光岳から北岳へ 南アルプス主脈縦走全83km!
- GPS
- 92:00
- 距離
- 82.8km
- 登り
- 8,639m
- 下り
- 8,038m
コースタイム
便ヶ島3:28-易老渡3:55-易老岳8:58-11:51光岳小屋12:57-光岳13:16-光岩13:30-光岳小屋14:03
○2日目
光岳小屋4:47-易老岳6:35-茶臼岳9:09-上河内岳11:54-聖平小屋13:50
○3日目
聖平小屋4:52-前聖岳7:25-奥聖岳7:49-前聖岳8:11-兎岳10:51-百間洞山の家14:08
○4日目
百間洞山の家5:07-赤石岳8:11-10:10荒川小屋10:47-12:30中岳避難小屋12:45-荒川東岳13:44-中岳避難小屋14:52
○5日目
中岳避難小屋4:24-前岳4:45-板屋岳8:00-小河内岳10:21-三伏峠小屋12:46
○6日目
三伏峠小屋4:48-塩見岳8:31-北荒川岳10:56-熊ノ平小屋13:34
○7日目
熊ノ平小屋4:47-三峰岳6:28-間ノ岳7:20-北岳9:55-八本歯のコル10:38-二俣12:07-広河原13:50
※コースタイムは休憩・食事込みの時間です。
天候 | 基本的にずっと晴れ 5日目と6日目に夕立(雷雨) 5日目はひょうも降りました。 |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
新宿からJR飯田駅まで高速バス 飯田駅からタクシーで便ヶ島へ 利用タクシー会社: 朝日交通 http://asahi-21.jp/ 電話:0265-53-1212(登山専用) 現在、便ヶ島への道路が崩落の危険性のため、警備員を配置している時間帯のみの通行となりますが、研修を受けたドライバーは時間外でもokとのことです。 時間外にかかると途中の観光案内所で鍵を借りる必要があるため、メーターが少々変わります。 私の時は鍵を借りて、\18,630でした。 詳しい道路状況は http://www.tohyamago.com/WP/archives/7710 ○帰路: 広河原〜甲府 山梨交通バス \1,900+南アルプスマイカー規制利用者協力金\100 甲府からは臨時の「かいじ」を帰路のバスからネット予約したため、混雑したなか座って帰れました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
○登山ポスト: 便ヶ島、易老渡ともにあります。 私は、便ヶ島で調達して、前泊時に記載し、易老渡にて投函しました。 ○道の状況: 全般的によく整備されています。 1日目 易老渡〜光岳: タクシーで入山した時に、よくわかりましたが、急峻な山肌に谷が走っています。 そのため、登山道も下部の急峻な斜面に崩落箇所がありましたが、暗い時間帯なので、よく見えませんでした。歩くのには支障ありません。 易老渡〜易老岳まで標高差1,474mとかなりの急登です。 2日目 光岳小屋〜聖平: きつかった印象はあるのですが、それは前日の急登の後遺症と思います。 3日目 聖平〜百間洞: この日に比べたら、2日目は楽勝でした。 聖岳まで標高差753mを登ったと思ったら、急降下、そして兎岳への登り、その後もアップダウンを繰り返しました。 トランスジャパンアルプスでは、南アルプスが最もきついというのをよく理解しました。っていうかよく走るよな〜。 4日目 百間洞〜中岳避難小屋: この日も、赤石岳へ登って、降りて、荒川中岳へ登ります。 きついですが、すでにこれが南アルプスと悟りました。 悪沢岳へは小屋に荷物を置いてピストンです。 5日目 中岳避難小屋〜三伏峠: 最初にカールを一気に下ると、あとは細かいアップダウンの繰り返し。 一番縦走らしい日かな〜と思っていましたが、最後は樹林帯の中で目標が見えないので、結局飽きちゃいました。 6日目 三伏峠〜熊の平小屋: この日が一番コースタイムが長く、前日のひょうも頭にあったので、気持ちを(自分的には)アスリートモードwに切り替えました。結果、塩見岳は、あっけなく通過。 塩見岳への途中で出会った、来年のトランスアルプスジャパンのトレーニングに来ていた阪田・石田両選手に影響されたせいもあった? しかしながら、塩見岳からの下りもなかなか、逆コースは大変です。 あとは樹林帯のアップダウンの繰り返し。 北荒川岳の付近は素晴らしいお花畑を満喫できます。 7日目 熊の平小屋〜広河原: 流石に下界が恋しい最終日。 足も軽快です。 しかしながら、北岳から広河原への1,673mの一気のくだりにはヘロヘロです。 大嫌いな岳沢の下りを思い出しました。 また、八本歯のコルから樹林帯を抜けるまでは、ハシゴの連続で渋滞に注意。 ○山小屋: 甲斐駒ケ岳と仙丈ヶ岳以外は初の南アルプス しかも北海道から急遽予定を変更したせいで、南アルプスの小屋のシステムをよく理解しないで、準備不足のまま入山しました。 小屋泊でも、シュラフを持って行くかで、値段が変わります。 聖光小屋(前泊): 予約制です。 急な予定変更のため、小屋に泊まれず、テントを背負うか迷いましたが、ライトウェイト優先な男なので、いつも持って歩いていて、使ったことのなかった、ライペンのビバークツェルトで済ませました。 また、上記の南アルプス独特のシュラフ持参の文化を理解していなかったので、シュラフもダウンジャケット&ダウンパンツで代用しようとしましたが、結局、暑かったので、ダウンは不要でした。 テント場の利用は、500円。聖光小屋に払いにゆくとご主人が札をくれます。 聖光小屋が入浴できるだけあって水も豊富で、炊事場&食事用テーブル(屋根付)も充実しています。 しかしながら、利用者のマナーが悪く、特に食事用テーブルは、居座るだけでなく、屋根下でテントを張っている人多数で、全く利用できませんでした。 トイレはしっかりしてますが、清掃頻度が高くないようで、埃っぽい状態です。 光岳小屋: 50歳以上でかつ、3名以下のパーティーしか食事を提供しないため、自炊でした。 例外的に三伏峠以北からの縦走者は、提供されるとのことですが、私のようにこれからの人はNGです。 小屋は、ご主人?が神経細やかに運営しているので、快適でした。 寝床も折りたたみの銀マットが使えて、1人あたりのスペースも充分。翌日の聖平小屋とは雲泥の差でした。 実際、初日で急登の影響もあったとは思いますが、一番ぐっすり眠れました。 もちろん、耳栓は持参です。こればかりは、小屋のせいではありません。 水は夕食準備の4時前をめどに、容器を出せば入れてくれます。後述の水場からポンプで上げているようです。ただし、小屋に着く手前の水場が生きている際は、基本、そこで汲んできて欲しいというスタンスで、実際に水場にその表示があります。 小屋の直下にも水場があります。急傾斜の階段を下りると、冷たい水が勢いよく流れ出しています。小屋で、水を分けてくれるので誰も来ないようだし、到着も早く天気も暑すぎる位よかったので、今後の長丁場に備えて行水?と洗濯をさせてもらいました。 トイレは、小屋の発電機が動いている時間帯に使えるバイオトイレと24時間使えるトイレに分かれてます。屋外です。 聖平小屋: 非常に混んでました。 どこの小屋もだいたいすし詰め用と通常用と2パターンのレイアウトを持ってますが、通常用でも、他より狭めな気がする上に、人でびっちり埋まってました。 自炊、素泊まり(シュラフ持参)用の別棟(冬期小屋)は余裕のようでした。 受付は、専用カウンターが特設されており、テキパキこなします。あと、フルーツポンチのウェルカムサービスもありました。テン場もいっぱいなため、スピード処理が命なのでしょう。 食事は、保存食の煮物や佃煮中心で、キッズ用のランチプレートに乗って出てきます。スタッフの対応は良かったのですが、内容はここが一番下でした。 寝床はシュラフのみ。枕も、銀マットも、下に敷く毛布もない上に、前述のとおり1人あたりの幅が狭いので、隣との境界線が曖昧で、片側の3人組のおじいさんに押し込まれて一晩中窮屈な思いをしてよく眠れませんでした。 水場は小屋の入口とテン場にあります。 トイレは屋外で遠く、テン場と共通なので、時間帯を間違えると渋滞します。 百間洞山の家: 受付に非常に時間がかかります。ちょっとイライラしていましたが、かわいい受付嬢の笑顔と丁寧な対応で、あっという間にクールダウンされてしまいましたw。 部屋は天井が低く圧迫感がありますが、一人ひとりのスペースがそこそこ広いので、ほぼ満室で屋根裏部屋まで使っていましたが、それほど窮屈には感じませんでした。 寝床には、シュラフ、毛布の他に小さいですが銀マットもありました。 食事は、揚げたてのとんかつが出るなど今回の山行でのベスト。 4階建て?で地階にトイレと水場がありました。 隣には沢が流れていて、当然のごとく水浴びをしました。 中岳避難小屋: 定員20名と非常に小さな小屋です。自炊のみ対応ですが、レトルト系の食事は提供してもらえます。 2階建てで、上には避難ばしごで登りますが、荷物は2階にもって上がれません。最初はエッ!っていう感じでしたが、寝ている最中に荷物を整理する人がいないので、必然的に二階の就寝スペースは静かになります。(いびきは除く) その分、1階が常に混んでいて、結局、夕食は荒川小屋で名物のカレーを食べたせいで手をつけなかった百間洞のおにぎりで済ませて、上で横になっていました。 翌朝も混む前に一番で食事を済ませダッシュで出発しました。 水場なし。 トイレは屋外です。 三伏峠小屋: ここ2〜3年はテン泊が増えたせいでさっぱりとのことで、もともと40人レイアウトの小屋の1階が20名程度とゆったり。2階には他に団体さんが入ってました。 素泊まり用の別館もあります。 トイレは基本外ですが、夜間用のトイレが館内にあり、この日は、夕立のため早くから解放していました。 午後3時から小屋の外の水道を出していましたが、飲用不適とのことで、飲み水はミネラルウォーターを購入しました。 他にも外に水場がありますが、往復25分と結構歩きます。 水場にはクマ出没注意の看板があり、誰もいないのにクマ除けかずっとラジオを流していました。 食事の時には、小屋のご主人の楽しいあいさつがあり、当時ネタの雷の話で盛り上がっていました。 小屋には乾燥室があり、夕立にあたった人たちには重宝されていました。 熊ノ平小屋: 立地の問題で縦走者しかいないのか、今回の日程で一番人が少なく、もともと一人あたりのスペースも広い方なのに、一人おき位で利用していました。おかげでよく眠れました。 トイレは屋外に出て少し下ったところで、水場の沢もすぐ隣です。 |
写真
感想
10年ぶりに仕事のないお盆休み。
北海道へ行こうと計画していたものの天気図をみるとどうもあやしい。
一方、南アルプス方面はずっと高気圧におおわれそう。ということで急遽予定を変更して、南アルプスを南から北へ。光岳から北岳へ小屋利用で、一気に百名山を七座やっつけようと、計画も不十分なまま一路飯田へ。
基本何とかなるだろうと、飯田への高速バスだけ予約して、聖光小屋も当日朝に予約を入れて断られる始末。
しかしながら、高速バスが1時間半遅れた以外は、高速バスの休憩中にタクシーも手配できて無事入山できました。
さて、今回の南アルプス。言われる通り山容の大きさにびっくり。特に3日目のアップダウンの連続は圧巻でした。
道中は、2度夕立があったものの好天続きで、逆に日差しが強くて、日焼けがひどくなり3日目から長袖に変えたほど。
今回のコース、最初の光岳・聖岳周辺と最後の北岳以外はアプローチの問題からか、テン泊中心の山になれた人ばかりで、茶臼岳から間ノ岳の手前までは、4名程が私と同じコースをテン泊で縦走してました。
うち、一人は女の子で、テントを背負いながら、男連中に負けずに道中をかっとんでました。その早いこと早いこと。来年のトランスジャパンアルプス出場を目指して、逆コースでの下見に来たのでは?と思ったくらいでした。
トランスジャパンアルプスと言えば、6日目の朝、三伏峠と塩見岳のちょうど中間くらいで、どこかで見た2人組が。
すれ違いざま「トランスジャパンアルプスの来年に向けたトレーニングですか?」と声をかけるとびっくりしたような様子で振り返りながら「はいそうです。」と昨年2位の阪田選手が返事をしてくれました。
「頑張ってください!」と声をかける間に同行の石田選手とともにあっという間に通り過ぎて行きました。
今回の山行。昨年のNHKスペシャルでのトランスジャパンアルプスを見てから南アルプスに行ってみたいという気持ちもあったので、縁と言えばそうなのでしょう。
もっとも彼らにとっては、大会と同時期に本番のコースを試走するのは当たり前でしょうが。
さて、途中風呂に入れないのが今回の山行の最大の問題でしたが、水場に恵まれ行水を楽しみながら無事フィニッシュできました。
全七日間で歩いた距離が(バッテリーの問題でいつものiPhoneのGPSは使いませんでしたが)約80km超。累積標高(登り)8,000m超と私にとって記録づくめになりました。
おかげさまで、帰ってすぐに体重計に乗ったら、体脂肪が普段の12-15%から10.8%まで落ちてました。もう少しで腹筋も割れそうで、ますます山にのめり込みそうです。
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