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Yamareco

記録ID: 292937
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
塩見・赤石・聖

便ケ島〜笠松山〜兎岳〜聖岳〜便ケ島

2013年05月01日(水) ~ 2013年05月04日(土)
 - 拍手
GPS
77:52
距離
26.3km
登り
3,705m
下り
3,691m

コースタイム

※「マイペース遵守」の精神で、物凄く遅いです※

2013/05/01(水):
  0905便ケ島登山口→1620笠松山(幕営)
2013/05/02(木):
  0630笠松山→1555兎岳→1620兎岳避難小屋(幕営)
2013/05/03(金):
  0620兎岳避難小屋→0715鞍部→1115前聖岳→1310小聖岳→1605聖平小屋(冬季小屋泊)
2013/05/04(土):
  0645聖平小屋→0740薊畑→1000苔平→1235西沢渡1340→1500便ケ島登山口
天候 2013/05/01(水) 晴
2013/05/02(木) 晴
2013/05/03(金) 晴
2013/05/04(土) 晴
過去天気図(気象庁) 2013年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
◇便ケ島(聖光小屋)駐車場
林道情報・状況は、南信濃自治振興センターへ電話問合せが確実。遠山郷HPにも情報有。
今年は5/1の8:30開通との情報、実際は7時頃にゲートオープンした模様(待ち人が居たから?)。
大野集落から先はアスファルト上に大小の落石多い。
易老渡までは比較的穏やかなダート、易老渡から便ケ島までは荒れたダート。
・聖光小屋のご主人がおられてアドバイスをもらった(いつもおられるかどうかは?)
・聖光小屋敷地の向かって左が登山・一般駐車場(無料)、右は車中泊用(有料)
・トイレは車中泊用駐車場併設を使う(¥50)
・登山口に登山ポスト有。
コース状況/
危険箇所等
◇登山道状況
連休後半は比較的気温の低い好天が続いた。夜間の冷え込みで朝のうちは
カリカリ、気温上昇ですぐにベシャベシャ、のコンディション。
ツボ足とアイゼンのみ、ワカンは一度も使用せず。

・便ケ島登山口→笠松山(一般ルートではありません)
取付き点はGPSログ参照。取付きは容易だが、すぐに垂直に近く極めて
脆い岩場が出てくる。正直ここで撤退を覚悟。お勧めはしない。
岩場を越えた後は尾根筋を一直線に、脆い急斜面を延々と登る。

・笠松山→兎岳(一般ルートではありません)
殆ど途切れることなくテープのマーキングが続く。倒木処理もしてあって歩きやすい。
多重稜線の多いコースだが概ね南側(登りで右手側)の尾根に沿ってマーク、
一度だけ左の尾根に乗り換えた(2167付近だったような?)。
2400付近の視界のひらける処(「兎見平」の名称?)から、急登が続く。
特に上部は斜度きつくカリカリなので、早めのピッケル準備がお勧め。
森林限界より上部はどこを通るか悩ましい。地形図とコンディションをみてコース取り。

・兎岳→前聖岳
某大学山岳部のトレースを使用させていただいた。
特に大きな雪庇はない。忠実に稜線を辿る感じ。
2650〜2700は直登で、某大学山岳部はロープ使用。フロントポイントで登り続ける。
ここを越えたあとも急斜面が続く。確実なアイゼンワークとスタミナ必須。

・前聖岳→聖平
聖岳山頂直下の大斜面は適度にジグを切ったトレースあり。その後は稜線を辿る。
小聖から下部、2450付近の林はコース取りが難しく、踏み抜きを嫌がって
降りすぎると後のリカバーが大変。先駆者のトレース頼みな感じ。
薊畑から下は地面の出ているところが多く、雪を拾いながら進む。

・薊畑→西沢渡
苔平までアイゼン使用。下は一般登山道。
危険個所にはトラロープやネットが設置してあり、地元関係者の整備に感謝。

・西沢渡
橋がなく(資材が運べないから?)、渡しカゴを使うか、渡渉。

・西沢渡→便ケ島
崩落多数で激しく荒れている。寸又川左岸林道ミニ体験版という感じ?
このまま廃道になっちゃうんじゃないか心配。
【5/1:1日目】
易老渡駐車場。空っぽ。帰りは満車だった。
2013年05月01日 08:18撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 8:18
【5/1:1日目】
易老渡駐車場。空っぽ。帰りは満車だった。
便ケ島駐車場。初日朝一は自分、5人パーティ、釣り師。
2013年05月01日 08:46撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 8:46
便ケ島駐車場。初日朝一は自分、5人パーティ、釣り師。
便ケ島登山口。登山ポスト有。
2013年05月01日 09:08撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 9:08
便ケ島登山口。登山ポスト有。
入っている人が居るってことか。
2013年05月01日 11:02撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/1 11:02
入っている人が居るってことか。
尾根通しで道迷いはない。フカフカ斜面。
2013年05月01日 12:56撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 12:56
尾根通しで道迷いはない。フカフカ斜面。
標高上げると樹林の隙間から上河内岳。特徴的な山容がわかりやすい。
2013年05月01日 12:57撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 12:57
標高上げると樹林の隙間から上河内岳。特徴的な山容がわかりやすい。
ひらけてきたかな?
2013年05月01日 14:44撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 14:44
ひらけてきたかな?
まだまだ続くか・・・・
2013年05月01日 15:15撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/1 15:15
まだまだ続くか・・・・
この支尾根には2箇所のみテープがあった。結構最近っぽい。
2013年05月01日 15:17撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 15:17
この支尾根には2箇所のみテープがあった。結構最近っぽい。
やっと終わりがみえてきた
2013年05月01日 15:24撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 15:24
やっと終わりがみえてきた
苔生す
2013年05月01日 16:14撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/1 16:14
苔生す
笠松山山頂・三角点
2013年05月01日 16:20撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/1 16:20
笠松山山頂・三角点
三角点の東側に幕の張れそうな処
2013年05月01日 16:23撮影 by  CX6 , RICOH
5/1 16:23
三角点の東側に幕の張れそうな処
一本だけ持参したモドキでお疲れ様
2013年05月01日 18:08撮影 by  CX6 , RICOH
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5/1 18:08
一本だけ持参したモドキでお疲れ様
誰も居ない、静かな山。
2013年05月01日 18:18撮影 by  CX6 , RICOH
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5/1 18:18
誰も居ない、静かな山。
【5/2:2日目】
おはようさん
2013年05月02日 05:35撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 5:35
【5/2:2日目】
おはようさん
今日は笠松尾根を東に進みます
2013年05月02日 06:41撮影 by  CX6 , RICOH
5/2 6:41
今日は笠松尾根を東に進みます
苔・倒木
2013年05月02日 07:00撮影 by  CX6 , RICOH
5/2 7:00
苔・倒木
コンスタントなテープと倒木処理、人手は入っている。
2013年05月02日 07:14撮影 by  CX6 , RICOH
5/2 7:14
コンスタントなテープと倒木処理、人手は入っている。
この黄色いモノが(雪が出るまでは)続いていた
2013年05月02日 07:23撮影 by  CX6 , RICOH
5/2 7:23
この黄色いモノが(雪が出るまでは)続いていた
雪が出てきた
2013年05月02日 07:20撮影 by  CX6 , RICOH
5/2 7:20
雪が出てきた
濃いヤブがちょうど手がかりになる
2013年05月02日 10:53撮影 by  CX6 , RICOH
5/2 10:53
濃いヤブがちょうど手がかりになる
結構な斜度です
2013年05月02日 10:53撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/2 10:53
結構な斜度です
おお、兎岳!あそこまで行くのか〜
2013年05月02日 11:34撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 11:34
おお、兎岳!あそこまで行くのか〜
ますます斜度強まる。カリカリなので結構きつい。
2013年05月02日 13:18撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 13:18
ますます斜度強まる。カリカリなので結構きつい。
森林限界超えた!
2013年05月02日 13:48撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/2 13:48
森林限界超えた!
やーあそこを来たのか・・・
2013年05月02日 14:38撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 14:38
やーあそこを来たのか・・・
どぉぉんと山頂方向。ここを越えると
2013年05月02日 14:55撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/2 14:55
どぉぉんと山頂方向。ここを越えると
うわ〜兎の山頂がみえてきた!
2013年05月02日 15:11撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 15:11
うわ〜兎の山頂がみえてきた!
ここまで登れた。感涙。
2013年05月02日 15:12撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 15:12
ここまで登れた。感涙。
柵がある?
2013年05月02日 15:20撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/2 15:20
柵がある?
こんな・・・・一般登山道から大きく外れた、誰も来ないところに・・・・アサヒビールありがとう!!
2013年05月02日 15:32撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/2 15:32
こんな・・・・一般登山道から大きく外れた、誰も来ないところに・・・・アサヒビールありがとう!!
兎岳三角点付近から山頂標識
2013年05月02日 15:41撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/2 15:41
兎岳三角点付近から山頂標識
大沢岳へ向かう林道らしき筋が山肌にみえています
2013年05月02日 15:44撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/2 15:44
大沢岳へ向かう林道らしき筋が山肌にみえています
大沢岳西尾根
2013年05月02日 15:45撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/2 15:45
大沢岳西尾根
小兎・中盛丸山・大沢岳・百諒燭ら赤石の稜線。なかなかのアップダウン。
2013年05月02日 15:54撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 15:54
小兎・中盛丸山・大沢岳・百諒燭ら赤石の稜線。なかなかのアップダウン。
ついに来た!兎岳!
2013年05月02日 15:59撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 15:59
ついに来た!兎岳!
一応、証拠^^;
2013年05月02日 16:01撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 16:01
一応、証拠^^;
兎〜聖の稜線。明日はあそこを行く。
2013年05月02日 16:04撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 16:04
兎〜聖の稜線。明日はあそこを行く。
屋根をちょっぴりのぞかせた兎岳避難小屋とテント2張。大学山岳部の6名パーティでした。
2013年05月02日 16:12撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/2 16:12
屋根をちょっぴりのぞかせた兎岳避難小屋とテント2張。大学山岳部の6名パーティでした。
聖の正面に幕営。なんという贅沢。
2013年05月02日 16:58撮影 by  CX6 , RICOH
6
5/2 16:58
聖の正面に幕営。なんという贅沢。
テントから真正面に、茜色に暮れる山たち。
2013年05月02日 18:30撮影 by  CX6 , RICOH
5
5/2 18:30
テントから真正面に、茜色に暮れる山たち。
上河内。美しい。
2013年05月02日 18:30撮影 by  CX6 , RICOH
11
5/2 18:30
上河内。美しい。
日没直前の紅色に染まる聖岳
2013年05月02日 18:36撮影 by  CX6 , RICOH
6
5/2 18:36
日没直前の紅色に染まる聖岳
2013年05月02日 18:36撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 18:36
2013年05月02日 18:37撮影 by  CX6 , RICOH
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5/2 18:37
【5/3:3日目】
おはようッス
2013年05月03日 04:20撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/3 4:20
【5/3:3日目】
おはようッス
雲海
2013年05月03日 04:36撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/3 4:36
雲海
聖に向かう大学山岳部の若者たち
2013年05月03日 04:59撮影 by  CX6 , RICOH
6
5/3 4:59
聖に向かう大学山岳部の若者たち
2013年05月03日 04:59撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 4:59
撤収して後を追う
2013年05月03日 05:21撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 5:21
撤収して後を追う
この尾根を辿ります。
2013年05月03日 06:42撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 6:42
この尾根を辿ります。
最低鞍部から一段上がったところで若者が何かやってます
2013年05月03日 06:42撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 6:42
最低鞍部から一段上がったところで若者が何かやってます
ひえぇ〜あの雪壁を行くのか
2013年05月03日 07:16撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/3 7:16
ひえぇ〜あの雪壁を行くのか
登りはじめました。ロープ使用しています。
2013年05月03日 07:16撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 7:16
登りはじめました。ロープ使用しています。
最後尾の方。ご親切なお言葉、どうもありがとうございました。
2013年05月03日 07:54撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 7:54
最後尾の方。ご親切なお言葉、どうもありがとうございました。
自分もやっとこさ雪壁を登りきる
2013年05月03日 07:57撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 7:57
自分もやっとこさ雪壁を登りきる
まだまだ続く聖への稜線
2013年05月03日 09:14撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/3 9:14
まだまだ続く聖への稜線
ちょっと休憩
2013年05月03日 09:41撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/3 9:41
ちょっと休憩
おぉ、あの点は
2013年05月03日 09:42撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/3 9:42
おぉ、あの点は
百間洞山の家が谷間にポツネンと!
2013年05月03日 09:42撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/3 9:42
百間洞山の家が谷間にポツネンと!
いよいよ聖山頂がみえてきた
2013年05月03日 11:03撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 11:03
いよいよ聖山頂がみえてきた
兎から、あそこを延々来たんだなぁー
2013年05月03日 11:17撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 11:17
兎から、あそこを延々来たんだなぁー
聖岳山頂!ついにここまで来てしまった!
2013年05月03日 11:18撮影 by  CX6 , RICOH
6
5/3 11:18
聖岳山頂!ついにここまで来てしまった!
正面には堂々の赤石岳
2013年05月03日 11:20撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 11:20
正面には堂々の赤石岳
中央アルプスのむこうは御嶽山?
2013年05月03日 11:21撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/3 11:21
中央アルプスのむこうは御嶽山?
下栗の里もよくみえてます
2013年05月03日 11:21撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/3 11:21
下栗の里もよくみえてます
小聖〜聖平〜南岳〜上河内〜茶臼の稜線
2013年05月03日 11:22撮影 by  CX6 , RICOH
6
5/3 11:22
小聖〜聖平〜南岳〜上河内〜茶臼の稜線
光岳から奥に深南部
2013年05月03日 11:22撮影 by  CX6 , RICOH
4
5/3 11:22
光岳から奥に深南部
一応、証拠^^;
2013年05月03日 11:25撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 11:25
一応、証拠^^;
笠松尾根全容。あそこを歩いたんだなぁ・・・・
2013年05月03日 11:31撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/3 11:31
笠松尾根全容。あそこを歩いたんだなぁ・・・・
聖平に向けて降ります
2013年05月03日 12:45撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/3 12:45
聖平に向けて降ります
小聖岳から聖をのぞむ
2013年05月03日 13:20撮影 by  CX6 , RICOH
5
5/3 13:20
小聖岳から聖をのぞむ
兎の山頂部
2013年05月03日 13:30撮影 by  CX6 , RICOH
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5/3 13:30
兎の山頂部
笠松尾根
2013年05月03日 13:30撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/3 13:30
笠松尾根
はぁーようやく小屋に到着。
2013年05月03日 16:25撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/3 16:25
はぁーようやく小屋に到着。
【5/4:4日目】
おはようございます
2013年05月04日 05:16撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/4 5:16
【5/4:4日目】
おはようございます
きれいな冬季小屋、ありがとうございました。
2013年05月04日 05:14撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/4 5:14
きれいな冬季小屋、ありがとうございました。
聖平付近はかなり地面が出ています
2013年05月04日 07:03撮影 by  CX6 , RICOH
4
5/4 7:03
聖平付近はかなり地面が出ています
雪を拾いながらコース取り
2013年05月04日 07:39撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/4 7:39
雪を拾いながらコース取り
薊畑
2013年05月04日 07:39撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/4 7:39
薊畑
美しい・・・・
2013年05月04日 07:43撮影 by  CX6 , RICOH
3
5/4 7:43
美しい・・・・
カッコイイよ上河内!
2013年05月04日 07:43撮影 by  CX6 , RICOH
5
5/4 7:43
カッコイイよ上河内!
光・・・・サヨナラ南ア南部高峰たち。また来ます。
2013年05月04日 07:43撮影 by  CX6 , RICOH
4
5/4 7:43
光・・・・サヨナラ南ア南部高峰たち。また来ます。
このへんまでは雪があります
2013年05月04日 09:49撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 9:49
このへんまでは雪があります
苔平でアイゼンを脱ぐ
2013年05月04日 10:11撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 10:11
苔平でアイゼンを脱ぐ
登山道なくなりそう
2013年05月04日 11:22撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 11:22
登山道なくなりそう
下界が近づいてきた
2013年05月04日 11:43撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 11:43
下界が近づいてきた
下はもう春。ツツジが山肌を彩る。
2013年05月04日 11:57撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/4 11:57
下はもう春。ツツジが山肌を彩る。
このコースは日当たりがよく、スミレが多く咲く
2013年05月04日 12:11撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/4 12:11
このコースは日当たりがよく、スミレが多く咲く
造林小屋
2013年05月04日 12:27撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 12:27
造林小屋
いよいよ渡渉点に到着
2013年05月04日 12:39撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 12:39
いよいよ渡渉点に到着
最初、ここを飛ぼうとして左足着水。
2013年05月04日 12:43撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 12:43
最初、ここを飛ぼうとして左足着水。
渡しカゴを引っ張ってみるが、ギア比が大きすぎるのか引いても引いても動いてる気がしない。
2013年05月04日 12:56撮影 by  CX6 , RICOH
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5/4 12:56
渡しカゴを引っ張ってみるが、ギア比が大きすぎるのか引いても引いても動いてる気がしない。
諦めて渡渉することに
2013年05月04日 13:07撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 13:07
諦めて渡渉することに
雪解け水が冷たー!切り離し仕様のパンツが役に立った。
2013年05月04日 13:19撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/4 13:19
雪解け水が冷たー!切り離し仕様のパンツが役に立った。
風にそよぐヤマブキ
2013年05月04日 14:13撮影 by  CX6 , RICOH
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5/4 14:13
風にそよぐヤマブキ
2013年05月04日 14:13撮影 by  CX6 , RICOH
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5/4 14:13
いちばん酷い崩落。林道も落ちてます。
2013年05月04日 14:16撮影 by  CX6 , RICOH
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5/4 14:16
いちばん酷い崩落。林道も落ちてます。
かなり高巻き、最後はザックを落として空身で。キてます。
2013年05月04日 14:22撮影 by  CX6 , RICOH
5/4 14:22
かなり高巻き、最後はザックを落として空身で。キてます。
便ケ島がみえてきた
2013年05月04日 14:56撮影 by  CX6 , RICOH
2
5/4 14:56
便ケ島がみえてきた
無事、下山!
2013年05月04日 14:57撮影 by  CX6 , RICOH
1
5/4 14:57
無事、下山!
撮影機器:

感想

数年来の憧れに挑戦。
「南アルプス南部」「積雪・残雪期」「バリエーション」「笠松尾根」
全部実現する今回の山行。
いまひとつ最適化されていない装備に加え、お助けロープも準備したので、
ザックの重量26kg(ワカン・ピッケル・ストック込み)。
おいおいそんなの背負って支尾根や兎〜聖のキレット歩けるのかよ・・・
不安感maxのまま、便ケ島へ向かった。

以下、超個人的な長文日記。


【5/1/2013(1日目):便ケ島登山口→笠松山】
結局、林道開通は5/1の8:30ということになり、これに合わせて移動。
開通待ち行列覚悟で7:30すぎに北又へ行くと、開いてる。あれれ?
落石にビビりながら便ケ島の駐車場へ到着。ん?見たことある人が?
なんと山の会の某さん。私的な仲間と来たそうだ。経験豊富が故に
単独山行を穏やかに否定される方なので、ちょっとバツが悪い。
ゲートオープンを待っていたら7時頃に開けてもらえて、それから
落石を退かしながらここまで来たそうだ。ありがとうございました。
聖光小屋のご主人が駐車場におられて、アドバイス。
「西沢渡は橋がないので渡渉。林道はある意味登山道よりも危険」
まあ下山時に通過する頃には大勢人も入っているだろうから、そんなに
心配するほどじゃないかな(甘い)最後にご主人の言葉の重みを知ることに。
準備して出発。支尾根取付から少し上がったところに、地形図にはない岩場。
垂直な岩場はrigidならそう難しくなさそうだが、ここは猛烈に脆く、
人頭大より大きな岩でもグラグラ動くし手をかけた岩はボロボロと崩れる。
迂回路はない。はやくも進退窮まる。岩登り講習で何度も言われた
「手で登るんじゃない」を最大限実感しながら慎重に登る。何とか通過。
ひと安心というより、またこれが出てきたらどうしよう、という不安に
押しつぶされそうになる。これがバリエーション、素の山の姿か。
少し上がったところで突然一本のピンクテープが目に入る。急に現れた
人工物に違和感を感じるとともに、誰かここに入っているのだなと思う。
地形図で予想していたとおりの一定の急登が続く。下部は落ち葉と
石ころでガラガラ崩れるし、上部は苔っぽくフカフカの不安定な地面。
今日中に笠松尾根まで上がれるだろうか。平らな場所なんてどこにもない
この尾根でビバークすることになったら、木と身体をロープで結んで
ツェルトを被るしかないか、なんだか「凍」で読んだ山野井夫妻みたいだな、
ぜんぜん次元が違うけど・・・アホな思考がよぎりつつ、とにかく上を
目指すしかないので心が折れないようマイペースで登りつづける。
ヘリの音が響く。静岡側を行き来しているようだ。遭難者が出たのだろうか?
足場が脆いので休憩時も脚の筋肉は緊張しっぱなしだが、樹林の隙間から
白い山稜が見え隠れするようになるとああ少しは上がったかなという気に。
一歩一歩が緊張の連続で、足を出すと必ずといっていいほど黒豆を
ばらまいたようなシカのフンが落ちている。ルート取りの野生の勘も
シカ様に少しずつ近付いているようだ。
頭上が徐々に明るくなってきて、明るい倒木地帯に出る。ここで2箇所目の
テープマーキング。伐採か何か入ったのだろうか?この支尾根唯一のゴミ、
ガラスの酒ビンも落ちていた。なんとか今日中に笠松尾根まで上がれそう。
気力を絞って最後の鬱蒼とした林を抜けると、登山道らしき開けた場所、
すぐ右手に「笠松山」の標識と三角点。バッチリ出た。
少し東に移動すると平らな地面が多く出ており、今日はここで幕営。
日が傾くまえにテントも張りおえ、1本だけ持ってきたモドキで乾杯。
風の揺らす木々のざわめきと野鳥の声だけ、樹林のむこうに白い稜線。
静かな山の幕営を心から楽しんだ。

【5/2/2013(2日目):笠松山→兎岳】
今日は兎岳を目指して東に進む。笠松山山頂標識よりも高いところに
何か標識があるかと思ったが見逃したのか、よくわからず通過。見通しの
よい尾根筋は遠目にはっきりわかるピンクテープがコンスタントにつけてある。
事前のネット検索では遠山山の会が数年前にもここを手入れされたようで、
明らかに倒木は処理してあり、本当にありがたい。平坦な尾根は多重山稜地形が
ずっと続くが、テープマーキングはずっと南側(右手)の尾根を辿るように
続いている。積雪期はマークを辿るのが正解かどうかは場合によりけりだが、
今回は「自分は間違っていない安心感」を常に得ることができて本当に助かった。
2000を超えた頃から積雪、踏み抜きが増え、暑さで素手だったところに
踏み抜きで右手を出してしまい、手のひらに小枝がザックリ、流血の惨事。
根雪になったのでアイゼンを履く。心配していた酷い倒木もなく、穏やかに東進。
たしか2167あたりで左手の尾根に乗り移った。2250から斜度が出る。シラビソ?
を手がかりによじのぼる。2400で一旦緩み、若干右手に進むと突然視界の
ひらけた場所が。兎見平と呼ぶらしい。それまでまったく見えなかった兎岳が
どぉぉーんと目の前にあらわれる。今日はあそこまで行くのか・・・ガンバロウ。
右手に巻き気味に進むと鞍部に出て、いよいよ兎岳への取付き。夜間に冷え込んで
カリッカリの急斜面が続く。木を手がかりに四つん這いで登ったが、鞍部で
ピッケルを出したほうが無難だったかも。左手に尾根がみえるが相変わらず
右手尾根を直登ルート取り。森林限界を抜ける。地形図的にはどこかで
左の尾根に乗るはずだがどのへんで?右尾根は岩場っぽくなり尾根上は進めない
ので、稜線左手にひろがるハイマツの上を失礼して進む。ダケカンバ帯も抜け、
展望がひろがる。尾根の谷間を回り込むように進んで左手の尾根に乗ると平らな
地形となる。兎平かな?兎岳山頂や聖、中央アルプスに飯田の街、左下には
延々登ってきた笠松尾根。やった、ここまできた、登れた!湧き上がる達成感と
溢れる涙。
さああと山頂までひとふんばり。無雪期はハイマツに覆われているであろう、
真っ白な斜面をアイゼンをきかせて兎岳方向に進む。地元ボランティアと
アサヒビールの設置した鹿食害柵があった。こんな、誰も来ないところに・・・
三角点らしき処に出る。小兎〜中盛丸山〜大沢岳の稜線西側がよく見える。
しらびそ峠から山腹を這うように大沢岳へ進む林道らしき筋も見えていて、
遠目にも激しく崩落しているのがわかる。
兎岳山頂へ。角柱の標識。夏に聖から百間洞への移動でここを通過、
いつもバテバテのところにタカネビランジが咲いていて、北側の展望を
楽しみながら大休止を取っていたのを思い出す。久しぶりにここへ来た。
感慨が胸にひろがる。念願の、笠松尾根から兎岳登頂をついに果たした。
向こう側には聖岳へ続くキレットが見える。明日はあそこかー。本当に
行けるんだろうか?
右下を覗き込むと屋根だけ出した兎岳避難小屋の脇にテント2張り。人が居る!!
降りて近づいてみる。若者がワイワイと夕食中のようだ。どこから来たのか
声をかけてみる。赤石から来て、明日は聖を越えてできれば上河内まで、とのこと。
聖から来たのであれば様子をきかせてもらおうと思ったが・・・彼らの後に
続けばいいと思えば少し安心。何時に出発するのか尋ねると5時との回答。
自分も明日は聖ですと告げ、一段下がったところにテント設営。
真正面に聖岳が堂々をそびえ、真っ白な峰は暮れゆく陽の色彩の変化を刻々と
うつしだす。至福とはこのことか。
日も暮れて薄暗くなったころ、テントのそばで「ゲロロロ・・・・」の声。
ナワバリに突然現れたテントにライチョウさんが怒ってるのかな?
達成感、傍らにライチョウが寝込んでいる様子を想像しながら眠りについた。

【5/3/2013(3日目):兎岳→前聖岳→聖平】
ラジオは今朝がいちばんの冷え込みと言っていた。時々目を覚ましてみたときは
テント内マイナス4度。仙丈のときにペッチャンコになってしまったエアマットは
やはりどこか空気漏れしているらしく、雪面の冷えがじかに背中に伝わって
全然熟睡できなかった。自業自得。
聖の左から朝陽がのぼり、モコモコの雲海の上を真っ赤に照らしている。
5時きっかりに若者たちが出発してゆく。これは、相当気合いの入った山岳部では?
テントから顔を出し手を振ると振りかえしてくれた。よし自分も後を追おう。
いちばんの不安は、聖岳への登りでロープなしにあがれるかどうかという点。
若者たちがロープを使っていたら「あぁ〜」と思うしかない。最悪、兎へ引き返す
ことも十分覚悟しておく。
兎〜聖の稜線はかなりのアップダウンの続くキレットで無雪期の通過もかなり
体力を消耗する。今回は幸い直前に先行者が通過してトレースをつけて
くれているので、どこを行くか悩む必要はない。雪庇もなく、ほぼ稜線沿いに進む。
日差しの強烈に降り注ぐ雪面はこの時間でも緩みはじめている。あまりノンビリ
していられない。最低鞍部からひとのぼりした段のところに若者パーティが
到着し、いつまでたっても出発しない。ロープの準備をしているのか、はたまた
あまりにも危険なので単独者の私に引き返すよう説得するために残っているのか?
追いつくと、ロープで慎重に登っていた。残っていた最後尾の方と少し話す。
やはり某有名大学山岳部(記載未確認のため某とさせていただきます)とのこと。
赤石の尾根から登り、小赤石手前のラクダの背を越えてきたそうだ。さすがー!!
今日は上河内あたりまで、光まで行ってピストンして茶臼から畑薙に降りる予定、と。
かなりの急傾斜ではあるがダケカンバの所々に生えている斜面。CLかSLクラスであろう
最後尾の方は「たぶんロープなしでも登れるでしょうけど・・・ロープに入りますか?」
と声をかけてくださる。パーティ単位でのロープワーク経験に乏しく何かあったら
物凄く迷惑をかけること必至なので、自力でなんとか登ります、ありがとうございます
とこたえる。伝統ある有名大学山岳部からすれば殆ど初心者の中年単独登山者など
邪道中の邪道だろうから、申し訳なく恥ずかしい。こんなチンピラ登山者が
この季節にこんな処に来てホントにスミマセン。
山をやるようになって、伝統を重んじる独特の雰囲気の中で、大学山岳部という
ブランドはひどく特殊に思えて、遠い世界のように感じていたが、目の前の彼らは
非常に真面目で真摯で、極力夏道に沿うよう、ハイマツを踏まないように
コース取りしていた。このような若者たちが、今までも、これからも、日本の
登山界を背負っていくのだなと強く感じた。
山岳部パーティが完全に登り切るまで待ち、斜面に取付く。ここまではなんとか
ハの字に登れていたが此処は完全にフロントポイントでなければ上がれない。
BMI値絶賛増量中プラス20数kgのザックで、我が脹脛は耐え抜くだろうか。
先行者の足跡がちょうどよい手がかりとなり、必死によじのぼる。所々の
ダケカンバに到達したら息を整え少しでも足を休ませ、また次のダケカンバまで
必至の登攀。当然後ろを振り向くなどしない。もうダメかも・・・ああもう・・・
とにかく、登る!の気力だけを強く持ち、やっと、なんとか、1ピッチ登りきる。
後ろを振り返って感慨にふけると後が続かないので、引き続き若者の後を追う。
彼らはすでに遥か上方へ。さすがに早いなー(あたりまえ)。ここから先は
ロープは不要のようだが、まだまだきつい斜度は続く。気を抜くことなく
登り続ける。あらためて思う、聖はデカい。
数か所、明らかに弱層のありそうな処をトラバースする場面もあり、さっさと通過。
登って、登って、登って、突然、目の前に四角柱の山頂標識。
ああ・・・・・ついに、ここまで、来てしまった。
導いてくれた大学山岳部の若者たちよ、ありがとう。
前聖岳山頂は2年前に来たときよりも積雪は少ない。風も弱くあたたかい。
万感の思いで360度周囲をみわたす。2年前、兄弟が奥聖へ向かう場面が思い出される。
なんとか無事ここまで来ることができました。ありがとう。必ず生きて帰ります。
北にも南にも、以前歩いた山稜がのびている。やっぱり南ア南部が好きだ!大好きだ!
眺望を楽しんで、下山開始。聖岳南面は傾斜はきついがカニ歩きで降りられる程度。
シャバシャバに緩んだジグザグのトレースを辿って高度をどんどん落とす。小聖まで
来ると、笠松尾根がよく見える。かつて、色んな方向から笠松尾根を見て、ああ
あそこを歩きたいと思いつづけ、地形図を見てはため息、だった。一昨日〜昨日、
ついにあそこを辿ったんだなぁ。じわじわ湧く嬉しさ。
小聖の下の林のところは踏み抜き地獄で2年前も通過に往生した。先行トレースも
かなり迷っているようだ。右往左往しながらなんとか通過。途中にテント2張り。
さらに降りると茶色い地面が見えてくる。薊畑が近づく。大斜面にテント1張り。
もしかして聖平小屋が満杯でここへ移動してきたのですか、と声をかける。
今日はGW連休後半の初日なので、本日入山組が大挙して冬季小屋に来るのでは
ないかと予想していたが、そうでもないとのこと。明朝聖登頂で、標高が
もったいないのでここに張る、と。自分も薊畑〜聖平の標高がもったいないので
このへんに張るかちょっと悩んだが、水を取りたいのと幕営しない気満々に
なってしまったので、満室じゃないなら聖平に降りることにする。
その方とは山談義に花が咲いた。便ケ島〜西沢渡間の様子をきいてみた。
渡し籠は重すぎて、ひざ上の渡渉をしてきたらしい。林道崩落はまああんなもの、
とのこと。通りがかった薊畑から来た4名パーティが聖平へ向かうらしいので、
一緒に降りる。途中からどんどん積雪が減り地面が露出してくる。
2年前の記憶もあるので、自分だけ失礼して左にショートカット、聖平小屋へ。
冬季小屋にはやはり今日入山の単独者、先ほどの4名、自分。その後、横窪沢から
来た強者1名の、4パーティ7名。
聖平の冬季小屋は、小屋左手の物置の脇を通るように行くと沢があって水が取れる。
トイレは右手いちばん手前の1か所のみ解放されていてありがたく使用する。
明日はもう降りるのみ、の安心感から、ウイスキーガブ飲み。隣の単独者は
オフバイクにも乗るらしく、色々な話で盛り上がる。酔っ払い相手にすみませんでした。
暗くなってきて就寝。屋根もあり手足の伸ばせる寒くない小屋。本当にありがたい。
とはいえ相変わらず寝付けず、毎夜のノルマ、ラジオ深夜便とともに過ごす。

【5/4/2013(4日目):聖平→便ケ島】
最終日。自分以外の小屋の人たちはみんな聖岳登頂を目指す。
疲労しすぎで思いっきり寝坊したと語る横窪の人は、今日の聖岳登頂が、国内
3000m峰の最後の一座、とのこと。凄い!記念日ですね!!
畑薙から茶臼までは明瞭トレースがあるらしいが、上河内から聖方面は急激に
トレースが薄くなるらしく、特に南岳の下のところは猛烈に消耗したらしい。
たしかに2年前もあそこは凄かった。先行トレースがなければ、とてもこんな
ところは通過できないだろうと思える、との意見一致。
お世話になった聖平冬季小屋をあとにする。薊畑まで夏道を辿る。かなり地面が
出ていて雪を拾いながらとなる。薊畑で、聖、上河内、光・・・高峰に別れを
告げる。また来ます。
薊畑直下はかなり急な樹林の濃い斜面で、見通しきかず、GPS頼み。
西沢渡から登ってきた人たちはみんな、最後の最後でこの急傾斜をよじのぼって
きたのか。大変だー。少し標高を下げると徐々に尾根筋が見えてきて、マークも
ついてきて道がはっきりする。あとはひざを痛めないように降りつづける。
時々出会う登り方向の登山者は100%単独者ばかり。この時期にここへ来る単独者とは
皆、話が合い、ついつい話し込んでしまう。
我慢の下りが続く。雪は2000付近までときいていて、2000標識の少し下の
苔平というところでアイゼンを脱ぐ。ひたすら降る。雪も消え、緑が徐々に増え、
ピンク色のツツジのかたまりが所々に浮かぶ。明るく乾いた登山道にはスミレ
が多く咲いている。下は春だなー。
ようやく造林小屋が見えてきた。あーやっとここまで降りてきたよ。あと少し。
西沢渡。昨夜、小屋できいた単独者の情報では、少し上流側に行けば飛んで
渡れるところがある、とのことだったので、探してみるとたしかにそれらしき
ところが。標高差1300の下りでプルプルガクガクの脚でザック背負ったまま
ピョンピョンと軽快に飛べるのか・・・・下りの疲労で思考回路も鈍っていて、
まあやってみるかと脚をのばす。濡れた石は思いのほか滑り、いきなり左足着水。
あーあ。やってしまった。
意外なことに、昨年の沢登体験で登山靴のまま沢に入ることにあまり違和感がなく、
大したショックでもない。でもさすがにこのままジャブジャブ行くのは躊躇われて、
渡し籠にチャレンジ。向こう岸と籠とこちら側に渡してあるロープを引くが、
籠の動作方向が完全に自分に向いているので、どれだけ引っ張ればどれだけ動くのか
全然わからない。どうみてもギア比が高すぎて、相当引っ張ってもチョッピリしか
動いていないように見える。右手の掌を負傷していて、ギュッと握る力に
乏しいので、籠をこちらに引っ張ったのちに自分ごとまた向こう岸まで引っ張るのは
不可能に思えて、渡し籠もあきらめる。
渡渉するしかない。渡渉のノウハウは全然ないので感覚でルートを選ぶ。
手がかりとなる石の多いルートは、流路が狭まるぶん流れも急で、なかなか難しい。
よしここ、と決め、靴と靴下を脱ぎ、ズボンは下半分を切り離し、万一の尻餅を
想定して貴重品入りウエストポーチはザックのいちばん上へ。沢へ足を踏み入れる。
雪解け水、冷たいーーー!!今は結構ですと言いたい足裏マッサージに雪解け水の
激しい流れが襲い掛かり、うわー超大変!命の危険は感じないが、大丈夫!大丈夫!と
大声をはりあげながらなんとか通過。
大した渡渉ではないのだろうが、初心者としてはかなりの大イベントだった。
あーやっと困難箇所は終わった。あとはトボトボと林道を行くだけ、の筈が・・・・
正直、西沢渡〜便ケ島の林道が、今回の山行でいちばん身の危険を感じた。
法面の崩れた土砂が登山道を覆う写真は南アではおなじみだが、実際に経験すると
その恐怖は半端ないことを実感。土砂が登山道を覆っているだけならまだいいが、
登山道も押し流しているところは大きく高巻くしかない。今にも足元から崩れ去って
飲み込まれてしまいそうな砂の斜面、下方には奈落の底に遠山川。必死に高巻いて
越えても、2mの法面があって、飛び降りるとそのまま林道から奈落の底に
転げ落ちてしまいそう。どうにもならないがどうにかするしかないので、どうか
林道で止まりますように、奈落の底まで落ちてしまいませんようにと祈りながら
ザックを下へ落とす。ゴロゴロと転がってなんとか林道で止まる。空身になって、
砂の積もる法面をバックステップで降る。なんとか通過完了。こんなに緊張したのは
人生初めてかもしれない。寸又川左岸林道の崩落写真と「危険ですから絶対に
入らないで」のコメントをPC画面で見て、そんなに大変なのかな?と呑気にとらえて
いたが、いやいやいや!めちゃくちゃ大変です!!!!
笠松尾根取付きや、この林道を経験して、「登山道は人工物」を大きく実感した。
山は、素の姿では、重力に任せて骨格で立っていられる場所など殆どない。
山に付いている、鉛直でrigidな面は、殆どが人工的に作られたもので、普段
何も考えず歩いている一般登山道は全て、誰かがお金と労力を注いで、
アスファルトを歩くのと同じ感覚で山を歩けるようにして、かつ、キープ
の努力をしている。
何があるべき姿なのか・・・・よくわからない。はっきりしているのは、
誰かのおかげで山を楽しめているということ。
しかし、聖岳周辺で出会ったほとんどの人はこの崩落を乗り越えて入山して
いるということか。みんな、猛者!!!
あまり詳しく書くとアレだが、入山規制は入らないのか、このまま廃道と
なってしまうのではないか・・・・色々心配です。
いちばん最後に最大のイベントを乗り越え、便ケ島登山口へ到着。

【感想】
珍しく下山直後にコレを書いているので興奮冷めやらずではあるが、
よく無事戻れたと思う。
客観的にみて自分には今回のルートを予定通り無事歩ける力量はない。
やはり多くの人に助けられ、幸運も重なって、「生きて帰って」
こられたのだろう。
では、どれだけの経験と力量をつければ、今回のルートには充分なのかと
いうと、どんなに凄い人でも遭難死する確率ゼロにはできない。
ただひとつ、今回は、平常心をキープし心が折れないようにするため、
マイペースの遵守を心掛けた。結果的にはこれが「生きて帰る」の
確率を高めたのかもしれない。
今回の経験を今後に活かし、もっともっと山を楽しんでいきたい。

長々とありがとうございました。

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コメント

”はじめまして”と言うべきか・・・
ijikemusiです。
以前から すごい女性がいるもんだ・・・と思ってレコを拝見しておりました。
笠松山の足あとが まさかそのlets さんとは。 恐れ入りました。 私はとてもあの聖を登れる気がしませんでした。 全く脱帽です。  しかし兎平の景色はすばらしかったですね。 とても気に入りました。
2013/5/5 19:14
失礼しました
お名前を間違えてしまいました。 ebi0813山でしたね。 ごめんなさい。
2013/5/5 19:23
おつかれ!
やりましたね!!

GW中にあの尾根を歩いた人は多分3人・・

トップを飾ったのがebiさんで

しんがりが僕、でなんと驚き!!

行き会ったあの方は↑のijikemusiさんだったとは・・・

お互い<こんなとこで人に会うとは思わなかったね・・>って言葉を交わしたのが印象的でした。

それにしてもebiさん凄い!!
2013/5/5 23:25
はじめまして!?
ijikemusiさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
笠松尾根から兎岳、お疲れさまでした。

あちらにも書かせていただきましたが、ijikemusiさんは
きっとこのGWに笠松尾根を狙うだろう、もしかしたら
バッタリ会っちゃうかも、などと想像しておりました。
似た写真が多く、やっぱりカメラを出して画像を残したくなる
場面はみんな同じなのかなと笑ってしまいました

笠松尾根のトレース見られてしまってお恥ずかしいかぎりです。
驚異的に狭い歩幅で、何だこれは?という感じだったのでは。
聖は、先行の大学山岳部がいなければ、絶対に無理だったと思います。
本当にラッキーでした。
2013/5/6 9:59
世間は狭い!?
letsさん、こんにちは。コメントありがとうございます。
笠松尾根から兎岳、お疲れ様でした(笑)

・・・・それにしても、ヤマレコ内で
「きっとこの人は笠松尾根行くんだろうな」と思っていた人が
バッチリ出揃いましたね。
しかも取付きが三者三様!
どの取付きがいいか、3人で議論してみたいもんです
2013/5/6 10:04
すご〜い!
こんにちは、ebiさん!

いや〜レコ感動しましたよ
山もレコもすばらしい

私もGW後半は便ヶ島へ入る予定でしたが、ひょっとしたら混雑するかと思い、富士山へ逃げちゃいましたが、このようなレコを拝見すると、チョット悔やまれます

お疲れ様でした
2013/5/9 11:32
いやいやhottenさんの富士山シリーズのほうが!
hottenさんこんばんは。
コメントありがとうございます

そうそう、ほぼ1年ぶりの開通で、1か月以上前からソワソワしながら
開通日の情報を集めまくりました。
林道の崩落箇所は立派なコンクリート法面ができてました
ただ、便ケ島〜西沢渡はほんとにコワすぎです。
多少遠回りでも易老渡から入山か、笠松尾根を使ったほうがいいかと。

日を置かずに、南から北から、富士山登頂、すごいです〜〜〜
世界遺産確定となって、ますます入山者が増えるのでしょうけど、
hottenさんのレコのように、危険をきちんと発信することが大事だなと思いました。
2013/5/9 23:15
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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