南穂の縦走? 紅葉三昧・雲海三昧♪
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- GPS
- 65:20
- 距離
- 24.0km
- 登り
- 3,007m
- 下り
- 2,536m
コースタイム
新穂高右俣登山口14:29-15:05穂高平小屋-16:21滝谷避難小屋-17:01槍平小屋
[二日目]
槍平小屋4:12-7:25南岳小屋7:59-9:15長谷川ピーク-9:33A沢のコル-10:39北穂高小屋-11:22北穂高岳-13:11涸沢岳-13:26穂高岳山荘
[三日目]
穂高岳山荘4:28-5:07奥穂高岳-6:59紀美子平-8:16岳沢小屋9:24-10:43上高地BS
天候 | [一日目]曇り [二日目]ガスときどき晴れ [三日目]晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
[南岳新道]特に問題ありませんでした。目印を見失わないように。 [大キレット]特に問題ありませんでした。 [北穂高岳-涸沢岳]岩が不安定なので落石注意。 [吊尾根]特に問題ありませんでした。 [重太郎新道]岳沢小屋まではストックはしまっておいた方がいいと思います。事故のあった梯子の下には防護ネットが張られていました。 ※初日に初冠雪がありましたが、西面の南岳新道以外の登山道では、二日目にはほとんど融けていました。 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
まずはじめに、南穂の縦走とは何ぞや?ということですが、南岳から奥穂までの縦走ということです。南岳のピークは踏んでいないので、正確には南岳小屋から奥穂までなのですが…
普通は槍ヶ岳から奥穂高岳まで歩いて、槍穂の縦走ということになるのでしょうが、なぜこんな締りのないことになってしまったかと言うと、元々は大キレットの通過と奥穂から西穂への縦走をまとめてやろうということを目的としていたため、日程の都合上、槍ヶ岳は始めからすっ飛ばす予定だったからです。
で結局、西穂には行かなかったので、南穂の縦走ということになってしまったわけです。
西穂に行かなかったのは、ひとえに体力不足によるものです。
二日目の槍平から穂高岳山荘までの行程でヘトヘトになってしまい、三日目にまたアップダウンのきつい縦走路を長時間歩く体力的自信がなくなってしまいました。
単に面倒になったからという面もあるので、同行者がいれば行っていたかもしれませんが…
いずれにしても体力が不足していることは否めないので、来年またチャレンジするまでにテント泊縦走などで鍛え直したいと思います。
それはさておき、山行自体は天候にもまずまず恵まれ、紅葉三昧、雲海三昧の満足いくものでした。
最近は岩登りに入れ込んでいましたが、やはり普通の山登りもいいな、と改めて実感することができました。
出かける三日前までは、今年はもう北アルプスには行かないつもりでした。
三連休の山小屋は激込みだろうし、帰りの車も大渋滞に巻き込まれるに違いないし。
ところが、槍平小屋という小屋はどうもそれほど込んでいないらしいと聞き、しかも臨時の高速バスが予約できてしまい、天気も悪くなさそうだったので、急遽出かけることにしたわけです。
ちなみに、初日に降雪があって登ってくる人が減ったためか、稜線の小屋は思ったほどは込んでいなかったようです。
さて初日ですが、初っ端から計画が狂い始めました。
高速バスが渋滞で想定以上に遅れてしまい、平の湯から新穂高までの路線バスも遅れて、結局、登山口を出発したのは14時半。
小屋に到着が17時を過ぎそうだと連絡すると、軽く非難されました。当然ですよね。
休憩なしで来てくださいと言われました(もちろん、実際には休憩はしましたが)。
そそくさと登山口を出発しようとすると、さらなるトラブル発生。
買ってからまだ二回目のストックが壊れてる! 先端が取れていて、使えないじゃないですか。いくら4千円の安物とは言えひどい。
実は後で確認したら、取り外しのできる先端が単にザックの中に取り残されていただけだったのですが。
ちょっと焦っていたこともあって、そんなことにも気づかず、推進お助けグッズなしで出発。
新穂から槍平小屋まで2時間半で飛ばして、何とか17時に到着することができました。
途中、何度か渡渉ポイントがあったので、暗くなってヘッデン頼りになっていたら、道が分からなくなっていたかもしれません。
最悪ビバークかなー、こんなところで嫌だなーなどと考えていましたが、そうはならずに一安心。滝谷避難小屋の中を覗いてみましたが、何かじめじめして暗そうでしたし。
次からはこんなことにならないよう反省した次第です。
槍平小屋は中途半端な場所にあるせいか、三連休の初日にも関わらず空いていました。
宿泊客は20人前後。布団四つのスペースに一人で寝ることができました。
食事はしょぼいし、スタッフも無愛想なので、また利用するかどうかは分かりませんが。
こじんまりとした小屋ゆえ、談話室で知らない者同士、和気藹々と話ができたのはよかったですね。
300名山達成済という70歳のおじいちゃんは、キリマンジャロやマッターホルン、ヒマラヤの何とかという山にも登ったことがあるそうで、「マッターホルンなんて、ガイド付きなら、イモリじゃなくても誰でも登れるよ〜。」と仰っていたので、ちょっと検討してみようと思います。
あっ、もちろん「イモリじゃなくて、イモトですよ。」と指摘しましたが、聞いちゃいませんでした。
二日目の朝、早くに目が覚めたので、夜明け前に出発。めっちゃ寒いです。
ヘッデンの灯りを頼りに南岳新道を登って行きます。
灯りを消してみると、真っ暗な夜の闇に包まれた山の中に独りでいることの恐ろしさを実感します。熊も怖いですしね。
灯りというものは本当にありがたいものです。
kanosukeさん情報通り、途中から夜のうちに積もった雪が現れました。
kanoさんには、天気予報情報を始めとして色々とアドバイスいただいて、本当に感謝です。応援してくれたのに、へたれて計画完遂できず面目ありません。
登山道が不明瞭なためペンキマーク頼りの場所で、そのマークが雪で隠れてしまっていたりして、何度か道を間違えてしまいました。
おかしいなと思ったら、すぐに引き返して辺りをくまなく観察することが大切だと実感しました。
ヘッデン頼りでも、意外と周囲を見渡せるものです。
南岳新道はそれほど急登というわけではないのですが、早く出た分のんびり行こうなんて思っていたら、逆にばててしまいました。
南岳小屋に到着した時点で、こりゃだめかなと思ってしまう始末。
おまけに、小屋に到着して気が緩んだためか、何でもない平坦な砂利道でつまづいて前のめりに転倒。顔面を地面に打ちつけてしまいました。
唇が痛い! 血が出ているに違いない。撤退だ! と思ってタオルを当ててみると、あれ? 血がついていない。何だ、大したことなかったみたい、とホッとした次第。
前夜に雪が降っただけあって寒い。
お湯を沸かしてコーヒーを淹れたものの、あっという間に冷めてしまって、ちっとも温まらない。
ガスで何も見えないし、テンションだだ下がりです。
この後も含めて二日目の行程は、休憩を含めてほぼヤマケイアルペンガイドのコースタイム通りだったのですが、コースタイムの8割ぐらいで歩けるだろうと思っていたので、そのことが体力に自信がなくなってしまった理由の一つでもあります。
やはり気の抜けないコースで長時間行動するには、相当の余裕をもって臨まなければならないと思っていましたので。
休憩すると寒いし、行動すると暑いし、ウェア調節にも難儀しました。寒さでより以上に疲労してしまったのかもしれません。
大キレットは思ったほど高度感もなく、普通の登山道とあまりかわらない印象を受けましたが、登りがきつかった。
一度コルに下りてしまえば、あとは平坦な道を進んで、最後にまた登り返すだけかと思っていたら、途中にも微妙なアップダウンがあり、これでかなり疲れてしまいました。
でも大キレットではご褒美がありました。
束の間ガスが晴れて、涸沢の展望が開けたのです。予想されていた通り、紅葉真っ盛り。
しばし足を止めて、見とれてしまいます。
テントの数もそれほどでもないように見え、あれ? これなら涸沢定着で、のんびり紅葉見物でもよかったのでは? という思いが一瞬過ぎりましたが、イヤイヤ、大キレットから見る紅葉の方がよいに違いない! と自分で自分を納得させつつ歩を進めます。
陽の光が当たっていないのと、カメラの腕が悪いせいで、写真は今ひとつですが、実際の風景は溜息が出るほど素晴らしいものでした。
北穂小屋に着いたときにはかなりへばっており、自分で持ってきたラーメンを作る気にもなれず、小屋でラーメンを注文してしまいました。
北穂小屋は小屋自体が小さいのでしょうが、小屋の前が狭く、大勢の登山客で溢れて息苦しかった。
話が飛びますが、のちに到着して宿泊した穂高岳山荘はいいですね。気に入りました。
客で溢れ返っていて多忙な中でも、スタッフは笑顔を絶やさず、極めて対応がよかったです。
結局、北穂小屋で大休止したのち重い腰を上げ、ようやく穂高岳山荘に歩を進めます。
ラーメンを食べる前は、このまま涸沢に下りてしまおうかと一瞬本気で考えていたのですが。
北穂高岳から涸沢岳間の登山道は、大キレットよりずっといやらしかったです。
よくこんな道を一般登山道にしているなあといった印象で、鎖がなければ、ちょっとしたバリエーションと言ってもいいのではないかと思いました。
高度感が苦手な方は、垂直の壁を登っているように感じるかもしれません。もちろん垂直だったら登れるわけないので、実際にはそんなことはないのですが。
この区間の何がいやらしいかと言うと、岩が不安定なことです。
後続者がいたので、落石を起こさないよう、細心の注意を払ってゆっくり登りました。
時おり、遠くからガラガラと転げ落ちる石の音が聞こえてくると、ぞっとしました。
そんなこんなで、ほうほうの体で穂高岳山荘に到着。
まだ13時半でしたが、外はガスで何も見えないし、ストーブの前に陣取って、夕食の時間までだらだらと過ごしました。
あっ、もちろん恒例通り、山ガールじゃなかった、元山ガールと楽しくお話させていただきましたよ。
軽量化のためヘッドランプすら持たないとか、小屋泊まりなのに18kgのザックを背負うとか(ちなみに水は4リットルだそうです)、なかなか興味深い話を聞くことができました。
まあ、真似しようとは思いませんが、人それぞれ色々なスタイルがあるもんだなあと、妙に感心してしまいました。
穂高岳山荘の食事はいいですね。
もっと標高の低いところの山小屋よりはるかに品数も多くて旨い。翌朝用に頼んだ弁当のちらし寿司も美味しかったです。
この小屋が人気があるのも頷けます。
食事後は早々と床につき、夜中に目が覚めたので表に出てみると、満天の星空。
そして目を転じると、奥穂高岳が闇に佇む巨人のように、圧倒的な迫力で聳え立っています。何か畏れのようなものを感じるほどです。
再び眠りにつきましたが、またしても早く目が覚めたので、前日に引き続きヘッデンつけて夜明け前に出発。
ヘッデン登山、何だかくせになりそうです。
ヘッデンの灯りを頼りに、目印を探しながら奥穂の山頂を目指します。
山頂に到着すると、三名ほど先行者がいました。これからご来光を目当てに続々と登ってくるだろうから、早々に山頂を後にして吊尾根に向かいます。
夜明け前の清々とした空気に包まれ、前にも後ろにも誰もいない吊尾根をのんびりと歩きながら夜明けを待ちます。
正面には見渡す限りの雲海が広がっています。
雲海からぽっかりと頭だけを出した山々は、文字通り海に浮かぶ島のようです。
静寂な夜の帳は、やがて柔らかな光を浴びて少しずつ開いてゆき、朝が訪れます。
さあ、行こう。その峰の向こうへ!
と言いつつ前穂は華麗にスルーして、二度と下るまいと誓ったはずの重太郎新道を通って、スタコラサッサと岳沢に下りて行きました。
岳沢小屋に到着してみると、ここもまた紅葉真っ盛り。
テン場も空いていて、いいんじゃないでしょうか。涸沢でトイレの行列待ちをするぐらいなら、自分だったらこっちを選ぶなあ。
岳沢小屋前のベンチで大休止。
前日は作れなかったラーメンを作って食べ、コーヒーを淹れて一服し、陽の光を浴びて輝く紅葉を眺めながら疲れたからだを癒し、上高地へと下って行きました。
geraniumさん、おはようございます
最終日の朝の雲海が素晴らしいですねえ
ほんとに、山小屋もいろいろですよね〜
そのストレートなコメントに拍手!!
長ったらしいレコにお付きあいいただき、早速のコメありがとうございます。
最終日の朝の雲海は本当に素晴らしかったです。
しかも独り占めでしたし。
槍平小屋も悪くはないですよ。普通です。
geraniumさんコンバンワです。
雲海の画像が良いですね、山は朝と夕方の変化が見ていて楽しいです。ブラバーな画像に
お褒めいただきありがとうございます。
いいカメラで腕のいい人が撮れば、もっといい写真になっていたのでしょうけれど。
短い山歴ですが、今まで見た雲海の中でもベストでした。
いろいろとトラブルもあったようですが、無事南穂縦走おめでとうございます。
紅葉も雲海も素晴らしいですね。
愚痴りつつも楽しげな様子が伝わってきますな〜w
大キレットは物足りなかったようですが、北穂ー涸沢岳間は楽しめたんじゃないでしょうか?
南岳、前穂をスルーするあたりはgeraさんらしいですね〜
泣き言を言う割にはなんか余裕が感じられますけど?
来年は奥穂ー西穂にぜひいってみてくださいね。
私のアドバイスといっても、単にヤマテン予報を流しただけですけどね。
マッターホルン行くなら誘ってください 。
下山はもちろん、ヘリコプターでお願いします
楽しそうに見えます? 確かに。
でも二日目は本当にヘトヘトで、余裕はありませんでした。
山歩きって不思議ですね。
今こうして日常生活に戻ってみると、まるで夢のようです。
ん?何でヘロヘロになりながら、あんなトコ歩いてたんだろう?オレってバカなの? なんて…
でも何故かまた行きたくなるんですよねー。
来年は奥穂-西穂ではなく、西穂-奥穂-槍にしたいと思います。
余力のあるときに核心部を歩いた方がいいかなーと。
来年マッターホルン行きます? 私はちょっと本気かもですよ。
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