南ア南部(椹島〜千枚小屋〜千枚岳〜荒川三山〜赤石岳〜百間平〜百間洞〜兎岳〜聖岳〜聖平〜聖沢〜椹島)周回
- GPS
- 56:00
- 距離
- 41.5km
- 登り
- 4,330m
- 下り
- 4,326m
コースタイム
- 山行
- 4:50
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 5:25
- 山行
- 12:40
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 14:00
天候 | 3日とも晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
基本、感想などに書きました。椹島〜千枚小屋までは眺望のない中をたらたら約1500m登ります。その分、眺望が見れたところや清水などがうれしかったりもします。千枚小屋〜千枚岳〜荒川三山〜荒川小屋〜赤石岳〜赤石岳大斜面下はアップダウンの連続。ここから百間平の終わりまではほぼ平坦で快適です。百間平は広々としており、テン場跡なのか何かあったかのような雰囲気。 百間平〜百間洞〜中盛丸山〜小兎〜兎〜聖岳〜小聖まで、これまたアップダウンが多いです。百間洞の直上の大沢岳を行くとプラス1時間で、これをトラバースして中盛丸山と大沢岳の間のコルにでる。これは荒川小屋も同様で、稜線の崩落対応もあるのでしょうが荒川小屋〜小赤岳間も小赤岳へのコルにトラバースとなっており、この間はそこそこ歩きやすいです。兎岳のザレっぷりが厳しく、また兎〜聖兎コル間の避難小屋がわかりにくいことこの上ないです。また聖自体そこそこ険しいです。 また、沢トラバース路は怪しいところもあるので注意は必要。 |
その他周辺情報 | 接阻峡温泉会館 お湯がまったり。やさしい重曹泉です。 大井川鉄道のアプト式が見れたり、話題の湖上駅までサクッと行けちゃったりします。登山でやられたふくろはぎがきつかったけど行って良かったです。 あと、寸又峡温泉も行きました。こちらは単純硫黄で弱アルカリ。こちらもとろみがあります。光岳への林道、直す見込みあるの?と聞いたところ、ほとんど手がついていない様子とのことです。まあ、まずは静岡、島田から井川、寸又への道を真っ当にして、住民や観光客の負荷を減らす方が先だよなとも思いました。 寸又は帰り道から外れるのでわざわざになりますし、思いっきり観光地って感じ。 自分の好みは色々な意味で接阻峡温泉の方が好みですね。何にもないど田舎の集落って感じで。 |
写真
装備
備考 | 初日、ヘッデンが見当たらず、忘れてきたと思い込んでしまったこと。ちゃんと手にしていたら2日目の行程はもう少し余裕が持てたと思う。 |
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感想
10月三連休での荒川三山+赤石というベタルートが当初予定でした。
土、日、月で行こうと思っていましたが、土のみ晴れで日、月が雨。稜線歩きの肝心の2日目が雨では苦しいし、台風で帰れない恐れすらあったため、急遽金曜に休みをつけて一日行程を前倒し。金、土にほぼ歩ききって日に下山してちゃっちゃと帰る。
これがとても吉に出ます。太平洋高気圧が頑張ってくれて、日も晴れ予報に改善。我々に3日間の縦走のチャンスを与えてくれました。
4日目も一応予備日になるし、休息日にもなるので。
初日は、てくてくひたすら歩きます。時折、荒川が見えてそうでした。新築の千枚小屋は綺麗で食事も美味しくてグッドでした。
二日目は、この日も天候良好。千枚岳から、丸山、悪沢、一度アップダウンで、荒川中・前と縦走し、ここから荒川小屋へスコンと落とされます。荒川前岳から北行きで稜線を伝えばぐるっと回りこんでいくつも山を越え塩見岳に到達。
これら荒川稜線からは北には塩見、仙丈、間の岳、農鳥岳、甲斐駒が。西は木曽駒、御嶽、乗鞍、遠くに槍穂。南には赤石、その西にぐるっと稜線があります。
荒川小屋で噂の荒川カレーを食し、赤石岳へ600mほど登り返します。
赤石ですが、北側の小赤石が十分でかいです。赤石は更に先。
赤石のピークから北側は荒川前・中の山塊と悪沢〜丸山〜千枚が壁になってその先は、荒川中と悪沢の間のコルからしか見えないです。
お隣の聖がどーんと聳え立っています。が、赤石〜聖間は下が赤石沢となっており、反時計回りに回り込まないとたどり着けません。
当初は赤石岳避難小屋泊のつもりだったけど赤石に12時台に着いたので、これで聖の方へいけるところまで行こうと決断しました。百間洞まででも、翌日夕方には椹島までは下山できるだろうし、うまく兎岳避難小屋に転がり込めば御の字。
しかし、はっきり言って百間洞は残りが長すぎるし、兎岳避難小屋は遠すぎる。
通常荒川三山+赤石+聖だと3泊4日が一般的。これを2泊3日に終えるには、2日目にどこまで攻めるかにかかってきます。
いざ行き始め、赤石からざざっとザレ場を通って百間平らまで気持ちよく水平歩き。
百間平は本当に平。ここからコルの更にちょい下に向かってだだ降ります。百間洞まではまずまずの順調でしたが、その先の西に聳える壁のような山々が厳しい。千枚からここまで来た体に、その西の壁はしんどいものがありました。赤石から先は、人には1人と2人組にすれ違ったのみ。
百間洞小屋経由トラバース路のお陰で山をスキップしてコルに出ますが、その先の中盛丸山への登りとそこから小兎への崩れ場下り、小兎への登り返し、さらに一旦下って登り返してまた下り本当の兎のコルに出ます。
ここで日没になります。持ってきていたはずのヘッデンがやはりなく、テン場だったらしき雰囲気もあり、ここまでの稜線間(中盛丸山から兎の間)はテン場跡っぽいところが一杯なので、ビバークも頭によぎりました。
元々避難小屋泊の予定で寝袋、マットレスは積んできていたので、当日風が少なかったことも踏まえると、ビバークの方が正しい判断だった気がします。
しかし、この日は夕日の残りが強く、また満月の2日後で、飛行機なども良く飛んでいたためそこそこ明るかったです。順調なら小屋まで1時間弱のはず。何とかなるさと、登ります。
しかい実際は恐ろしくしんどいものがありました。兎岳への登りは急登な上にザレ場で道だと思ったのがただのハイマツ枯れなだけとか、ペンキは携帯電話のライトで読み取ろうとしますが暗くてうまく読み取れないとか。
でも頂上のシルエットはわかるのでどうにか上を目指します。こんな調子なのでコル下から兎頂上まで1時間強はかかったかと思います。お陰で兎岳頂上の柱と看板を見て、どうにか目処がついたと思いました。看板があるなら本線にも辿りついた証だからです。
その先、いかに暗かろうと聖のシルエットはわかります。そちらへの稜線を目指せば避難小屋のはず…。悩みながら正に手探りなので、小屋過ぎたのかな?下りすぎていないかな?稜線下っているはずだが、道、あっているよな?などと不安がどんどんよぎります。
頂上から30分後、ようやく東海フォレストの兎岳避難小屋看板を発見!
ところが、ここには何もない平地です。小屋はどこ!!!と探しながらあたりを見渡し、一旦稜線をさらに進みますが、振り返ると稜線南よりに何かありそう。折り返して看板に戻り左に向くと道らしきものがあり、ブロック作りの建屋が。
本当にこれ?と悩みます。正面の扉は閉まっています。ここまできてこれはないだろうと思って横をみると中から光が漏れてます!
ノックすると人がいらっしゃいました。
ついに兎岳避難小屋到着です。ついたのは19:45。頂上からも約1時間経過していたようです。そこにいたのは前日千枚小屋で一緒であり、2泊3日での縦走を計画していて、2日目の朝を4時に早出したとのことでした。前日見知っていてもらえたこともあり、安心してもらえました。時間が遅かったので鹿か何かと驚かれたそうです。彼らには、感謝に耐えません。年配の方はお休み中のようで悪いことをしました。夜泊用のライトのお陰で小屋の中は非常に快適でした。寝袋・マットレスを取り出すとなんと探していたヘッデンがありました!!!
こいつあればこんな苦労しなかったのに…。ヘッデンのありがたみを体感しちゃいました。これで夜明け前から出発できるぞ!!!
結果的に初動の2時間が多くの困難をもたらしたようでした。
今改めて二日目の行程を振り返ると、出発はあと30分早められたし、百間平での道迷い・ハイマツ漕ぎで10分強のロス、荒川カレーは云いにしてもくつろぎすぎか。これで1時間前に倒せれば小兎からCT通りでも17:10に兎頂上。避難小屋も17:30頃にはつけたはずで日没に間に合えた…。結果論ですが。
聞くと次の日も4時発で出発し、椹島のバス乗り場に14時の便に間に合わせるように行くとのことでした。色々考えましたが、月曜の台風の件が見えないし、豪雨が来たら登山道もさることながらバスの道もその先も車道が通行不能の恐れのある山域。お二人のプランに乗っかることにします。
朝はほぼ同時に3時に目覚めたので、途中まで一緒に行きましたが…。やはり、山の先達です。ペースが全然速いので、途中で先に行ってもらいました。避難小屋から聖兎コルとそのちょい先までの道が結構険しかったし、先行のライトが力強く助かりました。
聖岳頂上でご来光。富士は腐るほど見てきたけど富士山の肩(富士宮口あたり)からご来光が綺麗に上がってきて、反対を見ると登ってきた兎岳方面の稜線に影富士が。影富士は初めて見ました。荒川三山+赤石で感動、達成感感じていたはずだったのですが、3日目の聖岳のご来光が圧倒的で、色々すっ飛んだ感じです。
全方向綺麗です。南アルプスの北側は赤石岳がでかすぎてその奥に見えたり見えなかったり…。なんとバカでかい山塊か!南は上河内、茶臼、光らしいけどどれがどれだかわかりません。
頂上で避難小屋でのお二方にまた出会い、写真を撮ってもらった上にコーヒーいただいちゃいました。この先はやはりペースが違うので別々でおります。聖平小屋の雰囲気、聖沢滝見晴場からの紅葉、滝、吊橋、聖岳が良かったです。
椹島ロッジには12時半頃到着。バスは10時半のあとは14時までないので、ここで先のお二人にお会いし昼食を一緒にしました。増便などを期待してできる限り早く降りていたとの事です。
今回は色んな方に感謝感謝です。
今回の山行は、結果的に月曜朝時点で雨降っていないので、2日目に百間洞、3日目に椹島、4日目始発で下山で大丈夫だったようですが、元々崩れ気味の山域、道で、雨に弱い場所だけに変なリスクはしょえませんので、日曜下山で正しかったと思います。
山はやっぱり面白い。山はなかなかどうして難しい。山歩きは実に奥深い。
ハイドレのマウスピースが無くなって水が噴射とか、ヘッデン見つけきらずに迷子とか、ハプニングが色々ありましたがどうにかできました。
山行く度学ぶことばかりです。
綺麗な景色、特にピークからのご来光はいつもながら格別でした。
→2015.5.26記
2015.4.30〜5.4に敢行した大峯奥駈道 吉野→熊野本宮をやったところ、2泊目の楊子避難小屋にてどこかで見た方が。他人の空にかと思ったが差にあらず。聖兎の避難小屋でライトつけていらっしゃった恩人。わずか半年ほどでの再会でした。聖でのご来光も共にしたけど、まさかのまさかに驚きでした。
山で出会って話したかととはまたどこかでといいますが、本当にあるとは。
山で悪いことはできないなぁと実感しました。
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