後立山連峰縦走;猿倉〜不帰〜八峰〜扇沢
- GPS
- 29:23
- 距離
- 37.9km
- 登り
- 4,625m
- 下り
- 4,463m
コースタイム
- 山行
- 3:23
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 4:32
- 山行
- 7:12
- 休憩
- 4:20
- 合計
- 11:32
- 山行
- 7:58
- 休憩
- 2:05
- 合計
- 10:03
天候 | 連日、朝のみ快晴 ※毎朝、10時くらいから東側より著しいガスが発生しました |
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過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
※帰路 11:25扇沢 発〜(バス)〜12:00信濃大町駅(日帰り温泉•昼食)14:20〜(自家用車;磐越道経由)〜21:10自宅 着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
終始ザレ場と岩場です ※最後の種池小屋から扇沢の下りでようやく土の登山道に出ました 【白馬大雪渓】 標高差300mくらいまで短くなっていました 【不帰キレット】 曲北峰への取り付き部分が核心部 壁のような岩を鎖を使って登ります 核心部以外に,難しいところはないと思います 【八峰キレット】 所々,岩を抱くように進まなければならないところもありますが,慎重に進めば問題ないと思います 問題は,とにかく長いです 気の抜けない岩場とザレ場の上り下りを繰り返すので,気力と体力を奪われます |
その他周辺情報 | <信濃大町温泉_薬師の湯;750円> サウナと水風呂,露天風呂あり 水風呂が気持ちよかった <昭和軒_ソースかつ丼;900円> かつが分厚くて,うまかった |
写真
装備
個人装備 |
ザック(Gregory;Zule32L)
靴(スポルティバ;エクイリビウム)
キャップ
ヘルメット
チェーンスパイク
長袖シャツ(夏用×2)
長パンツ
コンプレッションタイツ
靴下×2
雨具
グローブ
タオル×2
飲料(麦茶500mm/アクエリアス900mm)
行動食(薄皮パン×3/トレイルミックス/SOYJOY)
昼食(カップラ;リフィル×2)
酒とつまみ(焼酎900mm/ほや酔明)
チタンカップ(600mm&350mm)
バ-ナー
OD缶
スタンドコジー
箸・スプーン
着替え(長パンツ/肌着/パンツ×3/靴下/メリノウール長袖/カーディガン/ダウンジャケット/ネックウォーマー)
オープンシェラフ
枕
AppleWatch
iPhone
GoPro_HERO9
モバイルバッテリー
ヘッドランプ
予備眼鏡
サングラス
マスク
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感想
白馬岳や五竜岳・・・
名前は聞いたことがあるけど、そもそも、どこら辺にあるのかもよく分からない
たまに、テレビで白馬大雪渓が写ると”なるほど、いつかは行ってみたいもんだねぇ”
五竜岳が写ると”はいはい、武田菱ね 地層がうまくはまったねぇ”
なんてぼんやり見てたのが、今回、北アルプス;後立山連峰の山々を一気に縦走することに
元はと言えば、雪渓好きとして白馬大雪渓は登っておきたいなぁと行程を計画するうちに、五竜岳や唐松岳、鹿島槍など名だたる山々が同じ山域にあること
途中には、キレットが2つあることを知った訳で、せっかくなのでと、どんどん距離が伸びていき、終いには白馬岳から扇沢までの後立山連峰を縦走するロングルートに
所要4日間かかりましたが、とても充実した山行となりました
【1日目】
朝4時前に自宅を出発 新潟を経由して、10時半前に信濃大町駅に到着
ここから大糸線に乗って白馬駅へ
電車内から見える後立山連峰の山々は、ガスがかっていてよく見えません
白馬駅で昼食を食べて、外に出ると、ようやくガスの間から稜線を覗くことができました
稜線の手前には、山肌に雪が取り付いています あれが、白馬大雪渓なのかねぇ
バスに乗り換えて、12時半に猿倉荘に到着
ここから、いよいよ登山開始
1時間ほど歩くと、”ようこそ白馬大雪渓へ”と言う大きな石標とその背後に雪渓が見えます
ウェルカムな雰囲気だなと思いながら、先に進むも夏道が脇に伸びていて、なかなか雪渓に取り付きません
20分ほど歩いて、ようやく雪渓上に乗りました
雪質は、かなり固め 石転び沢とはずいぶん違います 標高が高いとこんな感じなんですかね
チェーンスパイクを履きましたが、ちょうどいい感じ
向かう先は、雲が覆っていてよく分かりません
ただ、赤スプレーで道筋を示されており、踏み跡もしっかりついていて、つぼ足でも行けそう
時折風が吹いて、涼しいと言うよりもはや寒い
雪渓に入る前は、水場で身体を冷やすくらい暑かったのに、かなりの気温差です
たまらず、ウィンドブレーカーとネックウォーマーを着用
途中、身体が温まってきたので、ネックウォーマーを外し、1時間半弱で雪渓を通過
上から雪渓をこんなもんかと眺めて、汗を拭こうとすると、被っていたはずのキャップがないことに気がつきました どうやら、ネックウォーマーを外した拍子に、脱げてしまった様子
何故気がつかなかったのか、よく分かりませんが、時間もあったので、取りあえず戻ってみることに
200mほど下ったでしょうか まぁ、見つかりません
そもそも、赤スプレーから外れたところを、登ってしまい、探す道筋がよく分からない
そうこうしているうちに、雨がポツポツ降ってきました
おまけに、雷も もう少し下って探したい気持ちもありましたが、出発が遅かったですし、無理は禁物
急ぎ、登り返して、先へ 雷光はないものの、磊音が雪渓カール上の形によく響きます
焦らずに、ゆっくり登ることさらに1時間半 5時過ぎに村営頂上小屋に到着しました
途中、負傷されたのか、救助の方に付き添われて、ゆっくり下っている女性とスライドしました
無理は禁物 ロングコースを前に身が引き締まりました
小屋には乾燥室があったので、衣類を乾かすことができました また、食事がバイキング形式でお腹いっぱいに食べることができ、とてもいい小屋でした(そう言えば、韓国や台湾の方が多く泊まっていました)
【2日目】
快晴、朝4時前くらいから、次々と皆さん小屋を出て行きます
ご来光にしては、やけに早いなぁと思ったら、白馬岳まで40分くらいかかるようで、私らも行ってみることに
外はすでに明るくなってきていて、ヘッドランプを使うことなく、山頂へ
見事な眺めです 剱岳がよく見える さらにその左には、これから辿る後立山連峰のルート
奥はガスがかっていて、唐松岳くらいまで、見ることができました
そうこうしているうちに、日は上がり、立山連峰がオレンジ色に染まっていきます 影ツルギも見ることができました
すごい眺めだ 暫し呆然としながら、気がつけば5時
食事が5時からだったなぁと思いながら、小屋に戻って、6時半過ぎに出発
まずは、杓子岳を目指します
途中、振り返ると白馬岳の勇壮な姿が こんなに尖っている山だとは思わなかった
この山域の山々は、大体、東側が切れ落ちていて、西側がなだらか
この時期は、ウルップソウやイブキジャコウソウ、クルマユリなど様々な高山植物が見頃で、飽きることがありません
景色を堪能しながら、杓子岳を登り始めます
ものすごいザレ場 レゴブロックが積み重なったような登山道です
足が取られる 難儀しながら、山頂へ
8時過ぎくらいに到着したかと思いますが、このくらいの時間から、ガスがどんどん湧いて、見晴らしを消していきます
ただ、西側はこの時間は、まだガスは落ち着いていて、立山連峰などは見えています
この先も、連日同じような天気でした きっと、この暑さで、日の出とともに残雪が一気に溶けて、ガスが上がってしまうのだと思います(西側は、午後あたりから、ガスが湧く感じでした 残雪量の差なのだと思います)
稜線に戻り、続いて白馬槍ヶ岳へ
大きい山です なかなか山頂に着きません
午前9時過ぎに、到着 この山に隠れて白馬岳からよく見えなかった、唐松岳までの稜線"不帰の嶮"を確認することができました
天狗山荘まで下りて、水を補給 ここから1時間ほどなだらかな稜線を歩いて、いよいよ不帰キレットに挑みます
まずは、天狗の大下りと言われる400mの激下り 幸い雨も風もないので、鎖を使いながら、一歩一歩丁寧に下りることができました
喫を越えて、曲へ いきなりの岩壁
一見、ルートがよく分かりません 近づいてみると、鎖がぶら下がっています
先のルートは分かりませんが、とにかく目の前の鎖を追って、上がっていきます
高度感はあるけど、丁寧に登っていけば、難易度はそれほどでもないと思います
ただ、雨が降ったり、下りで使うのは、嫌な感じ
1時間ほどで曲の北峰に到着 振り返ると、天狗の大下りから不帰キレットまで、辿ってきた全容がよく分かりました
続いて、南峰へ 北峰ほど刺激的でもないのでヘルメットを外して、淡々と進みます
南峰に上がって、あと一息だと思いきや、もう一山ある様子 さすがキレット、おいらをなめちゃいけないぜ
3時過ぎに唐松岳到着 まずはキレット一つ目を超えました
山頂からは、泊まり先の唐松山荘が見えます テント場は小屋よりも結構下
唐松山荘は、八方尾根から登ってくる方もいて、多くの人で賑わっていました
その分、対応は事務的 乾燥室もなく、食事も簡素(マルシンハンバーグなんて、小学生以来) 必要最低限の対応でした
雨が降らなくてよかった 濡れた状態で、この小屋を使ったら、いろいろ大変だった気がします
あ、ただ朝食の信州味噌を使った味噌汁だけは美味しかったです
【3日目】
またも朝は快晴 朝日を拝んで、7時過ぎに出発
本当は、もっと早く出たいところでしたが、朝食時間が6時半とすこぶる遅く、ずれてしまいました
唐松山荘から五竜岳へ まずは、いきなり岩場の激下り 鎖を使いながら慎重に進みます
途中、“怖いー”と半べそをかきながら、登ってくる女性がいました
岩場を超えれば、樹林帯などもあったりして、比較的穏やかな道
ここまで終始、岩場とザレ場だったので、樹林帯は新鮮に感じました
9時に五竜山荘へ到着 目の前にどーんと五竜岳が聳えています
コーラを買って、水分補給 五竜岳を眺めながらの久しぶりの炭酸 うまい
元気が出たので、一気に1時間ほどで山頂へ
ガスが出始めるギリギリに間に合った感じ これから進む八峰キレットを何とか望むことができました
終点の鹿島槍ヶ岳は、遙か先 このキレットは長いな
10時半過ぎに、キレットに向けて出発
まずは、結構な下り 岩場というよりザレザレの道を慎重に下ります
その先は、三点支持が必要な小さな岩場を何回かこなしていきます
スライドする方々は、いずれもバテバテな感じ
長いだけに、大変なのかも!?と思いながら、北尾根の頭へ
ここで昼食 腹ごなしをして、核心部へ
岩場も険しくなってきて、さらに慎重に進みます
やがてキレット小屋へ 岩場に挟まったような建物 よく建てたもんだ
ここから、急激にいったん上がり、岩場を超えると、ものすごく細いキレットが出現
キレットの幅としては1m位だと思います
こんな風景は見たことがない 加えてキレットの道の両脇は、ものすごく切れ落ちてます
落ちたら、助からないでしょう 思わず笑ってしまいました
この後もズルズルと長い登りが続きます 確かにこれはバテる
途中、雷鳥のつがい+1匹!?、その後も子ども4匹を連れた雷鳥がいて、気持ちが和みました
3時半にようやく鹿島槍ヶ岳の双耳峰を結ぶ吊り尾根に到着 キレット二つ目を超えました
まずは、南峰へ ガスで見晴らしはほとんどありませんでしたが、お向かいの北峰の様子を確認することができました
吊り尾根に戻り、北峰へ ここもガス 時間も時間なので、そそくさと先へ
途中、猿や雷鳥親子を見ながら、5時過ぎに冷池小屋到着
出発が遅かったこともあり、到着が遅くなってしまいました
バタバタと夕食を済ませ、即就寝
【4日目】
この日も朝は快晴、これから進む爺ヶ岳やお向かいの立山連峰がよく見えます
6時半前に出発 今回の最後の登り、爺ヶ岳に向けて500mを登っていきます
山頂からは、槍ヶ岳や針ノ木岳、薬師岳などを望むことができました
だいぶ北アルプスの核心部に近づいた気がします
振り返れば、鹿島槍ヶ岳の双耳峰が聳え立っています かっこいい山だ
ここから緩やかに下り、種池山荘へ
途中、時期は終わっていましたが、チングルマの群生がすごかった
9時過ぎに、いよいよ稜線からの下山開始
できれば、11時半のバスに乗りたいところ
ガスで展望もなく、道も歩きやすいので、ペースを速めてどんどん下ります
11時前に柏原新道登山口に下りることができました
都合4日間 総距離37km 高低差4,600m
4日間での数字にしては、一見物足りない感じがしますが、キレットなどの難所を越えてきたこともあり、歩数計でのカウントは連日35,000歩を超えていました
35,000歩と言うと、通常、私の山登りでは、25km、高低差2,000mくらいのレベルです
数字では出てこない このルートのレベルの高さを感じました
何より、名だたる山々と難所、そして絶景を堪能できたのは、大きな自信になりました
また、天候にも恵まれ、雨具を着用したのは、1日目だけ 連日、朝は快晴⇒昼前からガスという感じで、風もなく、ゆっくりと景色を楽しむことができました
また機会があれば、訪れたいと思います(次回は、五竜山荘のカレーが食べたいな)
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