南ア・広河原─北岳─塩見─蝙蝠─二軒小屋─悪沢─赤石─聖─便ヶ島


- GPS
- 176:00
- 距離
- 65.0km
- 登り
- 7,260m
- 下り
- 7,800m
コースタイム
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 1:17
- 合計
- 6:07
- 山行
- 7:13
- 休憩
- 2:08
- 合計
- 9:21
- 山行
- 7:41
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 9:41
- 山行
- 5:01
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 5:51
- 山行
- 7:25
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 8:45
- 山行
- 5:53
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 7:38
- 山行
- 3:07
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 3:39
1004下村本村 発
1036高原ロッジ下栗 着
(8日目)
814高原ロッジ下栗 発
936上島バス停 着
天候 | 全般に晴れの日が多いものの、午後から天気が崩れることが多かった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2002年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
<ゆき> 富山1816(はくたか19号)1904糸魚川1922━2019南小谷2100━2147信濃大町2150━2246松本2306?━047?甲府=広河原 <かえり> 上島=和田=平岡1117━1152天竜峡1155━1221飯田1229━1434岡谷1449━1515松本1605━1703信濃大町1721━1825南小谷1858━1952糸魚川━富山 |
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ズボン
靴下
防寒着
雨具
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
調理器具
ライター
地図(地形図)
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
日焼け止め
ロールペーパー
タオル
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
夏季長期休暇に、南アルプスを縦走して来た。今回は、蝙蝠尾根を下って、二軒小屋から荒川岳で主稜に戻るコースを計画。
8月10日に、会社から帰宅するやいなやオヤジにクルマで富山駅に送ってもらい、18:16発の特急はくたか19号をキャッチ。糸魚川で下車し、大糸線に乗り換え。糸魚川から先は『青春18きっぷ』利用。普通列車乗り継ぎで上諏訪まで行って、臨時急行アルプス82号に乗って甲府へ移動する予定だった。だけど、人身事故があったため篠ノ井線のダイヤが乱れてたせいで、松本から本来なら乗れるハズのない甲府ゆき普通列車に乗車出来た。ダイヤの乱れで計画どおりに旅が出来ず何度もくやしー思いをさせられてるだけに、たまにはこーゆーのもいいんじゃない?(笑)
甲府には8月11日0:30頃に到着。深夜3時発の広河原ゆきの登山バス待ち「2番乗りぃ〜!」(笑)。登山者が甲府駅前にどんどん集まってくる。広河原ゆきのバスは臨時便が2台出て、(正規の1台を合わせ)3台で深夜3時に甲府駅前を出発。バスのなかでウツラウツラしてたらいつの間にか5時前でまだ夜が明ける前の広河原に到着。下界の酷暑がウソのように寒い! 5時過ぎに広河原を出発し、北岳に向かう。最初は快調だったけど、睡眠不足と荷物の重さがたたり、白根御池小屋からはペースダウン。夏の陽射しが照りつけ、暑い。ようやく北岳の稜線に着くと、霧が出てきて寒い。北岳肩ノ小屋に差し掛かった頃、今にも雨が降りそうだったので、12時前だけど今日はここでお終いにして、北岳肩ノ小屋前でテント。だけど、雨は降らなかった(苦笑)。ケータイ電波MAXにビックリ! 北岳肩ノ小屋の水場は5分くらい下ったところにあるんだけど、1分に400 ml しか水が出ない。あまりにも水を汲むのに時間がかかるものだから、水を求めるひとの列が出来てた。この水の列ン中に、有名山岳カメラマンの白簱史朗さんも居らっしゃいました(笑)。
8月12日の朝、ようやく気が付いたんだけど、私の誕生日(笑)。山のなかで誕生日を迎えるのは、8年振りかぁ...。富士山の次に高い山・標高3,192 mの北岳の頂上...風が強くて寒い! せっかく登ったのに10分で退散(笑)。南アルプスの巨人・間ノ岳を越え、三峰岳を経て、熊ノ平小屋で水を補給。今日は雪投沢露営地でテントのつもりだったけど、熊ノ平小屋のオヤジが「雪投沢の水も北荒川の水も、汚染されて大腸菌ウヨウヨだぁ〜! 飲めねぇゾ!!!」と言う。この小屋のオヤジのセリフにビビリ、4 kg も水を汲んで背負って歩く。今回の山行、一番荷物が重かったのはこの区間(笑)。北荒川岳の頂上で3人の登山者と話したんだけど、みんな熊ノ平小屋のオヤジに脅され、水を背負って来てることが判明〜!!!(笑) あまりの荷物の重さに、本来の予定の雪投沢ではなく、手前の北荒川露営地でテント。ところが、せっかく背負って来た水をテントの中でこぼしてしまい、熊ノ平小屋のオヤジの言うところの「大腸菌ウヨウヨ」の水を使うハメになってしまった...。私のテントしかなかった北荒川露営地では、夜に激しい雨が降りました。
8月13日は、私のテントしかなかったせいで寝坊...。廻りに他の登山者のテントがあると、朝騒がしくなるので目覚まし時計替わりになるんだけど、熊ノ平小屋のオヤジが「大腸菌ウヨウヨ」と呼ぶ水を飲んだにもかかわらず、まだ生きてました(笑)。北俣岳分岐で、昨日、北荒川岳の頂上で話した登山者と遭遇。雪投沢でもみんな、大腸菌を恐れずに水飲んでたって(笑)。確かに、北荒川も雪投沢も水が「大腸菌ウヨウヨ」になる理由が見当たらないほどキレイな場所。熊ノ平小屋へ客を泊らせたいための『オヤジの虚言』ということで意見が一致(笑)。昨夜の雨の後遺症か、塩見岳の頂上は霧に覆われ、展望ナシ。塩見岳からは前々から歩いてみたかった蝙蝠尾根を下る。ここまで歩いた道は人気山域なので登山者が多かったけど、蝙蝠尾根は人影まばら。蝙蝠岳頂上も私ひとり。蝙蝠岳からは大井川上流の二軒小屋へひたすら下る。この蝙蝠尾根を登ってくるひとがひとりだけ居たのにはビックリしたケド(苦笑)。午後3時過ぎ、前年も訪れた(https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3050708.html)にもかかわらず「テント代が払えない」という理由で泊まらなかった二軒小屋のキャンプサイトに到着。椹島まで行く計画を変更し、二軒小屋で今日はお終い。今回はちゃんとテント代、払えました(笑)。
8月14日は、二軒小屋から千枚岳へ、標高差にして1,300 m の登りを登る。この道は主に下りに使われてて、「ココを登るひとは偉い!」という風潮がある(???)けど、この登りは、広河原から北岳への登りと大差無し。そう思えば気分もラクで、午前中にもう千枚に着いちゃったよ(笑)。意外なほど楽だった。そろそろ荷物も(食糧喰ったぶん)軽くなってるし、体が山歩きのペースに馴染んできてるせいだろう。「このペースなら、荒川小屋まで行ける!」と思ったけど、体をいたわりたかったので、千枚でストップ。千枚小屋のキャンプ場でひとりの登山者と話してると「ここ(南アルプス)に来る途中、鳴沢村で愛知県の失踪女子大学生が保護されたまさにその現場をクルマで通りかかった。茶髪の娘だったよ」と教えてくれた。千枚小屋のキャンプ場は小屋から遠く、トイレに行くのも大変...。
8月15日の朝、RUSHのライヴを観る夢から醒めて私が居たところは、千枚小屋のキャンプ指定地。現実に戻り(笑)、山歩きを続行。だけど、この日は「千枚岳まで」でした。隣の悪沢岳に向かう途中から霧が出始め、そのうち霧雨に。悪沢岳の頂上も、荒川岳の頂上も足早に通過。昨日のうちに荒川小屋まで行っておけば...と思っても、後の祭り。前に来た時に比べると見違えて立派になった荒川小屋でラーメンを喰う。久しぶりにマトモな食事(笑)。谷間に建つ荒川小屋でケータイ電波がMAXなのは...さては、ポイント持ってますね? 荒川小屋から大聖寺平に向かう頃から、霧雨から本格的な雨。標高3,120 m の赤石岳の頂上も9分居ただけで下山。だって、居ても寒いだけだもん...。赤石岳の頂上から、今日の宿泊地・百間洞までノンストップで下山。だって、休憩してても寒いだけだもん...。天気が悪くて良かったことは...ライチョウの親子を3回も目撃したことくらいかな。ライチョウは天気が悪くないと動かないのかッ!(晴れだと、まず姿を見ない)。百間洞もテント場からトイレ(小屋)までが遠い...。特に今日のように雷雨のなかトイレに行くのもひと仕事。缶ビール、350 ml のじゃなくって、500 ml のにしときゃ良かった。入り切らないよ(爆笑〜!!!)。
8月16日も楽しい夢から覚めたところ、前夜の雨もあがり、天気は快晴。百間洞から中盛丸山に登ると、塩見、悪沢、赤石...の「悪天候トリオ」がよく見えた(笑)。中盛丸山から兎岳を経て聖岳に着いた頃にはまた霧が上がってきて、展望はナシ。聖岳から聖平に下りる。7月に行って「イイ!」と思った山には8月に行くべからず。この日は聖平でテント。昨日までの反動からトイレに近いところにテントを張った。これが今回の山行最大のミスになろうとは...。午後5時くらいから、雨がパラつき始める。最初は弱い降りだったけど、そのうち雷を伴う激しい雨に...。それでも最強を誇る『ICI石井スポーツゴアライト』の住人である私は、雷雨も意に介さずテントん中でハイヴスのCD聴いてたワケだ。ところが、何だか様子がおかしい。よく見ると...テントん中に泥水がじゃんじゃん入って来てるぅ〜!!! 13年もの間、不沈を誇った『ゴアライト』が沈没した瞬間だった。水が入って来ない設計の『ゴアライト』なんだけど、13年も使ってると細かな穴がいくつも空いている。そこをやられた! っつうか、私がテント張った場所は、雨が降るとテント場の水が集まり、川となって流れる場所だったんだよ〜!!!(泣) ハイヴスのCD聴いてる場合ではない!!! 慌てて雨に叩かれながらテントを移設。たけど、既に手遅れ...。荷物の多くが水に浸かってしまった...。くぅ〜(泣)。
悪夢の聖平の夜が明けた8月17日は朝5時くらいまで雨は降ってはやみを続けてたけど、日の出とともに降りやんだ。朝焼けに染まる聖平を出発。この聖平の朝焼けを撮影しようとカメラを出したら、浸水のためかウンともスンとも動かない(泣)。今回、iBookを持って来なかったのはホントによかったぁ〜。薊畑分岐から西沢渡へ下る。西沢渡のこの建物はいったい何だ??? 西沢渡には荷物用ケーブルが架かっていて、登山者はみんなこのカゴの中に入って沢を渡る。荷物をかつぐと100 kg ある私も大丈夫でした。なにしろ、木材運搬用のケーブルだったんだから。親切な登山者に便ヶ島から下栗本村までクルマに乗せてもらう。下栗本村から今日の宿泊地、高原ロッジ下栗まで歩く。地図をよく見てなかったんだけど、高原ロッジ下栗は標高1,050 m ほどの高台に建つ。汗垂らしながら下栗本村から高原ロッジ下栗に到着。10時台からチェックイン出来るわけないので、12時過ぎまで辺りで時間潰ししてました。高原ロッジ下栗で山の汗を流し、久しぶりにマトモな夕食を食べる。川魚が旨い! 馬刺しが旨い! 鴨鍋が旨い! 美味しい夕食の後は、すぐに寝ました。
8月18日は、高原ロッジ下栗を9時に出発。標高1,050 m の高原ロッジ下栗から、標高500 m のバス停まで1時間20分かけて下る。上島バス停から和田経由でJR飯田線平岡駅に出る。平岡からは『青春18きっぷ』利用。普通列車乗り継ぎで富山への帰途に就く。松本のダイエーっていつの間に、「コジマ+アルペン」になったのれすか? 私の知ってるダイエーってみんな閉店してるよなぁ...。平岡11:17発だと、松本から大糸線経由ではなく、長野・直江津廻ったほうが富山に早く帰れるのは分かってた。だけど、長野・直江津廻りだと寸分の余裕もなく乗り換え/乗り継ぎでメシ喰うヒマすら無い。腹減って仕方なかったので、勝手知ったる松本で下車。信州大学松本ワンダーフォーゲル部(松ワン)時代に、よく打ち上げやってた『高橋』に向かうと、休業...。仕方なく、『若大将』でラーメン喰う。松ワン時代に山から下りる度にみんなでチョコレートパフェ喰いに行った(笑)『アベ』にも行こうかと思ったけど、もう時間がない。大糸線の列車が出てしまう。本来なら、糸魚川で40分くらいの待ち時間があるハズだった。だけど、北陸線のダイヤが乱れてたせいで本来乗れるハズの無い列車をキャッチ!!! 思いもかけず早く富山に戻れた。「本来乗れるハズの無い列車」で始まり、「本来乗れるハズの無い列車」で終わった山旅(笑)。
(当時の『GRACE UNDER PRESSURE』の記事をほぼ原文のまま編集)
P.S. 聖平の水没カメラは電池を新品に入れ替えても動かず、そのまま長らく放置してました。2020年9月5日にようやく現像に出し、写真が上がったのを記念にこの山行記録を公開しました。
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