仙塩尾根から雪投沢・池ノ沢経由白峰三山
- GPS
- 60:13
- 距離
- 62.7km
- 登り
- 6,385m
- 下り
- 6,272m
コースタイム
8/5(日):松峰小屋437―445松峰小屋分岐452―533休(Co2220m)539―606地蔵岳東側コル―648休(Co2420m)656―丸山谷の頭東側肩703―752休(Co2560m)802―929馬ノ背分岐―948仙丈ヶ岳1001―1032大仙丈ヶ岳1038―1114休(Co2760m)1125―1215苳ノ平手前お花畑(Co2570m)1225―1302伊那荒倉岳―1309高望池1329―1407岩峰2499m1417―1455横川岳1513―1534野呂川越1544―1620両俣小屋(幕営)
8/6(月):両俣小屋550―659野呂川越713―717三角点(2315.0m)―802休(Co2460m)―817小ピーク(2488m)―900休(Co2580m)910―935小ピーク(2699m)―1000休(Co2750m)1010―1056休(Co2940m)1107―1115三峰岳直下分岐(⇔1156間ノ岳1209)1242―1246三峰岳1258―1340三国平1350―1412井川越―1419熊ノ平小屋(幕営)
8/7(火):熊ノ平小屋520―600安倍荒倉岳602―645竜尾見晴653―711巻道途中(⇔717新蛇抜山723)727―755コル(2542m)810―855北荒川岳902―910北荒川岳キャンプ場跡―955雪投沢分岐1000―1031北俣岳分岐―1100塩見岳(東峰⇔西峰)1120―1135北俣岳分岐―1208雪投沢分岐1218―1300休(Co2460m)1310―1340休(Co2350m)1350―1423休(Co2230m)1430―1450休(Co2140m)1456―1518休(Co2050m)1525―1551大井川(渡渉)1600―1605池ノ沢小屋付近の大井川河原(幕営)
8/8(水):停滞(休養日)
8/9(木):大井川河原(池ノ沢小屋付近)520―602休(Co2020m)608―652休(Co2140m)658―725休(Co2210m)731―748休(Co2260m)754―818池ノ沢池842―911最後の水場(Co2420m)945―1023休(Co2540m)1029―1056休(Co2650m)1102―1129池ノ沢源頭・白峰南嶺稜線1137―1219広河内岳1242―1305広河内岳南二重山稜の平地(2802m脇)(幕営)
8/10(金):広河内岳南二重山稜(2802m脇)536―606広河内岳613―645大門沢下降点652―749農鳥岳801―843西農鳥岳850―938農鳥小屋945―1000三国平分岐―1040休(Co2980m)1054―1132間ノ岳1205―1302中白根山1310―1335北岳山荘(幕営)
8/11(土):北岳山荘543―600八本歯のコル(水平道)分岐―639八本歯のコル分岐(⇔659北岳720)738―752北岳山荘(水平道)分岐――812八本歯のコル(広河原分岐)―828八本歯の頭―935ボーコン沢の頭953―1100城峰―稜線から離れる1106―1134池山御池小屋1135―1138池山御池畔(道標)1153―1251休(Co1640m)1303―1336あるき沢橋1413=1450奈良田1620=1729下部温泉1804〓1911甲府1944〓2033大月2049〓2215中野
天候 | 8/4(土):晴れ 8/5(日):晴れ 8/6(月):雨のち曇り 8/7(火):晴れ 8/8(水):晴れ 8/9(木):晴れ 8/10(金):曇り 8/11(土):曇り時々晴れのち一時雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス タクシー
下山:「あるき沢橋」バス停が奈良田〜広河原間のバス路線上にある。奈良田まで運賃800円(100円の協力金を含む)。奈良田からは身延行きの定期バスがあり、下部温泉駅でJRに乗換えることができる。下部温泉まで運賃1,000円(荷物代200円含む)。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
(1)地蔵尾根(柏木集落〜仙丈ヶ岳):林道と4回ほど交差するところが分かりにくい。その先は、しっかりした登山道となり、樹林帯は南アルプスならではの苔の雰囲気が楽しめる。松峰小屋は登山道から南へ数分下った斜面にあり、しっかりしている(エアリアルマップでは「少し荒れている」と表現されているが、ドアも閉まる)。水場も小屋下の沢筋を数分下ると流水が得られる。その先、仙丈ヶ岳までも歩きやすい登山道。馬ノ背分岐からは一気に人が増える。 (2) 仙塩尾根:特に危険個所はなし。高望池は涸れていて荒れた印象(鹿のヌタ場状態)。 (3) 雪投沢:かつて道はあったのかも知れないが見当たらなかった。沢筋を下ったが、一部は荒れた(大きな流木など)印象。滝場やへつりなどの難所はなし。原始的な雰囲気をとどめていて、北海道の沢を歩いているような感覚。 (4) 池ノ沢:下の方は荒れた沢筋だが、池に近くなると良い雰囲気になってくる。右岸に廃道化しつつある道がある。特に標高2000m付近から池ノ沢池までは比較的明瞭。ところどころは高巻きに近いイメージで沢筋から離れている。足回りを準備して、沢筋を沢登りした方が楽しいかもしれない。池から先はほぼ沢筋を辿る。水は標高2420m付近(左岸から支流が入る)で無くなる。その後は、ハイマツ混じりのガレを登り、最後はお花畑に出て、白峰南嶺の稜線に緩やかに達する。 (5) 池山吊尾根:八本歯の頭まではとても明瞭。この先、ボーコン沢の頭までは、尾根が広い上、ところどころ踏み跡が輻輳しているので、霧の日は要注意。その先は想像以上にしっかりした良い道。夏にももっともっと利用されてしかるべきルート。白峰三山、鳳凰三山〜早川尾根〜甲斐駒などの中心にあって、とにかく展望が素晴らしい。 |
写真
感想
・2012年の夏休みは週末から週末までの9日間を自由に使えることになり、良い作品(=山行)を作ろうと、計画段階からエンジョイ。2009年夏( http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-106395.html )に雨と日程不足で最後に断念した雪投(ゆきなで)沢〜池ノ沢ルートをベースにする。となると塩見岳に入る必要があるが、であれば、仙塩尾根をその名の通り仙丈ヶ岳から塩見岳まで縦走することにして、これが前半。後半は、月並みではあるが、南アルプス北部のハイライトコース、白峰三山を北に縦走することに。また、入山は地蔵尾根を、そして、下山は池山吊尾根をとることで、アクセントをつけてみました。
・ところで、昭和48年に山と渓谷社から発行された「アルパインガイド30 南アルプス」が私の南アルプスへの指南書でした。著者は白籏史朗氏です。この中でコース(44)に「池ノ沢と雪投沢」がありまして、最初に読んだ時から強烈な印象を受けました。「いったん稜線から谷底まで下って、またそれを登り返す・・・(中略)・・・展望も沢に入ってしまえば失われるから、まったく何を好きこのんで、といわれそうだが、そのひと気のなさが、南アルプス通によろこばれるのか、昔から有名なコースである」と紹介されています。農鳥岳のところでは、「相変わらずの展望であるが、そのたびごとに感激するのも不思議なことだ」とあり、池ノ沢の池については、「以前よりは埋まったとはいえ周囲のムードにマッチした静寂は、何か妖精でも棲んでいそうな感じさえする」、また、大井川については、「飛び出た大井川の河原は、大きくひろがって、さすが天下に名だたる大井川だ、と妙なところに感心する」云々。
・計画段階では、さらに両俣小屋から野呂川左俣経由での北岳のピストンも含めていましたが、これは結果的に雨の日だったので割愛して、宿題にとっておきました。また、雪投沢を下っているときに、左ひざに違和感を覚えたので、中間ポイントである大井川河原(池ノ沢小屋付近)で連泊(停滞)し、休養日を一日入れました。ですので、雪投沢下降から先のコースタイムは、前半に比べると、1〜2割くらいゆっくり目になっていると思います。白峰南嶺の稜線に出たところは、2007年夏( http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-98659.html )で目をつけていたところでして、お気に入りの天空の楽園。
・夏山シーズンまっさかりなので、メインルート(銀座)には人が大勢いましたが、中高年パーティばかりでなく、大学生や高校生のパーティもみかけることができたのは、頼もしくて嬉しい気がしました。また、お花畑の美しさは、とても筆舌に尽くせません。写真もたくさん撮りましたが、もちろんごく一部のみを掲載しました。
・停滞している日(大井川河原)に、外国人2人組みが北岳から南下してきて、大井川をゴムボートで下るつもりが、穴が開いてしまった、とぼやきつつも楽しそうにしていました。ザックにくくりつけた大きめのオールが楽しかったぁ。
・続いて、川崎在住とかの男性単独行者がやってきて、近くに幕営されたので、少しお話を伺いました。昨夏以来、大井川源流部をくまなく歩くことをされているそうで、この日は熊ノ平から発する乗越沢を上からピストンした後、新蛇抜山からの尾根筋の廃道を辿って来たとのこと。明日、雪投沢、明後日に池ノ沢をピストンした後、白根沢から広河内岳に抜けて今夏は締めくくるそうでした。
・また、時間は前後しますが、熊ノ平に泊まった日に、フランス人の単独行者(まだ若そうなお兄さん)ともお話しました。3週間日本に滞在するそうで、1週間が東京観光、1週間が京都でビジネス、残り1週間を使って山に登るということで、まずは富士山、次に北岳〜間ノ岳〜塩見岳、とのこと。じゃぁ、つぎは標高第3位の穂高も登らないと、と水を向けると、今回は時間切れなので次回に、ということです。フランスこそ良いアルプスがあるじゃない、というと、この夏もモンブランに登ってきた、って乗りで、なかなかの行動派ですね。
・北岳山頂には、お地蔵さんもあるのですが、その写真をとっているときに、「北岳 200回 塩沢」と記載された標識があるのに何気なくも気付きました。するとその数分後に、山頂にきたある男性が「北岳山頂のみなさん、これから大声を出しますがどうかお許しください」と前置きしたあと、さらに「私、塩沢、北岳登頂198回目です」と高らかに宣言されたのです。これをきっかけに、山頂にいた何人かの人とその方は談笑されていましたが、わたしも少し会話をしました。神奈川県藤沢市に在住の方だそうでして、200回目になったら、例の看板に『祝』の字を追加するつもりなのだ、などなど。
・ロンドン五輪もこの夏ならではの大イベントでした。映像はお預けでしたが、ラジオでそれなりに楽しみました: 女子卓球団体、女子バレー、なでしこ(女子サッカー)、女子レスリング、男子サッカー、などなど、彼の地で大いに活躍してくれたようで、私も力を貰って最後まで歩き通しました。
(おまけ)写真にところどころで登場する「ミニトマト」ですが、その由来(?)については、2009年夏の記録( http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-106395.html )をご参照ください(笑)。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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池ノ沢出合でお会いした川崎在住の者です。
いやぁ。
記録を拝見すると長い縦走だったんですね。
それだけ長い縦走はしたことがないので羨ましいです。
あの日は結局、雪投沢をピストンした後、
荷物を担いで池ノ沢池まで上がりました。
池ノ沢池での幕営をかなり楽しみにしていましたので。
その時、上にいらしたんですね〜。
ちょっとお話した去年の東俣の記録です。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-128524.html
ヤマレコはバックアップ的にしかやっていないので
雑な記録ですが良かったら見てみて下さい〜。
では、またどこかで。
koujouchouさん、コメントありがとうございました。
そちらの記録、そして、素晴らしいブログの方も拝見させて頂きました。ブログには、山仲間らしい方たちからのコメントが多数寄せられているし、充実しているようですね、パチパチ・・・
私の方は子育ても卒業してしまっているので、家族(家内)サービスのためにも、なるべく長い山行が良いとされている環境です
それではまたお会いする日まで、腰をお大事に〜
はじめまして
素晴らしいコースに感じ入りました。不便だけれど古風で趣のある、登山が始まった当時の地形的に必然のある線をつなげてらっしゃいます。
まことに大切な登り方だと思いました。
池山吊尾根は小生も大好きです。
jinzaemonさん、コメント(過分なメッセージ)ありがとうございました。
地蔵尾根も池山吊尾根コースも初めて歩きました。本格的な冬山はできませんが、一度、ボーコン沢の頭あたりから、雪化粧の北岳を見てみたいです。
ひとつひとつの山行を大事にし始めたのは、まだつい数年前からのことです。そうしてみると、ルート選びや宿泊地などについてもあれやこれやと計画段階からとても楽しみが増えた感じがしています。
私がまだ出来ていないのは、山をみて、その骨格を読み取ることです。なんでも、山の骨格が読み取れるようになると、その山のことがもっともっと身近になるようなことを聞いた覚えがあります。
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