木曽駒ヶ岳・空木岳 〜美しき中央アルプス北部縦走〜
- GPS
- 19:17
- 距離
- 21.0km
- 登り
- 1,618m
- 下り
- 2,889m
コースタイム
- 山行
- 6:27
- 休憩
- 1:02
- 合計
- 7:29
- 山行
- 9:53
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 11:28
天候 | 【7月24日(金)】 ガス 稜線は強風(西風) 【7月25日(土)】 快晴 稜線は強風(西風) 池山尾根は猛暑 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
菅の台バスセンターでバスに乗車してしらび平駅へ しらび平からロープウェイで千畳敷駅へ 【池山尾根林道終点から菅の台バスセンターへ】タクシー2180円 林道終点までタクシーが入れないので、登山道を下っていく。お地蔵様を通過して少し下ると駐車スペースがあり、そこに「タクシーのりば」の看板がある。 ※林道終点でタクシーを呼んでおくと待ち時間が短くなるよ♪ |
コース状況/ 危険箇所等 |
【木曽駒ヶ岳】 危険個所はないが、ガスの為か中岳から木曽駒に向かう道を2回尋ねられた。 【宝剣岳】 破線道だが、クサリなどで整備されているので岩場に慣れていれば問題なし。赤ペンキの矢印が目印となる。混んでいるときは落石が怖いかも。 【極楽平〜檜尾岳】 ここまでと一変して案内板が減るが、檜尾岳まで分岐がないので迷わない。 【檜尾避難小屋】 10人ぐらいが寝られる広さ。 1泊1000円の協力金を中のポストに投函する。 シュラフ、銀マットなどはあるが、あくまで非常用なので持参を推奨。 トイレあり、紙なし。 水場は少し下ったところにあるようだ(未確認)。 【檜尾岳〜空木岳】 熊沢岳、東川岳、空木岳と続く素晴らしい稜線。歩いてみるとアップダウンの連続、岩場の登り下りと、なかなか厳しい。切れ落ちた箇所もいくつかあり、横風を受けてバランスを崩さないように注意。 【駒峰ヒュッテ】 素泊まり3500円、寝具1000円、水500mlペットボトル200円など。 トイレは宿泊客でない場合は200円(女性専用あり)。 【池山尾根】 駒石を過ぎると樹林帯となり、展望がなくなるので長く感じる(実際長い)。 迷尾根のクサリ場が唯一の注意箇所。 池山小屋分岐に豊富な水場あり。 タクシー乗り場は林道終点から登山道を下った駐車スペースにあり。 |
写真
感想
梅雨が明けて夏真っ盛りとなった7月下旬。混雑を避けたい我々は休暇を合わせて金曜日に中央アルプスを登ることにした。菅の台バスセンターの混雑状況によっては池山尾根を登ろうと思っていたが、6時45分に着いたときは空いていたので千畳敷から木曽駒、宝剣岳を越えて檜尾避難小屋泊、翌日に空木岳から池山尾根を下ることに決定。
【7月24日(金)】
天気予報ではガス。そして予報通り千畳敷はガスに覆われていた。乗越浄土まで登ってもガスの中。さらに宝剣山荘から先の稜線では、水分を多く含んだ西風が吹き付けるのでレインウェアを着込む。翌日の晴れる予報の日を狙えばいいのだが、混雑を避けるための平日登山だ。ここは耐えるしかない。
10時11分、木曽駒ヶ岳登頂時もガスに覆われていたが、わずかに青空が顔を出すときがある。宝剣岳を登る頃には晴れてほしいが。頂上では日本百名山登頂達成を喜ぶ方がいたり、学校登山を取材するNHK取材班がいたりと賑わっていた。
ここから先が長いので木曽駒を後にし宝剣岳へ。ガスと強風は相変わらずだが雨は降っていないので、ここで歩みを止める選択肢はない。この程度の悪天候は去年の悪沢岳と赤石岳で経験済みだ。宝剣岳周辺は破線道だが、実際に歩いてみると整備されているので山に慣れていれば問題ない。ここまで来る人は少ないようだ。
12時ちょうど、宝剣岳に登頂。天候は変わらないが、岩の隙間から東側を見下ろすと千畳敷を歩く人々が見える。木曽駒や空木岳といった稜線の展望はガスに覆われて見えなかった。
宝剣岳から岩場の上り下りを繰り返す。こういった岩場は楽しい。
宝剣岳からの稜線には、固有種のヒメウスユキソウがいたるところに咲いていた。
三ノ沢岳分岐まで来ると岩場は終わり、極楽平から先の稜線は檜尾岳まで一本道。次第に視界を遮るガスは薄くなり、稜線が見えてきた。上空のガスは取れないが、歩く先の道が見えるのは嬉しい。島田娘はいつの間にか過ぎていて、名前のない道標らしきものは濁沢大峰と推測。檜尾岳までは1時間半といったところか。
15時48分、檜尾岳に登頂。重い荷物を運ぶのも、ここから東に下ったところの檜尾避難小屋まで。檜尾岳の東面は花満開。16時前に本日の宿に到着した。先客は3名。あとから1名増えて、管理人含めて7名となった。
夕焼けも期待できないのでディナーとする。メニューは自作の麻婆豆腐。豆板醤、甜麺醤、花椒、豆鼓などを使った中華だ。これがまた美味い。今日の疲れを癒し、明日への活力となる夕食は重要だと思う。重い荷物を背負ってきた甲斐があった。
この日は空木岳も木曽駒も見えなかったが、翌日は晴れるはず。
【7月25日(土)】
3時起床。外は風が吹き荒れる音。まずは朝食を済ませる。外に出ると駒ケ根市の明かりと、日の出前を待つ南アルプスのシルエットが待っていた。4時46分、空木岳に向けて出発。まずは檜尾岳に登り返す。
4時56分、ご来光を背に受けて、檜尾岳に再登頂。前日とは異なり、全方位の視界が開かれている。西には御嶽山、北には木曽駒と宝剣岳、東には八ヶ岳と南アルプスと富士山、南には空木岳。朝からいいもの見せてもらった。
次のピークは熊沢岳。途中にある尖塔のような岩の大滝山を越え、岩壁を登りトラバースし、7時、山頂の広い熊沢岳に登頂。岩と砂礫に覆われた山頂は休憩に適した場所がたくさんあるので、少し休憩を取った。
体力を回復し、次のピークは東川岳。空木岳の手前の山だ。少し歩くだけで展望は変わっていく。これこそ稜線歩きの楽しみだ。アップダウンはきついが、目指す山が見えているだけで気持ちは前向きになる。8時7分、東川岳に登頂。目の前に見える空木岳にすぐに登りたいが、ここから木曽殿山荘まで下らねばならない。東川岳の南壁は迫力がある。
木曽殿山荘はきれいな山小屋。掃除中のお嬢さんに声を掛けてバッチとポカリを購入した。普段はポカリなどを買わないのだが、水だけを補給すると熱中症になりそうなほど暑いため保険として買った。
木曽殿山荘から空木岳までのコースタイムは1時間半。標高差はおよそ370m。地図上の距離は短いが急登だ。山頂手前のクサリ場は傾斜があり、岩登りが楽しめる。空木岳から南駒ヶ岳への稜線はいつの日か歩いてみたいものだ。
10時25分、日本百名山67座目となる空木岳に登頂。燕岳や鳳凰三山と同じ花崗岩で形成された山頂は白く美しい。昨日歩き始めた木曽駒ヶ岳からの稜線を振り返ると、よくここまで歩いたものだと感慨深いものがある。これまでの山頂と違うのは、木曽駒の向こう側に槍と穂高の頭が見えることだ。槍はやはり目立つ。南駒ヶ岳に続く稜線はかなり魅力的。誘惑に負けそうになるが下山開始。
山頂直下の駒峰ヒュッテで昼食を摂り、これからの長い池山尾根に備える。駒峰ヒュッテからの下山ルートは空木平避難小屋ルートと駒石ルートがあり、空木平の花畑が見頃との情報を得ていたが、ここまでの稜線歩きで花はたくさん見てきたので、我々はなるべく開けた尾根を歩きたいので駒石ルートを選択した。花崗岩で形成されている駒石付近の岩峰群はやはり美しい。駒石から下ると樹林帯となり展望がなくなる。樹木の隙間から見える宝剣岳の岩峰だけが楽しみとなる。迷尾根のクサリ場を難なくクリアし、その先もずっと続く樹林帯を歩く。池山小屋分岐の水場の水は冷たくて助かった。登りの場合はここで補給するのだろう。16時13分、林道終点に到着。ここでタクシーを呼んで、駐車スペースにあるタクシー乗り場まで登山道を下りた。
タクシーは女性ソロの方と一緒に乗車。千畳敷から極楽平経由で空木岳日帰りの猛者だ。3時半にバスを待ち、4時半の臨時便に乗ったというのだから、相当混雑していたのだろう。1日早いスタートで良かったと思った。
【まとめ】
1日目は展望を楽しめず、一気に標高を上げたせいか頭痛に悩まされた。夕食をしっかり食べて早めに寝たら頭痛は治まり、天候も回復して2日目は快適に歩けた。晴れた日の稜線歩きはやはり楽しい。次の稜線歩きはどこにしようか。
意外や意外、木曽駒と空木は未踏でしたか!
いつもながら、状況が非常に分かりやすいレコですよ。
お二人の仲睦まじさが、より一層レコを惹きたててくれる感じです。
やはり稜線歩きは良いですねぇ〜♪
羨ましい限りです!
空木岳は確か林道終点に駐車し、日帰りピストンをしたことがありますが、今は車が終点駐車場まで入れないのでしょうか?
さて、このピストンは後にも先にも全て食糧は車に忘れ、水だけのエネルギー不足のハイクでした(笑)
頼りの空木駒峰ヒュッテは誰もいなく、何も手に入れられませんでした。
お疲れ様でした。
ayamoekanoさん、こんばんは。
そうです。初めての中央アルプスでした。木曽駒の混雑するイメージがあったので、中央アルプスはなんとなく避けていたかもしれません。
空木岳登山口の林道終点までの道で工事しているようで、未舗装の林道まで入れないようです。駐車スペースは午前3時ぐらいで満車らしいですよ。
池山尾根ピストンを水だけってのは厳しいですね!我々ならスタート前に撤退です(笑)
コメントありがとうございました。
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