薬師・黒部五郎・鷲羽・水晶・赤牛岳・高天原温泉に雲ノ平周遊
- GPS
- 127:04
- 距離
- 88.3km
- 登り
- 6,620m
- 下り
- 6,716m
コースタイム
折立7:34-9:05三角点9:15-10:36五光岩ベンチ10:46-11:30太郎平小屋11:45-12:10薬師峠12:10-12:50薬師平12:57-13:45薬師岳山荘14:07-14:51薬師岳15:25-15:58薬師岳山荘
19日
薬師岳山荘5:15-5:39薬師平5:40-6:07薬師峠6:07-6:27太郎平小屋6:40-8:19北ノ俣分岐8:19-8:25北ノ俣岳8:40-9:15赤木岳9:15-11:31黒部五郎岳の肩11:33-11:46黒部五郎岳11:50-13:00雷岩付近13:25-14:15黒部五郎小舎
20日
黒部五郎小舎5:45-7:18黒部乗越7:23-8:00三俣蓮華岳8:05-8:45三俣山荘10:00-11:20鷲羽岳11:27-12:16ワリモ北分岐12:18-13:00水晶小屋
21日
水晶小屋5:13-5:44水晶岳5:50-6:21温泉沢の頭6:23-7:44赤牛岳7:57-9:17温泉沢の頭9:21-10:15水晶岳10:34-10:58水晶小屋11:40-12:09ワリモ北分岐12:12-13:28水晶池13:41-14:21高天原山荘14:50-15:03高天原温泉15:32-15:53高天原山荘
22日
高天原山荘5:12-5:26高天原温泉5:26-5:44竜昌池5:49-6:06高天原温泉6:30-6:50高天原山荘7:35-8:22高天原峠8:27-10:12雲ノ平山荘11:15-11:27雷岩11:27-11:55祖父岳分岐11:55-12:35黒部源流13:00-14:13祖父岳分岐14:18-14:41祖父岳14:50-15:02祖父岳分岐15:02-15:54雲ノ平山荘
23日
雲ノ平山荘5:38-5:59祖母岳6:02-6:18奥日本庭園6:45-7:08木道末端7:08-8:20薬師沢小屋8:55-9:42左俣出合9:50-11:12太郎平小屋12:05-12:35五光岩ベンチ12:35-13:18三角点13:25-14:15折立
天候 | 18日 晴れ 19日 晴れ 夕方からガス 20日 雨時々くもり 夕方一時晴れ 21日 雨時々くもり 22日 雨時々くもり 23日 くもりのち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
亀谷料金所から折立まで 有峰林道(通行料1回入って出るまで 1,800円) 折立の駐車場は無料 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※ルートデータは、GPSの電池切れ等で、何箇所かログを喪失している部分があります。 ・登山届は、折立ではなく太郎平小屋に提出するようになっていました。 ・黒部五郎山頂からカールルートは、残雪があり上部のみ残雪期ルートになっていました。 ・三俣蓮華岳から三俣山荘へのルートは、残雪があり上部のみ残雪期ルートになっていました。 ・水晶岳から赤牛岳のルートは、この時現在まだ入山者も少ないこと、ガスで視界が悪かったこともあり、個人的には踏み跡の分かりにくいところがありました。 2回ほどルートを見失いました。 雪渓を2回ほど通りました。 ・21日現在、黒部源流から岩苔乗越の間のルートはスノーブリッジがあるので、できたら通らない方が…(自己判断で気をつけて通ってください)ということでした。 ・雲ノ平から薬師沢へのルートは、木道や滑りやすい石が多く、雨の後は特に下りで使用したので危険に感じました。(個人的には、木道で2回滑って転び、急坂の石でも滑って何度となく転びました。) ・今回のルート中、auの携帯は、ほとんど圏外で、ピンポイントでメールが何回か送れただけでした。(受信は、ほとんどできなかった) |
写真
感想
この夏最大の計画。
薬師岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳、赤牛岳、高天原温泉、雲ノ平の6日間、北アルプス最深部周遊の山行です。
最初の予報では、雨の日も多い予報でしたがスタート前日の梅雨明け。
少しは期待の持てる山行です。
というのも、黒部五郎岳は昨年、悪天候のため断念し、鷲羽岳、水晶岳も悪天で全貌は見えずということで、ことごとく嫌われてきた感のある山域だからです。
1日目
前日、仕事を20時前に終わった後帰宅し、準備。22時前に折立に向けて出発しました。
ただ、前日も準備のため睡眠時間1時間半とかなり削っていたので、走り出して早々に睡魔が…。
何度となく睡魔と闘いながら、SAで一息入れながら、立山IC手前の流杉PAで最終仮眠することに。
ここで3時間弱仮眠し、有峰林道のゲート開門6時に合わせてPAを出発しました。コンビニで最終食料を調達し、予定通り6時過ぎにゲートを通過。
6時半に折立に到着しました。
ここからすぐスタートと行きたかったのですが、40Lのザックに目いっぱい入った荷物と買い足した食料であふれんばかり。
なぜか18kgほどある荷物にこのザックでは頼りなさ下だったので、念のため持ってきていた60Lのザックに詰め替えてようやく出発。
トイレを済ませ、スタートできたのが7時半でした。
平日ということもありほとんど人に会わず、樹林帯の中を黙々と歩きます。
さすがに重い荷物で足もなかなか進みません。
そして汗が滝のように流れて泊まりません。
このままでは熱中症になってしまうという危険を感じ、なるべく水分補給を心掛け、ひたすら歩います。
1時間半ほどでようやく三角点に到着。一気に視界が開け久しぶりの好天の山行を実感し、テンションも上がります。
この日目指す薬師岳もよく見え、期待を持たせます。
ここからは、しんどいながらも気持ちの良い山歩きで、ニッコウキスゲの咲く中を歩いたり、本日の宿、薬師岳山荘を眺めたりしながら登りは黙々と登り、五光岩ベンチに到着。
だんだん目指す山が近くなってきます。しばしの休憩の後、太郎平小屋を目指します。
このあたりからは木道も多くなり歩きやすい道も多くなります。ただ自分の足はパンパンになりつつあり、この歩きやすい道さえいまいち。
足取りは重く何とか少しずつ進んでいるという感じ。そして、ひとまずの太郎平小屋が見えてきて、ひとまず安心。
ひたすら小屋をめざし、無事到着しました。
コースタイムで予想していた到着よりも早く、疲れていながらも少し気持ちに余裕が持てました。
ここからの景色は、また感動!!
目の前には360度名だたる山々が広がっていました。
そして何よりも天気が良い。
すべての山が丸見えです。
今回ぐるっと周遊と思っている山がすべて見え、これを逃してはと何枚も写真を撮ってしまいました。
そして登山届を太郎平小屋に提出し、昼食のおにぎりを食べ、本日の目的地に向かって再出発。
ここからもしばらく木道を歩きます。でも、木道のはずなのに足が引っ掛かる。
足が全く上がっていない証拠。
ともかく力を振り絞り、ひとまず薬師峠へ少し加工。
もったいないと思いつつそこは山。仕方ありません。
薬師峠のキャンプ場からまた登りかえします。
ここからは、㎥地とも沢ともいえるような道をひたすら登っていきます。
途中で雪渓が出てきたりで、通過仕方に悩みますが、なんとか通過。
しばらくして薬師平に到着。ここで何か聞き覚えのある鳴き声が。
ライチョウの親子発見です。
休憩もかね、しばらくカメラを向け、また出発準備。
重い荷物を背負うのがだんだんつらくなってきます。
ただ、あと一時間ちょっとというのだけを励みに小刻みな一歩一歩で何とか進んでいきます。
ここからも何度か雪渓に阻まれ㎥菅、何とか通過。
ザレ場のような道で足元も思うように置けませんが、滑ったりもしながら高度を稼ぎ、稜線に到着。
あとは、本当にたんたんと進み、ようやく薬師岳山荘に到着。
この日のお客さんはほとんどいない様子。
新しい建物はとても快適な感じで、案内された大部屋は一番乗り。
この後誰も来なかったら一人ですとのこと。
まぁ、いくらなんでもそんなことはないだろうと、ひとまず山頂アタックのため荷物をまとめ出発。
荷物はほとんどないので身軽で足取りも軽くといいたいところでしたが、確かにさっきまでよりは軽いですが、足に蓄積された疲労で思うように進ます…。
やっぱりゆっくりゆっくり進みました。
祠のようなものがあり、山頂かと思ったら、山頂まで30分の表示。
まだ半分あるのかと通過し、本来の山頂をめざします。
富山側からガスも湧いてきており、何とかもってほしいと願いながら歩き、何とか間に合い山頂に到着。
証拠写真を撮り、お参りし、景色を眺め、おやつを食べ。
その間にもガスで視界がなくなったりするものの、完全に隠れてしまうわけではなく、30分以上、山頂で過ごしてしまいました。
ひとしきり満喫し、小屋へ戻るとやはりほかのお客さんもいました。
といっても大部屋に私を含めて3人。
きれいな外の景色が見える部屋はもったいないくらいでした。
お決まりのビールで独り乾杯。
あっという間に17時の夕食の時間です。
この日の宿泊は5人だけ。
おいしい夕食をいただき、テレビを見て、下界のような生活でした。
夕食後、日の入りに合わせて外へ出て撮影タイム・
この時間でも槍ヶ岳などの山々も見え、程よい雲に夕日が当たり、とても幻想的な景色を見ることができました。
山での初日の素晴らしい景色に満足しつつ、寝不足を解消すべく1日目の山での眠りにつきました。
2日目
今日も良い天気。
あまりの寝不足に早起きはできず5時出発の予定で起きたのが、4時。
朝食は頼んでいなかったので、身支度を整え、パンをほおばり、5時15分の出発。
その間に朝日が当たる薬師岳を撮影したりとあわただしい時間を過ごしました。
今日は、黒部五郎小舎までの行程。
遠くに見える黒部五郎岳のまだ向こう側。
「そこまでだったら5時くらいに出たいんでしょ。」という小屋の方のアドバイスもあり、ほぼ予定の時間。
ただ、黒部五郎岳から黒部五郎小舎までのルートについて、出発前日に小屋へ電話したところ「カールルートは、雪渓で危険なところがあるので、稜線ルートを来てください。ただ、雪庇もあるので気をつけてください。軽アイゼンがあればなおいいです。」との話。
詳しくは、太郎平小屋で確認するとして、出発です。
来た道をひたすら下ります。
重い荷物もこたえますが、ただ下りということもあり、何とか進みます。
ただ、先の行程も長いこともあり、足への負担を極力なくすためになるべくゆっくりと下ります。
登りはあれだけ時間がかかったのに、下りはやはり早い。
ただ、峠からの登りかえしはやはり予想通り低速です。
足の疲労は、全然回復していません。
大したことのない登りもゆっくりゆっくり歩き太郎平小屋に到着。
言われた通り確認すると、昨日からカールルートも通れるようになっているとのこと。
それならやはり黒部五郎岳の最大の魅力、カールを通らないわけはありません。
ただ、その前に本日最大の山場、黒部五郎岳を超えないといけませんが、太郎平小屋でトイレをかり、水を補給。
昨日の薬師岳山荘は、稜線ということもあり水の調達がミネラルウォーターの購入しか無理で、最低限の水しか持っていなかったので、暑い日の長い行程、目的地まで小屋もないので、重くなりすぎない程度に水を入れ、体にも思いっきり飲んで補給しました。
小屋まではラジオ体操が始まり、少しだけ参加し、あまり遅くなってもいけないので、切り上げ出発。
山が見えること、どこを見ても山の中を歩いていることに浸りながら、「なぜこんなしんどいことをしているのかな?」「この歩いた人にしかわからない景色を見るため、達成感のためかな」とか、自問自答しながらゆっくりと進みました。
しばらくはお花のたくさん咲く道を楽しみながら歩いていましたが、やはり登りは昨日の疲労がかなりあり、特に足が…。
全く進みません。
そして重い荷物が肩、腰に食い込み前進筋肉痛な感じ。
見える景色に励まされながらなんとか進み、そして雪渓を横切り、しばらく歩きようやく北ノ俣岳へ。
登りが遅いのでコースタイムどおりにしか歩けていません。
山頂で写真を撮り、あまりの疲労感にゆっくり目の休憩をとり、座り込んでストレッチまでして、山頂を満喫しました。
そして、再び歩き出し、目指すは赤木岳。
少しのアップダウンを繰り返しながら向かうのですが、その少しのアップすら足取りが重く、全然ダメな感じ。
引き返すのも同じなので前へ進むしかありませんが、まぁ、1.5倍の時間がかかっても何とかたどり着くだろうという気持ちで歩き続けます。
そして赤木岳山頂を巻き、中俣乗越へ。
乗越には地等が広がっていましたが標識を見つけられず通り過ぎてしまいました。
そしていよいよ革新の黒部五郎岳への登りです。
と、言っても少し登っては下るというのを何度か繰り返し、下るたびに登るのがしんどいという気持ちがふつふつと湧いてきて、足取りも余計に重くなりました。
そして、本当の黒部五郎岳への登り。
急登と書いてあるとおり、遠くから見てもジグザグの登りが見えていましたが、歩いていてもやはり急登で疲れ切ったありには、かなりこたえ本当に一歩ずつゆっくりとゆっくりと進み、途中で立ち止まってを繰り返し。
途中で荷物の重さにも耐えられずザックを下して休憩。
少しゆっくりした後再び歩き出し、しばらく行くと黒部五郎岳の肩に到着。
ここで先行していた人たちに追いつき、今日3人目の人に出会いました。
肩に荷物をデポし、カメラだけ持って山頂へ。
ガレた歩きにくい坂道を登っていくとゴーロの部分も歩き、ようやく山頂に到着。
だいぶガスも湧いてきており、景色も見えたり、見えなかったりしていますが、何とかガスの切れたときに記念撮影。
黒部五郎岳のうわさ通りの素晴らしいカールを上から覗き込み、今日の目的地黒部五郎小舎を見下ろし大満足。
足元のお花にもカメラを向けつつ肩まで戻ります。
ここからは、カールのルートをひたすら下り、そして振り返ってカールを眺めを繰り返し少しずつ進んでいきます。
ひとしきり滑りやすい道を降りると今度は大きな岩がごろごろしているところをとおっていきます。
途中の岩の上で昼寝をしている人を発見し、今日の目的地もだいぶめどがついてきたので、私も岩の上でくつろぎたいモードになり、重い荷物の食料を減らしたいのもあり、ラーメンを食べることに。
ただ水はそこまでの余裕がなかったので、沸かすからいいかと言い訳をして、流れる水をくみ使用しました・
重い荷物を岩の上まで運び上げ、くつろぎつつラーメンの作成開始。
写真も撮りつつお湯が沸くのを待ち、ラーメンを投入し、出来上がりを待つ。
そして、贅沢な時間を満喫すべく、絶景の中でラーメンを食べ大満足でした。
お腹もいっぱいになり、後はゴールの小舎を目指すのみ。
大体ここから1時間くらいかと予測を立て再出発。
エネルギー補給した体は最初しばらくは順調でしたが、やはりしばらく歩くと足の疲れが復活。
なんとかだましつつ、進みます。
途中雪渓のトラバースもありましたが、ステップも切られており、表示もされていて問題なく通過できました。
ここからも大部分が、沢とも道ともいえるところを歩き続け、小さなやぶの中を通過したりしてひたすら進みました。
ただ、ほんとに熱くかなりバテ気味になってきたところに、小屋の屋根が少し見え、そのあとの徒渉ポイント。
思わずタオルを濡らし、それに懲りず、頭から水をかぶり、ついⓣ出に髪の毛も少し洗う感じで2日間の汚れを落としてしまいました。
頭から水をかぶったことで少し頭も冷やされ、だいぶバテも改善され、あと少しの道のりを何とかクリアし、小屋の目の前に現れてきました。最後の木道を歩き到着。
14時の到着で、だいぶゆっくりできる時間ということもあり、ひとしきり片付け汗をぬぐった後に、外のベンチでビール。
あまりのおいしさに一気に飲んでしまいました。
そこからは、まったりと山の景色を眺め眺めつつ、ソーラーで電池や携帯を充電しつつ、濡れたものを乾かしつつコーヒーを沸かしたりと、山での贅沢な時間を過ごしました。
この日の宿泊は2人と思われ、夕食は2人でいろんな話をしながら、ボリューム満点の食事に満足し、その後も黒部五郎岳を眺めつつ、まったりと過ごしました。
小舎前にはコバイケイソウの群落があるようですが、花はまだで少し残念でしたがずっと泊まってみたいと思っていた小舎で本当に山の中という雰囲気を満喫するには最高の場所でした。
3日目
前日からの天気予報では午後から雨の様子。
しかし、朝5時の時点で雨は降りだしていました。
テンションは下がりますが、ひとまず今日の行程はあまり長くないので、とりあえず明日のための体力温存と移動という意味もあるので、あきらめて翌日の好天を期待しつつ歩きます。
黒部五郎小舎を出発するときには、ひとまず雨がやんでいたので、雨具を着ずに出発。
淡々と上がって高度を上げていく感じです。
天気は悪いもののひとまず下の湿原あたりの景色は見えて広がっているので時々振り返りつつ登っていきます。
たんたんと登ったあと少し傾斜が緩くなってくると、雪渓が現れてきました。
どうも雪渓の上を歩くようで、小屋の方がマーキングしてくれてあるのですが、いまいち不安で、ガスで視界があまりないのも不安をあおります。
とりあえずマーキングに沿うように進み何とかクリア。
そんな雪渓を歩いたり、ハイマツの中を歩いたりを繰り返し、黒部乗越まで。
この日もなかなか人に会いませんが、ようやくこのあたりですれ違います。
間違ったルートではないとは思っているものの、やはり人を見かけないのは不安で。
このあたりから雨が激しくなってきて雨具を着こみます。
しかし、時々やんでくるので少しでも疲れないように雨具の上だけを脱いだりと…。
そして今日も上がらない足をひたすらあげて黙々と進みます。
そして三俣蓮華岳山頂目前で雨が激しく降り出し、何とか山頂へ辿りつつ、あわてて雨具を着直し完全防備に。
一気に雨も激しくなり、証拠写真をおさめるだけで精いっぱい。
天気が上がれば、双六岳ピストンも考えていましたが、何度か訪れた山頂へこの天気で行く意味もあまりなく、さっさと三俣山荘へ向かいます。
いきなり残雪期コースという表示があり、雪渓を避けて通るコースになっていました。
指示のとおり降り、夏道と合流。
しばらく下ると三俣峠へ到着。
双六方面を見ましたが、やはり上部はガスの中。
ここは、あきらめ三俣山荘へ向かいました。
三俣山荘へ向かう道には、まだ雪渓も残っており、トラバースするところもありました。
そして、ガスの晴れ間から、三俣山荘が時々見えるようになりますが、その後ろにそびえるはずの鷲羽岳は完全にガスの中で、全貌は見えません。
ここの景色にあこがれ、昨年に続いてここを訪れたのですが、残念。
しばし、立ち止まって眺めていますが、晴れる気配はなく、ガスが薄くなったわずかなすきに、ほんの少し上部のシルエットが見えただけでした。
こうなったら後の楽しみは、三俣山荘でのコーヒー。
今回、この日は余裕のある日程を組んであったので、絶対三俣山荘でケーキセットを食べようという野望があり、実行することに。
到着が早かったので少し心配していた喫茶時間も少し前に始まっており、玄関横の階段を登り喫茶ルームへ向かいました。
この時点で、雨が結構降っており、どうやって入るのかも躊躇しましたが、荷物を外に置き、雨具を入ってから脱いでかけさせてもらい、お目当てのケーキを注文。
名物のサイフォンでいれたコーヒーを注文し、サイフォンを見ながら、この日のこの先の行程を考え、ルートなどの様子も小屋の方に聞きながら検討しました。
マロンケーキとコーヒーで甘さと暖かさに満足し、まったりとした時を過ごしてしまいました。
ここで、昨日であった方がここで停滞しており、少し話し込んだりしていたら1時間以上を過ごしてしまい、とりあえず予定通り鷲羽岳を超え、水晶小屋へまっすぐ向かうことにしました。
どうもこの日はこの三俣山荘で停滞される方や、予定を変更してここまでとされる方も結構いるようで、山荘は人が増えてくる様子、そして先へ向かう人はほとんどいない様子でした。
しかし、少し前に水晶小屋へ向かって出発された方もいるとことで、なんとなく安心し、私も出発しました。
完全に雨の天気ですが、そう激しい振ではないのが救いで、昨年とは逆のルートで鷲羽岳を通過するということで、初めてではないコースに少し安心感はあります。
急登をジグザグにひたすらゆっくりゆっくりと登り、山頂めざします。
雨のおかげか、ざらざらした感じがなく、意外に歩きやすく登れた気がします。
そして登ること1時間ちょっと。
鷲羽岳山頂に到着しました。
しかし、完全にガスの中で、視界はありません。
晴れてきそうにもないし、逆に雨が激しくなってきたらいやなので、証拠写真だけおさめ、さっさと水晶小屋に向けて下山開始。
高度を下げていきます。
しばらく歩いて振り返ると、歩いてきた稜線が少し見えるようになっていました。
この辺で、ライチョウに遭遇。
すぐに稜線の上の方に行ってしまったのでじっくり見ることはできませんでしたが、雨の日ならではのご褒美だったかなと思います。
ここからは、足元のお花に時々目をやりながら、稜線をトラバース気味にワリモ北分岐に向けて、ひたすら小さなアップダウンを繰り返し進みます。
ちょっとの登りで一気にスピードダウンし、荷物の重みと足の疲れが相当なことを感じずにはいられませんでした。
そして、なんとかワリモ北分岐に到着。
少しだけ休憩し、先を急ぎます。
ここからも同じような道を水晶小屋に向けひたすら歩きます。
わきの池やお花の景色にも目をやりながら、少し分かりにくいハイマツの中の道を抜け、最後はジグザグに少し高度を上げるとこの日の目的地の水晶小屋が見えてきました。
昨年訪れたものの泊まるのは初めてなので、ここでの泊りもとても楽しみにしていました。
こじんまりした小屋ですが、中は改装して間がないため新しい木が印象的でとてもきれいでした。
濡れたものを乾燥室に干し、逆にシャツ類は着たままストーブに当たり、ひそかに乾かします。
そして、ケーキセットを食べただけで、夕ご飯までお腹も持ちそうにないので、暖まるのもかねて「力汁」というのを注文。
どんなものかよく分かりませんでしたが、おもちの入った野菜たっぷりのトン汁のような感じで、ショウガなどもたっぷり入り、七味を振りかけて食べるので、かなり体も中から暖まるもので、冷えた体を温めるには最適なもので、お腹も心も大満足でした。
この日の泊りは10名ほど。
食堂でストーブに暖まりながらまったりと過ごし、屋根をたたく雨音に敏感になりながら過ごしました。
そして、夕方、雨音が聞こえなくなり外へ出てみると、さっきまでのガスで何も見えなかった景色はうそのようで、ここから見えるすべての山々が姿を現していました。
水晶岳はもちろん、野口五郎岳をはじめとする裏銀座の山々、大天井岳をはじめとする表銀座の山々、常念岳、そして、槍ヶ岳、穂高連峰、西鎌尾根、双六岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、黒部五郎岳、そして雲ノ平。
とにかく見えるべきものがすべて見え一気にテンションが上がり写真も撮りまくってしまいました。
これで、このまま晴れてくれれば、明日の赤牛岳への稜線もかなりいい感じなはず。
期待を持ちながらしばらく眺めていましたが、やはり少しすると再びすべての山々はガスの中に入ってしまいました。
そして、この小屋での定番。おかわり自由のカレーを、何か食べないと損な感じで2杯、お腹いっぱい食べて、この日もまた、大満足なご飯の時間を過ごしました。
明日は、未知の世界の赤牛岳をめざしますが、歩いている人も当然少ないルートですし、小屋で聞いてもルート状況も、いまいち、分からない感じ。ガスであまりにも視界がないとか、大雨とかになるとあきらめざるを得ないところがあるので天気の回復を祈りつつ眠りにつきました。
4日目
結局、夜中少しやんでいる時間もあったようですが、昨日から雨が降り続いていました。
起きようと思っていた4時前。
雨音にテンションが下がり、なかなか起きれません。
今日の山場というか、この計画のある意味一番の冒険、赤牛岳へピストンの予定ですが、あまりの雨天では決行するわけにもいかず。
でも、行かないのも悔しいということで、ひとまず起きだし準備をし、お弁当のおにぎりを1個だけ食べ、ひとまず水晶岳を目指すことに。
後は天候と時間とコース状況を見ながら判断するということで、戻ってくる折り返しのタイムリミットを9時と小屋の人と話をして決定し、様子を見ながらということで出発。
雨も降り、ガスも出て視界もあまりありません。
一度来たことがある道なのでなんとなくイメージが分かるので、視界が悪くても山頂をだまされないように気をつけます。
先も長く、荷物も軽いのでたんたんと歩き、水晶岳山頂に到着。
証拠写真だけおさめ、雨も激しくはなく、ガスはあるものの10m以上の視界はあるので、先を急ぎます。
ここから、コースタイムで2時間40分。
ガスで見えない赤牛岳をめざします。
ひとまずの目安の温泉沢の頭まで。
ルートはほぼマーキングで分かりますが、途中でふと見失ってしまい何か違う雰囲気。
ガレ場で一歩間違えると谷底へ落ちていきそう。
ここで、GPSで位置を確認するとやはりずれています。
ルートと思われる方へ登りかえし何とか復活。
前のマーキングにも注意しながら、帰りのことも考え振り返りつつ確認の繰り返しで、温泉沢の頭に到着。
予定より少し早目で順調。
このままいくと、時間的には赤牛岳にたどり着きそう。
あとは、ルートに問題がないかと道を見失わないかだけ。
相変わらずのガスに雨で、ひとまず、先を急ぎます。
ここからも、とりあえず目を凝らしてルートを見失わないように注意深く進みます。
ガレ場や浮石に注意しつつ、後ろも振り返り確認しつつ。
時々、目印に積んである石の上に石を積んでみたり。
とにかく帰りのことも考えながら、足跡の残るように歩いてみたり。
ともかく無事に帰れるようにだけを考えていました。
なんといっても、当然誰とも会わないルーなので、それが一番で、そして恐れていた雪渓がルート上に現れました。しかし何とか雪渓を横切り向こう側まで行けそう。
ただ、一度足を滑らせたら、谷底へ滑っていってしまいそう。
慎重に歩きます。
そして、ほぼ稜線を微妙なアップダウンを繰り返し歩き、また雪渓に。
ここは少し斜めに下りながらのトラバース。
何とか、クリア。
またひたすらマーキングに従い進みます。
すると、このあたりで一瞬ガスが晴れ、目指す赤牛岳と思われるものが見えてきました。
かなり近くまで来ています。
あとはひたすら進むしかありません。
ルートに問題のないことだけを祈りつつ、ひたすら目的地をめざします。
そしてまた、ガスの中となった赤牛岳に何とか到着。
感動です!!
ほとんど何も見えない中をもくもくと歩いた感はありましたが、とにかくやり遂げた感はひとしおでした。
これが晴れていたら、最高の稜線歩きなのにと思わずにはいられませんでしたが…。
証拠写真だけおさめ、おにぎりを一つ食べ、ガスも晴れそうにもないので引き返します。
このまま順調に戻れば、コースタイムで歩いてもこの先の行程も問題なさそう。
ちょっと余裕もできてきて、花にも目をやりつつ。
でも、ルートを外さないように着実に来た道をたどります。
雪渓を超えて進んでいきますが、どうもおかしい。
GPSでチェックするとやはりずれています。稜線越しの逆を見るとルートが…。
ひとまず少し戻り、稜線を超えルートに戻ります。
さすがに空身とはいえ、これだけ歩いた後は、足にもきています。登りになるとかなり進みも遅くなっています。
温泉沢の頭を超え、ひたすら黙々と歩きます。
時々雨はやむものの、また振るというのを繰り返している一日です。
本日二度目の水晶岳に向けて重い足を引きずり、最後のひと踏ん張りとゆっくり進みます。そして、足元に目をやりながら。
というのも、行きのこのあたりでストックのゴムが外れたらしく気づいたらなくなっており…。
しかし、そう簡単には見つかりませんでした。(ごみを増やしてしまってごめんなさい。)
そしてようやく二度目の水晶岳山頂。
小屋はもうすぐで時間も予定よりだいぶ早かったので、山頂でガスの切れ間がないかしばらく待っていましたが、やはりかないませんでした。
結局あきらめ小屋へ向かいます。
ここで予定より少し早く帰ってこれたので、ゆっくりとパッキングをし直し、残りのおにぎりを食べ再出発の順義。
ここから高天原までのルートの注意点を確認し、出発です。
ここからは、約3時間半。
長いものの下りということもあり、一応気持ちは楽です。
しかし、それが甘かった。
確かに下りでしたが、沢のような道あり、ぬかるんだ沼のような道あり、淡々と歩き続けます。
何人かで歩いていたら大したことのない道なのでしょうが、一人で歩くには永遠と長く不安になる道でした。
雨で道脇の気も濡れており、雨が止んでもつゆがたくさんついており雨具の脱げない状況。
靴は濡れて、グチョグチョ。
濡れて医師に滑ってこけたり、頭上の気に頭を激突させたりと、なかなか大変でした。
そして、ようやく水晶池入口に到着。
池まで10分に悩みましたが、ひとまず行くことに。
どう考えても池に映る水晶岳は期待できないのに…。
なみなみと水を蓄えた池は「涸れることもある」とは想像のつかない様子でしたが、当然姿を現さない水晶は映るはずもありません。
早々に切り上げ、ルートに戻ります。
小屋まであと40分、と自分に言い聞かせながら重い荷物で苦しい道のりを進みます。
そして高天原山荘まで、あと500mの表示にホッとしました。
最後は、ニッコウキスゲのたくさん咲いている間の木道を進みようやく到着。
本当に長かった、という感想でした。
くつろぎたいところですが、その前に、ここの第一の目的、温泉へ。
着替えとタオルを持ち向かいます。
濡れた靴なので温泉の後のことを考えるといやですが仕方なく、約20分の下りを歩き、温泉に到着。
川沿いの野天風呂と囲いのある女性風呂、混浴とありましたが、やはり川沿いの野天風呂に入る勇気はなく、囲いのある女湯で満喫。
硫黄臭のする温泉で、4日ぶりの汗を流し、温まりました。
帰りの30分を考えると、ちょっと嫌な感じですが…。
おまけに雨も降り出し、また河童を着るはめに。
汗をかかないようにひたすらゆっくりと戻りました。
そして、小屋に戻り、お風呂上がりのビール。最高でした。
ここでの夕食もボリューム満点で品数も多く、満足できました。
日が暮れるとランプがともされ、ランプの宿高天原山荘らしい情緒ある雰囲気に浸りながら、外から聞こえる雨音に、明日こそはと願いつつ眠りにつきました。
5日目
今日も雨の予報ですが、起きた時点では少しましのよう。
昨日行きそびれた、龍昌池へひとまず向かうことにします。
高天原山荘に泊まっていた方の情報により、手前に間違えそうな大きな水たまりがあるので注意するようにとのこと。
しっかり頭に入れ、ひとまず止んでいた雨と、ところどころ稜線まで見えてきている天気に期待しつつ向かいます。
小屋の方が長靴を貸してくれたので、多少の水たまりも問題なく進めます。
温泉を通過ししばらく行くと池のような大きな水たまりが。
話どおり右側のささやぶの中を巻き先へ進みます。
するとまた大きな水たまりが。
今度は長靴ということもあり、まっすぐゆっくりとつっきります。
そしてようやく龍昌池に到着。
ニッコウキスゲが咲き、チングルマもたくさんあり、日本庭園のような池に周りの木々が映りきれいな池でした。
ただ天気が良く稜線が見えているとその山まで映るのだろうなという残念な感じはありましたが。
ひとまず満足して引き返します。
温泉を通過…。
と、思いましたが、ここで悩みます。
ここまで来て囲いのある温泉に入っただけでいいのか。
河原の野天風呂に手を入れると昨日のお湯よりも断然暖かい。
かなり悩んだ挙句、河原の野天風呂に入ることに。
早朝から入る人も、そういないだろうからと、素早く服を脱ぎ、あわてて温泉へ。
しばらく満喫して、証拠写真を撮って、またすばやく服を着る。
さいわいこの間、誰が来ることもなく、問題なく達成できました。
そして小屋へ向かいます。
ただ、温泉に入った後の体は妙に重かった。
空身でこのだるさはと思うとかなり不安を感じながらたどり着きました。
ここで弁当を受け取り、ひとまずおにぎり1個を食べ出発準備。
この日の宿泊地、雲ノ平山荘までの行程はそう長くありません。
それだけに、気持ちに余裕ができお風呂まで入ってしまったのですが。
この時、また雨が降り出していてテンションは上がりませんが、ゆっくりと準備し、予定より1時間半ほど遅く出発となりました。
やはり重い荷物は足にこたえ、平坦なところは良いのですが、少しの登りで足が上がらなくなります。
しかも4日間の足の疲れは蓄積されるばかりで、日に日に上がらなくなっている感じです。
それでもひとまず淡々と歩き、高天原峠まで。
途中で橋のかかった川も渡りましたが、雨のため増水しており、かなり激しく流れていました。
高天原峠からは急登と地図にも書いてありましたが、そのとおりで、根っこの張り出した道をぐんぐんと登っていく感じ。
当然足が上がらず、手も使って一生懸命体を持ち上げる感じ。
何とか頑張っているとついに鉄の梯子が。
これがかなりのくせもので一気に疲れが増しました。
歩幅が決まっているので、重い荷物を背負っての長い梯子は、足への負担が大きすぎでした。
なんとか、登り切ったと思ったら、目の前にもまた梯子が現れ、結局3つの梯子を通過しました。
そして、しばらくするとようやく急登の終了。
木道があらわれたり、なんとなく目指す上が見えてきた感じで少しホッとしました。
といってもここからも岩のごろごろの道を歩いたり、森の中を歩いたり、ついには雪渓を登ったり、ハイマツの中をくぐり抜けたりと何とかピークに到着。
そしてついに青空が見え、視界も開けたこともあり、雲ノ平山荘が見えてきました。
今度は、ごろごろ岩の中を歩き、ハイマツを抜け下っていきます。
ここで、ライチョウ発見。
登山道を私の歩く方へ一生懸命に逃げていきました。
そしてついに小屋前の木道まで到着。
最後の木道を歩き、あこがれの雲ノ平山荘に到着しました。
しかしこの時点でまだガスが出ており、視界はほとんどありませんでした。
受付だけ済ませ、このまったりとした雲ノ平の中のくつろぎ空間の雲ノ平山荘で食べたいと思っていたケーキセットをひとまず注文し、高天原から同じだった女性とこの先のルートについて話しながら、ひと時のまったりとした時間を過ごしました。
しかし小屋の人によると15時頃から雨の模様。
雨の降るまでにその女性は三俣山荘まで、私は黒部源流まで行って戻ってきたいなどと思っていたのですが、そうこう話しているうちに雨が降り出してきました。
11時過ぎにもう降り出してきてしまっている雨は仕方ないので、とりあえず目的地へ向かいます。
ガスで視界のきかない中をひたすら木道を歩き、沢のような道を歩き、ごろごろ岩を歩き、ハイマツを抜け、雪渓を歩き、祖父岳との分岐に到着。
予定よりかなり早いペース。
これならなんとか17時の夕食までには戻ってこれそう。
同じような感じの道をひたすら進み、マーキングがあるから何とかなるけどというような、かなり大きめの雪渓の上を歩き徐々に下っていきます。
そして視界が開け、一気に源流あたりがはるか下方に見えてきました。
あそこまで下がるのかという気持ちと、それを登りかえすのかという気持ちでつらいところでしたが、ここまで来たからには行くしかないし、行かずには帰れないということで心を引き締め、ジグザグの急坂を下っていきます。
そして最後の雪渓を渡り、到着。
とりあえず徒渉し源流碑を探し、写真におさめます。
そして水をくみ引き返します。
分かっていたとはいえ急登をたんたんとひたすら。
それでも空身なのが救いで何とかクリア。
時々ガスが晴れ、視界が開けると振り返ったり、写真におさめたりしながら来た道を着実に戻ります。
そして祖父岳の分岐まで戻ってきました。
ここでお腹が空いてきたので、弁当の残りのおにぎりを食べ、時間もまだ大丈夫そうなので、祖父岳に向かうことにします。
このころ雲ノ平の視界がクリアになっており、上に行けばより良い景色がというのと、携帯の電波が入るらしいというのもあり頂上を目指しました。
これもまた、雪渓を登り、ごろごろ岩の急登、ガレ場を登り、だだっ広い山頂に到着。
証拠写真におさめます。
しかしこの頃にはまたガスが出ていて、視界はなし。
そしてauの携帯の電波も入らずあきらめて下山します。
しかしこの分岐あたりで、どうもメールを受信した形跡があるので、電波を探しながら小屋へ向かいました。
ここからほぼ木道、少し雪渓という感じなので気持ちは楽に歩けました。
結局スイス庭園の近くの木道で何とかメールだけ送ることができ、無事用件も済ますことができ、満足。
あとは、スイス庭園を少し見たり、時々晴れるガスの合間に雲ノ平の景色を満喫したりして無事小屋に到着。
ここでの夕食は、石狩鍋。
体も温まり、ビールもいただきながら、同席の方と山の話をしつつ楽しい時間を過ごすことができました。
そして天気予報を見て、21時ごろに空を見ると星も少し輝いており、翌日の天気を期待しつつ、短い夜の時間を過ごし眠りにつきました。
6日目
いよいよ6日間の縦走も最終日です。
疲労は蓄積されるばかりで体は疲れてはいますが、今日こそ天気は回復傾向にあるという予想に何とか期待し、最後に素晴らしい景色を見て終わりたいという気持ちで朝から準備を始めます。
この日も弁当を頼んでいたので、朝は軽くパンだけ食べ、天気が良くなってどこか天気の良いところで弁当を広げようという野望の元出発準備。
と、ほかの方から外の景色がすばらしい、雲海に浮かぶ黒部五郎や笠ヶ岳がきれいという声をきき、あわててカメラを持って外へ出ます。
そこには、本当に幻想的な景色が広がっていました。
何枚か写真を撮りますが、雲はだんだん高くなってきてあっという間に山を隠してしまいました。
そしてその雲がこちらにも迫ってきた感じで、あっという間にさっきまで晴れていた景色がガスに包まれ見えなくなってしまいました。
とりあえず、この景色を見逃さなかったことに感謝し、いよいよ出発。
相変わらずガスの中の木道でした。
このガスで視界の中で、祖母岳に登ろうか悩みましたが、後で後悔するのは嫌なのでともかく向かいます。結局予想通り何も見えませんでしたが。
しかし、何か晴れ間が見えそうな空の気配に、期待しつつ先へ進みました。
そして、木道をまた進んでいると、光がさし虹が見え始めました。
徐々にテンションも上がり、奥日本庭園に着く直前になってくると一気に天気が晴れてきて、目の前に薬師岳が姿を現し始めました。
そして気づくと、再び雲海の上に黒部五郎や薬師岳、後ろには祖父岳はもちろん水晶岳など、遠くは立山の山々まで見えるようになっていました。
ここで食べるしかないと、岩の上で弁当を広げ目の前に広がる素晴らしい景色もおかずにご飯を食べました。
そして、写真も何枚も撮影し、数日ぶりの絶景を堪能しました。
ずっとここで見ていたい気分ですが、この日は折立までの下山ということで、行程も長いので、先を進みます。
そして、何人もから注意されていた雲ノ平から薬師沢への下り。
滑りやすい木道や石が多いので注意するように言われていました。
しかしこの時点で、木道で二度ほど滑って転んでいました。
急坂で、石で滑ってこけるのはもっと危険なので最新の注意を払って下り始めます。
しかし、疲れた足と重い荷物で少しバランスを崩してしまうと立ち直れないというのもあり、何度か足を滑らせているとついに激しく転びました。
幸い変なこけ方をしなかったので、大けがはしませんでしたが。
再び気持ちを引き締め、なんとなく折れそうになる気持ちを踏ん張りながら、慎重に下っていきます。
結局何度となく滑り、何度か転び、雨具などには穴が開いたりもしましたが、なんとか体は無事に薬師沢まで到着。
流れる川の水は、とてもきれいで澄んでおり思わず、タオルを濡らしたり、顔を洗ったり、汚れた靴や雨具を洗ったりとしてしまいました。
しかしここで、薬師峠小屋へ上がる木の梯子を見て…。
この体でこれを登るのかという恐怖感が湧いてきましたが、登らないとすすめません。
川で一息ついてから、気を取り直して一歩一歩確実に登り、川にかかる吊り橋を渡り、なんとか薬師沢小屋に到着。
これからの登りかえしもあるので、ひとまずゆっくりと休憩します。
天気もかなり良くなってきているので、雨具類を片付け、ここまで天気が悪く温存していたソーラーパネルをザックに括り付け、荷物を整え再出発。
ともかく太郎平小屋までの登りを登りかえせば、後はほぼ下り。先が見えてきます。
最初は少しの登りがあり、そのあとは平行移動というイメージで、お花が咲く木道などを進み、太郎平小屋のある稜線に近づいていく感じです。
しかし、一気に天気が良くなり本当に熱く感じます。
そして、最後の太郎平への登りが始まり、疲れた足を引きずりながら、ゆっくりゆっくりと、しかし確実に足を進めます。
そして、徐々に高度を上げ、目の前に広がってくる黒部界隈の山々にテンションが上がりながら太郎平小屋を目指して歩き続け、ついに到着しました。
少し雲がかかっている山もありますが、目の前に広がる山と良い天気に満足し、これで折立までのめどもついたので、ここで大休憩。
薬師沢で汲んできた水でコーヒーを飲もうと心に決めていたので、ここでお湯を沸かし、コーヒータイム。
昼食の代わりに、ずっと持っていたおやつのバームクーヘンをほおばりながら、ティータイム。
今回の縦走最後に山を満喫する時間をゆっくりと過ごしました。
そしてあとは折立までの下りをひたすら歩きます。
濡れた靴で歩きにくく、最初に上がってきた日より、道も雨でぬれて滑りやすくなっていたので注意するところはありましたが、ここまで歩いてきた道に比べたら比較になりません。
稜線を歩くうちは、暑さにやられないように気をつけて水分補給しながら、ニッコウキスゲが咲く高原の景色も満喫しながら徐々に下っていきました。
そして、太郎平から2時間ちょっと。
車の音が聞こえだし、なんとか無事に折立に戻ってきました。
ここでは、昨日の小屋で同室だった方も先に降りており、少しお話をしつつ、疲れた体をコーラで癒し、汚れた靴などを洗いながら、今回の縦走の余韻に浸りました。
そして、帰りには亀谷温泉の日帰り湯に入り、疲れと汗を流し、途中のSAで富山らしい海鮮丼でお腹もみたし、帰宅の途につきました。
今回の北アルプスの6日間の縦走。
計画段階で、行きたい山、泊りたい山小屋等をうまく組み合わせ、6日以内で行けるようにということでいろいろ考え、raichouさんにもアドバイスをいただき計画した行程でした。
6日のうち3日間は雨ということでしたが、終わってみればとても充実した山行だったと思います。
そして、ほぼ計画通りに歩けたことは、何よりもやり切った感が大きく、この夏の一大計画は成功だったかなと思います。
ただ、今回も鷲羽岳、水晶岳を歩く際には天候に恵まれず、二年連続の悪天ということもあり、また再び天候の良い時に再び、三俣山荘からの鷲羽岳の雄姿を、という気持ちになった山行でした。
雲ノ平の小屋で同室で、装備にあきれたり 感心した おばさんです。
山行記、楽しく読ませてもらいました。さすがに薬師沢への下りは大変だったようですね 。でも無事に下山できて何よりでした。
またどこかの山でバッタリ会えたらいいですね。
やるねぇ〜。お見事。天晴れ
●rokkosan さん
雲ノ平山荘ではご一緒させていただきありがとうございました
あの後の高天原温泉、雲ノ平のテン泊はどうでしたか?
私はやはり、あの荷物にかなり苦しめれられ、ご心配どおり木道とあの薬師沢への下りでコケまくってしまいました
また、どこかの山で会えると良いですね
●yahoo8 さん
yahoo8さんのように山でのゴージャスな食事の山行はできませんが、気合でなんとか頑張りました
相変わらず、凄い体力ですね、羨ましい限りです。
私も昨年黒部五郎に行ったとき雲ノ平山荘を遠くからみて行ってみたいと思い、来週予定をしているのですが先週の山行の疲れが残っており実現するか不明です。
燕山荘で林さんをお見掛けしたのですが忙しそうで声をお掛けしませんでした(地元の中学生の登山と重なり大混雑でしたので)
●harutotoroさん
体力というより気力の部分が多い気はしますが
来週の雲ノ平山荘、成功されることをお祈りしています
どのコースをとられるか次第だとは思いますが、無理な行程さえ組まなければharutotoroさんなら、まず大丈夫だとは思いますが
学校登山でにぎわっていたようですが、燕山荘も満喫されたようで何よりです
あの時、体調不良だった彼女からもヤマレコでメールをもらいました。大変だったと思うけど、よくがんばったとうれしくなりました。
お2人に刺激されて私も高天原の露天に入ってきました。その後雲ノ平のテント場に移動して、双六を経て新穂高に下りました。
三俣山荘から少し上ったところで熊のおおきなウンコを発見しました。山にはまだまだ新しい発見がありますね。
お互い単独行が多いようなので、事故には十分気をつけて楽しい山旅ができるといいですね。
いつかまたどこかで。
先日は、遊びに来てくれてありがとう!
ちらっと見せてもらった
行程表のノートにビッシリ書きこんでいた
計画からして、さすがだなぁと感心してました!
やはり、長期縦走になると
あれくらいしっかり計画しないと駄目なんですね〜
記録のボリュームがすごいですね!
お疲れ様でした!
無事帰ってこられて、楽しめて
良かったですね〜
●rokkosan さん
露天風呂入られたんですね
あれだけ苦労してあこまで行くと、入らずに帰ってきたら後悔しそうな気がしますよね
あの彼女には結局折立まで下山した再会していろいろお話しました
本当にそれぞれ単独での山行も多いようですので、気をつけて楽しみましょうね
またどこかでお会いできるのを楽しみにしています
●raichouさん
先日は、忙しい時間にお邪魔してすみませんでした
本当なら下山した後にもお邪魔しようと思っていたのですが、下山したのが中途半端な時間になってしまって結局温泉で一泊しようかなと思っていたのもせずにかえってきたので、お店の開いてる時間に高山へ寄るのも難しくなってしまったのであきらめて帰ってきました
単独であれだけの期間と山域になると綿密に計画をたてておかないと不安だし、きちんと計画書に残しておかないと何かあった時に探してもらえないかなぁと思って
raichouさんにアドバイスしてもらった雲ノ平からの下り、本当に危険でした
でも、本当に充実した参考になりました
記録も本当に重くなってしまって申し訳ないなと思いつつも、うまくまとめられずこんな量になってしまいました
最後まで見ていただきありがとうございました
また、近くへ行った際にはお邪魔させていただきますね
ご無沙汰しております!
記録と写真を食い入るように眺めました!
憧れの深山•赤牛や晴れた雲の平、そして夢にまでみた高天原温泉
この日数でこれだけの名所を巡られるとはさすがです。
そして小屋どまりなのに60L、でかい…
今回は雪解け遅めで、しかも平日でお山貸切ですね!
達成おめでとうございます!
●penko1110さん
ご無沙汰しています
かなり膨大な記録と写真見ていただきありがとうございます
でかい荷物はいつものことで45Lでパンパンになったので潔く背負いやすそうな60Lにかえたって感じで
でも、ほんと盛りだくさんにあのあたりで行きたかったところを無理やり詰め込んだ感がありますが、かなり充実した山行でしたよ
今度は、三俣、雲ノ平あたりのテント泊で、もっとのんびりできたらなぁと思いますが
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