木曽駒ヶ岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 3.9km
- 登り
- 479m
- 下り
- 494m
コースタイム
- 山行
- 3:05
- 休憩
- 1:05
- 合計
- 4:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登りは乗越浄土直下の急斜面は凍結しており、かなり緊張しました。下りの時点ではステップが出来ていて比較的安心でした。 |
その他周辺情報 | こまくさの湯 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
防寒着
バラクラバ
毛帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
アイゼン
ピッケル
ビーコン
昼ご飯
行動食
飲料
水筒(保温性)
ライター
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ナイフ
カメラ
|
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共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
|
感想
0:30起床。5時間ほど寝た。パンとコーヒーの夜食を食べて出発準備。
1:35に我が家を出発。気温9℃、晴れ。古川さんと裕野ちゃんをピックアップして2:05出発。
時間が時間なのでアクアライン、首都高、山手トンネル、中央道とも渋滞なし。談合坂SAで休憩と給油。127円/箸鳩津より30円も高いが、給油しないと君津〜駒ヶ根往復600kmはギリギリなのでやむを得ない。
駒ヶ根インターで高速を降り、インター近くのすき家で朝食。高速の路肩にも駒ヶ根の市内にもほとんど雪が無い。
朝食後近くのセブンイレブンでセブンコーヒーとお湯をテルモスに詰める。
6:30菅の台バスセンター駐車場に到着。車は30〜40台ほど。昨日からあったと思われる車にはうっすらと雪が載っているが、1cm以下だ。気温は-1℃で風が無いので寒くはない。
始発バスの8:15まで1.5時間あるのでバス停には誰もいないが、とりあえず身支度と最終パッキングをして車内で待機。
6:45頃1人がザックをバス停に置いたので、我々もザックを置いた。すると車の中で待機していた人達がぽつりぽつりと集まり始めた。
スノーシューは不要と思うものの、万一軟雪でラッセルになると大変なので持って行くことにしたが、その後バス停にやってくる人達を見ても誰一人スノーシューを持っていない。ワカンを持った人が数人いるが・・・・
誰も持っていないからと言ってラッセルが無い保証にはならないものの、我々以外全員が不要と判断している事から、我々も邪魔なスノーシューは置いて行く事にして、車に戻した。
7:40にチケット売場に係のおばさんがやって来て、7:45頃からチケット販売を始めた。バス片道820円、ロープウェイ片道1,210円だが、往復を通しで買うと3,900円なので、160円お得だ。
チケット販売が始まると一気に行列が増え、100人くらいになった。
バス2台分の客がいるのでどうなるのかと思っていたら、8:15の始発の前に臨時バスが出るとのこと。増便は始発便に続いて出ると思っていたが、事前に出すとはなかなか良い! 駐車場向かいの場所からチェーンを巻いたバスがやって来て8:00少し前に出発した。
しらび平への道は狭く、車のすれ違いは困難だ。菅の台周辺には雪はほとんど無かったが、登りに掛かると少しずつ雪が出始めてしらび平に近づく頃には完全に雪道になった。とはいえ積雪は5〜10cm程度だ。
8:25しらび平に到着。ロープウェイの駅舎に入ると9:05の始発便の前に8:45の臨時便が出るとのこと。これは有難い。
8:45の臨時便はほぼ満員。標高1,662mのしらび平から2,612mの千畳敷まで標高差950mを7分30秒で結ぶ「中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイ」は標高も標高差も日本一なのだ。車内アナウンスで、片方のゴンドラの籠を取り外して片肺運転しているとのこと。
ロープウェイは2つのゴンドラが荷重を相殺してモーターの負荷を低減しているので、ゴンドラを外しては電気代が嵩むはずだが、それ以上に籠の運用コストが掛かるのだろうか?
8:55千畳敷に到着。千畳敷の駅舎は「ホテル千畳敷」と併設されているせいか、施設はなかなか立派。トイレはウォシュレットだった。
千畳敷カールは雪崩の巣で過去に雪崩による死亡事故も多く発生しており、1995年1月には6人が雪崩に巻き込まれて死亡する惨事が起きている。直近では2008年にも1名亡くなっている。
我々は念のためアバランチビーコンをネットのレンタルショップ「やまどうぐレンタル屋」からレンタルしたので、出発前に電池を新品に替え、アンダーウェアの上に装着した。「雪崩三種の神器」のうちゾンデとスコップは持って来ていないが、ビーコンだけでも無いよりマシだろう。
ホテルを出ると目の前に千畳敷カールが広がり、宝剣岳の岩峰が聳えており、青空を背景に素晴らしい景観だ。気温は-8℃とあまり低くはなく、風も殆ど無いのであまり寒く感じない。むしろ登りでの発汗が心配だ。
ホテル前は広いテラスになっており、臨時便で上がって来た多くの登山者が出発準備をしている。我々もアイゼンを着けて出発準備をしていると、長野県警山岳救助隊の方が声を掛けて来て、乗越浄土直下の急斜面がアイスバーンになっており、昨日滑落事故が数件起きており、今日も捜索活動中とのこと。
「装備と技術に自信がかければ行かないように」「急斜面で下れないと思ったら、登らずに引き返すように」と言われた。我々が特別怪しく見られた訳ではなく、さっきは隣にいたハーネスを着けザイルを持っているいかにも上級者っぽい人達にも同じ事を言っていたので、皆に同じ事を言っているようだ。
とは言え、油断禁物だし、我々も乗越直下の急斜面では下れるか否かを考えながら、下れそうになかったら引き返すことにして出発する。
カール底の西寄りは雪崩リスクが高いので冬期は立入禁止になっており、カールの東側の剣ヶ池の方に迂回してから乗越浄土に向かってほぼ一直線にトレースが付いている。雪崩の跡は見えないが、1995年の雪崩はこの東側に迂回したルートを横切っているので、完全に安全なルートとは言えない。下から見上げるともの凄い角度でそそり立っているように見える。
ホテル前のテラスから一旦下り、しばらく平坦なルートを行くが、トレースは良く締まっており結果的にはスノーシュー不要だった。
トレースはかなり幅広になっていて、大勢の登山者が通過しているのでやや柔らかめになっている。登るにつれて傾斜は次第にきつくなり、トレースの幅は狭くなってくる。休憩するにも足場を固めて安全を確保する必要がある。
登りはじめて少しすると案の定暑くなり、アウターを脱いだ。ヒートテック+Tシャツ+フリースの3枚で丁度良い。
乗越浄土の直下に鉄パイプの柵があるが、そのあたりの傾斜が最も急で、ピッケルを支点にして2歩づつ高度を上げる事を繰り返す。表面の雪は柔らかいのだが、下の方は固いところがあり、1回では充分に刺さらず、何度も打ち込んで支点を確保する。
最も急な部分を通過し、鞍部に出る直前の10〜20mがアイスバーンになっているが、アイゼンの爪が入らないという程ではなく、体重を掛けて蹴り込めば足場は確保出来る。前爪だけで登る人もいるが、そんな急傾斜でもない。
アイゼンは効くが、急斜面に足首を曲げたまま前向きに登ると大腿四頭筋の裏側が疲れる。時々立ち止まりつつ高度を上げていく。
ホテルから約1時間で乗越浄土に到着。確かに急斜面で最上部はアイスバーンだが、裕野ちゃんも含めて全員降れる判断だ。乗越もアイスバーンになっており、体重を掛けないとアイゼンの爪はほとんど刺さらない。
乗越浄土は広い鞍部で南北に走る主稜線上には宝剣荘と天狗山荘の2軒の山小屋が建っているが、冬期は営業していない。稜線に出ると流石に風があるが、それほどの強風では無い。宝剣荘の前の雪の窪みで風を避けつつ休憩し、行動食を食べる。天気は良いが、南アルプス方面は霞んでいて山並みは見えない。
駒ヶ岳へのルートは宝剣荘の裏側を巻いているが、夏道も同じだ。宝剣荘の西側にはエビの尻尾がびっしり着いていて西風の強さを伺わせる。雪を纏って白い天狗岩がユニークだ。
中岳に向かって標高差約50mの緩斜面を登るが、柔らかい雪とアイスバーンが交錯する。
中岳を過ぎると北側はやや急な下りになっていて下り切ると駒ヶ岳頂上山荘がある。帰りに小屋で休憩することにして通過し、そのまま山頂に向かう。山頂直下はそこそこの急斜面でアイスバーンになっていてまたしても大腿四頭筋の裏側が疲れる。
11:30 2,956mの木曽駒ヶ岳に登頂。千畳敷からトータル正味1時間50分だった。標準コースタイムは2時間なので、良いペースだ。
山頂はなだらかでとても広く、駒ヶ岳神社の祠が建っている。山頂の気温は-10℃だが、風が弱く日差しがあるので寒くはない。大勢の登山者に混じって山頂の標識の所と一番高い所で登頂記念の写真を撮る。
山頂の標識の長さからすると山頂の積雪は約1mだ。
15分ほど山頂にいてから下山開始。頂上山荘前の雪の窪みで風を避けながら休憩。テルモスのお湯でカップ麺を作る。駒ヶ根のセブンイレブンで6時間前に98℃のお湯を詰めた山専ボトルなので充分アツアツのランチだ。山ではカップ麺はあまり食べないが、行動中は手早く食べられて良い。
ここで「山が好き」の手拭いを山頂での撮影に出し忘れた事に気付き、折角持って来たので写真を撮って貰った。
復路も往路を引き返し、宝剣荘の前で小休止してから最も危険な急斜面の下山を開始する。
乗越からの下降点のアイスバーンを警戒していたが、立派なステップが切られており、登りの時より安心して下れた。大勢の登山者が下ったので、しっかりしたステップが出来たのだろう。人が多い事に感謝するのは珍しい。
アイスバーンで大腿四頭筋に負荷が掛かったせいか、下りのペースがイマイチ上がらないが、宝剣荘から45分で千畳敷に到着した。標準コースタイムは60分なのでなかなか良いペースだ。
予定していた14:55の便の1つ前の13:55に余裕で間に合った。しらび平に着くとすぐにバスが出たが、バスは満員で補助席を使っても2人が座れなかった。
菅の台まで10分ほどの場所でチェーンを巻いていないバスに乗り換えさせられた。朝は菅の台からチェーンを巻いたバスで登ってきたのだが、このバスは終点が駒ヶ根駅なので、雪の無い市街地の道路をチェーンで傷めないためだろう。
菅の台駐車場のすぐ近くの「こまくさの湯」で温泉に浸かってから帰路に着く。
談合坂SAで夕食のつもりだったが、小仏トンネル〜上野原ICが13km渋滞しているので、渋滞が談合坂SAまで延びると出られなくなるので双葉SAで夕食。渋滞があって少し時間が掛かったものの、菅の台から正味約4時間で君津に到着した。
今回は天候にも恵まれ、急斜面のアイスバーンでは程良いスリルも味わえてとても楽しい山行だった。これで11月の三斗小屋温泉以来8回連続して晴れの山行が続いている。このまま「晴れ男」を継続したいものだ。
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