燕から黒部ダムまで 北アルプス7日間縦走
- GPS
- 53:07
- 距離
- 88.2km
- 登り
- 7,810m
- 下り
- 7,812m
コースタイム
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 1:14
- 合計
- 8:15
- 山行
- 10:29
- 休憩
- 2:14
- 合計
- 12:43
- 山行
- 6:55
- 休憩
- 1:49
- 合計
- 8:44
- 山行
- 11:53
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 12:42
- 山行
- 8:27
- 休憩
- 3:18
- 合計
- 11:45
- 山行
- 8:32
- 休憩
- 0:19
- 合計
- 8:51
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
◾️総括
山に抱かれた1週間でした!
燕岳以外は全て初めての山で、感動しっぱなし。
槍には2回登れたし(うち一回は見事な雲海と晴れ!)、晴れに晴れた360度山々をのぞむ絶景の鷲羽岳では、歩いてきた山々が、一望に見渡せ、感慨と感動で胸がいっぱいになりました。
雲の平も高天原温泉も聞きしに及ぶ秘境でした。場所的に高天原温泉の方がより秘境感強いかもしれないですね。
黒部五郎は単なる寄り道のつもりが、あの堂々たる山容に畏怖と威厳を感じましたし、双六からの裏銀座や
立山の眺望は、今まで見たことがないものでした。
ずっと山ばっかり見てるので飽きるかも?と思っていたのですが、歩けば歩くほど見える山の形も変わるし大きさも変わるし、今まで見えなかった山が見えるようになったり、その逆もあったりと、全く飽きさせませんでした。
あとは素晴らしい出会いです。今回は小屋泊で繋いだ縦走でしたが、山の奥に進めば進むほど、山小屋では山好きに会う確率が増え、ディープな山の話をたくさんできたり、しばらく一緒に歩かせてもらったり素敵な出会いも多くありました。あとは72歳の百高山達成当日の元気じいちゃんと写真撮ったり、色々おもしい人たちとの出会いがたくさんありました。
そんな最高中の最高の山行でしたが、途中からめっきり足が動かず、なかなか大変でした。最後に奥黒部ヒュッテに降る中で一気に体調回復したので、もしかしたら高山病の傾向も出ていたのかもしれません。
◾ 1日目
終始ガス。前回パノラマ銀座の時に端折った燕岳とついでに北燕岳にも登る。燕山荘から燕岳が見えたので良しとする。前回登った大天井岳は巻いて大天井ヒュッテへ。先は長いので無理はしない。意外と最後は道が険しかった。雷鳥が登山道に堂々といたのでパシャリ。初日の宿、大天井ヒュッテはとても空いていて、部屋も半個室をあてがってくれて快適でした。小屋に泊まっていた人数がとても少なかったので、談話室や夕食の席でいろいろな方とお話しでき、仲良くなれました。平日にここまで来る方は、さすがに山好きが多く、とても楽しい時間となりました。そしてほぼすべての方の次の日の予定が槍ヶ岳山荘だったので、槍ヶ岳山荘でも、絡ませていただきました。山を本格的に始めてから2年が経ちますが、山の中で星をきれいに見たのはこの日が初めてでした。(そしてその後は毎日星と共に出発することになります笑)
◾️2日目
4:45出発。 朝はいい天気!
稜線で、槍ヶ岳もバッチリ!「あぁ、これでどんどん槍が近づいてくるのか、これぞ表銀座!と思ってたら、その後すぐガスってきた。その途中水俣乗越で山慣れた女性と一緒に東鎌尾根が晴れるのを待ってたら、72歳で本日赤沢岳を登れば百高山達成というおじいちゃんとその連れ合いの方と話し込む。作った旗も見せて頂いて予行練習でパシャリ。晴れた槍よりレアな体験で、満足でした。
その後、ガスが晴れないので、そのまま東鎌尾根へ。険しいとの事前情報でしたが、道も大変はっきりしていて、特に危険箇所に感じる場所はありませんでした。
その後、山頂だけ見えていた槍にアタックをかけるも、ずっとガス。その後1時間半待ったけど、ガスは全く晴れないので、そのまま降りる。ものすごい雨も降ってきたので、そのままふて寝。ふと起きてみると16時30分。なんと、だいぶ晴れ間が見えている!そのまま大急ぎで着替えて、大急ぎで槍登頂。雲海の元、北鎌尾根や北穂、奥穂、前穂や大キレットが見え、大満足でした。
その後、食堂で西表島から毎年槍にだけ登りに来る槍ファンの母とその息子さんとお話をする。子どもは槍よりゲームセンターのUFOキャッチャーの方がいいらしい。UFOキャッチャーで撮ったワンチャンのぬいぐるみをやり、槍ヶ岳山荘まで持ってきてて、ほっこりしました。
槍ヶ岳山荘はどでかくて国際色豊かでした。思っていたよりとても快適に過ごせました。
◾️3日目
午前中が勝負と言う天気だったので、大急ぎで黒部五郎岳まで向かって登ってしまおうと思い、朝2時15分に出発。真っ暗の西鎌尾根を歩いたけれど、これが本当に大変だった。道がわからずすぐルートから外れて謎の崖の近くにいたりと、ほんと危ない目に何度か合いました。ヘッドライトで照らす場所が悪いことに気づき、その後は無事に歩けるようになりました。ルートファインディングの重要性を身にしみて感じることに。あと、夜は明けるからいいけど、霧とか大雨とかきついだろうな。いい練習になりました。
その後、なんとか間に合ったマジックタイムの樅沢岳はすごい景色!夜の西鎌尾根を移動する間に、一気に表銀座から裏銀座に絵が切り替わったようです。この日はド天気だったので、その後の双六岳も三俣蓮華岳も、とんでもない眺望でした。両方全然ノーマークでしたが、槍の存在感が下がる中、水晶、赤牛、黒部五郎と、あとは圧巻の薬師と鷲羽岳!遠くに雄山や剱、果ては白馬まで見えて、裏銀座ここにありという眺望で「あぁ、裏に来たなぁ」とゾクゾクしました。薬師岳がこんなに雄大な存在だとは、知らなかったなぁ。
ただ、だんだんとガスが広がっていく黒部五郎と、早起きしたからか調子の上がらない足と心肺機能に心が折れ、黒部五郎の登頂は断念。
三俣蓮華岳で1時間山座同定を楽しんだあと、フラッフラで黒部五郎小屋へゴール。黒部五郎小屋がまた低いところにあるんだこれが。明日はこれ登り返すのかー。ようやく黒部五郎小屋に着いたけど、ぼーっとしてフラフラするような、風邪みたいな症状が出てる。小屋番さんにご相談して夕食をカットし、軽食食べて16時に就寝。
◾️4日目
朝は4時15分出発。寝たらだいぶ元気になってほっとした。真っ暗の黒部五郎をのぼる。標高差は500メートルしかないけど、裾野が広いのとカールをぐるっと回り込むので、どうにもなかなかたどり着かない。そしてとんでもなくガスってる。「あー。。」と思ってたら、山頂で一気にガスがいい感じに消えてくれるミラクルが!そして残ったガスで槍もラスボスの城みたいな雰囲気になってくれた。黒部五郎もノーマークだったけど、山行中すれ違った山人の多くから「裏銀座なら黒部五郎」と言われて少し期待していたが、期待に違わぬ威風堂々たる眺めでした。こないだ涸沢に行ったばかりだけど、涸沢より木々が多く生えてる分、より生命力を感じました。
その後、三俣山荘までの道が山に登ってるわけでもないのになかなかの登りで、絶景に助けられながらも、終始疲れ果てておりました。思えばこのあたりから、足が動かないし、疲れもとても大きくなってきたように感じます。その後、三俣山荘からまさに壁のように立ちはだかる鷲羽岳へ。水場から一緒だったお姉さんと鬼の砂利急登をヒーコラ登った先には、目を疑う絶景が!そして今回の山頂が特別だったのは、これまで歩いてきた山々が一望できること!燕、大天井、槍、黒部五郎、双六、三俣蓮華、全部見えます。登ったからこその、登りたてだからこその感激がありました。また、これから登る水晶、赤牛、ワリモ、祖父、野口五郎も見えます。それ以外にも薬師、笠ヶ岳、立山の山々などなど、北アルプスの名だたる山たちが、360度すべてに見え、本当に最高でした。以前山頂に2時間半居座ってしまった絶景の常念を超えたなと感じる時間でしたが、なんせ天気の良さと体力の低下で押しに押してた時間だったので、泣く泣く降りました。行動食がなくなってしまったので、恥を忍んで一緒に登ってきたお姉さんに行動食を譲って頂き、事なきを得ました。本当に感謝です。。
その後、ワリモを超えて、祖父を超えて、憧れの雲の平に!祖父岳に明日も登頂するとはこの時はつゆ知らず。。
雲の平はメルヘンの権化のような場所で、メルヘン狂メルヘンのために命をかけたとしか思えないような、メルヘンたっぷりの空間に仕上がっていました。至るところにある木道は一体どこから持ってきたのでしょう?意地を感じました。
雲の平山荘は、ボランティアの登山道整備の若者たちが沢山いて、とんでもなく混み合っていました。混んでて大変だったけど、登山道整備には本当に感謝です。
名物の食べ放題OKの石狩鍋は、山深さと相反して野菜もシャケもたっぷりで、疲れた体にとても染み込んでいきました。ここでも、食堂での山談義に花が咲きました。全員が「憧れの雲の平にようやく来た!」と言うワクワクとウキウキでいっぱいで可愛かったです。この辺りで「あれストックが無いぞ」ということに気づきます。
◾️5日目
今日は雲の平から高天原に降りて、温泉つかって、また水晶に登ってくるだけのボーナスデーのつもりでしたが、ストック探しと言う別ルートに入ってしまい、ボーナス感に暗雲が立ち込めます。4時15分からヘッドライトをつけて昨日までの道を逆戻り。祖父岳のはしごでストックを手に持ったことを覚えているので、最悪そこまで戻ろうと決めて(そして出来る限りもう少し手前で服を着替えた時とかに置き忘れたことを期待して)、昨日の道を逆戻り。結論としては、祖父岳の梯子まで長い朝の散歩をすることになりました。。ただ、会う人会う人になりふり構わず「ストックを見ませんでしたか?」と確認していたところ「それらしきものを雲ノ平のテント場との分岐の標識に立て掛けてあった」と言う情報をゲット!そこまで戻り、無事発見しました!これだけは避けたいと思っていたんですが、暗い時間に出発したんで、気づかず通り過ぎてしまったんですね。。。でも、見つかったので、よしとします。これなく読売新道下っていくのはちょっと心もとないですからね。このストック探しの旅で、祖父岳から雲の谷までずっと一緒に探しながら歩いてくれた方にも、勇気づけられましたし、楽しい時間を貰いました。
その後、ようやく当初予定の高天原に向かいます。天気はあまり良くないのですが、どうせ樹林体を下るだけで、むしろ涼しくてありがたいです。
高天原への道は結構なめてたのですが、だいぶゴンロゴンロの道で険しかったです。2時間ほど降ったところにお目当ての温泉が!硫黄の匂いと白いお湯で「温泉!」感が強く、大満足でした。そしてまさかの「件のストックを立てかけた人が、同じ温泉に」というミラクルも。
その後の水晶までの道は、900メートルほどの上りで、今朝の一件とこれまでの山行で疲れた身体には相当にこたえました。。ようやく着いた。水晶小屋は、こじんまりしていて小屋のスタッフもみんなとてもホスピタリティーに溢れていて、本当に良い小屋でした。またもや面白い人たちがたくさんいて話し込んでしまい、充電がギリギリになってしまう一幕も。。翌日はなんとか朝だけ天気が良く昼過ぎから雨という予報だったのと、ここで既に疲労困憊だったので、野口五郎に登るのは断念し、朝から赤牛経由で奥黒部ヒュッテへ向かうことに。水晶岳でお会いしたお二人と一緒に行かせてもらうことにしました。
◾️6日目
4時出発。外は霧!真っ暗なのにこれはしんどいなぁ。お二人と一緒に出発するも、出発して10分で「これはついて行くのは無理だ」と悟り、先に行ってもらうことに。その後は真っ暗な霧の中を、エンヤコラと進む。水晶岳でお二人とあって写真を撮ってもらい、その後また別れて進む。赤牛岳までの道は聞いた通りの悪路で、岩ゴロゴロ。たまに砂浜みたいなところもあっていい気持ちだが、なんせガスガスで小雨も降ってるので、気分は上がらない。ガスで周りが全く見えないかつ広い稜線では、ケルンには本当に助けられました。
ようやくの思いで赤牛に到着すると、なんと先に行ってもらっていたお二人が待ってくれていた!そこからは一緒に読売新道を降る。途中に烏帽子や立山、超えたばかりの赤牛が見えてテンション上がる!その後、ゴロンゴロンの道から樹林帯へ。樹林帯がまた滑る滑るし、歩きにくい。ハシゴもおおい。いやいや、なんてことない、これこそ求めていた読売新道ロマンだ!と頑張って疲れた体にムチ打っていたら、歩けば歩くほど、体がどんどん楽になっていく。おそらく気がつかないうちに高山病になっていたのかもしれない。それはそれでめちゃくちゃ怖いけど、これなら歩ける!というわけで、お二人と一緒に下って、無事、奥黒部ヒュッテに到着しました。
奥黒部ヒュッテは、沢沿いということもあり、風呂あり、水洗トイレあり、石鹸あり、洗濯ありで、ほぼ下界、というスペックでした。小屋のみなさんも優しく、人が少ないということで完全個室で使わせて頂き、ありがたやありがたやです。ここでも夕食はカットして、軽食でお腹いっぱいにして、16時30分には就寝です。本当は外のテラスみたいなところで奥黒部ヒュッテに泊まるようなマニアックな人たちと一緒に山談義をしたかったんですが、明日もまた朝4時出発、かつ、疲労困憊だったので、泣く泣く諦めました。
◾️7日目
朝4時出発。6時20分の船に間に合わせるために、少し余裕を持って出発したつもりが、なぜかヤマレコの表示が間に合わない時間を指し続けていて、焦りました。噂通りの大量のはしごに辟易しながら、真っ暗の中を渡っていきましたが、想像していたよりは、難易度は高くなかったです。間に合わないとずっと出ているので、焦りながら歩いていたら、前歩く別の2人組が!「あれ、てことはこれってもしかしてヤマレコの表示がおかしいのでは?」と気づき、そこからは少しペース緩めることに。結果的に余裕をもって到着できたので、まぁよしとします。
噂のロマン平の渡しで登山道を船で渡り、その後も黒部湖のまわりを歩き続け、ようやく黒部ダムに到着!途中で観光客が見えた時には「あぁ、帰ってきたんだな」と感じました。黒部ダムカツカレーを食べて、完成!おつかれさまでした。しかし奥黒部ヒュッテからの道は、途中の山小屋が1件も空いてなく、平の小屋で給水できただけだったので、アテが外れてしんどかったです。
長い旅の最後のロマン読売新道、今後もう降りることも登ることも無いでしょう笑。歩けてよかったです!
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