西穂〜奥穂〜槍
- GPS
- 20:43
- 距離
- 29.6km
- 登り
- 3,009m
- 下り
- 3,936m
コースタイム
- 山行
- 5:16
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 7:10
- 山行
- 11:36
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 13:26
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
---|---|
アクセス | |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
百名山全山縦走(赤線つなぎ)をやりたいと思ったのは、ただ登頂するだけでは見れない、誰も見たことのないような景色を見たいからだった。
ただどうしても山道はきつく険しい。下道でつなぐことも多々出てきてしまっている。
それはそれでいろんな気付きがあったし、決して無駄だとは思っていない。なんなら最近は山ばっかなのでそろそろ50kmくらい下道歩きて〜とふと思ってしまうほどである。
ただ百名山全山縦走プロジェクトとしてはいかに楽につなぐかに注力しているのは事実で、今回登った穂高岳と槍ヶ岳も、もっと楽につなぐルートはあるし、それも考えた。
けれども、初心に帰ると、やっぱし峰をつなぎたいのである。
特にこの西穂〜奥穂〜槍は、日本で山をやってる身としては本丸中の本丸だ。
これまで積み上げてきたことの集大成として、このプロジェクトを始めた自分に対するひとつのけじめとして、この道を歩くことにした。
・1日目
鍋平から新穂高ロープウェイに乗って西穂口へ。
始発に乗ろうと思ったらトイレで一本後になってしまった。
ただ臨時便が出てくれたので、9時すぎに出発。前来たときも思ったけど西穂高口駅の出口が分かりづらくてすげえ迷う。
西穂山荘までは樹林帯歩き。
独標までは冬来てるし、このあたりはサクサク歩く。人も結構いた。
西穂山荘で一息つき、とりあえず独標を目指して稜線を歩く。
笠ヶ岳、焼岳が美しく見える。双六、黒五、鷲もギリ見えた。今日もいい天気だ。秋って結構晴れるんですね(今年だけ?)。
独標まで着いたらポールしまってヘルメット体制へ。
結構人は歩いてる。まあまあ軽装の人もいる。
このあたり派手な鎖はないが、岩場なので慎重に歩く。
西穂の手前辺りから、どうも標高が高いからかバテ気味だった。水をあんまり持っていってなかったので、水不足による高山病てきなもののバテっぽいかなと思った。
西穂高岳に昼頃到着。
カップラとおにぎり食べてエネルギー入れて、周りの人がいやあこの道はきついですよと言ってる中、奥穂高に続くその道に進む。ちょっと恥ずい。
序盤は岩場のアップダウンがメイン。たまに鎖もある。近くの山から見たとき、それは切り立った峰だったので、もっとなんの支えもない痩せ尾根を想定していたが、意外と足元はしっかりしている。
たまにあるザレ場では浮石に気を遣いつつ歩く。間ノ岳までは道もわかりやすい。
ただ上りはやっぱりバテる。飯食ってもバテるので水と酸素だな〜
この岩場の連続は、体力も使うが精神力も削られる。集中力が持たない。
緊張感を持って歩かないと厳しい場所は多々あるが、緊張感を高めると呼吸が浅くなりすぐバテて、集中力も切れるという悪循環になるので、なるべく三点支持とルーファウだけに思考を注力させて、景色とか全体感とか気にせずに歩いていた。
たまにある鎖に気を遣いつつ天狗のコルへ。ここには小屋があったのか?岩積みがある。
ここからの上りが体力的にきつい。一回おにぎり休憩挟んでジャンダルム手前へ。
この辺から道が分かりづらい。ペンキを見失う。一度道を間違えた。
踏み跡だけ追うと間違えるし、大きく間違えると取り返しつかなくなるので、ルーファウのスキルは必要。この稜線だとGPSもあんまり意味ない。
ジャンダルムは登らず巻いた。
この巻きが地味に怖いが、カニのヨコバイよりかは歩ける。
そしてようやく目の前に奥穂が見え、最大の難所と言われる馬の背へ。
馬の背、もっと細い尾根かと思っていたら意外と足場は安定してて、岩の間に体入れられたりするので、そこまで恐怖心は来なかった。逆走がきついのかもしれない。
馬の背を超えやったぞと思ったところで、ようやく奥穂にたどり着いた。
要所要所の難易度は劔のほうが高い気がするが、距離が長いので体力や精神力はこちらの方が持ってかれる。
奥穂がすぐそこになったとき、解放と達成感で思わず泣きそうになってしまった。
奥穂で写真撮って穂高山荘へ。
いやぁいい山でした。歩けてよかった。
穂高山荘は結構人いた。
テント担がなくても飯と寝るとこ用意してくれるの本当にありがたい。
明日は槍を目指します。頑張りましょう
・2日目
標高が高いところで寝ると、体が慣れるまではあまり寝付きが良くない。
寝たんだか寝てないんだかよくわからん状態で4時過ぎ起床。
朝食は昨日お弁当に変えておいた。
この穂高山荘のお弁当は朴葉寿司で楽しみにしていたのである。
5時頃出発。本日は最初からヘルメットです。
まだ陽は昇ってないが、薄っすらと明るくなり始めていた。涸沢岳への取り付きで体が暖かくなっていく。
涸沢岳からの下りからが本日の本番である。
最初からまあまあの急登と鎖を降りる。体がまだなまっているので腰が引けるがゆっくりと降りる。
しばらく急なガレ場を歩く。
なるほど確かに結構な難所続きで、道迷いこそないもののある程度慎重な足運びが必要だった。
涸沢岳を降りきったところらへんで日の出を迎え、北穂高岳へ。槍が良く見える。
そして今回の縦走左手にずっと笠を見てる気がする。
そのまま大キレットへ突入する。見た目より体感かなり降りる。
途中まぁまぁ高度感あるはしごや鎖をつたい大キレットを通る。南岳についたころには満身創痍だった。
そこからも多少登るが快適な縦走路になる。
が、途中カメラを南岳山荘の前に忘れていたことに気づき、1時間ほどロス。
大キレットまで戻ることになったらどうしようかとひやひやしたが、なんとかリカバリ可能な範囲で良かった。かえりの温泉は相当急ぐことになったが。
ほろはずし弁当はめちゃめちゃうまかった。
疲れた体に酢飯はスルスル入る。
添え物の天ぷらと鮎の佃煮もべらぼうにうまい。
槍ヶ岳山荘について、いよいよ槍へ。
はしごや鎖は整備されてるが、高度感がめっちゃあってなんか今回で一番怖かった気がする。
とはいえ何度も見上げたあの槍についに登頂。やってやりました。
小槍で登攀してる人もいた。
よくやるなと思いつつ、岩楽しかったので登りたくなる気持ちはわかる。
そこからはだらだらと新穂高へ降りる。途中獣臭がしたのでクマでもいるんじゃないかな〜
新穂高につく頃には真っ暗になってしまった。そこから鏡平までがまた地味に上りでめんどい。
帰りはTwitterでよく見かけるひがくの湯へ寄ってみた。ホスピタリティ高いし飯が良かった。温泉も露天が広くていい
ただ日中の緊張続きから気が抜けてたのか着替えを置き忘れてしまった。帰ってから気づいて送ってもらった。大変失敬である。
登山をやってて行きたいと思っていたこのルート、無事に登ることができた。
岩、楽しい。
久々にスリルと達成感を味わったが、くせになってしまいそうだ。
とはいえ残りは距離が長いところばかりなのでどちらかといえば体力とやる気だが、なんとか今年中に頑張りたい。
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