しかし、そろそろバテてきた感じで、足も重くなってきた。
14:10-20 祖父岳
 ・岩と乱立したケルンがゴロゴロした、面白い風景の山頂だった。
  ちょうどここから眼下に、雲の平の全景が望める。
 ・少し下ると大きな雪田があり、水が流れ出ていた。飲んでみると冷たくて美味しい!
 ・小屋の手前にはテント場があったが、管理されていないのか、ゴミ屑がやたら多く、
  なんだか、ごみ箱の中にテント場があるような感じ。

15:30 雲の平山荘 着
 ・ようやく小屋に到着。かまぼこ型の結構大きい小屋で、2F建て。
  2Fが体育館のような大部屋となっており、そこにびっしりと布団が敷いてある。
 ・小屋で一休みしたのち、雲の平を散策してみた。
  予想していたのは、一面のお花畑が広がる高原だったが、思いのほか花は少なく、
  全体にハイマツがびっしり覆っている感じの高原だった。
  花は、ところどころにハクサンイチゲ、イワイチョウがある程度で、以外と淋しい。
 ・今日の宿泊者は60人程度でそれほど多くはなかった。布団も一人一枚ある。
  持ってきたシュラフは、なくてもよかったな..

8月15日(土)
 ・朝起きると、今日は朝からよく晴れている。夏山らしさが戻ってきた。
  朝食は、小屋の外にでて、山々に囲まれながらのモーニングティ。
  四周の山々が洗い立てのような顔を見せてくれている。
6:00 雲の平山荘 発(気温=10℃)
 ・生き返ったような、すがすがしい朝の道だ。
  夏草に光る朝露のまぶしさ..
  夏鳥の声も、メボソムシクイ、イワヒバリ、ルリビタキのコーラスが涼やかだ。
7:00 祖父岳手前分岐
 ・ここより、右手の黒部源流方面に向かう。
  黒部源流へは下りの道となるが、フウロソウ、クルマユリなどのお花畑になっており、ひときわ明るい印象の場所。
8:20-30 黒部源流(渡渉点)
 ・狭い沢とはいえ、冷たい水が流れているところを渡渉する。ちょっとスリリングな感じ。
 ・ここから再び主稜線へと登りかえすが、この付近もお花畑でいい感じの道だ。
  クルマユリ、フウロソウ、セリ類、ミヤマキンポウゲ、ミヤマキンバイ、
  オタカラコウ、スミレ類、オンタデ、チングルマ、ハクサンイチゲなど
  多くの花に出迎えてもらった。
9:10-40 三俣山荘
 ・黒部源流地帯を歩いている際は、周りは朝霧に覆われていたが、
  主稜線にたどり着くと、再び青空と視界が戻ってきた。
  昨日登った鷲羽岳など山々の姿も良く見える。暑い太陽の日差しと、涼しい稜線の風も出迎えてくれているようだ。
 ・ここから三俣蓮華岳へと登る。
  登りの道も高山植物が多く、アオノツガザクラ、コイワカガミ、ミヤマキンポウゲ、
  シナノキンバイ、ハクサンイチゲなどのお花畑が広がっている。

10:40-11:30 三俣蓮華岳山頂(標高=2841m)
 ・見晴の良い山頂にどっかりと座り、昼食をとる。そのあとは岩のうえに寝転んで軽く昼寝を楽しむ。
  空を眺めると、雲が、見えない大きな川の流れに流されていくように、
  南西から北東へと、滔々(とうとう)と流れてゆくのが見える。
  下界の憂鬱な気分も、風に乗って流れ去ってゆくような、雄大な景色だ。
  鳥が飛んで、空を切り取る。一瞬のきらめき。

 ・たっぷりと夏山の醍醐味を味わい、そのあとは途中まで稜線伝いで行き、
  途中からトラバース道へと下った。
  クロユリ、シャクナゲなどあり、雷鳥を見ることもできた。
13:20-40 双六山荘(気温=20℃)
 ・風が吹き渡るコル、1個300円のリンゴを買う。
  疲れた体にしみわたるようで美味しい。
 ・ここから最後のコース、鏡平への下りへと道をとる。
  さすがに疲れが出てきて足が重い。
  夏雲も湧き出して、見えるはずの槍、穂高の稜線も雲に隠れている。
15:00 弓折分岐
 ・ここからの下りは急坂で大変かと思っていたが、案外と楽に下れた。

15:50 鏡平山荘 着
 ・ようやく今日の宿に到着。
  チェックインした後、小屋の前のベンチでお茶を飲みながらのんびりしていると、
  三俣蓮華で出会った女性二人組が到着。少し話を交わす。
  その後も、続々と人が到着するが、雲の平で泊まっていた人が多いようだった。
 ・夕食はコロッケと天ぷらのおかず。ごはんも美味しく、3杯もお代わりした。
 ・夕食後、再び小屋の前に出てみると、雲が切れかかり、ちょうど槍の穂先が雲間から顔を出した。
  本場アルプスの風景のような、思いがけない高さの槍の姿だった。
 ・夜になるとこんどは、槍穂高の稜線からでっかい満月が出てきて、それもまた幻想的でいい風景だった。
 ・標高が少し下がったせいか、昨日よりも小屋の中は暑くて少し寝苦しいほどだった。

8月16日(日)
 ・今日はとうとう下山日。4時過ぎに起床する。
5:20 鏡平発(気温=6℃)
 ・星が次第に消え、槍・穂高の稜線が赤々と染まったころに出発。
5:50-6:10 大ノマ分岐 
 ・穂高が、明るい東の空をバックに、黒々とした姿を見せている。
  残念ながら写真のフィルムが終わってしまったので、手帳にスケッチをする。
 ・ここからの下り、静かな朝の雰囲気の中、メボソ、コマドリのさえずりが響いていた。
6:40-50 秩父沢出合
 ・きれいな水が流れている。少し飲んでみるがなかなかおいしい。
 ・この付近では花もちらほらあり、
  セリ類(ツリガネニンジン?)、ガクアジサイ、アキノキリンソウ、ミヤマカラマツ、カライトソウなどの姿を見かけた。
7:30-40 林道出合
 ・ここからは平坦な林道歩きとなった。
  普段だと退屈な林道歩きだが、この道はブナの巨木が多く、
  夢の中に出てきそうな美しい森を歩いてゆく。

9:10-10:00 新穂高温泉 着
 ・5日間の長い山旅が終わった。
  前半は雨にたたられたが、後半は夏山を満喫でき、充実感に満ちた山行だった。
  バスターミナル前の無料温泉に入り、長旅の汗を流す。気持ち良い...

 ・高山へのバスに乗る。午前中のバスなので、空席も多い。車中でのビールも美味しいこと。
11:40-12:40 高山
 ・予約した電車の時間まで少し余裕があるので、少し市内見物をした。

 ・あとは、またまたビールを片手に、持参した山の本を読みながら名古屋へと向かう。
 ・名古屋から新幹線で、岡山に向かい、四国(新居浜)についたのは、夜の7時過ぎ。
  充実した夏山が、終わった。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1318人

コメント

まだコメントはありません
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

技術レベル
2/5
体力レベル
4/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [3日]
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [5日]
笠ヶ岳・水晶岳
利用交通機関:
技術レベル
3/5
体力レベル
3/5
無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [4日]
高天原と雲ノ平
利用交通機関: 電車・バス
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら