三嶺〜剣山《日本百名山》
- GPS
- --:--
- 距離
- 58.4km
- 登り
- 4,405m
- 下り
- 4,524m
コースタイム
- 山行
- 6:06
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 6:38
- 山行
- 8:18
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 9:14
天候 | 1日目:曇り、2日目:曇りのち晴れ、3日目:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2006年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山:剣橋から四国交通バスでJR土讃線阿波池田駅 |
写真
感想
1日目(10/7)
阪急の始発で出発し、新大阪から新幹線に乗り“南風1号”に乗り換えると大歩危には意外に早く8:45に着いた。東京八重洲口から前夜発の夜行バスで来た同行者と合流し祖谷(いや)の山奥に行くバスに乗る。地元の人の他、男性登山者があと一人、3連休の初日の朝としては寂しい。平家落人の里の谷間、よくこんな所にと思う斜面に家々が点在し、独特の景観を成している。
1時間余りの乗車で終点の久保(標高約595m)に到着し早速登り始めた。あと一人の登山者は村営バスで三嶺直下の登山口名頃に行くと言っていた。ここ久保は天狗塚への登山口だがこの上400mに林道の登山口があるので、国道438号線のバス停から歩き出す人は殆どいないようだ。それでも道は比較的しっかりしている。登山道となってすぐ出くわす廃屋で登山道を見失いかけたがまず問題はない。トラバース道から尾根通しの急登となり久保バス停から1時間半の歩きで林道に飛び出した。
「イザリ峠・天狗塚登山口」と表示があり、付近に車が4台停められていた。この「イザリ峠」だが、ガイドブックによって色々な位置に書かれていて混乱している。簡単に昼食を取り尾根道を45分程登ると高地に達し、休憩中の大学生5人グループに声を掛けると、今日はお亀岩避難小屋に泊るとのことだった。実は登山口で合わせなかったので高度計の表示が200mも違っていた。地図上との整合性に首を捻りながら第1ピークは未だだと思っていたのに気が付けば早くも山頂域の笹原が出現、そして雲の中に突入してしまった。呆気なく標高1,800mの天狗塚分岐に達し高度計を合わせるとさっき大学生が休憩していた所が第1ピークだったことが判明した。
分岐でザックデポしザックカバーを掛けて空身で南西に延びる尾根上にある天狗塚(1,812m)をピストンした。いつもならアルバイトはしない同行者も今日は一緒にアルバイト。途中イザリ峠の車の主の一人であるご夫婦とすれ違った。天狗塚が目的でもう下りるそうだ。山頂域では北から次々とガスが供給され山容が見えたり隠れたりしている。天狗塚から西に伸びる尾根はミヤマクマザサに覆われたなだらかな稜線で何とも感じがよい。西北西尾根の先端の3等三角点「古味」(1,757m)のピークまでは登山道があるようだがその先はどうなのだろう。笹原はガスが運んできた水分が草に付き、ズボンの裾を濡らしだした。
天狗塚から引き返し分岐に戻ると第1ピークにいた大学生が到着しており賑やかだ。この先も続く笹原に備えて雨具のズボンを履いた。風が強く寒いのでついでに上も着て先に進む。登山道は天狗峠から北を巻いてお亀岩へと進むが、峠のすぐ傍の巻いたピ−クが地蔵ノ頭で、迂闊にも忘れていて通過してしまった。ガスの中でしかも風もあったせいと自分を慰めるが、1山取り逃がし悔しい。
阿波・土佐国境尾根に乗っかり東に進む。すぐ下に見えるお亀岩避難小屋は小さいが、綺麗な小屋のようだ。今日は少なくとも7人の宿泊者がいる。150mの登りで西熊山(1,816m)に達する。笹原で展望があるが稜線を吹く風は増々強く、余計なストレスを感じる。時々バランスを崩され歩を止めざるを得ない場面も・・・最低鞍部の大タオ(標高1,670m)を過ぎるといよいよ三嶺(みうね)への登りとなる。美しい笹原が続くがガスの中で展望を楽しむことはできない。
西のピークを過ぎ、三嶺(1,893m)山頂に達するが完全に雲の中で何も見えず感動はない。ほんの少し足を止めただけで先に進んだ。縦走路を離れ名頃への下山路を少し下った所にある三嶺避難小屋に到着。比較的大きな小屋で「三嶺ヒュッテ」と看板が上がっている。16:44の到着なので、当然誰かいるだろうと思って扉を開けたが無人で、今日の宿泊は我々二人だけだった。
内部は清掃や手入れが行き届き、窓は二重窓で機密性は良い。トイレは20〜30m離れた所にあるがこちらは少々汚い。水場も近くにあるはずだが、飲み水も余り消費せず下から持って上がった水が4リットルほどあるので給水には行かなかった。真夏の登山との水の消費料の違いは歴然だった。夕食を食べる頃には真っ暗になり、寒くもあり18時過ぎにはシュラフの中に潜り込んだ。
2日目(10/8)
昨夜は風が強かった。雲が飛び去りご来光を期待したが周りは濃いガスの中、明るくなりだした5:55歩き始め再び三嶺山頂を目指す。今朝も何も見えず2分で退散し南の稜線を下る。固定ロープが張られ、大したことはないが急斜面だ。少し下ると雲の下に出て一挙に視界が広がった、今日はきっと晴れるだろう。登り返してカヤハゲ(1,720m)山頂に到る。別名を東熊山と言い、昨日の西熊山と三嶺を挟み、対を成している。山頂域はやはりミヤマクマザサの草原状で展望が良い。振り返ると三嶺はまだ雲の帽子を被ったまま姿を現さない。でもいずれ見ることができるだろう。
西の尾根に土佐側西熊渓谷の光石に下る登山道が分岐している。国境縦走路は南に続き、鞍部の韮生越(にろうごえ)からも光石への登山道を分岐する。こちらは赤点線道で難路のようだ。白髪山分岐のピークで縦走路は東に延びている。往復75分の道草で南にある白髪山(しらがやま・1,770m)に当然のようにピストンの計画を入れていたが、同行者はこれまた当然のようにパス。10分先の白髪山避難小屋で待つという。
分岐にザックをデポし決して走らないが最高の回転数でコースタイム(40分)の半分で白髪山に到着、次第に晴れ間も覗き出し展望は頗る良い。昨日登った天狗塚や西熊山もよく見える。ひとしきり写真を撮って元来た道を引き返し同行者の待つ白髪山避難小屋に急いだ。待っている40分の間に給水に入ってくれ効率的に行程をこなすことができた。ただ水場は斜面を7分下った所と表示されていたが、下の林道近くまで下りなければならずしかも悪路で実際はもっとかかったそうだ。白髪山避難小屋は小さいが小奇麗で人数が少なければ快適に過ごせそうだ。
暫し休憩して同行者と一緒に歩き始めた。高ノ瀬までは比較的なだらかな笹原が続く。3等三角点「菅生」のピークは山名がないのが残念、70m程下りP1732を越え稜線を進んでいると前方から5、6人のグループがやって来た。今朝見ノ越を出発し剣山、三嶺を回り名頃に下り、さらに塔丸をピストンするというハードスケジュールで恐れ入った。振り返ると三嶺を覆っていた雲の帽子が取れ、漸くその全姿現した。西の方はほぼ完全に回復したが、東に聳える次郎笈、剣山はまだ雲の中だ。
小屋から1時間余りで、南に延びる石立山への分岐のピーク(1,738m)に達した。昭文社地図によると中東山を経由し7時間10分のコースタイムで赤点線道だ。そして国境尾根は石立山へと向っており、この先の縦走路は支線と言うことか?
ピークの岩の上で大休止を取り空腹を癒して高ノ瀬へと進む。土佐側に伊勢の岩屋や水場を通る巻道があるが荒廃しているようで、山頂ルートが本道となっている。高ノ瀬(1,741m)のピークは北に迫り出すような位置で、塔丸が祖谷川を挟んで真北に優雅な寝姿を見せている。そして三嶺も四ッ小屋谷川を挟み向かい側、南に半円の縁を回るように歩いてきた訳だ。山頂には3等三角点「高ノ瀬」があり展望良好。
東の尾根を下った鞍部に壊れた小屋があり、これが丸石避難小屋かと思ったが、奥祖谷かずら橋への下山路を過ぎた所に本当の丸石避難小屋があった。休憩しようと中を覗くと小父さんが一人タバコを吸っていた。大自然の中わざわざタバコの悪臭を嗅ぎに入るのもバカバカしく、休憩もそこそこに先に進んだ。やはり腹が立つ無人とは云え室内で煙草を吸うなど非常識だろう!
風さえなければ気持ちの良い草原歩きなのだろうが天気がよくなっても風は収まらない。北海道の東で低気圧が猛烈に発達しているようだ。秋が深まりそろそろ紅葉の走り、色づき始めた葉が風でもぎ取られかなり落下している。足元を見るとオヤマノリンドウやミヤマアキノキリンソウ、ウメバチソウがまだ頑張っていた。丸石(1,684m)山頂には3等三角点「丸石」がある。南側の中腹標高1,500m辺りまで上がってきている剣山スーパー林道から申し訳程度の登山で登ってくる軽装のグループが沢山来ている。剣山に大分近づいて来た。風を遮るものは何もなく、じっとしていると体温を奪われ寒い。軽装のグループには半袖の小母さんもいて、写真だけ撮って逃げるように帰って行った。
東に延びる縦走路は気持ちのよい笹原が続く、先には次郎笈が聳えているが、ここはまだ雲の帽子を被っている。西を振り向くと完全な青空なので帽子を脱ぐのも時間の問題だが、さて歩く早さとどちらが早いか。先が見えないので只管歩き続けたがスーパー林道分岐の鞍部から標高差350mほど登ることになり今登山で最高の高度さだ。次郎笈(じろうぎゅう・1,929m)山頂は縦走路から外れ100mほど南入った所にある。4等三角点「次郎笈」の金属点標があり遠くから見ると“太郎”である剣山に従う弟という感じで聳えている。“笈”という名から山岳信仰の名残を感じさせる。
ここまで来ると最早剣山のエリアで、ロープウェイで上がり山頂を踏みついでに次郎笈へというハイキング登山の人達がゾロゾロ来ている。ガスの中、山頂標識だけをカメラに収め先に進む。次郎笈峠手前で一瞬ガスが飛び剣山が姿を現した。この瞬間を逃してなるかと急いでカメラを出してしっかりと写真に収めた。振り返れば次郎笈も姿を現しており、雲と共に疲れも吹っ飛ぶようだ。すれ違う人と「晴れましたね」と喜び合った。
次郎笈峠は山頂北側を通る巻道を分岐しておりこの後は剣山本体の登りとなる。笹原の登山道はずっと見えているが、再び雲に覆われ山頂は姿を隠した。山頂西下にある大剣神社への巻道を左に分岐し登り詰めると木道となり剣山(1,955m)山頂に着いた。1等三角点「剣山」の点標は花壇のように石の囲いで覆われ取り巻くように木道が付けられ、三角点へはロープを越えなければならない。人が多いので点標へのタッチは諦め、ベンチにザックを下ろすが、風が強くて休んでいられない。歩き出すとまたガスが切れ青空になった。測候所、山頂ヒュッテの横に休憩所とされている板張りのテラスがある。ここからは一ノ森への稜線が一望できる。
当初の計画では見ノ越方面へ下り西島でテントの予定だったが、同行者推奨の一ノ森小屋泊まりにした。予定コースを飛び出し、笹原からシコクシラベの樹林を通り経塚森(約1,910m)、二ノ森(1,870m)のピークを踏む。次郎笈と共に剣とセットで登る人が結構いるみたいですれ違う人も多い。一ノ森(1879m)山頂に着く頃には完全に晴れ剣山や次郎笈が素晴らしい。3等三角点「一ノ森」は50mほど南のピークにあり山頂とほぼ同じ高さがある。直下には小屋(ヒュッテ)があり同行者は早くも転がり込むが、私はもう一仕事。南へ1.2劼僚蠅砲△訌筝融(1,825m)をピストンする。
槍戸山は白骨樹が林立し生きた緑と、うっすらと始まった紅葉で独特の景観を織り成している。年輪の締った五葉松の立ち枯れですぐに倒れず盆栽のような枝振りの造形のままで面白い。山頂には4等三角点「槍戸山」の金属標が埋められ展望も良い。槍戸川を挟んで次郎笈が対面し、剣山もなだらかに優美に構える。それにしてもこんななだらかな山が何故“剣山”なのだろう。疑問が残る。真北の一ノ森の笹原の斜面と白骨樹の点在する直線的な斜面は中々見応えがある。古い地図やガイドブックにはここまでの登山道が載っていないものが多い。と云うのもここ数年の間に一ノ森ヒュッテの管理人内田さんが整備したからだそうだ。
鞍部の標高は1,776m、100mの登り返しで一ノ森ヒュッテに到着した。先着していた同行者は1時間ほどの間に明日JR駅までの車便乗の交渉を成立させており恐れ入った。宿泊者は20人弱で徳島・香川の人ばかりだった。三好市営の小屋で管理人内田さんは登山者へのホスピタリティ旺盛で、人柄の現れた小屋の雰囲気は最高に良い。ボーイスカウト一行10人ほどを除いた一般登山者はみんな意気投合、夕食は宴会のような盛り上がりとなり挙句の果ては阿波踊りが飛び出し楽しい一夜を過ごすことができた。1本500円の缶ビールや酒がずらりと並んで売り上げに大いに貢献できたようだ。部屋は天井が高く3段ベットが並び、ユースホステルのイメージ。電気が来ており夜も明るい。
3日目(10/9)
昨夜またガスが出ていたが、朝になると空に全く雲はなくなった。ご来光が見られる。日の出は5:56、内田管理人の話では6時過ぎだったのでゆっくりし過ぎて、山頂に登ると同時に陽が昇った。年に何日かは紀伊半島大峰山脈が見えると言っていたが今遠くに見えているのは確かに大峰だ! どうやら山脈の南の端の方から陽が登っているようだ。誰が決めたか知らないが、一ノ森は日本一のご来光の山だそうだ。その一番の日に巡り合えたことに感謝、感謝。
昨日主稜線縦走中ずっと北に見えていた塔丸、この山を外せない気がして今日の行程に加えた。行程が10.5キロ延びたので綱付山と八面山は時間切れとなりそうだ。10年ほど前に住んでいた高松の友人と飲み会をするために夕方までに高松行くという同行者とは、今日は行動を別にする。山頂で別れ行く気のなかった槍戸山が良いと管理人にも勧められ、夫婦池から車に乗せてもらう約束の時間を勘案して、やはり行ってくることにした。それなら昨日一緒に行っておけば良かった。・・・・というのは後の祭り。引き返して塔丸に行くというので後ですれ違える筈だ。
行程が長く、剣橋からのバスの時間があるので、一寸急ぎ足に剣山北の巻道を通り見ノ越・剣神社へと向う。信仰の山の行場を過ぎると登り返して刀掛の松で剣山から下ってくる本道と合流した。稜線に出て展望が開け三嶺や塔丸が朝日を浴びて輝くようだ。稜線に出ても昨日まで悩まされた風も収まり絶好の登山日和となり気持ちが良い。登山リフトの西島STはまだ眠りの中。尾根から離れ索道の西側に登山道が続き泊る予定だった西島キャンプ場を左に見て見ノ越へと下る。そろそろ今日の登山者が登りだしており時々すれ違う。剣神社に横から入り、参拝し石段を下りれば国道438号線だ。一ノ森から1時間、コースタイムの半分以下で歩いてしまった。
見ノ越は西の祖谷川と東の穴吹川の分水の峠で主稜線北側に平行して走る塔丸〜中尾山の尾根がある。国道438号はこの尾根を越えるため夫婦池までは緩やかに登る。車道歩き30分ほどで到着し先ずは塔丸に向かう。登山口にザックをデポし、片道4キロの長い稜線を行く。最初は巻き道で15分、名沢谷の源頭から稜線歩きとなり、樹林帯を抜け出すと笹原の稜線となる。ほぼ平坦に見えたが一寸したコブはある。長い稜線の先端が塔丸(とうのまる・1,713m)山頂だ。3等三角点「塔丸」があり、丸っこい笹原で360°の展望、祖谷川を挟み三嶺が対峙する。稜線を目で辿ればすべて昨日歩いた道だ。カヤハケ゛が、白髪山が、高ノ瀬が、みんな一望の下。そして圧倒的な存在感の剣山と次郎笈、今来た稜線の先には丸笹山、赤帽子山がある。北西には大きな山体の矢筈山(1,848m)。遠くに目を向ければ祖谷谷の先に赤石・石鎚山系が見える。
元来た道を引き返すと男性の単独行と5人パーティーにすれ違った。そして登山口から15分のところで槍戸山に行ってきた同行者と再会した。「槍戸は良かった」と・・・一緒に行けばもっと良かったのに・・・
夫婦池の雄池池畔で大休止を取り丸笹山(1,712m)に登る。車道分岐点に「ラフォーレ宿泊・食事・入浴」と書かれた看板があったが、入口が板で覆われ潰れたようだ。駐車場にはマイクロバスを含む数台の車があり登山者のようだ。登りだすと20人くらいのグループが下ってきた。山頂手前で夫婦連れを追い越し30分ほどで登頂。目の前に見える剣山は壮観だ。塔丸からは陰になって見えなかった一ノ森の尾根も見ることができた。
東に続く赤帽子山へはなだらかな稜線歩きを想像していたが現実は随分下っているようだ。北に下り鞍部で東に振りP1619mは西から回り込む、深い笹原は踏み跡を外さないように注意しながら進む。丸笹まではしっかりした道だったがそのギャップは激しい。途中男性二人連れを追い越すが彼等は赤帽子まで行って引き返すと云う。2.9厂1時間の歩行で赤帽子山(1,620m)に達した。ここは一ノ森の真北になり、故障して動いていない一ノ森ヒュッテへの荷揚げ用のリフトの線がずっと下まで延びているのが分かる。話によると80万円で修理できるそうだが三好市が金を出さず、管理人がボッカで荷揚げするという不自由が続いているそうだ。僅か80万円これは緊急性の高い必要経費だと思うがお役所仕事の予算主義のだらしなさを垣間見た気がする。
縦走路を西に進むと道の傍に3等三角点「赤帽子山」(1,611m)が忽然と現れた。赤帽子山頂より9mほど低い地点だった。北東に弧を描くように進むと樹林帯となり中尾山(なこやま・1,330m)に達する。東屋があり柱にマジックで中尾山と書かれているが本当の山頂は踏み跡を一旦下った先のピークで3等三角点「中尾山」があるが展望は無かった。
犬石峠に下る道は地図には書かれていないが、インターネットで調べると尾根に真直ぐ道があるようでそのまま進む。未舗装の林道が付いているが、どこへ行っているのか分からない。下草もない歩きやすい樹林なのでコンパスの示す方向に忠実に進むと踏み跡がないようで、あるようで、それもあまり信用もせず下ると送電鉄塔が現れる。これがあると必ず巡視路があるので左の道を取って林道の犬石峠(1,100m)付近に下る。
2.5万図によると太合実平林道を少し東に行き、右に分岐する登山道が瀬開谷川を下り剣橋へと繋がっているが、内田管理人に状況を聞いても通ったことがないと言う。現地に行ってみると登山道ではなくブルドーザーの轍が残る作業道のようだが構わず下っていく。幾方向にも道は分岐し谷へ下る方を選択し進むが全然確証はない。100mほど下ったところで道は途切れてしまった。
沢はすぐ傍、そして先には砂防ダムが見える。沢の中は下れないので左岸を高巻いて越える。踏み跡はないが道順を示すのか赤テープがそれらしい所に巻かれている。砂防ダムは次々に現れるのでずっと高巻きに進む。道なき道にうんざりしだすと、沢の中を掘り返す重機の音がする。近づいてみるが取り付け道路らしいものは見当たらない。一帯どこから? さらに下ると川にかかる丸太橋、倒木ではないようだ。これで右岸に渡ると斜面を登るロープが渡されている。標高は820m辺り、20mほど斜面を攀じると、しっかりした登山道が始まった。丸太橋の手前もどこかに登山道の痕跡があったのだろうか?作業道ができ従来の登山道が分かり難くなり、しかも殆ど人の通らない道なので棄てられているのだろう。
丸太橋からは何の心配もない登山道となり、九日谷の出合(標高約700m)から村道となった。右の斜面の上の方に民家が建っている、人が住んでいるようだ。村道から専用の歩道で家まで上がるようだ。ガレージもなさそうで、どうやって生活しているのだろう。集落とはならず、1軒1軒が随分離れている。祖谷の典型的な風景だ。やがて犬石峠を越えていた林道と合流し剣橋へと下っていく。国道438号線との交差点が剣橋で標高は470m、14:21、28.4キロに及ぶ長距離山行を終えた。
15時のバスでJR徳島線貞光駅に出て、ローカル列車で阿波池田へ、”南風22号“のグリーン車を奮発して帰路に付いた。途中岡山で夕食を取り21時過ぎ帰宅した。
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