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Yamareco

記録ID: 2299634
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
甲信越

毛石→青里→木六(矢筈届かず)

2020年04月11日(土) ~ 2020年04月13日(月)
 - 拍手
体力度
8
2~3泊以上が適当
GPS
56:31
距離
31.5km
登り
2,584m
下り
2,582m
歩くペース
ゆっくり
1.61.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:34
休憩
0:16
合計
6:50
9:37
194
毛石山登山口
12:51
13:07
200
16:27
848高地のちょっと下
2日目
山行
12:16
休憩
0:07
合計
12:23
4:34
270
848高地のちょっと下
9:04
9:06
71
10:17
10:22
379
16:41
16:41
16
16:57
青里岳の下1060米らへん
3日目
山行
12:52
休憩
0:54
合計
13:46
4:22
215
青里岳の下1060米らへん
7:57
8:05
112
9:57
10:03
95
11:38
11:52
70
13:02
13:02
115
14:57
15:03
49
15:52
15:52
86
17:18
17:38
30
18:08
毛石山登山口
天候 土曜曇り
日曜晴れ
月曜みぞれ混じりの強風→雨
全体として好条件だったと言える。
過去天気図(気象庁) 2020年04月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
毛石山登山口の路肩に停めて周回した。
コース状況/
危険箇所等
 小雪の年なのでGWぐらいのコンディションを予想していたが、上の方は雪山で籔漕ぎは無かった。しかし谷筋の雪渓は発達しておらずやっぱり小雪。遠目に見ると春山じゃなくて晩秋みたい。9日、10日とも少ないながら降雪があった模様。
 雪は全体的に踏み抜きが多く難儀した。心が疲れる。脚が着かない深さのものは4回ぐらい。単独で、身体が硬い人だとなかなか抜け出せないだろう。落ちた拍子に雪の下のブッシュにぶつけるので、脚が紫になった。
 ワカンは持たず、アイゼンは持っていたが未使用。アイゼン着けてたら踏み抜いた拍子に太腿を刺し貫く事故が5回ぐらい起きてたと思う。結果的に雪が硬くなることは無かったが、早朝時など必要になる可能性は捨てきれないので、持って行ったのは不正解ではなかろう。ワカンはあった方が良かったかもしれないが、中途半端に籔が現れるので難しいところ。

〜毛石山
 マイナーではあるがちゃんと刈り払われた一般登山道が通る。旧鉱山道であるらしい。トラバースが長く歩きやすい道ではない。なおこの鉱山道は毛石山から先、灰ヶ岳まで東斜面の中腹をずっとトラバースし続けていたようだが、今じゃ跡形も無いだろう。仕事でこんな山奥の道を歩いていたなんて昔の人は大変だ。

〜799高地らへん
 籔と雪が半々ぐらい。稜線の籔には人間クラスの大型獣が付けた踏み跡があるが、普段は四足獣が維持管理しているので、人間の背丈だと籔が顔に当たって痛い。なるべく雪を拾うが、籔を避けるあまり稜線から離れすぎ、復帰の為急斜面をラッセルして直上すること数回。疲れる。
 地形図だと851高地のあたりに顕著な二重稜線地形が見られるが、二重稜線はそれ以外にも多数。線状凹地に雪が溜まっているのでそこを歩くことが多かった(無雪期は踏み跡も凹地に降りている?)。

〜灰ヶ岳
 土の地面を見ることは殆ど無くなるが、稜線は籔が顔を出していて面倒なので西斜面を斜上した。これはかなり時間を食った気がする。素直に稜線を漕いだ方が早かったかも知れない。
 灰ヶ岳双耳峰の吊尾根に突き上げる沢(白沢と云うらしい?)の源頭部は古く硬い雪がクラックを刻んでぼこぼこになった上に、比較的新しい雪が被っている。異なる雪質が不規則に顔を出すので、真っ直ぐ歩けない。
 多分雪崩れる雪質じゃないので谷底を通って吊尾根に出ても良かったろうが、大事をとってブッシュの際をトラバース。横着して余計な高度を稼がないようにトラバースした結果、不安定な斜面で無駄な登下降を繰り返しルートを探るハメになった。
 吊尾根に出てからは空身で三角点のピークを順調に往復。最高の眺めだった。
 机上では、白沢を渡って灰ヶ岳三角点峰に直接突き上げる北尾根に取り付くことも検討していた。沢底の雪が少なく、また北尾根下部は尾根ではなく単なる斜面になっていて小規模な雪崩れの跡もあったので、一瞥して止めた。

〜901高地
 1016高地を越えて暫く下るまでずっと純白の気持ちよい尾根。それまで余り見えなかった青里岳が谷を挟んで堂々としている。なだらかな稜線歩きだが、膝丈の軽い踏み抜きが歩数の7割ぐらいで発生するので、登りは中々進まない。灰ヶ岳東峰を越えてからは下り基調なので早い。特に1016高地を越えてからは走れた。
 天気が良く杉川の支流(アカガシラ沢と云うらしい)源頭のごちゃごちゃした地形が一望できる。実際見てしまうと、分水嶺を律儀に辿るのは絶対にやりたくないと感じる地形である。先人の記録には1016高地から沢に降りて対岸の支谷を詰め上がるものがあったが、小雪ゆえ下れる斜面も渡渉箇所も限られ、源頭近くまで歩かされた。視界が効いたのは幸いであった。
 901高地への登り返しは当然しんどいが、「なだらかな稜線やそのトラバースなのに雪質のせいで思うように進まない」状況に比べれば、努力量に見合った成果が得られる。

〜1043高地らへん
 笠堀川側の斜面はスラブが露出していて到底トラバースできない。ぐにゃぐにゃ曲がり、アップダウンの多い稜線を忠実に辿らされる。偽ピークに何度か騙される。
 920ピークのすぐ東で北東に下りていく尾根はかなり引き込まれやすい。抜群に視界が効いていたにも関らず、この尾根の方に三歩ほど入ってしまった。
 全行程の中で最も籔が濃かった区間である(稜線が季節風と並行に走っているから雪が付きにくいのだろうか?)。

〜青里岳
 美しい雪尾根。時折ブナ林。しかし踏み抜きで進まない。杉川源流域を一望に収める。なおこのブナ林は樹齢が100年もいっていない。戦中戦後にはこんな所まで伐採したのだろう。すごい。

〜銀太郎山
 青里岳の「肩」みたいな標高1190mらへんから、木六山に至る稜線の出だしはかなりの急斜面。今回はツボ足で駆け下れたが、雪質によってはアイゼンが無いと無理だろう。尾根というより壁のような地形なので、視界が効かないと本当にここを下って良いものか迷うかもしれない。急斜面を下って鞍部の樹林帯で幕。
 その先、雪と籔の状況は灰ヶ岳周辺と同様。灰ヶ岳の登りよりは、慣れてきて効率よく歩けたと思う。時折シリセードも行う。
 3日目は悪天候だったので時々不安になって地図をみたが、あまり迷うようなところは無い。要所で視界も得られた。

〜ゴール
 銀太郎を越えると徐々に夏道を使えるようになる。七郎平山を最後に雪消え。夏道は稜線を忠実に辿っているわけではないので、たまに立ち止まってルーファイが必要(少し目を凝らせば赤布がある)。
 グシノ峰コースの斜度は、一般登山道の中ではハードな部類だろう。
 時間が遅く、疲れた脚でグシノ峰コースを下るのも不安だったので、距離は伸びるが悪場峠から安全な車道歩きをすることも考えた。しかし水無平コースとグシノ峰コースの分岐で明らかに前者の踏み跡が薄かったので、後者の方が安全と判断した。
 杉川右岸のトラバースは良く整備されている。ヌケマケの滝がある沢を渡る箇所は、地形図の破線表記と異なり、少し沢の上流部へ回り込む。
 杉川左岸にもトラバース道があり、地図で見る限り毛石山登山口に直通している。登山口で見た用水路の保守用の道だから消滅はしていないだろうが、途中で崩れていて迂回を強いられたと言う記録を見たことがあったので使わなかった。現況は不明。
 

毛石山は後日銀太郎とかから見下ろすとなんでもない低山だったが、間近で見上げると突兀として格好いい。
毛石山は後日銀太郎とかから見下ろすとなんでもない低山だったが、間近で見上げると突兀として格好いい。
毛石山頂付近から菅名岳方面見返す。中央右に島状のスギ造林地があり、ここを通った。なんでこんな所に造林したのか。試験地か?
毛石山頂付近から菅名岳方面見返す。中央右に島状のスギ造林地があり、ここを通った。なんでこんな所に造林したのか。試験地か?
杉川の谷越しに後日下るグシノ峰。うっすら雪が付いているのはマンダロク、日本平。昨日一昨日新しく降ったものだろう。
杉川の谷越しに後日下るグシノ峰。うっすら雪が付いているのはマンダロク、日本平。昨日一昨日新しく降ったものだろう。
右から灰ヶ岳、青里岳、五剣谷岳、銀太郎山。すごく近接しているように見える(そんなことはない)。
この当時はまだ距離感がつかめておらず、形が特徴的な五剣谷しか自信をもって同定できていない。あとで写真を見てこの時から灰ヶ岳が見えていたことに気付く。
右から灰ヶ岳、青里岳、五剣谷岳、銀太郎山。すごく近接しているように見える(そんなことはない)。
この当時はまだ距離感がつかめておらず、形が特徴的な五剣谷しか自信をもって同定できていない。あとで写真を見てこの時から灰ヶ岳が見えていたことに気付く。
路面状況
848高地らへんから、正面に灰ヶ岳を捉える。矢筈や青里よりさらにマイナーな山だが、こんな良い形をしていたのか。
848高地らへんから、正面に灰ヶ岳を捉える。矢筈や青里よりさらにマイナーな山だが、こんな良い形をしていたのか。
なんかクマ棚があるけど日も暮れるし、848と799の間の鞍部まで降りてしまうと雪が消えてテントを張りにくそうだったので、848の少し下で幕。
なんかクマ棚があるけど日も暮れるし、848と799の間の鞍部まで降りてしまうと雪が消えてテントを張りにくそうだったので、848の少し下で幕。
対岸の中山尾根が荒々しい。雪食による縦縞模様の他に、斜めの線が入っているのが不思議。
中山尾根の山行記録は見たことがないが、名前がついてるし三角点もあるので、昔の人は入っていたのだろう。すごい。
対岸の中山尾根が荒々しい。雪食による縦縞模様の他に、斜めの線が入っているのが不思議。
中山尾根の山行記録は見たことがないが、名前がついてるし三角点もあるので、昔の人は入っていたのだろう。すごい。
907高地へ登る途中で鉈目を見つけた。
907高地へ登る途中で鉈目を見つけた。
灰ヶ岳三角点峰。朝日も当たり始め非常に美しい。これほどの秀峰が世に知られていないのはおかしいぞ、とか思いつつ踏み抜きと格闘。
灰ヶ岳三角点峰。朝日も当たり始め非常に美しい。これほどの秀峰が世に知られていないのはおかしいぞ、とか思いつつ踏み抜きと格闘。
灰ヶ岳の吊尾根から粟ヶ岳が顔を出す。粟が見えてしまうと、さっきまで立派だった灰ヶ岳はやっぱりちょっと高さが足りないマイナーピークなんだなと納得。
灰ヶ岳の吊尾根から粟ヶ岳が顔を出す。粟が見えてしまうと、さっきまで立派だった灰ヶ岳はやっぱりちょっと高さが足りないマイナーピークなんだなと納得。
吊尾根に立って守門岳を見る。
吊尾根に立って守門岳を見る。
来し方振り返る。例の造林地もまだ見えてる。
来し方振り返る。例の造林地もまだ見えてる。
青里岳がいよいよ主役といった体で視界に飛び込む(この時点で矢筈岳は到底たどり着けないことが分かっていたので、青里が主役で良いのである)。
青里岳がいよいよ主役といった体で視界に飛び込む(この時点で矢筈岳は到底たどり着けないことが分かっていたので、青里が主役で良いのである)。
灰ヶ岳山頂と守門
灰ヶ岳山頂と守門
同、粟が岳。遮るもののない素晴らしいピークだった。
同、粟が岳。遮るもののない素晴らしいピークだった。
白山。たいして白くない。
1
白山。たいして白くない。
1016へ進む。
青里と、右奥にちょびっと浅草岳。
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青里と、右奥にちょびっと浅草岳。
灰ヶ岳双耳峰振り返る。三角点峰の方が低いが、とがっているので眺めが良かった。
灰ヶ岳双耳峰振り返る。三角点峰の方が低いが、とがっているので眺めが良かった。
懸案のアカガシラ沢源頭を見降ろす(これだけはっきり見えたのは幸運)。雪が少ないので水流が見えてる・・
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懸案のアカガシラ沢源頭を見降ろす(これだけはっきり見えたのは幸運)。雪が少ないので水流が見えてる・・
稜線からこのスノーブリッジを目視してここめがけて下った。
稜線からこのスノーブリッジを目視してここめがけて下った。
渡河し、901高地へ登る途中振り返る。中央左の小尾根を下った。
渡河し、901高地へ登る途中振り返る。中央左の小尾根を下った。
稜線に復帰し、粟ヶ岳の五十嵐川側の山肌を見る。
稜線に復帰し、粟ヶ岳の五十嵐川側の山肌を見る。
901高地からこの先を見る。左が920ピーク、右が1010ピークの手前の偽ピーク(いずれも地形図に数字の記載なし)。
笠堀川側はスラブと籔が酷く、杉川側はクラックだらけなので、稜線を忠実に辿る。
901高地からこの先を見る。左が920ピーク、右が1010ピークの手前の偽ピーク(いずれも地形図に数字の記載なし)。
笠堀川側はスラブと籔が酷く、杉川側はクラックだらけなので、稜線を忠実に辿る。
異様に黒い笠堀川と、守門。
異様に黒い笠堀川と、守門。
灰ヶ岳三角点峰が隠れ、今度は東峰と1016高地が双耳峰みたいに見えるようになった。
灰ヶ岳三角点峰が隠れ、今度は東峰と1016高地が双耳峰みたいに見えるようになった。
1010ピークへの途中から振り返る。籔が濃かった区間。
左は堂ノ窪山、中央の双耳峰は986高地(三方ガリと言うらしい?)
1010ピークへの途中から振り返る。籔が濃かった区間。
左は堂ノ窪山、中央の双耳峰は986高地(三方ガリと言うらしい?)
肉眼(グラサンしてるけど)だと飯豊の白が特に際立っていた
肉眼(グラサンしてるけど)だと飯豊の白が特に際立っていた
青里へ・・
青里へ・・・(長い。前の写真から1時間近くたっている。)
青里へ・・・(長い。前の写真から1時間近くたっている。)
五剣谷の見え方がだいぶ変わった。
五剣谷の見え方がだいぶ変わった。
灰ヶ岳振り返る
青里手前、1140ピークから縦に見る青里。
青里手前、1140ピークから縦に見る青里。
1140ピーク振り返る。
1140ピーク振り返る。
御神楽、魚止山、太郎山、狢ヶ森などが見えた
御神楽、魚止山、太郎山、狢ヶ森などが見えた
遂に矢筈岳の全容が見えた。デカイ。そして遠い。見るだけでも遠かった。
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遂に矢筈岳の全容が見えた。デカイ。そして遠い。見るだけでも遠かった。
割岩山を見下ろす。矢筈や青里より遥かにマイナーな山。
割岩山を見下ろす。矢筈や青里より遥かにマイナーな山。
3日目、1120ピークへ向かう途中。夜明け直後の吹雪で視界が悪く、1120ピークが異様に高く見えたので不安になりGPSを見てしまう。この写真は視界がちょっと恢復した時のもの。
3日目、1120ピークへ向かう途中。夜明け直後の吹雪で視界が悪く、1120ピークが異様に高く見えたので不安になりGPSを見てしまう。この写真は視界がちょっと恢復した時のもの。
割岩山を振り返る。割岩沢側の風景は、天候のせいもあってか、杉川よりさらに凶暴な印象。
割岩山を振り返る。割岩沢側の風景は、天候のせいもあってか、杉川よりさらに凶暴な印象。
青里を振り返る。灰ヶ岳の方から見た形の方が好き。
青里を振り返る。灰ヶ岳の方から見た形の方が好き。
五剣谷山頂から銀太郎山。左右に銀次郎と、中山尾根1040ピークが控える。見るだけで疲れるアップダウン。
五剣谷山頂から銀太郎山。左右に銀次郎と、中山尾根1040ピークが控える。見るだけで疲れるアップダウン。
銀太郎の山頂は2mぐらい下にあった。
1
銀太郎の山頂は2mぐらい下にあった。
五剣谷と五剣谷東尾根を振り返る。室谷から入山してあの東尾根を登攀した変態がいるらしい(私の先輩である)。
五剣谷の下りでは籔尾根を避けて西側の稜線に併行して走る沢地形を使った。
五剣谷と五剣谷東尾根を振り返る。室谷から入山してあの東尾根を登攀した変態がいるらしい(私の先輩である)。
五剣谷の下りでは籔尾根を避けて西側の稜線に併行して走る沢地形を使った。
銀太郎振り返る。
銀太郎振り返る。
奈羅無登山。字面もさることながら、山容も禍々しい。
奈羅無登山。字面もさることながら、山容も禍々しい。
中山尾根、毛石〜灰ヶ岳の歩いた稜線、白山、西蒲三山が綺麗に併行して並ぶ。
中山尾根、毛石〜灰ヶ岳の歩いた稜線、白山、西蒲三山が綺麗に併行して並ぶ。
銀次郎振り返る。シリセードで下った跡が見える。
この先は人間の気配も感じるようになるので写真は割愛。
銀次郎振り返る。シリセードで下った跡が見える。
この先は人間の気配も感じるようになるので写真は割愛。

感想

 月曜有給とって憧れの矢筈岳へ。届くだろうか。武者震いがする。
 当日朝、お決まりの寝坊。矢筈は絶望的となる(寝坊しなかったとしても体力的に難しかっただろうけど)。さらに歩き始めでグラサンを車に忘れ、500mくらい引き返す。毛石の登り始めで山菜採りの夫婦を抜かす。以後誰とも会わず。

 初日夕方、やたらと腹が減ってペースが落ちる。この調子だと行動食が足りない。テントを張ってペミカン豚汁。美味すぎる。
 翌朝3時半、朝飯をもそもそ食っていたら獣の足音と、フウフウ言う声が聞こえる。全身総毛立つとはこのことか。こちらも大声を上げて対抗。あとで足跡を見たら意外と小さい獣だった。キツネだろうか。クマの気配が濃厚なので心臓に悪い。
 2日目は昨日のようなシャリバテは無くなったが、踏み抜きのせいでペースは上がらない。矢筈カットを正式に決定。予想以上の好天で愉しく歩く。

 夕暮れ間近となってテントを張ってみると、気温が高く余り気になっていなかったが靴の中がびしょびしょだった。スパッツの上からズボンを伝って濡れが進入していた。日が暮れると一気に冷えて、足の感覚が無くなってしまったのでせっせとお湯アイロンで装備を乾かす。そうしていたら、テント泊10年目にして始めてお湯をひっくり返す失態を演ずる。単独だとずっとコッヘルを支えているわけにもいかんので難しい。
 行動食の残りが不安だったので食糧切り詰める。晩飯の鯖缶ブイヤベースは半分残し、翌朝もリゾットにして食うこととする。三日目朝用のフルグラはそのまま予備の行動食に転用。無事、予備には手をつけることなく下山できた。

 三日目は予想より低気圧の接近が早かったようで、霙や雪交じりの強風。視界が得られる時もあれば、真っ直ぐ立てない時もある。比較的気温が高くて幸い。
 ゴールまでの距離とこれまでのペースから、気合をいれて歩かねばならんと、未明に出発。テント撤収時は再び濡れた靴を履き、寒い。ペグを一本紛失してしまったが、動き出さないと凍えるので捜索を諦める。
 五剣谷のあたりでカメラを落としたが、100mほど戻って回収できた。奇跡。

 銀次郎のあたりではもうボロボロだった。立ち尽くしてボーっとすることが増える。ボーっとしながら、もう十分頑張ったぞい、などと考える。そのまま我に返らなければ死んでしまう、なんて所まで考える余裕は残っているので、また歩き出す。因みにボーっとしながら見る景色は大変美しいので、よろしくない。
 木六山の下りは一般ルートだが、もう脚が使い物にならないのでクソゆっくり歩いた。一番しんどかった山行経験が更新されたかもしれない。

 下山後10日間ほどは1日4食でも腹が減った。
 天候が総合的に見て好条件で、藪漕ぎが殆ど無かったにも関らずここまでボロボロになった。力不足を痛感。外出自粛も本格化したので、この後現在に至るまで、筋トレにはまる。日焼けヤバイ。

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