鈴鹿縦走3泊4日〜人情が目に染みる山行〜
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- GPS
- 77:12
- 距離
- 73.0km
- 登り
- 5,796m
- 下り
- 5,581m
コースタイム
- 山行
- 7:29
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 8:42
- 山行
- 11:16
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 12:56
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 2:32
- 合計
- 10:39
- 山行
- 5:55
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 6:52
天候 | 10/31晴れ、11/1晴れ、11/2雨、11/3晴れだが風やや強い |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
OUT:バス:御在所ケーブル前〜湯の山温泉 近鉄:湯の山温泉〜 |
コース状況/ 危険箇所等 |
三日目の行程で何回か道迷い .魯畔の北の峠で二子山方面へ行き戻る ▲魯畔からの登り口が分からずにさまよう。ガレ場を登るのが正解 6盪海悗療个蠅納賀側へルートを取る の3か所で道迷いした。 水場リスト 〇廃村今畑の水場 〇権現谷の川(浄水必須)→今回使用 〇真の谷テント場(今回は通らなかったため目視では未確認) 〇治田峠を滋賀側に10分ほど?降りる(峠でも水の音が聞こえるが、未確認) ×セキオノコバ(ただの沼で使えない) ◎石榑峠:三重側に3分降りる。きれいでばっちり→今回使用 〇藤原山荘のトイレの水:大丈夫ということだが・・・ ◎ハト峰峠:峠から少し南にあり。パイプも設置。ここも年中枯れないのでは △根の平峠:三重側に下って5分でわずかに流れる水から汲んだが、快晴続きなら枯れる?→今回使用 〇御在所岳:自販機があったような気がする |
その他周辺情報 | 湯の山温泉の一部旅館で日帰り温泉が可能 蔵之助:日帰り入浴. □入浴時間:11:00〜15:00 □大人:800円 |
写真
ハト峰手前の分岐。ここは左へ行かないといけない。ご丁寧に木で通行止めしてある。だがGPSではまっすぐが正しいそうだったので、乗り越えてまっすぐ行ってみると踏み跡がなく、GPSの軌跡から二子山への点線ルートと判明。引き返す。
感想
1.概要
このクソみたいな日常からの脱却を目指して鈴鹿縦走に出かけたが、逆に人情が目に染みる山行となった。以下は謝辞。
・20歳のハムの方、霊仙山までの登りでは楽しい話ありがとうございました。
・Yamaneko0922さん、あの時間から、あそこから登られること、驚きました
・工事のおっちゃん、わざわざ声掛けていただきありがとうございました。五僧まですぐでした。
・平山さん、水1.5Lと棒ラーメンいただきありがとうございました。水は本当に助かりました。2日目夜は水が汲めなかったので。
・藤原山荘管理人さん、いろいろと教えていただきありがとうございました。機会があれば山荘で1泊したいです。
2.序論
鈴鹿縦走は3年前に所属会のO川さんが2泊3日で実施しており、自分もトレースしたい思いがあった。縦走には休みが必要で、天気もそこそこ良くないとつらい。事前の準備も必要だし、体力と気力もいる。ただ、なんだかんだ言っても最後は勢いである。今年は9月から縦走を繰り返したことでハードルが下がり、体力・気力も多少戻った。11月の飛び石連休を利用して3年越しの夢を実行した。
3.記録
【初日】晴れ(JR柏原駅〜五僧峠)
前日夜までになんとか準備を整えた。朝も寝坊せずに起きられ電車に飛び乗る。大阪駅で快速に乗り換えたあとは米原まで寝て過ごし、その間に夜が明けた。米原から乗り換えて柏原駅で下車。柏原はICOCAエリアから外れTOICAゾーンのため、ICOCAが使えなかった。駅員はシルバー人材センターに委託されているらしく、清算時はやや塩対応。
登山口で計画書をBOXに入れ、CW-Xのタイツを履いたり着替えていたところ、若者が駅方面から来た。ちょうどタイツの着替えが終わったところで、汚ねえ着替えを見せんで良かったと思った程度であり、まさかこのあと霊仙山山頂まで同行することになるとは思わなかった。
登り始めて少しして、左の多少荒れた林道か右の橋を進むべきか迷う分岐があった。若者も迷っていて二人で相談する。エアリアマップでもトポ10のGPSでも道は明瞭に書いていない。よく見れば朽ちた→の看板があり、右の橋のほうへ進む。
ここから霊仙山までの山頂は若者と二人旅。もともと山を一人でやるようなタイプではないようで、今は訳あってやっている感じ。もし本気で山をやりたいなら20歳の今から始めれば世界を取れることを伝えた。縦走の始まりとして、かなり良いスタート。カルストの霊仙山山頂で別れる。
一度稜線から廃村今畑に降りる。妛原(あげんばら:読み方はyamaneko0922さんの記録から教わる)で、タクシーが一台止まっていた。山から帰る人がいるのかと思ったら、これから登るとのこと。yamaneko0922さんで、ここから登るルートがあるとのこと。かなり詳しそうでプロカメラマンかと思った。
自分はエアリアマップ通りに権現谷〜五僧へ。権現谷は規模は小さいが日本離れした狭い谷。カルストが作り出した造形。エアリアだと途中に水場が書かれているが場所が分からない。隣に流れている川へ降りて浄水器で水を2L汲む。川は多少濁っておりあまりきれいでない。五僧の手前で軽トラに呼び止められる。柏原駅から御在所まで歩くと言ったら驚かれた。「五僧はもうこの上だ」とのことで礼を言う。五僧の峠で日が暮れ始めたのでここでテント泊。鹿の鳴き声がうっとおしい。今回は小説2冊とラジオを持ってきたが、ラジオさえあれば十分で、小説は重しにしかならなかった。読む時間もなかった。周りに誰もいない中のテント泊はいつ以来だろう。2年前の中央ア縦走でも、最終日の一人は避難小屋泊だった。鹿がテントをけ飛ばさないかなど余計な心配をして、初日のテントは落ち着かなかった。
(11/7記:なかなか筆が進まない)
【二日目】晴れ (五僧峠〜セキオノコバ)
初日にこれより少し先の峠まで行く予定だった。ワンピッチ遅れているので取り戻すべく3時起床の4時半に出発する。本日の目標は石榑峠だがいけるかどうか。順調に進むものの荷物が重く、軽量化不十分なため、コースタイム通りにしか進まない。三国岳と鞍掛峠の間で、本日初めて人とすれ違う。どうやら多くの人が鞍掛トンネル付近のPから御池岳に登っているようだ。鈴北岳手前で平山さんという方に話しかけられる。重い荷物をしょってるのでどこへ行くのかと。御在所岳まで縦走していると答えると、もう使わない水1.5Lと生ハム、棒ラーメン、コーヒースティックをいただいた。重くなるからどうしようか逡巡したのは一瞬で、本日もし石榑峠まで行けなかった場合には水場に苦労することが目に見えていたので、ありがたく頂戴した。逆に言えば、ここでもう水を手に入れたので石榑峠まで行かなくてもなんとかなる。さらに言えば、この重量ではもう石榑峠にはたどり着けないので、どこまで行けるか。
御池岳への登りではなぜか県境の点線ルートに乗ってしまい無理やり戻る。御池岳から下り分岐に出た。当初は真の谷へ降りて水場を経由するコースを検討していたが、もう水場を経由する必要はない。また分岐から見る真の谷はえぐれて荒れていて行く気にはならない。
(真の谷テント泊の記録をみると、トラバース道を少し行ってから降りるみたい?)
http://birugo.seesaa.net/article/409479758.html
白瀬峠で行動食を摂って休憩していたら、トレラン?の女性とテント泊装備の男性と会った。実は男性は藤原山荘の管理人さんであると、この後道中での会話で判明する。藤原山荘のトイレの水は飲めるそうだ。管理人さんとは多志田山で分かれ、ここからはまた一人旅。水場は治田峠で滋賀側に10分降りればあるそうで、確かに水の音が聞こえる。迷ったが管理人さんがセキオノコバで浄水すれば使えるとの言葉を信じて汲まずに進む。ちょうどセキオノコバで日が暮れかけ始める。確かに池はあるが果して汲めるのか?テント設営して池(というか沼)に近づくが、ぬかるんでいて水があるところまで近づけない。しかたがないので、ぎりぎりまで近づいて泥水を組んでGraylで浄水する。北海道の沢のために今年購入した浄水器が鈴鹿でも役立った、と思ったのもつかの間、200ml弱浄水したところでフィルターが泥で詰まってしまい終了。さすがに泥水を浄水することはできないようだ。
これで今晩の食事と明日の最初の水場までは1.5Lで過ごさなくてはいけない。食事の水と明日の分を除くとあまり余裕はなく、体の水分は減っているがあまり水は飲まずに寝る。二日目までで予定より2時間遅れており、もはや2泊3日は不可能に近いため下山連絡先に予備日を使用することをLINEで連絡する。(ガラケーは初日に電源OFFするのを忘れていたら電池切れになってしまったが、タブレット(docomo回線)は電波が入ってネットもつながった)。浄水器が詰まってしまったことに愕然として、明日以降も浄水器は使えないとするとまずい、失敗したと思いながら就寝。夜からガスがでてきた。
【三日目】雨 (セキオノコバ〜根の平峠)
朝からガスっており気持ちが折れかける。昨日の夜にサイトで確認したところ、出発前から変化なく、本日は9時過ぎから雨予報。雨が降る前に先に進んでおきたいところである。静ヶ岳に行く余裕は、時間・気力のどちらもないためスキップ。竜ヶ岳手前の分岐で夜が明け始める。縦走はクライミングや沢と異なり危ないところがなく、また単独なので、歩きながら余計なことを考える。この日の日の出までに歩きながら考えていたことは、周りが暗かったためか余計に覚えていて、結局は仕事関係のこと。
竜ヶ岳からは急な下りで道もえぐれて悪い。降りきったところが石榑峠。ここがネットで何度も見た有名なゲート。ようやく現地に初めて来ることができた。まさか縦走で来ることになるとは思わなかったが。水場は三重側に軽く3分下ると堰堤から流れている。ここで浄水器のフィルターに溜まっている泥を何度もPUSHして落とすが取り切れず。もともときれいそうな水なのでプラティパスの水は浄水しなかった。ちょっと多過ぎだが3Lを調達。ここで雨がぱらつき始める。登り始めるとだんだんと雨が本格的になってきた。ただ強い雨ではなかったので縦走できないことはなかった。
ハト峰峠付近では三回も道迷いをする。ハト峰峠では前日に石で書かれたアヒルアートがお出迎え。今日は平日で雨だから誰にも会っていないが、昨日はこんなところにも人がいたのかと思う。根の平峠が本日の宿。水は足りるかもしれないが、明日のことまで含めるともう少し汲んでおきたいところ。水場を探して三重側に降りるがなかなかいいのがない。なんとか細いところを見つけて頑張って2Lを組む。なんどもポンプすることで浄水器は復活した。
テントに入って持ち物を確認すると、着替えまでやや濡れていた。持ってきていた小説ももちろん濡れていた。登山靴は剥離しているくらいぼろぼろで、9月の光岳のときもびしょびしょだったので、今回も靴下までびしょぬれ。テント内で干すがもちろんどれもこれも全然乾かない。それでもまだ乾いているパンツを履き、Tシャツは濡れている背中を前にして、フリース、ダウンを着て湿ったシュラフにくるまって寝ようとする。寒いわけではないが、不快なためか全然寝付けず結局12時過ぎまで起きていた。腹が減ったため夜食に貰った棒ラーメンを食べる。ラジオからはオールナイトニッポンの森山良子が、恋は水色(ビッキー)を紹介していた。なんとなく聞いたことがあるメロディーで、下山後にyoutubeで探した。ラジオがあれば小説はいらないかもしれない。軽量化になる。
(11/10記:あと少し。もっと簡潔に書きたい)
【四日目】晴れ (根の平峠〜御在所岳)
濡れた服、シュラフで不快感は強く、あまり眠れなかったが、疲労感はそこまでない。今日はあと半日もあれば完了予定なので、4:40起床の6時半出発と明るくなってから出発。本当は明るくなった6時JUSTには出発したかったが、いろいろとテント内で散らかしたため出発まで時間がかかった。
雨は完全に止んでいたものの風が強い。濡れた登山靴と靴下に足を突っ込む。冷たく
不快だがしょうがない。登山道は深くえぐれて歩きにくいため、横に新たな踏み跡ができていたりする。国見岳の山頂に立つとこれまでたどってきた霊仙山、藤原岳が見えた。近いようなでもあり、遠いようでもあり、距離感がつかめないが、なんにせよようやく鈴鹿縦走を達成できることもあり、距離よりも行きたいと思ってから達成するまでの時間のほうが長かった。
今日は祝日。風は強いが、ロープウェイを乗り継げば山頂まで歩かずに行けるので、紅葉狩りに大勢の人が来ていた。山頂で写真を撮ってもらい、行動食で腹を膨らまして最後のピッチ。武平峠から登ってくる人もそこそこいた。峠から三重側に降りて、国道ではなく登山道を下り湯の山温泉へ。「蔵の助」で日帰り温泉に入る。まだ午前中だったので貸し切りだった。このまま近鉄湯の山温泉駅まで歩くのは面倒なのでバスステーションへ行くと、バスはロープウェイ乗り場に着くのでこちらへは来ないといわれて再度登る羽目に。ロープウェイ乗り場には渋滞ができていた。これが秋の混雑の恐ろしいところで、今年でもコロナはもう気にしてもしょうがないということだろう。逆に混雑のためバスの臨時便が出て、ほとんど待たずに湯の山温泉へ。
四日市で乗り継いで京橋で乗り換えて帰宅。近鉄は安くて便利なのでたまらない。
今回の縦走は3年越しで達成できた。今年後半は縦走三昧でそこそこ満足。鈴鹿縦走は本当は100kmと御在所岳よりもさらに南まで続いているが、これを達成するにはもっと軽量化した装備でトレランチックに行く必要があるが、果たしてそれをする日は来るのかどうか。
(11/13記:ようやく完了)
(2021/9/5:数か所の文章を修正:日記に記載したスパッツについて書かれていないか確認のついでに)
コメント
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こんにちは。
20歳のハムです。無事完走出来たみたいで安心しました。おめでとうございます!
雪の降る街さんのおかげで楽しい登山が出来ました。ありがとうございました。
ありがとう!
これからなんでもできる年齢なので是非いろいろ楽しんでチャレンジしてください!
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