奥穂〜西穂縦走 憧れのジャンダルムに挑む
- GPS
- 51:09
- 距離
- 28.0km
- 登り
- 2,368m
- 下り
- 2,368m
コースタイム
- 山行
- 7:35
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 8:50
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 3:14
- 合計
- 10:29
- 山行
- 2:03
- 休憩
- 0:13
- 合計
- 2:16
この岩塔に憧れを持つようになったのはいつからだったろうか・・・
若い頃には存在は知っていてもさほど興味はなかった。というか、身近な存在ではなかった。
山登りを再開した時の目標(夢)は何といっても釼岳早月尾根だった。
昨年その夢が実現し、次なるターゲット、そして憧れの山となったのがジャンダルム。
となれば直ぐにでも行きたくなる性分。この夏のメインイベントとして実現を目指すこととなりました。
◆奥穂−西穂縦走
ジャンダルムを登るにあたり最初のうちは奥穂からのピストンで充分と考えていたのですが、もう一つ気になっていたのが、槍穂縦走路における奥穂−西穂間の私にとって空白地帯の存在でした。
どうせ挑戦するなら両方一緒にやっちゃえということで、体力的な不安はあるものの、行くなら今年しかないと腹をくくっての山旅となりました。
◆日程・小屋
今年は長い夏休みがあったので、混雑を避けるため出発日をずらし、横尾泊まりの3泊4日でもいいかと思っていたのですが、長く続いた晴天が16日ぐらいから下り坂との天気予報を聴くにあたり、混むかもしれないけど土曜日出発の2泊3日に決めました。
結果的にはこれが当たりました。最初の二日間は天気に恵まれ、最終日も曇っていたものの下るだけだったので、最高の気象条件で歩くことが出来ました。
一方、心配していた山小屋の混雑状況も、穂高山荘、西穂山荘ともに運良く一人一枚の布団で寝ることが出来ました。
天候 | 1日目:晴れのち曇り、2日目:朝は快晴、昼から曇り、3日目:曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
日本最難関といわれる縦走路だけあって、ちょっとした不注意が大事故を招きかねません。岩場が連続しますが鎖や梯子のないところも多く、三点支持は無論のこと、浮き石や岩が脆くないかを確認しながら登る必要があります。岩登りの基本を理解し、慎重に行動出来る人のみが入ることを許されるルートと思います。 ルートを示すペンキも少なく、一人行動となっても間違ったところに迷い込まないようルートファインディングも必要です。 奥穂高岳から西穂高岳までの間、気を許せる場所は殆どありませんでした。またアップダウンが頻繁にあり、技術・体力が要求されるルートです。 とはいえ、岩登り自体の難度は注意さえしておれば落ちるようなことはなく、高度な登攀技術は不要で技術的には岩登り等級でいう3級レベル(ザイル不要、三点支持により安定して登れるぐらいの難度)ですが、岩場のスケールの大きさと自分でルートを探しながらの登攀となるので、その分緊張が増加します。 また、浮石や剥がれやすい岩もあるので、体重を預ける前に岩の状態を充分見極めておく必要があります。 といっぱしの講釈を垂れましたが、ここを歩こうかという方にとっては、そんなことは百も承知、釈迦に説法であったと思います。 ただ、状況をあまり知らずに歩かれる方もおられるようなので、そういう方に対しては少しでも参考になれば幸いです。 危険がないと言えばうそになりますが、とても充実した山行が出来ること請け合いです。 |
その他周辺情報 | 下山後は福地温泉「石動の湯」 500円。 静かな雰囲気が良くて、山の疲れを取るのにいい湯でした。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
昼ご飯
行動食
飲料
地図(地形図)
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
カメラ
ポール
ヘルメット
|
---|---|
備考 | いつ落石があっても不思議でないルートなのでヘルメットは必携 縦走中の水は1.5L持参 |
感想
一日目
平湯のあかんだな駐車場に午前4時に到着。
始発バスは4時50分発予定でしたが、満員となった4時30分には第1便が発車し、出遅れた私は4時45分頃に出た2便の乗りました。
それでも予定の6時よりは早い5時半には歩き始めることが出来、順調なスタートを切ることが出来ました。
そのため充分な休憩を取りつつも、渋滞したこともある本谷橋もスムーズに通過できたこともあり、午後2時過ぎに穂高山荘に着くことが出来ました。テラスで飲むビールが旨かったのは勿論です。
なお、コースでは雪解けが早かったためか、花はあまり見かけませんでした。また6時頃ににわか雨が降るなど、夕日や星空を見ることが出来なかったのがちょっと残念でした。
二日目
この日がメイン。嬉しいことに朝から快晴です。
が、寝ている間に頭痛がして、目覚めると軽い高山病状態。
これについては頭痛薬を飲むことで出発時には納まりました。
本来なら4時頃に早立ちして、山頂でご来光を見るというのが岳人としてあるべき姿?なのですが、小屋の弁当があまり好きでない私は迷った末、小屋の朝食を選んでしまいました。
さらに日の出が5時頃と朝食時刻と重なり、ご来光を優先した私が朝食にありつけたのが5時半。出発は6時頃となってしましました。
コースタイムが約9時間なので、午後3時には西穂山荘に着くだろうと高くくってましたが、それが甘い考えだったことに後で気付きます。
奥穂頂上は大混雑。順番待ちで記念撮影したり周りの風景を撮影するのに時間が掛かり、先を急がないとダメな身の上なのに40分も滞在してしまいました。
奥穂でカメラを落下させてしまい、プラスチックのレンズの筒が割れてしまいました。そのままだと沈胴レンズが沈まずエラーが標示され使えませんでしたが、荒療治でなんとか復活、時々調子が悪くなるも最後まで使用することが出来ました。不幸中の幸いでした。(自宅に帰ってセメダインスーパーで補修完了)
奥穂からは西穂への縦走開始です。直ぐに岩だらけの稜線となります。
馬の背やロバの耳という有名な難所があり、絶景の撮影ポイントでもありますが、頭の中は岩場を安全に通行することしかなく、撮影する心の余裕がありませんでした。結果、これぞという写真は撮れませんでした。
ジャンダルムには奥穂高から1時間ぐらいで行けるかなと思っていましたが、これも甘い考えで1時間15分掛かっていました。
ジャンダルム頂上でも30分ほど滞在したため遅れがさらに増加。
でも大展望を思う存分堪能したのでまぁ仕方ないか。
ジャンダルムを過ぎるとガスが掛かってきたこともあり、西穂高に向かってひたすらアップダウンを繰り返した記憶だけが残ります。
クサリ場はあってもハシゴはなかったように思います。
一般ルートで現れる岩場と違っているのは、○や→のマークが少なく、自分でホールド・スタンスを見つける必要があること、岩の状況を見て自分で進路を決める必要があることです。
西穂まで来ると一般コーストなりホッとしましたが、ここから西穂山荘までのルートは小さなアップダウンが数多くあり、疲れた身体には結構ハードでした。西穂から小屋までのコースはガスで眺めがなかったこともあり、あまり魅力のあるコースとは感じませんでした。
今回は下りコースとして西穂を縦走しました。この場合、ジャンダルムまでは魅力のある目標があり飽きることはありませんが、その先はただただ上り下りを繰り返すだけで、さほど面白みがありません。コースが長いこともあって、西穂縦走は一度経験すれば、もういいかなという感じです。
逆コース(西穂→奥穂)の場合は核心部が後半にあるので、よりきつい山行になると思います。体力のある方向きですね。
途中にはイワギキョウなどの高山植物が咲いている場所もありましたが、
1枚も花を撮影しませんでした。それだけ余裕がなかったといえます。
道中、こんなルート、一度だけでいいわと思っていましたが、これを書いている今は、ジャンダルムをもう一度登ってみたいと感じています。
その時はもっと余裕を持って撮影できるかな。
いずれにしろ、それなりの技術/体力を要求されるルートを踏破出来たことで、今は満足感にひたっています。
(補足)三日目
田代橋まで2時間半のコースを1時間40分で下っただけなので特に感想ありません。
なお、西穂山荘の朝食は予定(5時)より30分遅れでした。急いでいる様子やお詫びのひとこともなかったことから、常態化してるのかもしれませんが、朝食時間は守って欲しいですね。
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