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Yamareco

記録ID: 277462
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
八ヶ岳・蓼科

初冬の八ヶ岳(阿弥陀岳、赤岳、横岳、硫黄岳) (1984)

1984年11月23日(金) ~ 1984年11月25日(日)
 - 拍手
GPS
47:50
距離
22.3km
登り
1,746m
下り
1,741m

コースタイム

11/23 13:40美濃戸口−17:00赤岳鉱泉(泊)
11/24 8:10赤岳鉱泉発−8:50−9:20行者小屋−10:20中岳のコル−11:00阿弥陀岳−11:10中岳のコル−13:00赤岳−13:30赤岳石室(泊)
11/25 7:00赤岳石室発−8:20横岳主峰−(9:30ころ)硫黄岳−11:00-30赤岳鉱泉−13:30美濃戸口
天候 11/23 晴れ
11/24 曇りのち雪、霧
11/25 晴れ
アクセス
利用交通機関:
電車 バス
【行き】新居浜ー(JR)−高松ー(宇高連絡船)−宇野ー(JR)−岡山−名古屋−塩尻ー茅野ー(バス)−美濃戸口
【帰り】行きと同ルート
コース状況/
危険箇所等
11/24には降雪あり、11/25 稜線は薄い雪が積もっている状態。岩場ではアイゼンを着けてもやや利きにくかった。
11/23 美濃戸口より登り始める。真正面に阿弥陀岳が高い、わずかに山頂付近が白い程度
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
11/23 美濃戸口より登り始める。真正面に阿弥陀岳が高い、わずかに山頂付近が白い程度
美濃戸付近を進む。晩秋の風景、この付近はまだ雪もない
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
美濃戸付近を進む。晩秋の風景、この付近はまだ雪もない
美濃戸付近にて、冬枯れの木立と青空
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
美濃戸付近にて、冬枯れの木立と青空
11/24 行者小屋より硫黄岳方面を望む、稜線は雲に覆われている
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
11/24 行者小屋より硫黄岳方面を望む、稜線は雲に覆われている
行者小屋から望む、大同心、小同心の岩場、
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
行者小屋から望む、大同心、小同心の岩場、
行者小屋から望む赤岳、山頂付近が雲のなか、
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
行者小屋から望む赤岳、山頂付近が雲のなか、
中岳のコルから望む、横岳、鈍色の空の下、岩稜が寒々としている
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
中岳のコルから望む、横岳、鈍色の空の下、岩稜が寒々としている
中岳のコルから、南の権現岳を望む、山頂部はうっすらと雪で白い
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
中岳のコルから、南の権現岳を望む、山頂部はうっすらと雪で白い
中岳のコルから、まじかに阿弥陀岳を望む、こちらも山頂付近はうっすらと雪化粧
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
中岳のコルから、まじかに阿弥陀岳を望む、こちらも山頂付近はうっすらと雪化粧
中岳のコルから、北を望むと、硫黄岳の向こうに小さく、天狗岳の双耳峰が見えた。
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
中岳のコルから、北を望むと、硫黄岳の向こうに小さく、天狗岳の双耳峰が見えた。
11/25 夜明け前に小屋の外に出てみると、上空はすっかり青空に戻り、眼下にはびっしりと雲海が広がっていた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
11/25 夜明け前に小屋の外に出てみると、上空はすっかり青空に戻り、眼下にはびっしりと雲海が広がっていた
赤岳石室より東を望む。たっぷりとした雲海の下に、奥秩父の山々も沈んでいるようだ
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
1
3/2 14:38
赤岳石室より東を望む。たっぷりとした雲海の下に、奥秩父の山々も沈んでいるようだ
赤岳石室より、南東方向、遠く富士山を望む
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
赤岳石室より、南東方向、遠く富士山を望む
赤岳石室より西方を望む、雲海の上に八ヶ岳の影が長く伸び、そのはるか向こうには乗鞍岳が白く輝いていた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
赤岳石室より西方を望む、雲海の上に八ヶ岳の影が長く伸び、そのはるか向こうには乗鞍岳が白く輝いていた
赤岳石室から北西方向を望む。こちらも雲海が延々と広がり、はるか向こうに北アルプスの山並みが白く輝いているのが見えた。
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
赤岳石室から北西方向を望む。こちらも雲海が延々と広がり、はるか向こうに北アルプスの山並みが白く輝いているのが見えた。
赤岳石室より、まじかに横岳を望む。西側斜面は雪化粧して白い
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
赤岳石室より、まじかに横岳を望む。西側斜面は雪化粧して白い
赤岳石室より、赤岳山頂部を望む、青空の下、白く雪化粧した姿が美しい
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
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赤岳石室より、赤岳山頂部を望む、青空の下、白く雪化粧した姿が美しい
赤岳石室付近にて、うっすらと雪が積もった斜面と岩稜
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
赤岳石室付近にて、うっすらと雪が積もった斜面と岩稜
横岳への登りより、赤岳を振り返る
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
横岳への登りより、赤岳を振り返る
横岳の岩稜帯を行く。雪はそう多くはないが、岩の所どころに岩氷が張り付いていた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
横岳の岩稜帯を行く。雪はそう多くはないが、岩の所どころに岩氷が張り付いていた
(同じく)横岳への登りより振り返る、赤岳の鋭い姿
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
(同じく)横岳への登りより振り返る、赤岳の鋭い姿
赤岳と、その向こうに南アルプスの姿
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
赤岳と、その向こうに南アルプスの姿
横岳主峰に到着、陽が上がるにつれ、雲海は薄れてきた。富士山も良く見える
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
横岳主峰に到着、陽が上がるにつれ、雲海は薄れてきた。富士山も良く見える
岩氷がびっしりと着いた、横岳の岩稜帯(日の出岳付近)
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
岩氷がびっしりと着いた、横岳の岩稜帯(日の出岳付近)
同じく、岩氷に覆われた岩稜、アイゼンを着けて慎重に進む
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
同じく、岩氷に覆われた岩稜、アイゼンを着けて慎重に進む
横岳の稜線から、大同心を上から望む、小さく登攀する人の姿も見えた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
横岳の稜線から、大同心を上から望む、小さく登攀する人の姿も見えた
横岳主峰付近より東の方向を望む、まさに雲海、雲の海の中、島のように山々の山頂部が顔を出していた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
横岳主峰付近より東の方向を望む、まさに雲海、雲の海の中、島のように山々の山頂部が顔を出していた
横岳、硫黄岳間の稜線にて、岩屑に岩氷がびっしりとついて、白い斜面となっていた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
横岳、硫黄岳間の稜線にて、岩屑に岩氷がびっしりとついて、白い斜面となっていた
横岳を通過し、硫黄岳へとゆるい斜面を進む。
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
横岳を通過し、硫黄岳へとゆるい斜面を進む。
無事、横岳の岩稜帯を通過し、硫黄岳に到着してほっとした。硫黄岳の山頂にて、赤岳、阿弥陀岳をバックに記念撮影
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
1
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無事、横岳の岩稜帯を通過し、硫黄岳に到着してほっとした。硫黄岳の山頂にて、赤岳、阿弥陀岳をバックに記念撮影
硫黄岳山頂部の風景、爆裂火口跡の黒い岩壁と白い山頂部とのコントラストが、シュールな風景だ
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
硫黄岳山頂部の風景、爆裂火口跡の黒い岩壁と白い山頂部とのコントラストが、シュールな風景だ
硫黄岳の爆裂火口跡の岩壁を望む
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
硫黄岳の爆裂火口跡の岩壁を望む
硫黄岳山頂から北を望むと、この年の春に歩いた、蓼科山から天狗岳への北八つの山々が一望に望めた
2013年03月02日 14:38撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:38
硫黄岳山頂から北を望むと、この年の春に歩いた、蓼科山から天狗岳への北八つの山々が一望に望めた
硫黄岳から望む雲海、肉眼では雲海の向こうに小さく北アルプスの白く輝く姿が見えた
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
硫黄岳から望む雲海、肉眼では雲海の向こうに小さく北アルプスの白く輝く姿が見えた
硫黄岳山頂より、果てしなく広がる雲海と、中央アルプスを望む
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
硫黄岳山頂より、果てしなく広がる雲海と、中央アルプスを望む
硫黄岳から望む、赤岳、中岳、阿弥陀岳。遠景は南アルプス
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
硫黄岳から望む、赤岳、中岳、阿弥陀岳。遠景は南アルプス
赤岳鉱泉まで降りてきた。白く雪化粧をした、大同心の岩場と稜線を望む
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
赤岳鉱泉まで降りてきた。白く雪化粧をした、大同心の岩場と稜線を望む
赤岳鉱泉から北沢へと下る。沢筋には雲海が侵入していて不思議な風景だ
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
赤岳鉱泉から北沢へと下る。沢筋には雲海が侵入していて不思議な風景だ
美濃戸あたりまで下ってきた。振り返ると雲をまとった阿弥陀岳が見えた
2013年03月02日 14:39撮影 by  CanoScan 5600F, Canon
3/2 14:39
美濃戸あたりまで下ってきた。振り返ると雲をまとった阿弥陀岳が見えた
撮影機器:

感想

【山行No 72】

※2週間ほど前に、ようやく、アイゼン、ピッケルといった雪山装備を購入し、
 早く雪山に行きたいと思っていた。
 まだ初冬というには早いかもしれないが、11月末の連休を利用し、
 初心者向きという、南八ヶ岳へ向かうことにした。

11月23日(金)
・以前の山行と同様、夜中の1:47新居浜発の急行にて出発。
  今日はなぜか、いつものような不安な気分はなく、うきうきした感じだ。
・4時前に高松に到着、宇高連絡船の中で仮眠をとる。
 宇野に到着し、岡山に出て、岡山6:04発の始発の新幹線に乗る。
 名古屋、塩尻を経由し、茅野へと向かう。
12:53-58 茅野
 ・駅を降りてバス乗り場に向かうと、すでにバスが待っている状態。
  急いでバスに乗ると、すぐバスは出発した。
  今日は良い天気で、車窓からは八ヶ岳の姿も良く見える。
  あまり高さを感じないが、山頂部分はうっすらと雪化粧をしている。

13:30-40 美濃戸口
 ・とりあえず雪山なので、登山届もきっちり出してから出発。
14:40 美濃戸
 ・この付近から望む阿弥陀岳の姿は美しい。思っていたよりも雪は少なそうだ。
  今日は上天気なので、少し汗ばむくらいだ。
 ・谷沿いの道を進むと、少し雪が出てきたので、練習と思って、先日購入した
  アイゼンを初めて着けて歩いてみる。
  しかし、ワンタッチアイゼンにしたのが失敗だったか?少し石に当たると
  簡単に外れてしまい、これは困ったと思う。
  気を取り直して、有り合わせの道具で、ねじを締め直してみると、なんとかなるようだ。
  だが、雪は少なくてアイゼンを着けていてもしょうがないので、途中で外す。

17:00 赤岳鉱泉着
 ・すでに日没を迎えたが、本格的に暗くなる前に山小屋に着けて、一安心。
  有名な赤岳鉱泉なので、立派な小屋をイメージしていたが、案外とぼろい建物で、少しがっかりした。
  「鉱泉」と名がつくので、温泉も入れるか?と期待していたのに、
   風呂は10月末までしかやっていない、と聞き、これまたガッカリする。
 ・小部屋に通されると、部屋に練炭こたつがあるのが、ちょっと助かる程度。
  部屋には先客2名。ベテランのように見える。先客と山の話をし、ワインをいただく。
  炬燵はそのままにし、3人とも炬燵に足を突っ込んだまま寝た。

11月24日(土)
5:00 起床
 ・外は風の音が強い。炬燵のせいで、案外と寒くもなく、ぐっすりと寝られた。
  外が少し明るくなってから小屋の外にでて様子をうかがうと、
  稜線はすっかりと雲に覆われており、昨日の夕方には見えていた大同心の岩峰も
  雲に隠れており、なんだか不気味な感じもする冬山らしい暗い雰囲気だ。
  他の人は?と様子を見ると、テント泊の人たちも、ぽつぽつと山へ向かって行っている。
  本来は、ここを起点に稜線を一周してくるつもりだったが、
  稜線にも山小屋があることだし、今日はとりあえず稜線まで上がってから、どうするか決めることにした。
  同室の人たちは?というと、赤岳を経由して硫黄岳の小屋に泊まる、
  との当初の予定を変更し、硫黄岳のみ登ってから本沢温泉に下る予定に変更、とのこと。
  
8:10 赤岳鉱泉発
 ・いざ出発という段になって、昨日はすんなりと着いたアイゼンが、
  なぜか靴にうまくセットできなくて弱った。
  だいぶ悪戦苦闘して、長さを調節し、なんとかセットできたが、これから先が
  思いやられるような出だしだ。
 ・行者小屋までの小さな上り下りの道は、積雪が5〜10cm程度で、しかもパサパサしているので、
  アイゼンはいらない感じだった。
8:50-9:20 行者小屋
 ・アイゼンがなんとなくしっくりこないので、ここで小休止してアイゼンの調整をする。
  しかし、雪がついて堅くなったせいか、長さの微調整が難しく、
  そうこうしているうちに、何の拍子か?親指の爪が割れて血がでる、というアクシデントも発生。
  仕方がないので、アイゼンは無しで登ることにした。

10:20-30 中岳のコル
 ・コルに立つと、眼前に権現岳の少し白くなった姿が大きい。
  その向こうには南アルプスが見えるが、下には雲海、上空もどんよりとした雲が広がっており、
  いかにも天気は下り坂の様子。
 ・阿弥陀岳へは、ザックをデポして空身で登る。
  急な岩だらけの道だが、雪はほとんどなく、
  付け直したアイゼンやピッケルも魔な感じだったので、それらも途中にデポする。

10:50-11:00 阿弥陀岳
 ・初冬の八ヶ岳の、最初のピークに無事、到着。
  しかし、山頂部は雲に覆われて視界はなく、あまり感動もない。
  登山者も2名しかおらず、そのうち一人はバリエーションルートの、阿弥陀南陵から来たとのこと。

11:20 中岳のコル
 ・再びザックを担ぎ直して、次の目標、赤岳へと向かう。
  中岳を通るこの道は、割と雪が多め。
  風も冷たくなってきたので、羽毛入りの帽子もかぶって登る。
 ・文三郎道が合流したあたりから、西風がさらに強くなってきた。
  時々突風のように吹いてくる。岩場の登りなので、ほとんど這いつくばるようにして慎重に登る。

13:00 赤岳山頂
 ・ようやく八ヶ岳の主峰に到着した。
  が、周りは雲に覆われ、視界なし。登山者も多くはすでに下山したようで、
  人影も少ない山頂だった。
 
13:30 赤岳石室着
 ・雪もちらつき始め、天気はどんどん悪くなるようなので、ここで一泊することにした。
  小屋の中に入ると、なかには石油ストーブがあって温かく、別天地のようだ。
 ・自分は自炊なので、小屋で水がもらえるか?とあてにしていたが、水はなし、とのことで、
  仕方がないので、コンロで雪を溶かして水を作ることにした。 
  雪を解かすと、わずかな水にしかならず、400ccを作るのに小一時間かかった。
 ・その後もパラパラと登山者がやってきたが、結局、この日の宿泊客は20名程度と少ない。
  夕方まで、炬燵に入ってうとうと、夕食後は1Fの寝床に向かう。

11月25日(日)
4:30 起床(外の気温=マイナス7℃)
 ・間違えて目覚ましを1時間早くセットしていたようで、まだ暗い中、起きた。
  だんだんと外が明るくなってきたので、外に出てみると、
  昨日の悪天は通り過ぎたようで、上空はすっかり晴れており星が見える。
  眼下には、薄暗い中にもはっきりと、雲海がびっしりと広がっているのが見えた。
  簡単にお菓子とお茶で朝食を済ませ、朝の風景を眺めるため外に出て、日の出を待つ。
  日の出は6:34.朝焼けはあまりなかったが、山稜の東のほうも西のほうも、
  びっしりと雲海に覆われており、その向こうには、北アルプスの白く輝く姿も見えた。
  こんなに美しい雲海を見るのは初めてだったので、ちょっと感動の風景だった。
  稜線部に宿泊して正解だったな、と思う。

7:00 赤岳石室発
 ・今日の核心部は横岳の通過だ。横岳の岩場の始まりまでは、路面が凍っており、アイゼンがビシッと利く。
 ・横岳の岩稜帯に入ると、岩の表面に岩氷が張り付いており、
  アイゼンがガリガリと音をたてるが、アイゼンを着けて通過する。
  慎重に通過したので、思ったほど危険を感じる場所はなかったが、
  日の岳の東側のトラバース、横岳主峰北の諏訪側のトラバースは、
  雪も岩氷も多くて、少し緊張するところだった。
  今日は昨日ほどの風は吹いてはいないが、西風はさすがに冷たい。
8:00-10 三又峰
8:20 横岳主峰
 ・横岳までは、対向者は1名しか出会わなかったが、ここを越えると対向者も増えてきた。
  大きなカメラで自分をモデルにして写真を撮っている人がいたので、
  少し話をすると、昨日の横岳は風が強くて飛ばされそうだった、とのこと。
  無理をせずに良かったな、と思う。

・9:30頃 硫黄岳山頂
 ・ようやく難所を越え、硫黄岳までこれてほっとした。
  だだっ広い頂上からは、昨日越えてきた、赤岳、阿弥陀岳が高くそびえているのが望め、なかなかいい風景だ。
  一方、北の方に目をやると、この年の春に苦労して踏破した、蓼科山から天狗岳の稜線も良く見えている。

 ・硫黄岳からの下りは、もう危ない場所も少ないが、樹林帯に入るまでは、風が冷たかった。
 ・途中の赤岩の頭から先は樹林帯で雪も少なく、登山道は溶けかかった霜柱のせいで、赤土がぐちょぐちょになっていた。
  周りの木々は樹氷がついており、標高2500付近まで、樹氷のついた美しい森の姿が眺められた。

11:00-30 赤岳鉱泉
 ・ようやくここまで戻ってこれた。目標の南八ヶ岳の山々を踏破できて一安心。
  軽く昼食をとり、のんびりとする。眼前には、白くなった大同心の岩峰も見える。

 ・赤岳鉱泉からは、北沢を下ってゆくが、すぐ雲海の中に入る。
  途中まで念のためアイゼンを着けて行くが、しだいに雪も少なくなってきたので、
  途中からアイゼンははずし、これまでの遅れを取り戻すため、ハイペースで下る。
12:50 美濃戸
 ・ここから振り返る阿弥陀岳の姿は、新雪をまとって美しかった。アルペン的な山容。

13:30-13:55 美濃戸口着
 ・バスの時刻に間に合うか、気になっていたが、余裕をもって到着できた。

・あとは、茅野へ出てから、JRで塩尻、名古屋、岡山と移動。
 連休の最終日とあって、電車は混んでおり、新幹線は立ち通し。
 その後、宇高連絡船を使って高松に着き、さらにJRで新居浜に帰着したのは夜中だった。

※ 初冬とはいえ、初めての本格的な冬山を経験する山旅だったが、
  悪天候や凍りついた岩場も体験し、冬山の厳しさと美しさを実感できた、充実した登山だった。

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