執念のペテガリ岳&神威岳 日本二百名山199座目・三百名山294座目
- GPS
- 26:47
- 距離
- 46.4km
- 登り
- 4,217m
- 下り
- 4,291m
コースタイム
- 山行
- 10:52
- 休憩
- 1:57
- 合計
- 12:49
- 山行
- 12:17
- 休憩
- 1:41
- 合計
- 13:58
天候 | くもり時々晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
今季は9月30日まで開放 それ以降は閉鎖予定 https://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/hidakananbu/tozan/kamuidake.html 未舗装路の距離は長いが路面の整備状況は良い |
コース状況/ 危険箇所等 |
二・三百名山最難関のコース 歩行距離が長く最低でも避難小屋泊が必要なうえ、激しいアップダウン・急登・渡渉・沢歩き・藪漕ぎ・そしてヒグマ対策 危急時対策も万全に行わなければならない夏山登山の総合力が必要な行程 渡渉について 簡単な渡渉≠安全 簡単な渡渉が安全という訳では無い 簡単な渡渉の失敗でも死亡事故は発生しています くれぐれもご安全に <神威岳> 神威山荘〜神威岳尾根取付 ニシュオマナイ川の沢登り区間だが、一つ目の渡渉地点以外は渡渉地点見極めと数々ある巻道のルートファインティングをすれば夏靴でも歩行可(お勧めはしない) 歩き始めて程なく一つ目のニシュオマナイ川渡渉地点 流量が少ない時でも膝下ぐらいまで水に浸かる 第1二股まではニシュオマナイ川右岸の段丘面を歩く 歩き始めて最初は廃林道の穏やかな登山道で途中トリカブトのお花畑もある 熊の気配が濃い 第1二股でニシュオマナイ川支流と本流の渡渉をしなければならない 段丘面から10メートルほどの段丘崖を下降しニシュオマナイ川へ降りる 最初の支流の渡渉は少し上流部にある大木の倒木の上を歩いて渡るコトも可能(お勧めはしない) 二つ目の本流の渡渉は渡渉地点の見極めが少々難しい 岩のコケで滑るの要注意(下山時に滑ってコケて胸まで浸かった) この先一旦沢から離れ、段丘面の笹藪を漕ぎつつ進み再び右岸へ渡渉 右岸から少し離れた段丘面の笹藪の登山道を歩く 段丘面から2メートルほどの段丘崖下り左岸に渡る。沢靴ならすぐに右岸へ渡るのだが、もし登山靴で歩くのならここは少々無理をして左岸のへつりの藪を強行突破しなければ、渡渉で行詰る ここさえ通過すれば先の渡渉地点は探せば総て飛び石が見つかる 徐々に岩が大きくなりガレ沢を登り詰めると神威岳尾根取付き (右岸 左岸は上流から下流を眺めた時の方向 遡上時は感覚的に逆になるので要注意) 神威岳尾根取付〜神威岳 日高山脈名物の一直線の急登 約1.6キロを標高差約850メートル平均勾配53パーセントで一気に登る ここは藪漕ぎ急登でも有名な区間 ストックは神威岳尾根取付に残置して革手袋着用して登るコトをお勧めする 尾根取付からいきなり急登が始まる 藪漕に違いないがここまで三百名山で数々の藪を数々漕いできた者としてはそこまで酷くはない 標高1510m付近を越えると急登は終わり、尾根を北側にトラバースするように登り最後に頂上台地に辿り着く 山頂は吹き曝しで登山当日は少々寒かった 山頂から反対側の南方へも踏み跡が続いていた、濃霧時は下山方向を間違えないように要注意 (日高の山々は山頂から南方へ登山道が付いている場合が多く、日高の山に慣れ親しんでいる方は間違い易いそうだ) <ペテガリ岳> ペテガリ岳登山口〜ベッピリガイ乗越 歩き始めてすぐにニシュオマナイ川渡渉 8月中は鉄板の橋があったそうだが、今は撤去され渡渉をしなければならない 流量が多く水の流れが速い (過去のレコと比較すると林道工事により河床が狭くなり露出した飛び石が無くなっている) 渡渉地点の水中に一応大岩が転がしてありこの上を歩けば膝下程度で済むが、これを外すとかなり深い ニシュオマナイ川渡渉地点から10分ほどで林道終点 ここから先は沢登りとなる 沢は細く、この先は夏靴でも歩行可(お勧めはしない) 滝の高巻 へつり等の危険個所が連続する ベッピリガイ乗越直前まで沢を歩き、最後はロープ場になっているドロドロの急登を登り詰める(ロープもドロドロ) ベッピリガイ乗越〜ベッピリガイ沢川渡渉点 ベッピリガイ乗越からロープ場のドロドロの急登を標高差20mほど降りてベッピリガイ支沢へ下降 沢を下降し最後はモミの木?植林地帯の段丘面を歩く、ピンクリボンはあるが、少々獣道の踏み跡が交錯しているので慎重に ベッピリガイ沢川渡渉点では渡渉地点を慎重に探せば、靴を濡らさずに通過することが出来る ベッピリガイ沢川渡渉点〜ペテカリ山荘 約5キロの林道歩き ベッピリガイ沢川渡渉点に沢靴デポも有り 鹿が多数出没 熊の気配がとても濃い(猛烈な獣臭が数回あった) 渡らずの渡渉地点があるが、登山当時は崖沿いを歩いて靴を濡らさずに通過可能だった ペテカリ山荘〜C沢のコル 歩き出して暫くは沢歩き 夏靴で問題ない 沢を登るとほどなく大きく左右に振られたつづら折りの歩きやすい緩勾配を登る 標高900メートルぐらいまでは穏やかで歩きやすい登山道だが、900メートル付近から先は日高名物の尾根直登の急登が連続する 標高1050小ピークを過ぎるとアップダウンを繰り返しながら徐々に標高を上げる。 途中で樹林帯を抜け、ペデカリ岳を眺めながら歩くコトになる 1293m・1301mのそれぞれの小ピークはコルへ向け標高差約100mを一気に吐き出す下山時にはトテモ辛いピークとなる C沢のコル〜ペテガリ岳 最後の急登区間 山頂まで等高線通りの歩行距離約1キロ標高差520m平均勾配52パーセントの急登を一直線に登る 途中滑りやすい大きな段差などもあるが、ペテガリ岳にチャレンジする方なら問題なく通行できるだろう 登り始めてすぐに樹林帯を抜け、見晴らしがトテモ良い(直射日光が照り付ける) 登山日は途中まで刈払いされていたが最後は軽い藪漕ぎを強いられる (ハイマツは最後まで刈られている) 刈払されていない地点からはストックを収納して歩くのが安全 下山時には革手袋を着用して笹を持って下るとバランスが取れる 笹藪がハイマツに変わると頂上方面と左右に広がる稜線を見渡すことができるが残念ながら山頂が見えるのは急登がひと息つく標高1700m付近から 山頂からは日高の美しい大パノラマを一望することができる ※熊対策について※ 日高山脈は熊の巣 「登山者が熊の巣にお邪魔する」という謙虚な気持ちで入山 自分一人ではコントロールできない熊対策 熊対策については多人数で行動するのが基本 この山域で熊トラブルがあった場合、遭難者個人の問題だけでなく、当該熊の殺処分や入山規制など色々と多岐にわたって影響が出る可能性が高い 単身山行は控え、複数人で行動してほしい |
その他周辺情報 | 自然体験実習館 柏陽館 入浴料480円 洗濯100円(洗剤付) 乾燥100円(乾くまで→家庭用ナノで時間がかかる) https://www.town.urakawa.hokkaido.jp/assets/images/content/content_20230418_111335.pdf |
写真
装備
備考 | 沢靴について フェルト底の沢靴は不適 ラバーソールを使用する ドコモ電波について 神威岳・ペテガリ岳山頂付近のみ電波が入る それ以外は登山口も含め総て圏外 |
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感想
執念のペテガリ岳・神威岳
日高に単身では入るな!
と山の師匠から厳命されている
熊対策は複数人行動が基本だからだ
この山域のプロTさんからも「プロは(夏の日高で)単独行動はしないです」と云われた
同行者を探しまくってナントか昨年から既に4回チャレンジしたが総て天候不良で北海道まで来たのに登れず
8月末、神威岳も一度途中まで遡上したが雨足が強くなり撤退した
先週も2度のチャンスが有ったがそれも悪天候で流会
神戸在住の僕にとっての日高登山は一緒に登ってくれる方を探すのが核心部
ど〜しても今年中にはペテガリ岳・神威岳に登頂したい
先週末、北海道から神戸に帰ったばかりだったが、東京の立教大学に通う長男が9月15日から3日間なら時間が取れるというので、急遽東京までクルマで迎えに行き、そのまま拉致してペテガリ岳登山へ行くコトにした
因みに長男は立教大学自転車競技部所属で脚は強いが登山に興味はない
(自転車で六甲山に登るのは大好きだ)
神戸を14日夜出発、15日未明東京練馬区で長男をピックアップしてそのまま東北道を青森まで走り、青函フェリーにて函館経由で静内温泉にてひと風呂浴びて2週間ぶりに神威山荘へ到着
長男はパンツ・靴下以外総て僕の登山装備
<神威岳登山>
4時半すぎに登山開始
歩き始めて小一時間ほどで長男から「沢靴で靴擦れができた」と申告があった
靴擦れ箇所にテーピングをして歩くが渡渉があるため、濡れてすぐにズレる
3回テーピングを治したが諦めて第3二股で沢靴から夏靴へ履き替え神威岳山頂を目指す
神威岳尾根取付きから急登を登り始めると長男は疲れたを連発しながら、わざと疲れようとしているのか?雑な脚運びをする…沢歩き登中のストックの扱いも雑だった
僕の脚元を見てそのスタンツを辿るように教えるのだが、ダメだ…
50歳のオッサンより大学体育会系自転車競技部で脚を鍛えている長男の方がパワーがあるハズなのに…
僕からチギれる
ナンと藪漕ぎでfinetrackフォトンジャケットにカギ裂け破れを作る
丁寧に藪を漕げば良いモノを…
山好きではない長男を誘ったことを後悔させられる登り方をして僕をイライラさせる
そんな長男も神威岳山頂では、にっこり嬉しそうな顔をして親バカの俺を喜ばせる
下山時は沢靴による靴擦れをさけるためニシュオマナイ川第一渡渉点まで沢靴を履かずに下山をする
第1二股渡渉点ニシュオマナイ川本流渡渉でジャンプする際に、僕が苔でツルツルの岩でコケて胸までの深みにはまり浸水
夏靴も総てびしょ濡れになる
おまけに突き指
(突き指が治るのに8か月かかった)
取り合えずニシュオマナイ川第一渡渉点まで下山し僕の沢靴を長男に履かせて、渡渉後、その沢靴を対岸からこちらへ投げて、僕が沢靴に履き替えて進むことにする
その沢靴に履き替える際、ビショビショになったハンカチなどを絞ったのだが、その際にハンカチと一緒にポケットに入れていたアルファードの鍵を落としてしまったらしい…
幸いにしてスペアキーを長男に渡していたのでそのカギで難は無かったのだが、イモビライザー付きのアルファードのスペアキーの価格、かなり高額だ…とてもイタイ
(見つけた方がおられましたらメッセージ下さい)
<ペテガリ岳登山>
神威岳山荘からペテガリ岳登山口に移動してペテガリ登山を続行
最初の渡渉点のみ僕が渡渉後、僕の沢靴を長男の居る対岸へ投げ渡して通過
夏靴がビショビショの僕は再度沢靴に履き替えて沢靴でペテガリ山荘へ向かう
沢靴で靴擦れの出来た長男は夏靴に履き替えて歩く
ベッピリガイ乗越までの沢歩き区間は、沢靴の方がスタンツ選択肢が多くてラク
沢以外は登山靴の方がラクという感じだ
ベッピリガイ沢川渡渉点から先の林道歩行中に2回猛烈な獣臭を感じ、そのうち一回は熊が笹の中を移動する音を聞いた…
長い林道を歩き終え日没直前にペテガリ山荘に到着した
ぺテガリ山荘は避難小屋なのにナント電灯の灯る立派な避難小屋
山荘内に水場や電灯の灯るトイレがあり、日本一豪華な避難小屋だと感じた
二日目
二日目未明、同宿だった二名の方と一緒に午前4時登山開始
4人も居るのでクマ対策も心強い
最初は穏やかな登山道を進むが標高900メートル付近から日高名物の尾根直登の急登アップダウンが連続する
C沢のコルからはペテガリ岳へ向けて一気に登る
長男は雑に歩いてすぐに僕からチギれる…
丁寧なスタンツの置き方と疲れない歩き方を教えるが、興味がない…
とにかく雑に道具を扱い雑に登るのだ…
しかし僕が懇願して無理に連れてきたのだから仕方ない、一緒にペテガリ岳に登ってくれるだけでもトテモ親孝行だと思う(ただの親バカです)
標高差520mを1時間20分かけてゆっくり登頂
ペテガリ山山頂から大パノラマが展開した
天気予報ではこの日午後からは雨模様だったのだが、良い方にハズレ快晴
下山時、日陰のない稜線歩きは暑くて暑くて熱中症気味になり一気にペースダウン
飲料は「午後から曇り時々小雨」という予報から二人で浄水5ℓ+熱湯800佞鮖参 1ℓは余るだろうと想定していたが、予想外の暑さのため浄水をほぼ総て飲み干してしまった(熱湯は手つかず)
14時25分ペテガリ小屋に下山
小屋の水場で300嫩度を一気に飲み干し活き返る
小屋で2Lの水を浄水補給
同宿の2名と共に4名でペテガリ岳登山口を目指して一緒に歩く
ベッピリガイ乗越を過ぎて沢歩きの途中で真っ暗闇となりヘッデン歩きとなるが、ホンの数分で林道終点に到着
最後の暗闇の渡渉で長男が裸足で通過のため多少労したものの同行者のサポートもあり無事に通過、そして下山完了となった
下山後
下山後、自然体験実習館 柏陽館に立寄りひと風呂浴びて汗を流す
その際、長男が手に持っていたシャオミンの重いスマホを僕の足の親指に落とし直撃、阿鼻叫喚
激痛と共に徐々に爪が黒くなり、歩行困難となる
山で怪我をするのではなく、風呂屋で、それも長男が手元から落としたスマホで怪我をするとは… か,,かなしすぎる…
長男と練馬で解散後、独りでどこか東京近郊の山へでも行こうかとも考えていたが、その目論見はこの怪我でご破算となってしまった
東北道走行中
家族全員がインフルエンザに罹りダウンしている
パパ、家に帰って来ない方が良いよ
と連絡が有った
仕方がない…
北海道から神戸に帰っても帰宅出来ず ずっと会社で寝泊まり
帰宅出来たのは出発してから一週間後だった
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