白峰三山縦走 〜北岳・間ノ岳・農鳥岳〜
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 22.3km
- 登り
- 2,397m
- 下り
- 3,083m
コースタイム
- 山行
- 6:50
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 7:00
- 山行
- 8:25
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:35
天候 | 8/25(金);曇り時々雨 8/26(土);霧時々雨のち曇り 8/27(日);曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2017年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
帰り)奈良田駐車場へ下山 |
その他周辺情報 | 奈良田の里温泉550円 |
写真
感想
今年の夏山シーズンのラスボスは白峰(しらね)三山縦走〜3000mのスカイライン〜。何と言っても富士山に次ぐ日本第二位の北岳。そして奥穂に追いついて第三位になった間ノ岳、更に続く3000m峰の農鳥岳。南アルプスのメインといえる三山縦走はやはり一度はやってみたい。
<1日目>
東京を4時頃出て奈良田駐車場に予定より1時間ほど早く到着、さすが平日。第1駐車場は既に満車でしたが広大な第2は余裕です。ここから広河原まではマイカー規制がしかれているので皆ここで乗り換えです。平日はバス2本のみで実質8時半のバスしかないのですが、駐車場の人が少ないため始発でないとはいえ絶対座れるだろうと、始発場所の第1Pまで下りずにいたら甘かった、来たバスの座席は1つしか空いておらずここから乗る人はほぼ全員立ちでした。その後の約50分バス乗車を考えたら一駅下りた方が絶対お得です。
広河原のインフォメーションセンターでトイレをすませいざ出発。平日とはいえ登山者結構おりました。最初のうちは列ができてましたが徐々にばらけ。我々は大樺沢コースに道を取ります。沢沿いはお花畑。危険地帯はないのですが登りが実にキツかったです。勿論標高2位の山に登るのですからそれなりに覚悟はしてましたが、特に二股を過ぎて八本歯のコルに乗り上げる登りはしんどかったです。足が重くてノロノロ、休憩で少し回復したと思いきや歩き始めるとまたすぐ足取り重くなるの繰り返し。取り敢えず一歩一歩、徐々に高度を上げていきます。北岳山荘へのトラバース分岐では疲れきってて北岳山頂やめて山荘に向かいたい気持ちが奥底で沸きましたが、ここまで来て山頂を踏まないなんて後から絶対に後悔すること間違いない!と心を奮い立たせて山頂方面へ向かいました。吊尾根分岐でザックデポ。ところが段々天候が悪くなり景色も見えなくなってきました。分岐から山頂までは30分弱なのですが、標高既に3000を越し、空気が薄いのを実感、足も重く呼吸も浅く、一歩がゆっくりに。腹式呼吸で深く深呼吸しながら山頂を目指します。そしてついに登頂、北岳3193m!嬉しさがこみ上げます。ガスで全く見えませんが登頂できた喜びと、もうこれ以上登らなくていいという嬉しさが勝りました。
本日の宿泊は北岳山荘。ここからの富士山の眺めは最高でした。日本1.2.3位の山が一度に見られるのです。さっきまでのガスはどこへやら、晴れてくれました。夕陽に照らされた山頂付近はまるで冠雪しているように見えきれいでした。
この日ヘリでの荷揚げが1か月弱振りに行われたとかで小屋の食糧が枯渇状態だった様子(ヘリ当日は仕分けや準備マダ)。夕食がカレーのみですみませんということで、通常1泊2食で8700円の所を8000円で宿泊できました。良心的です。通常はどんな食事なのか気になります。それにしても疲れた!
因みに事前調査で北岳山荘の近くにクマが出没したという情報を得、クマ鈴完備、多少びくびくしてました。こんな標高高い場所に熊さんいるんだ?ドングリとかないのにな。
<2日目>
応援虚しく太平洋高気圧が頑張れず、前線が南下は直前の予報通り。外はガスで真っ白、風のうなり声も聞こえます。はぁ。三山縦走計画だった人たちがどれくらいいたかはわかりませんが、話を聞いただけでも結構な登山者がこの天候で縦走は断念し下山したのでは。我々も迷いましたが、とりあえず間ノ岳までは登って考えようと計画より遅く出発。歩き始めると予想以上の強風、そして段々雨も降ってきて横殴りに吹き付けます。登山者も少なく、ガスで先が見えないので道もちょっと不安に。当然カメラもしまいこみ写真どころではありません。間ノ岳到着、ひとすくな!ここから北岳、稜線、見たかったー。当然何も見えずです。さてここからどうするか。戻るか、進むか。進むという2人組がおり少し勇気をもらい我々も進むことにしました。というか、この天気でまた北岳山荘に戻り更にあの急坂を下山するという方が自分にとっては厳しい気持ちが強かったです。
しかし更に強まる3000m上での暴風雨、足を踏ん張らないといけないくらいの強さもあり、もうほんとにやだーーーと思いましたよ。何で私登ってるんだろうとか(笑)。全然楽しくないしやめたい!とか。でもとりあえず歩くしかないのでやだやだやだと思いながら進みます。最悪、農鳥小屋で宿泊もよぎります。農鳥小屋は有名な小屋番のおじさんが。挨拶をしたら早速髪の毛を濡らすな(特に女性は)と注意を受けましたが、雨と汗で濡れるなという方が無理なような。それでも、間ノ岳からの道中に記された沢山のマーキングを見て、おじさんの安全登山への思いを感じました。小屋には甲斐犬が3匹いました。
農鳥小屋から先も行けると判断。目的地の大門沢小屋を目指します。出発して暫くは相変わらずの暴風雨に心が折れそう(折れてた‥)になりましたが、下を見ると何だかガスが晴れてきている?!西農鳥ではまだでしたが、農鳥岳に着く頃には天候が明らかに回復!3000mの稜線が一望!黒々とした塩見岳がその姿を現します。良かった、来た甲斐がありました!
下降点までは気持ちの良い稜線歩きを堪能できました。素晴らしい景色でした。下降点からは打って変わって木々の生い茂る中を下ります。大門沢ルートは急坂で有名だそうで、かなりの下りでした。思った以上に小屋まで遠く、足に来ました。ヘトヘトで大門沢小屋に到着。なかなかすごい設備の小屋でした。農鳥小屋といい、南アルプスってこんな感じなのかな。北アルプスの小奇麗な小屋に多く泊まってる自分にとっては驚きでした。寝るところも土間って感じでびっくりしました。しかし疲れもあり爆睡。zzz。無事でよかった〜。
<3日目>
大門沢小屋を最後に出発、3時間半弱で下山。道は所々歩きづらく、危ないとこもありましたが初日と2日目に比べれば軽く感じました。けどかなり急で、こっちからの登りはちょときついかな。本日の核心部は、発電所手前に落ちていてこの日の昼に撤去予定というスズメバチの巣。小屋の人から注意を受け、下から登ってくる人から情報を得、恐る恐る通ったのでした。クマの次はハチですかと。
今回の山行は今までで一番キツかったと言っても過言ではないかも。もう山はいいかな・・とか思ってしまいました。少なくとも登っている最中はそんなことを考えていました。北岳への登りはほんとにバテたし、2日目の暴風雨にはメゲました。でもいま振り返ると、タフで思い出に残る、結果として楽しかったなと!あんな思いをしたのにのど元過ぎれば熱さを忘れるというか、山ってこわい‥。とにかく無事に三山縦走できほんとに良かったな〜と満足感と余韻に浸るのでした。
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