大峯奥駈道


- GPS
- 52:52
- 距離
- 99.9km
- 登り
- 7,845m
- 下り
- 7,968m
コースタイム
- 山行
- 9:13
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 9:53
- 山行
- 9:54
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 11:11
- 山行
- 9:40
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 10:41
- 山行
- 10:44
- 休憩
- 1:18
- 合計
- 12:02
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 0:29
- 合計
- 8:08
過去天気図(気象庁) | 2020年08月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車
|
写真
感想
予定していた北海道行きが直前に中止になったので、以前から構想を練っていた大峯奥駈道にアタックした。Web記事ではGWか10-11月にしろと書いてあるが、こんな長期の休みは滅多にない。あまりに暑いようなら途中でエスケープするつもりで行った。
準備期間が短く情報不足なのが難点だが、2週間前に台高をクリアしているので体調は万全。念のため5泊6日で計画したが、思ったより順調に進み、結果は4泊5日で踏破、毎日11時間くらいの行動時間となった。このスケジュールは意外と良かった。元気のある午前中に厳しい箇所をクリアし、疲れてきた午後はゆっくり歩ける。
道はよく整備されていて危険な箇所はない。テープ、道標、踏み跡はしっかりしていて基本迷うことはないはず。でも勘違いで2回ほどミスしたので、とりあえずGPSは役に立った。
このルートは雨が降ると滑りやすい。多くの人が歩くためか、むき出しの木の根が多い。また、石の上を歩く所も多数ある。今回は運の良いことに、全日曇り時々晴れ、2日目と4日目の夜にだけ雨。このため、日中は暑すぎず、レインウェアも不要だった。ただし、夜に降った雨で翌日の午前中は少し辛い思いをした。
縦走では体調不良とケガが最大のリスク。水は重いが、夏は脱水症状が怖いので常に1L多めに持つようにした。最大6Lを持った場合、18kgを少し超えるくらいで装備を調整。また、今回もケガに気をつけて、意識的にゆっくりと歩いた。
[1日目]
吉野は暑い。駅に着いた途端、ムッとするような熱気。金峯山寺まで行くだけで汗だくになった。自販機で1本購入して飲み干す。金峯山寺にお参りしてスタート。登っても風はなく、ひたすら暑い。金峯神社の「修行門」を妙に納得しながらくぐり、まずは四寸岩山を目指す。
1000mを超えると気温が少しましになってきた。また、風も出てきた。風があれば何とかなるはず。今日は累積で約2000mを登りきらないといけない。小笹ノ宿までの予定で水を持っていたが、余りに暑いので消費が多く、念のため百丁茶屋(二蔵)で水を追加。ここはいい水場だが、虫も多い。
正規ルートを行くため、ここから巻道を行かず、大天井ヶ岳へ登る。その後、有名な五番関の女人結界門をくぐり、大峯山寺を目指す。洞辻茶屋は閉まっていた。それにしても茶屋後の階段がきつい。やっとの思いで鐘掛岩に到達。その後、西ノ覗を経て大峯山寺へ。残念ながら大峯山寺も閉まっていて、お参りできなかった。山上の花畑にも花がなかったが、咲いたら綺麗そうだ。
ここから小笹ノ宿までは快適な道が続く。おかげで日が落ちる前になんとかたどり着けた。小笹ノ宿は良い所。風はないし、すぐ裏の水も豊富だ。水を取ってテントを張り終えたら、すぐ暗くなってきた。初日からかなりの行動量となった。
[2日目]
小笹からも、ゆるやかな道が続いたので距離を稼いだ。しばらく行くと、反対側の女人結界門があった。この後、アップダウンを繰り返し、大普賢岳へ。次の七曜岳から先を見ると...遠い。本当に行けるのか?と思った。
ピークハントに来たわけではないが、行者還岳はとりあえずピークへ行ってみる。ここの分岐は間違えやすい。小屋への道は道標から少し登ってから左に行くのが正解らしい。道標脇すぐを降りたら道がわからなくなった。行者還小屋の手前の水場で給水。チョロチョロと出ている。少し時間かかったが、十分な量を取水できた。実は弥山小屋が開いているか確認を忘れた。土曜日だから開いているとは思うが、水の予備はあった方がいい。
ここから奥駈出合まで快適な道が続き、距離を稼いだ。このペースなら午前中に弥山に着けるかも、と思ったが、弥山の登りはかなり辛かった。階段が多く重い荷物がより重く感じる。山頂手前で不覚にも休憩。結局、到着は12:00を超えた。
弥山の周辺は人が多い。人気のある山らしい。小屋が開いていたので山頂でコーラをいただく。炭酸は大好きだ。そして水も。水場は釈迦のかくし水まで無いかもしれないので、夜と朝に加えて午前中の分も必要となる。通信はここ弥山と玉置神社を予定している。家族に無事を連絡して出発。
最高峰の八経ヶ岳は人が多かったので、すぐに退散。今日中に何とか楊子ヶ宿まで行きたい。思ったより遠かったが、16時過ぎに到着。小屋に先客がいたので裏にテントを張った。疲れて一休みしたら夕暮れ近くになってしまったので、水場は確認できず。この日の夜は雨。明日はヤバイかも。
[3日目]
朝には雨が上がっていた。2日目に想定以上に進めたので、4泊5日の可能性が高まった。今日は平治ノ宿を目指す。でも地図を見ると遥か彼方。ここからはピークハントの余裕はない。ひたすら歩くのみ。昨夜の雨で道や草が濡れていて歩きにくい。釈迦ヶ岳に向かう岩場を過ぎた笹の道で、地面が見えず踏み抜いて落ちそうになった。必死に笹にしがみつき、何ともカッコ悪い。観客いなかったのが幸い。注意して見ていると、道に穴がある所が計2-3箇所あった。
釈迦ヶ岳付近も人が多い。ここも人気の山らしい。山頂ではお釈迦様が迎えてくれる。少しホッとする。ここでかくし水を取りに行った。それなりに高低差があるので、そのまま巻いて深仙の宿に向かうと楽なのだが、正規ルートを通るために登り返した。ここで持経までの水を確保。
ザックが重くなり、この後は何度も転んだ。それなりに疲れが溜まっているらしく、バランスを取りきれない。道も濡れて歩きにくく、思ったより時間がかかった。なだらかになってから一休みしたら、何処かで横のポケットに入れていた行動食を落としたことに気がついた。軽量化のため、行動食をギリギリで計算していただけに厳しい。オープンポケットのあるザックを使用する時は、転んだ後に毎回確認すべきだった。基本が徹底できていない。それにしても世界遺産にゴミを増やしてしまった。非常に申し訳ない。
太古の辻からは南奧駈に入る。ここでやっと半分。午後からは道が乾いてきた。でも平治ノ宿はまだ遠い。ひたすら歩く。途中、持経ノ宿の水場で水を補給。ここは水がジャバジャバ出ていて気持ちいい。明日は距離を稼ぐため取水作業しないつもり。ここで玉置神社までの水6L強を確保する。明日は標高も下がるので気温が高くなり、水が多めに要るはず。今回、最大重量のザックを背負って平治ノ宿へ向かった。平治ノ宿はとても綺麗だった。誰も居なかったので、ありがたく使わせて貰った。
[4日目]
朝から重たい荷物を背負って行仙岳、笠捨山へ。行仙岳の麓の道標には山頂まで10分とある。こんな重い荷物背負って10分で100mは無理だろうと思って、ゆっくり登り始めたら虫の大群に囲まれた。追い立てられるように登ったら10分だった。大汗かいた、酷すぎる。
笠捨山は今日の最高地点。思ったより順調にここまで来た。それにしても南奥駈はなだらかな山並みが続くので偽ピークが多い。あらかじめ、地図で確認しておかないとガッカリする。笠捨だけでも5-6回は騙された。行く先を見ると地蔵岳が尖っている。行って見ると岩場につぐ岩場で、なかなか面白い。こっちが今日のメインだったか。
東屋岳を過ぎると緩やかな長い下りが始まる。長い下りは膝に悪いので、スピードを上げられない。本当に今日中に玉置神社に着くのか? また、1000mを切ると暑くなって下りでも汗が吹き出る。水を多めにして正解だった。
玉置山を超えて神社へ。ここは意外に高低差があった。神社は改修中。お参り後に手水場で水を確保してテント場がある駐車場へ。思ったより遠かったが、何とか売店の閉店前に到着した。明日を考えて少しでも進めておきたかったので山頂へ行ったが、少々効率悪かった。夜に雨が降り出した。インターネットで明日の天気を確認。明日も歩きにくそうだ。
[5日目]
朝起きるとまだ雨が降っていた。雨雲レーダーで確認すると、もうすぐ止みそう。支度して少し待ってから、小降りになったところでテントを撤収。今日は大森山の後は降りるだけなので、楽なはず。暑いだろうから水3.5Lを想定したが、ここは念のため4.5L。今日も重たい。でも自販機前で不安になって追加のアイソトニック飲料を買って(計5L!)奥駈の入り口まで戻る。
昨日の雨の影響はあまりないようだ。頑張って大森山に登りきったと思ったら、まだ稜線だった。ここから山頂までが長い。しかし、降りる時の稜線も長く、距離が稼げてよかった。その後は思ったより平らな箇所が少なく、ひたすらアップダウンが続く。急な下りも多く、膝を痛めないように慎重に降りる。高度が下がり500mくらいになると、凄まじく暑い。30度以上ありそうだ。それでもアップダウンは続く。まさに苦行。
右手に熊野川が見えたが、なぜか残りは10km以上ある。途中で少し雨が降り一旦気温が下がったものの、その分湿度が上がった。その後、晴れてまた30度超え。なかなか厳しい。しかし、吹越峠辺りで比較的平らな道が続き、スピードを上げることができた。最後に少しアップダウンがあった後、河原へ降りる。ここで用意した水はほぼ無くなった。多めに持って大正解。汗だくで気持ち悪いが、脱水症状は皆無だ。
最後は水垢離(渡渉)。渡る場所を探すのが大変かと思ったが、先行した方が渡ったのが見えたので、容易に場所の特定ができた。石が痛いのでサンダルあった方がよいと聞いていたが、軽量化のため持っていない。でも足を置く位置を選べば特に問題ないようだ。渡り終えると、ここは本宮。大斎原にお参りしてから大鳥居をくぐってゴールへ向かう。が、手前の店でソフトクリーム(一応小銭確保のため...としておく)。休憩後に熊野本宮を順序通りお参りして完了!
この日ゴールした方は、お会いしただけでも私の他5人。本当にお疲れ様でした。
[水場]
今回は確実かつ労力の少ない水場のみに絞った。ザック重量よりも脱水症状リスクの軽減を優先し、水場ごとに4-6Lになるよう補給した。
百丁茶屋(二蔵):小屋から5-7分、高低差なし。十分な水量。
小笹:小屋近く。水量豊富。
行者還:小屋の北の道沿い。枯れるとなっていたが、チョロチョロと出ていた。
弥山:水を購入。
鳥の水:道沿い。枯れていた。
かくし水:釈迦分岐から5分ほど下る。十分な水量。
持経:小屋から5-7分、林道を下る。ジャバジャバ出ていた。
玉置神社:手水場かトイレの手洗い。
他は未確認。事前情報では枯れている可能性大。
[買い物]
修行の道だが、途中で買い物ができる。
弥山:水、ジュース、カップラーメンなど。
玉置神社の駐車場:売店と自販機。つい、めはり寿司を買ってしまった。美味い。
今回、靴擦れ防止にヤマレコ内で教えて頂いた保護クリームを使用した。これが実に調子いい。有効時間が7〜8時間なので、朝と昼食休憩時の2回塗った。途中で足を十分に乾かすことになるので、足にもよい。これまで連泊で歩くと片足7箇所くらい擦れていたが、このクリームで擦れが大幅に軽減。特にひどい箇所は保護テープも併用したが、2日目に1箇所目、4日目に2箇所目を貼っただけで済んだ。素晴らしいパフォーマンスだ。
膝は、上り下りや方向を変える際に意識的に外に蹴り出すようにしているのが効果あるのか、まったく問題なかった。でも終了の翌日、左足が少しむくんでいた。左に行く時に右足を振り回して方向変える癖があるので、内向きの力がかかるらしい。もう少し歩き方の調整が必要そうだ。
これまで雲取越、小辺路、中辺路(部分)と計3回、熊野本宮にお参りしてきた。今回が熊野詣での集大成。コンプリート記念にもうで餅を一気食い(笑)。
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