裏銀座〜読売新道
- GPS
- 27:41
- 距離
- 48.5km
- 登り
- 4,605m
- 下り
- 4,442m
コースタイム
06:00高瀬ダム〜06:20ブナ立尾根登山口06:20〜09:26烏帽子小屋09:31〜10:10烏帽子岳10:25〜10:54烏帽子小屋11:12〜12:13三ッ岳12:13〜13:37野口五郎小屋(休憩)13:51〜14:07野口五郎岳14:13〜14:45真砂岳分岐14:45〜15:54東沢乗越15:54〜16:50水晶小屋(宿泊)
※ログはブナ立尾根で一部乱れているところがあります
●8月9日(金)
04:51水晶小屋〜05:25水晶岳05:50〜06:40温泉沢ノ頭06:40〜08:55赤牛岳(昼食)09:26〜12:26 鎖場(2/8)12:26〜13:50奥黒部ヒュッテ(幕営)
※水晶岳〜赤牛岳間のは天気待ちのためかなりゆっくり歩いているのでコースタイムは参考になりません
●8月10日(土)
07:09奥黒部ヒュッテ〜08:43平ノ渡渡船場(針の木谷/船待ち)10:20〜10:30平ノ渡渡船場(平の小屋)10:30〜12:54ロッジくろよん13:20〜13:48黒部ダムトロリーバス乗り場
天候 | 8月08日(木):晴れ! 8月09日(金):ガス→快晴! 8月10日(土):曇り→晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
船
●クルマ 七倉山荘前駐車場(無料/約50台/5:10頃到着時駐車率は8〜9割程度) ●タクシー 七倉ゲート〜高瀬ダム(2100円/10分程度/相乗りの場合は1人500円) <帰り> ●トロリーバス 黒部湖〜扇沢(1500円/手荷物10kg以上で200円) ●タクシー 扇沢〜七倉山荘(6400円) |
コース状況/ 危険箇所等 |
【登山ポスト】 七倉山荘にあり 【コース状況】 ●高瀬ダム〜烏帽子岳 高瀬ダム堰堤のタクシー乗り場から不動沢トンネルへ進みます。 その後、不動沢に架かる長い吊り橋を渡り、不動沢・濁沢キャンプ場を通過後、 濁沢を右岸に渡り少し遡ると裏銀座登山口に到着です。登山口には水場あり。 北アルプス三大急登のブナ立尾根は急登ではあるけど、よく踏まれているので、 テンポ良く登ることができます。 登山口から烏帽子小屋まで12分割された標識があるので(いくつかは見落としましたが)目安になります。 烏帽子小屋からはまず前烏帽子岳まで緩やかな登山道を進みます。 前烏帽子を越えて烏帽子岳との鞍部まで下ると南沢岳との分岐が現れここを左に進みます。 山頂直下にはクサリ場あり。山頂は切り立った岩場となっていてスペースも狭いです。 野口五郎方面に進む場合は烏帽子小屋で荷物をデポして空身で往復するのが良いと思います。 ●烏帽子岳〜野口五郎岳 烏帽子岳から野口五郎岳までは、快適な稜線歩きとなります。 烏帽子小屋のキャンプ場の間をすり抜け、まずは三ツ岳まで高度差300メートルを登ります。 この付近の稜線にはコマクサがまだたくさん咲いていました。 三ツ岳の山頂直下から上りは緩やかになり、槍ヶ岳の姿も見え始めます。 三ツ岳のピークを巻くように登山道は付けられています。 その後、いくつかのピークを巻きながら歩くと、 登山道はお花畑コースのトラバース道とピークを進む展望コースに分かれます。 この辺りから進行方向左手に表銀座の稜線、右手には水晶〜赤牛の稜線を見ながらの 絶好の稜線漫歩が楽しめます。 そして、次第にに岩が目立ち始めた登山道を進んで行くと野口五郎小屋が現れ、 ここからさらにゆるやかに登っていくと、広々とした野口五郎岳に到着です。 ●野口五郎岳〜水晶小屋 野口五郎岳からは、稜線からやや西側のトラバース道を緩やかに下って行きます。 真砂岳の分岐からは急斜面の岩場となり、アップダウンを繰り返しながら、東沢乗越まで下ります。 東沢乗越からしばらくは岩場の登りとなり、登山道は次第に赤土の急斜面と変わり、 もうひと踏ん張りすると水晶小屋に到着。 この区間、水晶小屋はずっと見えているけどなかなか近づかないのがツライところでした。 ●水晶小屋〜赤牛岳 水晶小屋からしばらくは平坦なハイマツ帯の道となり、頂上直下からは岩稜帯に。 岩稜帯に入ると少し危険な箇所も所々ありますが注意すれば大丈夫でしょう。 水晶岳から先は極端に人の影が減ります。 いくつかの岩峰を巻いたり登ったりしながら越えていくと温泉沢ノ頭に到着。 温泉沢ノ頭から登山道は赤茶けた様相に変わり、砂礫と岩場が入り交じります。 赤牛岳までは広い稜線となっていてとても歩きやすいです。 頻繁にケルンがありますが、視界不良の際は注意が必要です。 岩稜帯は大きな岩でもグラグラしている場合があるので、浮き石にも注意です。 ●赤牛岳〜奥黒部ヒュッテ(読売新道) 読売新道は8分割の標識が立っているのでどの程度歩いたかの目安になります。 赤牛岳からしばらくは、岩稜帯を下って行きます。 高度を下げると徐々に灌木が現われ始め、5/8の標識から森林限界の下になり、 ここから奥黒部ヒュッテまでは視界のない森の中をひたすら下降します。 樹林帯の登山道はしっかりしていますが、木の根や滑りやすい苔むした岩、泥濘が続きます。 しかし、事前に見聞きしていたよりはだいぶマシな印象でした。 たいへんだったのは木の根を高巻くように付けられた登山道で、アップダウンが次第に堪えてきました。 ●奥黒部ヒュッテ〜黒部湖 黒部湖沿いに付けられた水平道を平ノ渡の渡船場まで進みます。 標高差はほとんどありませんが、木製のハシゴや桟道が連続したアップダウンの激しい道となっています。 平ノ渡の渡船場は、目立った看板もないので、うっかりすると通り過ぎてしまいますので注意が必要です。 渡船場から無料船に乗って対岸に渡ります。 ちなみに無料船は黒四ダムを建設する際、黒部川を横断する登山道が水没してしまうために、 国が関西電力に無料船の運行を義務づけたのが今でも続いているとのことです。 無料船を乗ること10分ほどで、対岸の平の小屋側に到着。 ここからは再び湖畔沿いの水平道となります。 針の木側よりもハシゴや桟道は減りますが、ロッジくろよんまで平坦な道が延々と続きます。 ロッジくろよんからは舗装された道となり、 かんぱ谷橋、遊覧船乗り場を通過し、黒部ダム堰堤を渡ってトロリーバス乗り場に到着です。 |
写真
感想
夏休み山行の第2弾は裏銀座と読売新道の2つの稜線を周り、
北アルプス最深部をエンジョイしようということで、
高瀬ダムから登り黒部ダムへ降りるというルートを2泊3日で回ることにしました。
このルートの難点は2泊3日で回ろうとすると、初日のテン泊が難しいこと。
烏帽子小屋だと2日目の負担が大きくなるし、三俣山荘だと1日目の負担が大。
烏帽子岳は飛ばしたくないし…。
ということで、しかたなく初日は水晶小屋で素泊まりして自炊する計画にしました。
●8月8日(木)
七倉ダム発5:30のタクシーに乗るべく、深夜に東京を出発。
ところが、komemameと食糧計画を話してる間に、
安曇野(旧豊科)インターで降り損ねてしまいました。
安曇野から麻績の区間は異常に長いので、とてもアセりましたが、
かなり遠回りして、何とか5時過ぎに七倉山荘に到着できました。
お盆前にも関わらず七倉山荘は盛況を呈しており、
始発のタクシーには乗れませんでしたが、
2巡目の最後の車両にギリギリ乗ることができ、
6時ちょうどに高瀬ダムを出発しました。
ブナ立尾根は急登ですがとても登りやすく、
テン泊装備にも関わらず3時間ほどでやっつけることができました。
これで後ろの行程がだいぶラクになるかな、と思っていたのですが
烏帽子小屋で第二の関門が待っていました。
空身で烏帽子岳を往復した後、烏帽子小屋に戻り水を補給したのですが、
次の水場である水晶小屋は1リットルまでしか手に入らないため、
今日のこれからの分と水晶小屋での夜ゴハン、朝ゴハンの分、
そして翌日の読売新道の奥黒部ヒュッテまでの分と大量に背負っておく必要があります。
おかげでザックがずしりと重くなりました。
しかし、裏銀座の稜線は天気にも恵まれ、
背中の荷物の重さを忘れてしまうほど最高でした。
野口五郎まで順調に歩を進めましたが、
真砂岳の分岐からがツラかった〜。特に東沢乗越からの登り返し。
これまでの疲れも出始め、水晶小屋が見えているのになかなか近づきませんが、
何とか17:00前に水晶小屋に到着。
混むので有名な水晶小屋でしたが、
2人で布団1枚だったのでマシなほうだったのでしょうか。
自炊は自分たちだけだったので快適に料理ができました。
●8月9日(金)
朝起きて外を眺めると予想だにしなかったガス。ガス。。ガス。。。
でも予報は晴れなのでそれを信じて5時前に出発。問題はいつ晴れるかです。
あまり早く歩き過ぎると晴れの稜線を歩く時間が短くなってしまいます。
今日は読売新道とはいえ、行程には比較的余裕があるのでゆっくり水晶に向かいます。
こんな時に限って、山頂まであっという間に感じます。
水晶で30分ほどねばるもガスは一向に晴れそうにないので、しかたなく進みます。
温泉沢ノ頭を過ぎると、時折明るくなり晴れそうな気配がムンムンと漂ってきました。
しばしば立ち止まって、勢い良く流れるガスの隙間から見える風景を探します。
ブロッケンも見られました。
時間を追うごとにガスが流され、青い空の占める面積がどんどん大きくなります。
そして、眼下には黒部の深い緑と山々が姿を現し始めました。
たま〜にこんなことがあるから山登りは止められません。
正面には赤牛。振り返ると水晶と槍、そして黒部五郎。左手にはどこまでもデカい薬師、
右手には昨日歩いた烏帽子、三ツ岳、野口五郎と360度山に囲まれていて、
自分が今、北アの最深部にいることを実感できます。
赤牛までは、少しでもこの稜線に長く居られるように、
ゆっくりと歩きながら写真を撮りまくりました。
赤牛山頂でゴハンを食べてから、いよいよ読売新道に入ります。
黒部湖が正面に見ながらしばらくは森林限界上の岩稜帯を下ります。
樹林帯に入るまでのこの時間を慈しんだ後は、
深い森の中をひたすら下り奥黒部ヒュッテに到着。
テントの受付すると同時にビールを注文。体中に染み渡ります。
奥黒部ヒュッテのテン場はとても快適でした。
整地されたテントサイトにすごい勢いで流れている水場、キレイなトイレに、
宿泊客が少なければ無料でお風呂にも入らせてもらえます。
この日のテント泊は7組と少なく静かな夜を過ごすことができました。
●8月10日(土)
普段の山行と違ってこのルートは最終日もとても楽しみ。
すでに読売新道で降りてきちゃっているので下りのシンドさはないし、
湖畔沿いの水平道を木製のハシゴや桟道を伝って登り降りするというアスレチックな要素あり、
平ノ渡から船に乗るというアトラクションありとひと味違います。
テン場で同じルートを辿ってきたお二人と
扇沢から七倉までのタクシー相乗りのお声掛けをしていただき出発。
船の時間があるので、自然とみんな同じペースとなり扇沢までご一緒しました。
今回のルートは2つの稜線を歩けるだけでなく、最後の最後まで変化に富んでいて、
とても楽しむことができました。
お天気にも恵まれ夏の北アルプスを満喫することができました。
ありがとうございます!
danyamaさん!komemameさん!はじめまして!
同じ日に奥黒部ヒュッテでテント泊をして、翌日船の渡し場でいっしょだった者です。
お二人ともとても健脚でどこからこられたのか何となく気になっていましたが七倉から入山されていたのですね!
重い荷物で初日に水晶小屋まで行かれたとはすごいです。
食事にもこだわりを感じ、写真もセンスの良さを感じます。
読売新道に来る方は皆さん凄い人ばかりで良い刺激を受けました。
写真の雰囲気など今後の参考にさせていただきます。
いつもながらいいコースを突いて来ますね
赤牛岳はいつも気になっているのですが、残念ながらまだ登ったことが有りません。
水晶岳までは何度か行ったのですが、赤牛まで足を伸ばすには読売新道しかなく、北アルプスの最深部ですからなかなか決心がつかず、宿題のまま残った山になってしまっています。
それにしても初日の行程はまさに「鬼」ですね。ブナ立を軽くこなしてしまい水晶まで行ってしまうとは、、、、。
danyamaさんは以前から山をやっていらしたのでわかりますが、komemameさんの健脚ぶりには本当に敬服しております。普段からよほどトレーニングされているのでしょうね?
同じ日、私は槍ヶ岳を眺めながらゆっくりしていました。
また、次のレコも楽しみにしています
hissy369さん
こんばんは。初めまして。
hissy369さんのこと、もちろん覚えていますよ!
渡船場で待っている間、
hissy369さんが今回のルートをお話されているのが聞こえてきて
「いいルートだなぁ、特に2日目はスゴいなぁ〜」と思ってました。
ボクたちも、あと1泊増やせたのなら、
雲ノ平から高天原経由で赤牛に向かうルートを考えていたので、
とてもうらやましいです。
食事と写真、お褒めいただきありがとうございます!
どちらも重量増の主な原因となるので、
どこまで犠牲にするかいつも悩みますが、
結局、欲張っちゃって自分の首を絞めてしまいます(笑)
hissy369さんの魅力的な記録の数々、拝見いたしました。
こちらこそこれから参考にさせていただきます!
またどこかの山でお会いできますように。
コメントありがとうございます!
yamaya1127さん
こんばんは。
コメントありがとうございます!
赤牛岳、予想以上にいい山でした。
裏銀座から眺めていてもとても存在感はあるし、
山頂からの眺望もすばらしかったです。
読売新道も水晶小屋からのスタートだと、
思っているよりも大変さは少ないのでは…と思いました。
komemameですが、特に何かトレーニングをしている訳ではありませんが、
ここのところ頻繁に一緒に山に行ってるせいか、
メキメキと歩けるようになりました。
山のトレーニングには山が一番だと言いますから。
今回も水晶まで引っ張ってもらいました。
yamaya1127さんの槍の記録拝見しました。
お盆前とはいえ、北ア南部はスゴい人だったのですね。
大キレットと北穂・奥穂は残念でしたが、
さすがのナイス判断で満足度の高い山行になって何よりです。
お互い好天に恵まれて本当によかったですね!
こんばんは
まずは、剱岳の山行に速攻のお祝いのコメントを頂きありがとうございました。!!
何事もなく無事に剱岳&穂高連峰での目標を達成出来、悦びに浸っています
danyamaさん・komekameさんは猛烈なルートの山行 をされてたのですね。1日目の水晶小屋までも、2日目の読売新道も相当にハードなはず。しかも場合によっては雲ノ平や高天原までも含まれたかもしれないとは!
恐るべきバイタリティに敬服致します
espritさん
こんにちは。
コメントありがとうございます。
100名山完登&3000m峰制覇、
おめでとうございます&お疲れさまでした!
剱の後の穂高はespritさんにしてはのんびりスケジュールで、
たっぷりと余韻に浸りながら歩けたのではないでしょうか。
渋滞はやっぱりあったようですが、
とにもかくにも、お盆は天気に恵まれたことが何よりですね。
自分たちは、混雑を恐れて1週早く休みをとりましたが、
混雑はある程度避けられたものの前半の天気はイマイチでした。
これからは百高山ですね!楽しみにしています。
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