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Yamareco

記録ID: 6968765
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
大雪山

【日本三百名山 #169-172】十勝岳、オプタテシケ山、トムラウシ山、大雪山(原始ヶ原→各山→黒岳リフト)

2024年06月22日(土) ~ 2024年06月27日(木)
 - 拍手
体力度
10
2~3泊以上が適当
GPS
46:43
距離
75.4km
登り
5,738m
下り
4,954m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:55
休憩
0:41
合計
8:36
7:36
10
7:46
7:49
27
8:16
8:24
13
8:37
8:38
72
9:50
166
12:36
12:58
21
13:19
70
14:29
14:30
44
15:14
15:19
17
15:36
15:37
13
2日目
山行
8:07
休憩
0:55
合計
9:02
5:18
5:19
44
6:03
6:17
10
6:27
7
6:34
6:35
25
7:00
7:01
6
7:07
7:08
6
7:14
7:28
38
8:06
28
8:34
68
9:42
9:43
49
10:32
61
12:14
12:36
89
3日目
山行
8:21
休憩
0:01
合計
8:22
4:59
5:00
48
5:48
33
6:21
163
9:04
111
10:55
129
4日目
山行
5:08
休憩
1:27
合計
6:35
9:06
37
南沼キャンプ指定地(ログ開始忘れ)
9:43
9:56
25
10:21
31
10:52
10:53
34
11:27
5
11:32
12:02
31
12:33
12:38
32
13:10
13:21
74
14:35
15:02
28
5日目
山行
5:16
休憩
0:11
合計
5:27
10:17
10:20
36
10:56
103
12:39
12:47
67
6日目
山行
7:29
休憩
0:54
合計
8:23
5:27
61
6:28
13
6:41
35
7:16
3
7:19
7:20
26
7:46
8:10
49
8:59
9:06
25
10:01
1
10:02
16
10:18
10:19
18
10:37
16
10:53
11:03
21
11:24
41
12:05
12:14
25
12:39
12:41
36
今回、天気が悪い日が続いたため、できる限り山に長くいて少しでも良い景色を楽しめればと思い、毎日少しずつ移動する形にした。
天候 1日目:晴れのち曇り
2日目:曇り時々晴れ
3日目:雨時々強し、強風
4日目:曇り時々晴、強風
5日目:小雨、強風
6日目:曇り、強風。下部は晴れ
過去天気図(気象庁) 2024年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車 バス タクシー ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
【行き・6/21】
✈️ 羽田空港(10:55)→旭川空港(12:30)JAL553便
🚌 旭川空港(16:37)→富良野駅前(17:38)ふらのバス ラベンダー号
🏨 民宿あきば https://www.furano.ne.jp/akiba/

※ 飛行機→バスの間で時間が大きく空いているのは、仕事の会議に参加するため。

【行き・6/22】
🚕 民宿あきば→原始ヶ原登山口(約30分、7340円)富良野タクシー 0167-22-5001
http://personal.furano.ne.jp/ftaxi/japanese/index.htm
※富良野タクシーの営業開始時間は午前6時
それより前の時間は中央ハイヤーのみになるが、台数が少ないため、早めの予約が良い。 http://www.chuo-hire.com

【帰り・6/27】
🚡 黒岳ペアリフト
🚠 大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ
片道共通券で2000円

【帰り・6/28】
🚌 層雲峡BT(8:40)→上川森のテラス バスタッチ/上川駅前(9:10)道北バス 層雲峡・上川線 旭川駅前行き
🚃 上川駅(11:04)→旭川駅(11:43)特急大雪2号・旭川行き
🚌 旭川駅前(12:31)→旭川空港(13:10)旭川電気軌道 旭川空港バス
✈️ 旭川空港(16:25)→羽田空港(18:10)JAL556便

※ 帰りに層雲峡から旭川までバスを乗り通さなかったのは、、、
・普通の路線バス車両で、旭川まで2時間は快適とは言い難い
・大雪山系を歩いたからには、その名を冠する列車に乗っておきたい
・久々にキハ283系に乗りたい
・単に時間がある
コース状況/
危険箇所等
【危険箇所等(残雪状況以外)】
※特に注意を要する箇所のみ記す。

・原始ヶ原
高層湿原だが、木道等はない。ぬかるみがそこそこあるため、雨が降った後などはひどそうである。

・原始ヶ原から富良野岳への登り
ザレ気味の急登。落石に注意。

・十勝岳北方の鋸岳の先
この日は西からの風で、振子沢噴気孔からの噴煙がこの辺りを流れていた。火山性ガスでかなり咳き込む。

・双子池野営場→南沼
道はあり、ほぼ見失うことはないものの、刈り入れはされていない。ハイマツの枝の張り出しや、笹の覆い被さりがずっと続く。さらに、双子池周辺は水捌けが非常に悪く、ぬかるみが多い。三川台(さんせんだい)からはお花畑が多くなるものの、それでも所々現れるハイマツや笹の状態は変わらず。また、同じく三川台からの区間は南側に切れ落ちた崖の上を歩く。転落や吹き上げてくる風に注意。

・南沼→トムラウシ側のヒサゴ沼分岐
岩がごろごろしていて歩きにくい。転倒に注意。

【双子池野営場について】
雪渓斜面の末端において、岩によって棚田状になっているスペースにテントを張るが、登山道と混然一体となっている。また、雪渓末端のため、地面はドロドロである。特に野営場を示す看板もないため、ビバークでテントが張れそうだな、という感じのちょっとした空き地である。


【残雪状況】
過去30年で一番残雪が少ないという今年だが、傾斜がきつい以下の箇所で、軽アイゼンを使用。

・オプタテシケ山北方→双子池野営場
・裏旭野営指定地↔︎旭岳中腹
・北鎮岳分岐→御鉢平展望台

その他、美瑛富士下のトラバース、トムラウシの日本庭園、化雲岳の巻道、忠別岳避難小屋前、白雲岳避難小屋の周辺に雪が残っていたが、これらは全てキックステップで通過。
その他周辺情報 【携帯トイレの回収について】
大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイの層雲峡駅を出て、左手にある層雲峡ビジターセンター。建物の外側に、回収ボックスがある。

【熊スプレーの返送について】
熊スプレーは飛行機には乗せられない。しかし、それなりに値が張るものなので廃棄するのも忍ばれ、宅配便で返送した。利用したのは、旭川駅前のイオンモール2階にある、クロネコヤマトの窓口。箱、梱包材、送料まとめて東京まで1400円弱。
なお、以前は旭川空港にも窓口があったらしいが、閉鎖されたらしい。
https://locations.kuronekoyamato.co.jp/p/yamato01/prt/004023/
1日目 7:14
原始ヶ原登山口から、長い旅路の始まり。
1
1日目 7:14
原始ヶ原登山口から、長い旅路の始まり。
しばらくはゆるやかな道
しばらくはゆるやかな道
天使の泉
徐々に勾配が上がっていく
徐々に勾配が上がっていく
広原の滝
広原の滝のすぐ上が、渡渉ポイント。ここでしばらく休憩。
なお、渡渉は右手からの木を伝っていける。
広原の滝のすぐ上が、渡渉ポイント。ここでしばらく休憩。
なお、渡渉は右手からの木を伝っていける。
渡渉ポイントからちょっと急な登りを経て、いよいよ原始ヶ原へ。想像通りの手付かずの高層湿原。
渡渉ポイントからちょっと急な登りを経て、いよいよ原始ヶ原へ。想像通りの手付かずの高層湿原。
湿原の向こうに、富良野岳。ゆるゆると登っていく。
湿原の向こうに、富良野岳。ゆるゆると登っていく。
ワタスゲが風に揺れてのどかな雰囲気。
1
ワタスゲが風に揺れてのどかな雰囲気。
少し雪渓歩きも。キックステップで十分。
少し雪渓歩きも。キックステップで十分。
湿原を抜けて、笹が増えてくると、いよいよ富良野岳への本格的な登りとなる。
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湿原を抜けて、笹が増えてくると、いよいよ富良野岳への本格的な登りとなる。
だいぶ登ってきた。
だいぶ登ってきた。
が、、、上はまだまだ。しかも、斜面がガレザレ気味で登りにくい。
が、、、上はまだまだ。しかも、斜面がガレザレ気味で登りにくい。
山頂部。一面のお花畑!これは嬉しかった。
1
山頂部。一面のお花畑!これは嬉しかった。
1日目 12:39
富良野岳の山頂に到着。
1
1日目 12:39
富良野岳の山頂に到着。
富良野岳の山頂から、原始ヶ原を望む。
富良野岳の山頂から、原始ヶ原を望む。
富良野岳山頂部から、進む方向。雲が湧いてきた。
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富良野岳山頂部から、進む方向。雲が湧いてきた。
エゾノハクサンイチゲ
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エゾノハクサンイチゲ
エゾコザクラ
キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
チングルマとエゾノツガザクラ
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チングルマとエゾノツガザクラ
富良野岳から上ホロカメトック山へは、間に三峰山と上富良野岳がある。三峰山はその名の通り、ピークが3つ。だいぶ疲労が溜まっている中で、このピークの登り下りはきつい。
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富良野岳から上ホロカメトック山へは、間に三峰山と上富良野岳がある。三峰山はその名の通り、ピークが3つ。だいぶ疲労が溜まっている中で、このピークの登り下りはきつい。
上富良野岳への登り。初日で荷物も一番重いが、気合いで登る!
1
上富良野岳への登り。初日で荷物も一番重いが、気合いで登る!
1日目 15:16
上富良野岳へ到着。周りはガスガス。
1日目 15:16
上富良野岳へ到着。周りはガスガス。
1日目 15:36
避難小屋にそのまま通ずる巻道を使わず、愚直に上ホロカメトック山。
1日目 15:36
避難小屋にそのまま通ずる巻道を使わず、愚直に上ホロカメトック山。
上ホロの避難小屋が見えてきた。
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上ホロの避難小屋が見えてきた。
1日目 15:49
上ホロの避難小屋に到着。週末ということで人が多かったので、小屋の中は覗いていない。テント泊。テントはこの時点で3張。
1日目 15:49
上ホロの避難小屋に到着。週末ということで人が多かったので、小屋の中は覗いていない。テント泊。テントはこの時点で3張。
水を取りに行く。小屋前の巻道を通って、雪渓の末端へ。
水を取りに行く。小屋前の巻道を通って、雪渓の末端へ。
水を取ります。当然、浄水器とか煮沸で、殺菌とか殺虫とか。
水を取ります。当然、浄水器とか煮沸で、殺菌とか殺虫とか。
2日目 5:03
上ホロの避難小屋を出発。後ろにはまず目指す十勝岳。
2日目 5:03
上ホロの避難小屋を出発。後ろにはまず目指す十勝岳。
前日はガスに巻かれてわからなかったが、比較的新しい活動の火山であることがわかる景色。この時から、この火山アルプス(勝手に命名)に魅了され始める。
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前日はガスに巻かれてわからなかったが、比較的新しい活動の火山であることがわかる景色。この時から、この火山アルプス(勝手に命名)に魅了され始める。
十勝岳へ一歩一歩。高曇りのおかげで、目標を捉えつつ、暑くならない登りができるのは嬉しい。
十勝岳へ一歩一歩。高曇りのおかげで、目標を捉えつつ、暑くならない登りができるのは嬉しい。
振り返って、右奥に富良野岳。手前のピークは上ホロカメトック山。
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振り返って、右奥に富良野岳。手前のピークは上ホロカメトック山。
十勝岳と、左手に噴煙たなびく振子沢噴気孔群。丸く落ち込んだ火口ではなく斜面から噴煙がたなびく形の噴気は新鮮。ますます火山アルプスに魅了される。
十勝岳と、左手に噴煙たなびく振子沢噴気孔群。丸く落ち込んだ火口ではなく斜面から噴煙がたなびく形の噴気は新鮮。ますます火山アルプスに魅了される。
振子沢噴気孔群のアップ。これは壮大。
2
振子沢噴気孔群のアップ。これは壮大。
緩やかな登りから、十勝岳の山頂へ向けて、急登の始まり。足元が岩石だらけで、歩きにくい。
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緩やかな登りから、十勝岳の山頂へ向けて、急登の始まり。足元が岩石だらけで、歩きにくい。
2日目 5:59
十勝岳の山頂に到着。
日本三百名山、169座目。
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2日目 5:59
十勝岳の山頂に到着。
日本三百名山、169座目。
十勝岳山頂から進む方向。手前の高い山は美瑛岳。その奥にひょっこり三角ピークが次の三百名山、オプタテシケ山。
そして、そのすぐ右にうっすらとトムラウシ。トムラウシはこの後、最終日までその姿を見ることができないまま、翌々日に山頂を踏むことになる。
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十勝岳山頂から進む方向。手前の高い山は美瑛岳。その奥にひょっこり三角ピークが次の三百名山、オプタテシケ山。
そして、そのすぐ右にうっすらとトムラウシ。トムラウシはこの後、最終日までその姿を見ることができないまま、翌々日に山頂を踏むことになる。
十勝岳山頂から、振子沢噴気孔群。そのすぐ右手に62-恐亳があるはずなんだが、噴気が凄すぎて、見えず。
十勝岳山頂から、振子沢噴気孔群。そのすぐ右手に62-恐亳があるはずなんだが、噴気が凄すぎて、見えず。
山頂の中央火口丘から下りて、平坦な道を行く。火山活動が今も続く山なので、植生が育たず、ただただ荒涼。
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山頂の中央火口丘から下りて、平坦な道を行く。火山活動が今も続く山なので、植生が育たず、ただただ荒涼。
この区間、かなり速く歩ける。美瑛岳とオプタテシケ山がどんどん近づいてきた。
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この区間、かなり速く歩ける。美瑛岳とオプタテシケ山がどんどん近づいてきた。
美瑛富士分岐。実は美瑛岳を計画に入れていたのだが、この先のキツさも考えて、スキップした。この美瑛富士はもともと計画に入っていない。
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美瑛富士分岐。実は美瑛岳を計画に入れていたのだが、この先のキツさも考えて、スキップした。この美瑛富士はもともと計画に入っていない。
途中、雪渓のトラバースを超えて、美瑛富士の避難小屋への分岐。縦走路から少し距離があるので、小屋には寄らずに分岐で休憩。
途中、雪渓のトラバースを超えて、美瑛富士の避難小屋への分岐。縦走路から少し距離があるので、小屋には寄らずに分岐で休憩。
オプタテシケ山の前にまずベベツ岳への登りにアタック。
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オプタテシケ山の前にまずベベツ岳への登りにアタック。
2日目 10:16
ベベツ岳の山頂に到着。特に山名標の類はない。
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2日目 10:16
ベベツ岳の山頂に到着。特に山名標の類はない。
ベベツ岳北方のゴーロ地帯を下る。
ベベツ岳北方のゴーロ地帯を下る。
オプタテシケ山への登り。見えているのが最高点かと思ったら、後で裏切られる。
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オプタテシケ山への登り。見えているのが最高点かと思ったら、後で裏切られる。
急登を登り切ったと思ったら、そこはピークではなかったらしい、、、まだまだ続く。
急登を登り切ったと思ったら、そこはピークではなかったらしい、、、まだまだ続く。
こちらがオプタテシケ山の最高点。まだ登るのかー!
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こちらがオプタテシケ山の最高点。まだ登るのかー!
2日目 12:15
重い荷物でペースが上がらない中、オプタテシケ山の山頂に到着。
日本三百名山の170座目。
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2日目 12:15
重い荷物でペースが上がらない中、オプタテシケ山の山頂に到着。
日本三百名山の170座目。
オプタテシケ山から双子池方向は、一気に下る。
オプタテシケ山から双子池方向は、一気に下る。
大下りの途中で雲の下に出て、双子池が見えてきた(写真中央の左右)。この時はわからなかったが、野営場は手前の雪渓の末端にある。
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大下りの途中で雲の下に出て、双子池が見えてきた(写真中央の左右)。この時はわからなかったが、野営場は手前の雪渓の末端にある。
オプタテシケ山北面の雪渓を下る。距離も長く傾斜もあるので、軽アイゼンを装着して下る。
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オプタテシケ山北面の雪渓を下る。距離も長く傾斜もあるので、軽アイゼンを装着して下る。
2日目 14:02
双子池野営場に到着。ご覧の通り、岩と岩の間にある狭い平坦なスペースにテントを張ることになる。ちょうど雪渓の末端にあたるので、雪解け水で地面はどこもぐちゃぐちゃ。
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2日目 14:02
双子池野営場に到着。ご覧の通り、岩と岩の間にある狭い平坦なスペースにテントを張ることになる。ちょうど雪渓の末端にあたるので、雪解け水で地面はどこもぐちゃぐちゃ。
3日目 4:47
時に強く降る雨の中、双子池野営場をスタートして5分後。
スタートして早々、猛烈な笹の洗礼を受ける。こうして地獄の3日目が始まった…
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3日目 4:47
時に強く降る雨の中、双子池野営場をスタートして5分後。
スタートして早々、猛烈な笹の洗礼を受ける。こうして地獄の3日目が始まった…
ここまで猛烈な笹とハイマツを無心にかき分けながら進んできたので、もはや、何を撮った写真か覚えていなかった(笑
撮影時間とログを照合すると、どうやら美真岳のようだ。
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ここまで猛烈な笹とハイマツを無心にかき分けながら進んできたので、もはや、何を撮った写真か覚えていなかった(笑
撮影時間とログを照合すると、どうやら美真岳のようだ。
双子池野営場をスタートして約3時間半。相変わらずの笹とハイマツ。
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双子池野営場をスタートして約3時間半。相変わらずの笹とハイマツ。
これも何を撮ったか覚えていなかった。
ツリガネ山の肩、らしい。
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これも何を撮ったか覚えていなかった。
ツリガネ山の肩、らしい。
3日目 10:55
双子池野営場をスタートして約6時間。やっとの思いで、三川台に到着。
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3日目 10:55
双子池野営場をスタートして約6時間。やっとの思いで、三川台に到着。
三川台からは今までのハイマツと笹だらけの景色と打って変わって、お花畑が中心を占めるようになる(とはいっても、ところどころ猛烈にハイマツと笹が繁っているところもまだある)
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三川台からは今までのハイマツと笹だらけの景色と打って変わって、お花畑が中心を占めるようになる(とはいっても、ところどころ猛烈にハイマツと笹が繁っているところもまだある)
今まではハイマツに風を遮られてきていたが、ここは吹き曝し。体にあたる風がかなり強い。
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今まではハイマツに風を遮られてきていたが、ここは吹き曝し。体にあたる風がかなり強い。
4日目 8:59
南沼野営場を出発。
いきなり4日目に飛んだが、3日目はすでに中から濡れていた体に、三川台からは吹き曝しの強風があたり、いったん足を止めるとすぐに全身の震えが襲ってくるように。これは軽度の低体温症と判断。
しかし、足を止めないようにするも、エネルギーの補給も限りはあるし、疲労は蓄積する。南沼野営場まであと少しで急登もほとんどなさそうだったのでビバークはせず、そこまで歩き通すことにした。必死だったので、写真を撮る余裕はなかった。
南沼野営場に到着後、急いでテントを張り、すぐに濡れた服を脱いで着替え、シュラフにくるまって暖を取った。ここはトムラウシ。脳裏に例の遭難事故がちらついていたのは言うまでもない。
この4日目は、忠別岳避難小屋を目標としたため遅いスタートとして、前日の疲労を十分に回復させることにした。
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4日目 8:59
南沼野営場を出発。
いきなり4日目に飛んだが、3日目はすでに中から濡れていた体に、三川台からは吹き曝しの強風があたり、いったん足を止めるとすぐに全身の震えが襲ってくるように。これは軽度の低体温症と判断。
しかし、足を止めないようにするも、エネルギーの補給も限りはあるし、疲労は蓄積する。南沼野営場まであと少しで急登もほとんどなさそうだったのでビバークはせず、そこまで歩き通すことにした。必死だったので、写真を撮る余裕はなかった。
南沼野営場に到着後、急いでテントを張り、すぐに濡れた服を脱いで着替え、シュラフにくるまって暖を取った。ここはトムラウシ。脳裏に例の遭難事故がちらついていたのは言うまでもない。
この4日目は、忠別岳避難小屋を目標としたため遅いスタートとして、前日の疲労を十分に回復させることにした。
トムラウシ山への登り。幸いなことに、この日は雨は止んだ。ただし、風は相変わらず強い。
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トムラウシ山への登り。幸いなことに、この日は雨は止んだ。ただし、風は相変わらず強い。
4日目 9:44
トムラウシ山の山頂に到着。結局、2日目に十勝岳から遠くぼんやりとトムラウシの姿を見ただけで、どんな姿の山なのかよくわからないまま、山頂を踏んでしまった。
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4日目 9:44
トムラウシ山の山頂に到着。結局、2日目に十勝岳から遠くぼんやりとトムラウシの姿を見ただけで、どんな姿の山なのかよくわからないまま、山頂を踏んでしまった。
山頂部から岩がゴロゴロ。下までこんな感じの場所が多い。
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山頂部から岩がゴロゴロ。下までこんな感じの場所が多い。
不意にヤマレコアプリが、道に迷いやすいエリアとの警告。すぐにチェックしたら、すでに道から外れていた笑
わずかとはいえ登り返すのも辛いし、他の人が歩いたことを示すドットが続いていたのと、岩場を抜けると踏み跡がたくさんあったので、このまま進むことにする。
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不意にヤマレコアプリが、道に迷いやすいエリアとの警告。すぐにチェックしたら、すでに道から外れていた笑
わずかとはいえ登り返すのも辛いし、他の人が歩いたことを示すドットが続いていたのと、岩場を抜けると踏み跡がたくさんあったので、このまま進むことにする。
北沼越しに見るトムラウシの山頂はガスの中
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北沼越しに見るトムラウシの山頂はガスの中
北沼を過ぎると、ガスが晴れてきた(雲の下に出た、とも)
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北沼を過ぎると、ガスが晴れてきた(雲の下に出た、とも)
ロックガーデン!岩だらけの大斜面!
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ロックガーデン!岩だらけの大斜面!
雪で覆われた日本庭園を過ぎて、天沼が見えてきた。あ、なんかあれはいい感じだぞ。
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雪で覆われた日本庭園を過ぎて、天沼が見えてきた。あ、なんかあれはいい感じだぞ。
天沼に到着。雪、池、岩そして草花の組み合わせが自分好みの良い景色。
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天沼に到着。雪、池、岩そして草花の組み合わせが自分好みの良い景色。
後ろを振り返っても良い感じ
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後ろを振り返っても良い感じ
時間に余裕があることと、ガスの中から脱したことがあって、ここでかなり長い時間を過ごしてしまった。
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時間に余裕があることと、ガスの中から脱したことがあって、ここでかなり長い時間を過ごしてしまった。
右手にヒサゴ沼が見えてきた。遠く、小屋も見える。
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右手にヒサゴ沼が見えてきた。遠く、小屋も見える。
この辺りから木道が続く
この辺りから木道が続く
ヒサゴのコルから急斜面を登り返すと、平坦で荒涼とした土地に出る。
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ヒサゴのコルから急斜面を登り返すと、平坦で荒涼とした土地に出る。
4日目 13:11
ヒサゴ沼分岐に到着。
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4日目 13:11
ヒサゴ沼分岐に到着。
一瞬ガスが晴れて、化雲岳の特徴的な山頂が。
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一瞬ガスが晴れて、化雲岳の特徴的な山頂が。
エゾコザクラ
エゾコザクラ
しかし、化雲岳はまたガスの中に入って、文字通り雲に化けてしまったので、山頂には寄らずに手前の分岐から巻道に入る。すぐに大きな残雪。とはいえ、斜面は緩いので、アイゼン不要。
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しかし、化雲岳はまたガスの中に入って、文字通り雲に化けてしまったので、山頂には寄らずに手前の分岐から巻道に入る。すぐに大きな残雪。とはいえ、斜面は緩いので、アイゼン不要。
高層湿原の良い風景!
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高層湿原の良い風景!
ホソバウルップソウ
ホソバウルップソウ
ホソバウルップソウ
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ホソバウルップソウ
ホソバウルップソウとエゾコザクラ
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ホソバウルップソウとエゾコザクラ
トムラウシを過ぎるとメジャーコースになるせいか、ハイマツが邪魔にならない笑
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トムラウシを過ぎるとメジャーコースになるせいか、ハイマツが邪魔にならない笑
キバナシャクナゲ
1
キバナシャクナゲ
4日目 14:36
五色岳に到着。忠別岳避難小屋まで残りわずかだが、ここでしばらく休憩。
4日目 14:36
五色岳に到着。忠別岳避難小屋まで残りわずかだが、ここでしばらく休憩。
五色ヶ原の風景がなんとも良い。
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五色ヶ原の風景がなんとも良い。
忠別岳避難小屋への分岐付近で、構造土!これも見たかったんです。土中の水分が凍結と融解を繰り返した結果、形成される。
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忠別岳避難小屋への分岐付近で、構造土!これも見たかったんです。土中の水分が凍結と融解を繰り返した結果、形成される。
忠別岳避難小屋への分岐。
忠別岳避難小屋への分岐。
10分弱ほど歩いて、残雪の向こうに避難小屋が見えてきた。
10分弱ほど歩いて、残雪の向こうに避難小屋が見えてきた。
避難小屋に到着、、、でも、ボロボロ?
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避難小屋に到着、、、でも、ボロボロ?
ボロボロと思ったさっきの面は裏面で、表側は反対にありました。
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ボロボロと思ったさっきの面は裏面で、表側は反対にありました。
ただ、前夜びしょ濡れになったテントを乾かしたいというのもあり、テント泊にする。
小屋からさらに少し下ったところがテン場。
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ただ、前夜びしょ濡れになったテントを乾かしたいというのもあり、テント泊にする。
小屋からさらに少し下ったところがテン場。
5日目 8:26
日程とコースの残りに余裕が見えてきたので、今日も遅めの出発。この時は雨も降ってなくて、ゆるゆると出発したが…
5日目 8:26
日程とコースの残りに余裕が見えてきたので、今日も遅めの出発。この時は雨も降ってなくて、ゆるゆると出発したが…
縦走路に戻ってきた。相変わらず風が強い。
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縦走路に戻ってきた。相変わらず風が強い。
コマクサ
忠別岳への登りで風に加えて、雨が降ってきた。そこまで強くはないが、しっかり濡れる。慌てて、レインウェアに着替え。
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忠別岳への登りで風に加えて、雨が降ってきた。そこまで強くはないが、しっかり濡れる。慌てて、レインウェアに着替え。
キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
5日目 10:17
忠別岳の山頂に到着。ガスガスの山頂において、心の眼で周りの景色を想像することに慣れました笑
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5日目 10:17
忠別岳の山頂に到着。ガスガスの山頂において、心の眼で周りの景色を想像することに慣れました笑
無心で歩く
スレート平。ここだけ、薄く剥がれやすい岩。
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スレート平。ここだけ、薄く剥がれやすい岩。
スレート平の手前あたりから雨が上がった。少し視界も利き出す。
スレート平の手前あたりから雨が上がった。少し視界も利き出す。
キバナシャクナゲ
キバナシャクナゲ
5日目 13:54
白雲岳避難小屋に到着。最後の夜だし、有人小屋だし、今夜は小屋泊にする。
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5日目 13:54
白雲岳避難小屋に到着。最後の夜だし、有人小屋だし、今夜は小屋泊にする。
小屋でしばらくダラダラしていたら、晴れてきた。今日来た方向を見る。
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小屋でしばらくダラダラしていたら、晴れてきた。今日来た方向を見る。
6日目の朝。
日の出の時間。ようやくトムラウシの姿を捉える。
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6日目の朝。
日の出の時間。ようやくトムラウシの姿を捉える。
6日目 4:55
最終日!白雲岳避難小屋を出発
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6日目 4:55
最終日!白雲岳避難小屋を出発
白雲分岐に向けての登りの途中。何度も振り返りたくなる景色。
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白雲分岐に向けての登りの途中。何度も振り返りたくなる景色。
遠く十勝岳も見える。このまま白雲岳に行って、ゼブラを見たいが、あまりにも風が強いので、断念する。
遠く十勝岳も見える。このまま白雲岳に行って、ゼブラを見たいが、あまりにも風が強いので、断念する。
白雲分岐を過ぎて、北海岳に向かう途中。この日は風が今まで以上にとても強く、西から雲がどんどん向かってくる。地形の影響を受けてか、雲がドーム状になっている。
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白雲分岐を過ぎて、北海岳に向かう途中。この日は風が今まで以上にとても強く、西から雲がどんどん向かってくる。地形の影響を受けてか、雲がドーム状になっている。
奥にガスに包まれた旭岳があるが、それよりも構造土
奥にガスに包まれた旭岳があるが、それよりも構造土
6日目 6:27
北海岳に到着。猛烈な西風。
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6日目 6:27
北海岳に到着。猛烈な西風。
御鉢平の絶景!風が弱まるポイントがあったので、そこから撮影。
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御鉢平の絶景!風が弱まるポイントがあったので、そこから撮影。
6日目 7:20
間宮岳分岐。ここから御鉢巡りの道を一旦外れて、旭岳に向かう。
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6日目 7:20
間宮岳分岐。ここから御鉢巡りの道を一旦外れて、旭岳に向かう。
雲がどんどん向かっていく白雲岳
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雲がどんどん向かっていく白雲岳
旭岳が見えてきた
旭岳が見えてきた
ガスが取れていたのはこの時まで。
ガスが取れていたのはこの時まで。
裏旭野営場の入り口から、すぐに残雪の大斜面が広がる。上部は傾斜もかなり急なので、軽アイゼン装着。
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裏旭野営場の入り口から、すぐに残雪の大斜面が広がる。上部は傾斜もかなり急なので、軽アイゼン装着。
6日目 8:59
ひいひい言いながら急登を詰めて、旭岳の山頂に到着。
日本三百名山 172座目。風も非常に強いので、写真撮影もそこそこに来た道を戻る。
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6日目 8:59
ひいひい言いながら急登を詰めて、旭岳の山頂に到着。
日本三百名山 172座目。風も非常に強いので、写真撮影もそこそこに来た道を戻る。
6日目 10:01
御鉢巡りの道に戻ってきた。
6日目 10:01
御鉢巡りの道に戻ってきた。
御鉢平を、西側から。
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御鉢平を、西側から。
中岳への登り。かつての噴火活動で飛ばされた岩やミルフィーユ状に固まった岩など。
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中岳への登り。かつての噴火活動で飛ばされた岩やミルフィーユ状に固まった岩など。
北鎮岳分岐の先で、最後の残雪。傾斜もきついし、距離も長いので、最後の軽アイゼン装着。
北鎮岳分岐の先で、最後の残雪。傾斜もきついし、距離も長いので、最後の軽アイゼン装着。
6日目 11:24
お鉢平展望台に到着。
6日目 11:24
お鉢平展望台に到着。
雪渓とハイマツのコントラスト、平坦な御鉢平との組み合わせが良い
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雪渓とハイマツのコントラスト、平坦な御鉢平との組み合わせが良い
黒岳石室へ向かって、快調に歩く。晴れてきた。
黒岳石室へ向かって、快調に歩く。晴れてきた。
凌雲岳と、構造土と、カラス
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凌雲岳と、構造土と、カラス
キバナシャクナゲ
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キバナシャクナゲ
6日目 11:54
黒岳石室に到着。最後の登りに向けて、休憩。
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6日目 11:54
黒岳石室に到着。最後の登りに向けて、休憩。
少し休憩した後、黒岳に向けて、今回最後の登り!
少し休憩した後、黒岳に向けて、今回最後の登り!
振り返る。良い景色!
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振り返る。良い景色!
6日目 12:37
黒岳に到着。
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6日目 12:37
黒岳に到着。
この景色もここまで。
ありがとうございました!
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この景色もここまで。
ありがとうございました!
黒岳から、下山開始。すぐにリフトやロープウェイ、層雲峡温泉が見える。
黒岳から、下山開始。すぐにリフトやロープウェイ、層雲峡温泉が見える。
ニセイカウシュッペ山が向こうに見える。あれもいつか登らねば。
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ニセイカウシュッペ山が向こうに見える。あれもいつか登らねば。
どんどん下る。
6日目 13:18
黒岳の七号目登山口に到着。この建物にある売店で、リフトとロープウェイの共通券が買えます。
6日目 13:18
黒岳の七号目登山口に到着。この建物にある売店で、リフトとロープウェイの共通券が買えます。
そして、黒岳リフトの七号目乗り場。ゴール!
流石に今回はリフトとロープウェイで下りたい。
そして、黒岳リフトの七号目乗り場。ゴール!
流石に今回はリフトとロープウェイで下りたい。
リフト快適〜
使用済み携帯トイレの回収をしてもらいに、ロープウェイ駅隣の層雲峡ビジターセンターへ。建物の外に、回収ボックスがある。
使用済み携帯トイレの回収をしてもらいに、ロープウェイ駅隣の層雲峡ビジターセンターへ。建物の外に、回収ボックスがある。
ビジターセンターの中に、十勝山系と大雪山系全体のジオラマが!左端に原始ヶ原が会って、右端に大雪山、層雲峡。これを歩き通したかと思うと、感慨深い、、、
ビジターセンターの中に、十勝山系と大雪山系全体のジオラマが!左端に原始ヶ原が会って、右端に大雪山、層雲峡。これを歩き通したかと思うと、感慨深い、、、
【おまけ その1】
帰りは、層雲峡から旭川駅行きのバスに乗って、わざわざ上川で降りる。目的はこれ。特急大雪。いや、大雪山系を歩いてきたからには、縁のある列車に乗って帰らないとね
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【おまけ その1】
帰りは、層雲峡から旭川駅行きのバスに乗って、わざわざ上川で降りる。目的はこれ。特急大雪。いや、大雪山系を歩いてきたからには、縁のある列車に乗って帰らないとね
【おまけ その2】
熊スプレーは飛行機に乗せられないので、旭川駅前のイオンモール2階にあるクロネコヤマトの営業センターから、自宅へ発送。箱や梱包材も買える。送料も入れて、東京まで1400円弱(クロネコボックス6サイズ)。
なお、店員さんの話によると、旭川空港のクロネコヤマト営業センターは廃止になったらしいので、ここで送るのが良いとのこと。
【おまけ その2】
熊スプレーは飛行機に乗せられないので、旭川駅前のイオンモール2階にあるクロネコヤマトの営業センターから、自宅へ発送。箱や梱包材も買える。送料も入れて、東京まで1400円弱(クロネコボックス6サイズ)。
なお、店員さんの話によると、旭川空港のクロネコヤマト営業センターは廃止になったらしいので、ここで送るのが良いとのこと。
【おまけ その3】
帰り、旭川空港を飛び立った飛行機から大雪山を望む。この日も、上部は雲。最後までその全容を見せてくれることはなかった。いつか、また、ということで。
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【おまけ その3】
帰り、旭川空港を飛び立った飛行機から大雪山を望む。この日も、上部は雲。最後までその全容を見せてくれることはなかった。いつか、また、ということで。

装備

個人装備
長袖シャツ ソフトシェル タイツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 ゲイター 日よけ帽子 着替え 予備靴ひも サンダル 軽アイゼン ピッケル ザック ザックカバー 昼ご飯 行動食 非常食 調理用食材 飲料 携帯浄水器 ハイドレーション ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 調理器具 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 モバイルバッテリー 筆記用具 ファーストエイドキット 針金 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯電話 ココヘリ 時計 サングラス タオル ストック ナイフ カメラ 座布団 熊鈴 熊スプレー テントポール テント テントマット シェラフ 照明 携帯トイレ ラジオ

感想

NHK BSのにっぽん百名山で昨年取り上げられた山の1つが、大雪山〜トムラウシ山の縦走でした。その雪とハイマツが織りなす色のコントラスト、そして数々の花が彩る鮮やかな景色に目を奪われました。そのときは放送が8月だったので、残雪の景色は期待できず、行くならば翌年、と心に決めました。その間、転職などもあり、行けるかどうか見通しが立たなかったのですが、なんとか調整がつき、行くことができました。

しかし、今年の大雪山系は、過去30年間でも一番残雪が少ない状況だそう。番組は7月の訪問、ということでしたが、それだと雪がかなりなくなってしまうのでは、と心配になり、早めの夏休みということで前倒しで6月に行くことにしました。実際は、それでも雪はかなり少なかったのですが、、、

なお、番組は黒岳から旭岳を経由して、トムラウシ山を向かうコースでしたが、元々この山域に対して作ってあった自分の山行計画は、原始ヶ原から層雲峡(実際には黒岳リフトまで)を歩き通すもの。なので、番組とは逆の方向から歩くことになりました。

しかし、北海道のテント泊縦走はなかなか準備するものが多く、それだけで難易度が高い。気温が低い事に備えて防寒着は多めに、残雪の状況が全て把握できるわけではないのでピッケルに軽アイゼン。浄水器に携帯トイレ。おまけに、今まで長らく使っていた重登山靴や大容量のザックがついに壊れたり、破けたりで使えなくなり、それらの買い換えも。今までの縦走準備と違って、かなり念入りに、そして大変な準備となりました。

そして揃えた装備はハイドレーションの水を入れて25kg。まぁ、30kg行かなかったから良しとするか、という感じで、縦走開始。しかし、ここは日本アルプスと違って、個別の火山が峰峰を形成している。ということは、1山1山のアップダウンがかなりあるということで、特に前半の十勝山系は重い荷物ということもあり、なかなかペースが上がらなかった。そして3日目以降は、雨風の試練。特に3日目は、雨風共に強く、そして道もこの縦走路では一番整備されていない区間。ハイマツや笹を何時間もかき分ける道のりは、体力を確実に奪い、そして三川台からは吹きさらしの風が追い打ちをかけて、軽度ではあるが低体温症に陥る。しかし、残りのコースや距離、現在の状況等を総合的に、そして冷静に分析、判断して、切り抜けることができた。ここは常に客観的な課題分析とロジカルシンキングが求められる仕事のおかげか。我ながらベストな判断ができたと思う。こういう過酷な状況における縦走だからこそ、いろいろ気づかされることも多い。レベルアップできたと思う。

すっきり晴れることは1回もなく、多くの山々を一度に眺めるような雄大な景色を堪能することはできず、特にトムラウシは2日目の朝に遠くぼんやりと山を確認して以降、全くその姿を見ることができないまま4日目に山頂を踏み、そしてだいぶ行き過ぎた6日目朝の白雲岳避難小屋から、また遠くに姿を確認する、という客観的にはちょっと残念な山行でした。とはいえ、数々の花は目を楽しませてくれましたし、シカやエゾウサギ、キタキツネにシマリスといった動物たちにも出会うことができ、不思議と充実した山行でした。これはいつかまた、天気の良いときに来てみたい山域です。

そういえば、お陰熊で、ヒグマには会うどころか、気配も全く感じる事がありませんでした。5日目の夕方に、白雲岳避難小屋から遠くの雪渓を歩く小さな姿を見たくらい。熊さん、無事な山行にしてくれて、ありがとう。

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コメント

山行記録、拝見しました。
ありがとうございます。
ドラマティックで読んでいてワクワクドキドキしました。
トムラウシ、無事に切り抜けられてよかったです!

私はオプタテシケから忠別岳の区間が北海道にいながらまだ未踏です。
あの笹薮やハイマツが怖いです。
いつかいつかと思いながら毎年すぎてしまっています笑

また北海道にいらしてください^ ^

2024/6/30 8:06
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y0ssyさん、
長文の記録を読んでいただき、またコメントもいただき、ありがとうございます。
記録を拝見したところ、上ホロのテン場で、たぶんお隣でしたね(自分はファイントラックのオレンジのテントです)。

一番困難な区間を、一番大変な天気で通過する羽目になりましたが、逆にやりがいも感じられました。y0ssyさんがチャレンジされる際は、天気が良いことを祈っています。

北海道の三百名山はまだまだ残っているので、y0ssyさんの記録も参考にさせていただきます!
2024/6/30 12:50
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ちゃーまるさん
お返事ありがとうございます^ ^
まさかカミホロでご一緒でしたか!笑
あの日は風が強かったですね!
テントから一歩も出ないで終わりました笑笑
トムラウシ、ご無事で本当によかったです。
ご記録拝見しながらドキドキしました。
あの場所での低体温症が1番怖いですよね。

私のつたない山行がご参考になれば幸いです^ ^
またどこかのお山で^ ^
2024/6/30 20:12
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プロフィール画像
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十勝岳〜旭岳
利用交通機関:
技術レベル
2/5
体力レベル
4/5

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