青木鉱泉〜地蔵岳〜北岳〜間ノ岳〜農鳥岳〜奈良田温泉(57代錬成合宿)
- GPS
- 99:23
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 4,129m
- 下り
- 4,406m
コースタイム
6/11 4:55鳳凰小屋−6:02地蔵ヶ岳−7:33高嶺−8:45白鳳峠−12:42広河原(C2)
6/12 4:50広河原−7:20白根御池小屋−12:03肩ノ小屋−13:23北岳−15:24北岳山荘(C3)
6/13 6:03北岳山荘−7:51間ノ岳−11:14農鳥岳−13:40大門沢下降点−18:26大門沢小屋(C4)
6/14 8:11大門沢小屋−11:39奈良田温泉
天候 | 6/10 曇、6/11 雨、6/12 晴のち曇、6/13 曇、6/14 晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2006年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
北岳登りの草スベリと、農鳥岳から大門沢へは残雪多し。 |
写真
感想
6月9日 新宿駅=穴山駅
20:30に新宿駅10番線の最後尾集合。最近新宿駅の工事が終わったため、例年のこれから始まる錬成合宿を象徴するようなどんよりした場所では無く、明るい感じのホームになっている。
見送りには沢山のOBの方が来てくださった。沢山の差入れ、本当にありがとうございます。そして後発隊の面々も何人か手土産を持って応援に駆けつけてくれた。毎年錬成の出発は帰宅ラッシュの超満員の中央線に乗り込んで顰蹙を買うのだが、今回は比較的遅いので、それほどでもなく乗車できた。高尾で乗り換え、差入れのビールやミスドのドーナツを食べながら、日付が変わるころに穴山駅着。C0は快適なこの駅でステビする。
6月10日 穴山駅=青木鉱泉−南精進ヶ滝−五色ヶ滝−鳳凰小屋
6:00起床。天気はピーカンで、鳳凰、甲斐駒、八ヶ岳の展望が素晴らしい。穴山駅はツバメが巣を張っており、頭上を引っ切り無しに飛び回っていた。新人に体調を聞くと、酒井がすでにこの時点で足が痛いとの事。天気とは裏腹に、先行きに暗雲が立ち込める気分である。
6:40に予約していたジャンボタクシーに乗り込むが、砂利でパンクしていたらしく、まずはガソリンスタンドへ直行。速攻で修理してもらい、気を取り直して青木鉱泉へ向かう。山々の新緑や、田植えを終えたばかりの青々とした田んぼが、初夏の香りを感じさせる。そして南東に浮かぶ巨大な富士山の姿。林道では猿に出会ったりしながら、7:40青木鉱泉に到着。
出発準備をして8:16に行動開始。今回はビデオ撮影も行うということで、SLがしっかりと録画している。ドンドコ沢沿いに登山道を進み、最初の一本はまずまずのペース。しかし、二本目で大山が木に膝をぶつけ、さらにこの後も重い荷物を背負っての馴れない行動で、見事にハマる。
南精進ヶ滝への分岐では、滝を見に荷物を置いてピストン。想像していたよりも迫力がある滝だった。水飛沫がひんやりと気持ちいい。ここから次の白糸ノ滝までは一気に斜度が増してキツくなるのだが、ここでまさかの根性一本。白糸ノ滝に到着するまで、新人は半分意識が飛んでいるような状態だった。
ようやく白糸ノ滝で一本取り、差入れのトマトジュースを出して飲む。白糸ノ滝を見に行こうと誘ってみても、新人は誰も反応してくれない。横で単独行のおじさんがオカリで「北の国から」を吹いていたのが印象的。
続いて現れる五色ヶ滝は、分岐点に荷物を置いてピストン。ドンドコ沢沿いにある四つの滝のうち、この滝が最も見に行く価値があるだろう。段差になった岩盤上を一気に水が流れ落ち、かなりのインパクトである。差入れを飲みながら、ゆっくり休憩。十分満喫したところで最後の登りへと歩を進める。ようやく登りが終わりかけたところで、遂に花崗岩の岩塔「オベリスク」がその雄姿を現す。何度見ても自然にできたとは思えないような不思議な形状である。
15:37鳳凰小屋着。予想よりも時間がかかってしまった。すぐにテント設営を行い、食当準備。隣にいた山の会の人に山菜の「こごみ」を頂いたので、ありがたく今夜のすきやきの具に入れる。その後、T.P.で細かい反省をして、20:30就寝。
6月11日 鳳凰小屋−地蔵ヶ岳−白鳳峠−広河原
3:00起床。天気は錬成らしさを演出する冷たい雨。撤収で新人が時間をオーバーしたので叱る。4:55鳳凰小屋を出発する。地蔵ヶ岳までの登山道は、少しだけ残雪が残っている。樹林帯を抜けると、歩きにくい砂地の斜面に変わり、オベリスクが眼前に迫ってくる。昨日の疲れが溜まっているのか、新人がさっそく一本目の登りでドハマリ。本気で辛そうな様子だが、残念ながらこれは錬成の名を冠する合宿。降りしきる雨と共に、上級生の容赦ない罵倒が後ろから飛ぶ。これぞ、まさに雨とムチ。そして賽の河原に反応したのか、新人穂高が十八番の陰陽座の面妖な歌を熱唱。「たわけ者ども」というフレーズをひたすらシャウトして頑張る。同期の暖かい声援もあり、6:02遠くにガスの切れ間が見えるころ、なんとかオベリスクの基部に到着。相変わらずの天気で、新人はあまり地蔵ヶ岳山頂に到着したことを喜ぶ余裕もなさそうだ。
賽の河原を通過して、赤抜沢ノ頭へ出る。顕著な分岐点だが、新人は意外と読図できていない様子。しっかりと確認して高嶺へと向かう。途中でガスが少し晴れてきて、ようやく景色を楽しむ余裕もでてくる。
7:33高嶺に到着。伝統的な鳳凰・白峰パターンの錬成合宿では、この場所で新人は眼前に聳え立つ白峰三山の姿に、絶望の淵へと突き落されるらしいが、ガスっていて見えないので無駄な感情が芽生えなくて良いかもしれない。ガスの切れ間からは結構な量の残雪が見えており、明日からの行程が心配される。
白鳳峠からは左折し、一気に広河原へ下る。皆疲れ気味だったので、パイン缶とじゃこの差入れで元気付ける。最初の方は氷河期の氷結粉砕作用で形成された顕著なゴーロ帯を下り、その後は樹林帯の急坂をひたすら下る。中間地点ではハシゴの連続する道が続き、後半は悪路が続いた。途中から野呂川の姿がちらちらと見えだすが、なかなか辿り着かない。ひたすら歌を歌って盛り上げながら、正午をまわる頃にようやく林道に降り立つ。
この日の予定では、ここから白根御池小屋まで行くはずだったが、このペースだと間違いなく16時までに到着できない。加えて新人の様子を見ていると足がガクガクで、林道を歩くのすら精一杯の様子である。よって本日は広河原で行動を打ち切ることにする。広河原山荘ではありがたい事に作業員小屋に泊めてくださることを許可してくれたので、今晩はここで寝ることにする。ささやかな御礼として小屋の掃除を行い、20:30就寝。
6月12日 広河原−白根御池小屋−肩ノ小屋−北岳−北岳山荘
3:00起床。と思ったら起床係が見事に寝過ごしたので、起床の点呼替わりに怒鳴りつける。再び小屋の掃除をして4:50出発。天気は昨日と打って変わって晴れやかだ。計画段階では大樺沢を登ることにしていたのだが、出発直前の情報収集で雪崩が危険だと指摘されたので、尾根上を登るコースに変更。
昨日ゆっくりと小屋で休んだおかげか、新人のペースも悪くない。酒井に至っては、「楽勝ですね、もっとペースを上げましょうよ」とトップを急かしてくる始末。しかし、彼は上級生のSスイッチを押してしまったことに気付いていない。一本中に、嬉々として「俺帰ったら、錬成合宿余裕だったって言ってやります」と喋っていたのが運の尽き。おもむろに交信用のシーバーを取り出す上級生。
L「余裕そうな人がいるみたいなんで、ここからは分隊してもらいます」
新人「分隊って他の人より先に行って休んでても良いんですか?」
L「勿論いいよ」
新人「やった!」
L「じゃあさっそく逝こうか♪」
-----------(以下、自主規制)-----------
こうして今年も、新人は無事自分の限界を超えたのであった。
7:20白根御池小屋着。追い込みの直後なので、新人はもれなく死んでいる。小屋の人の話によると、草スベリ上部では残雪が残っているとのことなので、ロングスパッツとサングラスを全員に着用させる。
ここからは500mの急登をひたすら登り詰めて行く。案の定最後の100mアップで大きな雪渓が出てきたので、休憩でタッパ飯を食べるついでにアイゼン・ピッケルを着用させる。天気もさらに良くなり、これまでガスに隠れていた北岳が、遂にバットレス有する豪快な山容を我々の目の前に現す。
比較的安全な斜面なので、ザイルを使う必要はないと判断したものの、それなりにスリルのある雪渓上を登っていく。それにしても、今年は新人も含めて雪上訓練をしておいて良かった。そうでなければ上級生がザイルを何度もまわして、ここだけで数時間を要して登る羽目になっただろう。
暑い日差しの下で、冷や汗を滲ませながら登り、11:00頃遂に小太郎尾根分岐の稜線上に飛び出す。視界に飛び込む、カールを有する優しげな仙丈、そして精悍でピラミダルな甲斐駒の雄姿!「すげー!!」という歓声と共に、思わず安堵の溜息が漏れる。鋸岳・鳳凰三山・八本歯、そして北岳バットレスと、見渡す限り最高の展望だ。
肩ノ小屋には正午頃に到着。今日はここで泊まる予定だったが、明日以降のことも考えて、もう二本分先の北岳山荘に向かうことにする。小屋には数名の人が入っており、不思議な歯ごたえのする素敵なお菓子を分けてくださった。
最後の登りを期待に胸を膨らませながら進み、13:23遂に日本国内第二位の標高を誇る甲斐の白峰『北岳』に到着!雲は多いものの、360°の大パノラマが広がり、大満足の山頂。ザックを下ろして、倒れこむように横たわる新人達。みんな本当によく頑張った!!ここで、いよいよスイカの代替品であるジューシーなパイナップルが登場。ナイフで切り分けておいしく頂く。
14:00山頂発。お花畑で有名なトラバースルートは、この時期は残雪で閉鎖されている。だんだん風が強くなり、強風の中を飛ばされないようにしながら慎重に進む。道中で一箇所だけ、世界でここだけにしか咲いていないというキタダケソウの姿を拝むことができた。今年は残雪の量も例年に比べてかなり多く、花を鑑賞したいならもう少し後の方が適期のようだ。
15:24強風でふら付きながら、北岳山荘に到着。テント代を払いに行ったら、冬季小屋に泊めてもらえることになった。東向きの窓があり、櫛形山や鳳凰山などが見える景色の良い部屋である。本当にありがとうございます。ただ、テント幕営の練習ができないのが、若干の問題ではあるが・・・。
北岳山荘の人は皆優しく、その後もいろいろ良くしていただいた。水を8L 分けてもらい、夜には「ワールドカップのオーストラリア戦を見に来ない?」とまで言われたが、明日も早いので、さすがにそれはお断りさせてもらい、21:00 就寝。
6月13日 北岳山荘−間ノ岳−農鳥岳−大門沢下降点−広河内出合−大門沢小屋
4:00起床。部屋を掃除して、お世話になった小屋の人に感謝の意を述べる。穂高が若干風邪気味というので薬を服用させ、6:03北岳山荘発。今日も天気は曇りベースだが、それなりに展望はある。東南の雲海上には、富士山が浮かんでいる。
良い感じのペースで進み、二本の行動で間ノ岳山頂。酒井が「意外と地味な山ですね」なんて言っているが、舐めてはいけない。今でさえ標高四番目の山だが、最終氷期には日本最高峰だったのではないかとも推定されている山なのである。ここでの差入れは、またしてもパイン缶。新人が錬成合宿はパイナップルのイメージが付きそうだと、もっともな感想を漏らしている。
ここからは一度下って農鳥小屋を経由し、また農鳥岳へ向かって登る。手前に見える農鳥岳の厳しい山容が厳つい。農鳥小屋は今の時期は無人であり、そのまま素通り。ここからはまた急登が始まり、息を上げながら頑張って登る。途中で毛の生え変わりかけている雷鳥達が、低い声で鳴きながら飛んでいる。無邪気なイワヒバリ達は、群れを成して飛び回っていて可愛らしい。農鳥岳の手前には西農鳥岳があり、こちらは農鳥岳よりも標高が僅かに高い。この付近に来ると、いままで見えていた南アルプス北部の仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山らと入れ替わり、中南部の塩見岳、赤石岳、荒川三山などが見渡せるようになる。農鳥岳は台形状の尾根のほぼ真ん中に位置しており、顕著なピークという訳ではない。
そして遂に、白峰三山最後の一つ、農鳥岳が眼前に迫る。「この空の色は何色だー!」 「紺碧でーす!!」 とお馴染みのやり取りから、紺碧の空へ。十サイクル程繰り返し、11:14農鳥岳山頂着。新人は感動する余裕がないほど、お疲れ気味のようだ。「ご飯ですよ」をおかずにタッパ飯を喰らう。ここでの差入れは夏ミカンゼリーと、残雪風味のレモン味カキ氷。(トイレ後にさりげなく渡すのがポイント)
11:35式典開始。北東側はガスってしまったので、塩見岳に向かって校歌を歌う。いつも通りエールを送った後は、鳳凰三山へ向き直り、今日入山している後発隊へ向けて励ましのエールを贈った。
11:54農鳥岳発。この調子だと16 時の天気図前には大門沢小屋に着けるかなと考えていたのだが、考えが甘かった。山頂直下でいきなり雪渓の斜面が広がり、この先も幾つか点在しているのが伺える。全員ハーネスを装着させ、アイゼン・ピッケル・シュリンゲ・カラビナの用意。最初の雪渓は斜面こそ急なものの、すぐ下にハイマツ帯が広がり、最悪そこで止まるため、ザイルを使わず通過することにする。雪自体は腐っていてそこまで危険ではないが、逆に崩れやすくなっており、大山が一度滑落しかける。一瞬冷や汗をかいたものの、すぐに滑落停止姿勢で止まり、体勢を立て直す。終始緊張を強いられながらも、無事に通過することができた。
その先も尾根から下降する地点で、再び雪渓が広がり、右側の正規ではない仮の登山道のある尾根上を進んで巻いていく。稜線上に広がる凹状地形は、さながら雲上庭園の様相だ。途中で仮の登山道に見切りを付け、ガレた岩場上を強引に進んで正規の登山上へ戻る。結局コースタイムを一時間ほどオーバーして、13:40ようやく大門沢下降点の鐘のついた黄色い鉄塔へ到着した。
ここから先も、幾つか雪渓が点在する。まずはトラバース斜面の雪渓。ザイルを使って安全に通過するが、かなりの時間を費やしてしまう。続いて沢上地形にべっとりと残った雪渓。斜面自体は急だが、雪質は腐っており、下方に安全地帯が確認できたので、シリセードで一気に下る。途中スピードが出過ぎたら、滑落停止姿勢で一端止まり、あくまで安全に下る。そしてまたトラバース斜面に雪渓。この沢を落ちたら、あるいは一気に大門沢小屋まで行けるかもしれない。ここでようやく残雪の無い樹林帯の尾根上地形へ入り、アイピン道具を全て解除して、後は黙々とひたすら下る。
17:00前に広河内出合に到着。この付近はドコモの電波が入るようだ。ここら辺も結構デブり気味に残雪が残っており、再びアイピン歩行で通過。今まで比較的元気だった酒井も疲れからか無口になり、大山に至っては雪を見ただけで吐気を覚えるとまで言っている。
この先では二回沢の通過地点があるが、一ヶ所目の濡れた木橋で、大山が滑って落ちかける。また足を打ってしまったようで、かなり痛がっているので、ザックを下ろして休ませる。二ヶ所目の沢は、木橋も全て雪渓に覆われており、一瞬焦りを感じたが、特に崩壊の危険性もなく、普通に歩いて渡ることができた。
そんなこんなで、18:26ようやく大門沢小屋到着。まだ日が明るいうちに到着することができて良かった。新人もバテバテだが、時間も無いのですぐにテントを張り食当開始。晩御飯のカレーは美味しかったが、差入れのタバスコを入れすぎて若干名ハマっていた。
今晩はいよいよ最終夜。と言うことで、今までザックの奥に封印してきた差し入れ達を解き放つが、三人共微妙に酒肴の趣向が被っているのが痛い。鳴海は夏・春合宿に続き、またしても3Lのビール缶を所持しており、インパクトは大。Lの南アルプスの黄色い天然水は、誰も手をつけようとしてくれない。それにしても、今年の新人は向上心があって非常に頼もしい。このメンバーで錬成合宿を遣り通すことができて、まさにリーダー冥利に尽きるというものだ。
6月14日 大門沢小屋−奈良田=身延駅
6:30起床。前日の飲みの疲れを感じさせない行動で、素早くパッキングを済まし、8:11大門沢小屋発。天気も晴れわたり、夏を感じさせる清らかな川のせせらぎと、木漏れ日の落ちる森の雰囲気がとても心地よい。川を数回渡渉し、八丁坂の手前で一本。古い地図を使っている上級生は、登山道が違っていて多少混乱した。ここからはスリリングな吊橋を三つ渡り、計二本程度の行動で登山道の終着点へ。工事現場のおじさんが下山してきた我々を見て驚いている。
最後は林道を一時間程歩き奈良田温泉へ。オーダーフリーにすると鳴海と酒井がやたらスピードを上げて視界の彼方へ消えてしまった。途中で木いちごを発見して食べながら、11:39奈良田温泉着。分かってはいたが水曜は定休日。諦めてもう一時間先の西山温泉へ向かおうとしていたところで、七不思議の湯が開いていたので、ありがたくここに入浴することにする。この温泉のある白根館は熊や鹿の剥製が多く、厳しい山の中で逞しく生きてきた人達だと感じられる。言い伝えでは遥か昔、孝謙天皇がやって来て、八幡社に願掛けしたから温泉が湧いたそうだ。山深き里の女帝伝説だそうである。バス停で出会ったトラックの運ちゃんが、「今年の四月にヘリで白峰三山を見たら、異常な量の雪があったよ」と言っていた。やはり噂通り、例年よりもかなり積雪が多いようだ。六月中旬のこの時期にもなると、さすがにほとんどが融けて、急な斜面上にしか残ってはいないが。
そして錬成合宿の最後の締めと言えば、やはり例のアレ。昨晩の総括を奈良田湖に向かって叫ぶ。これを聞くと、ようやく錬成合宿も終わりだなという気分だ。三人ともしっかりとキメてくれたが、本人しか分らないネタを挟むのは自重してほしい。
その後はバスに乗り込み、身延駅へ。微妙な寂れ具合が、いかにも山梨県の登山起点に位置する町という感じだ。電車を一本見送りながら、駅前の定食屋でデザート付きの打ち上げ。Lにとって今回は最後の錬成であったが、有望な新人をメンバーに迎えて、有意義な錬成が行えて良かった。錬成のやり方には賛否両論あるだろうが、やはり自分は新人の時に経験した理不尽なほどハードな錬成というものに、ある種の価値観を感じている。幸い隊の新人は、鍛えるに相応しいポテンシャルを持っていたので、最後に良い錬成ができたなと、心から実感することができた。活動のバトンは、また次の人間へと渡されていくのである。そうして夕闇が静かに迫る頃、心地よい疲れに包まれながら身延線のワンマン電車に乗り込み、無事に今年の錬成合宿も終わりを迎えるのであった。
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