奥穂高岳・白出沢ルート(日帰り)
コースタイム
- 山行
- 13:46
- 休憩
- 1:19
- 合計
- 15:05
天候 | 09/27(火)→はれ/くもり/雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
■アクセス→長野道松本IC〜車で約100分。 ■駐車台数→215台(無雪期) ■トイレ→2台あり(シーズン中のみ) ■水場→なし。 ■登山ポスト→なし。 ■24時間利用→可能。 ※駐車場→下段・中段・上段・最上段あり。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
■新穂高第3駐車場(1,040m) 上記のアクセス欄を参照して下さい。 09/26(月)の19時08分に到着で駐車台数は82台、09/27(火)の18時05分に到着で駐車台数は57台です。 ■新穂高登山指導センター(1,090m) 新穂高第3駐車場から約10分で新穂高登山指導センターに到着です。 トイレ(24時間可能)・自動販売機・公衆電話・登山ポスト(登山届・下山届)があります。 ■林道ゲート(1,090m) 新穂高登山指導センターから約5分で林道ゲートに到着です。 こちらにも登山ポスト(登山計画書とペン有り)があります。 新穂高ロープウェイ駅から近いですが、林道ゲート〜小鍋谷ゲートの区間で熊が出没するので注意が必要です。 ■小鍋谷ゲート(1,275m) 林道ゲートから約15分で小鍋谷ゲートに到着で す。 小鍋谷ゲート〜右俣谷第4号砂防堰堤の区間(新しい林道を作る工事中)で大型車両の通行があるので注意が必要です。 ■穂高平小屋の近道(1,237m) 小鍋谷ゲートから約10分で穂高平小屋の近道に到着です。 近道は複数の小さい沢を渡りぬかるみが多いです。 近道を利用しても20〜30分も短縮はできず、登山の序盤で靴を濡らしたり汚したりしたくありません。 夜間歩行では安全面を考えても整備された登山道を利用した方が快適です。 ■穂高平小屋(1,320m) 穂高岳小屋の近道から約20分で穂高平小屋に到着です。 屋外にトイレがあり(小便器3台・大便器2台(紙なし・汲み取り式)、トイレ料金は大便200円・小便100円です。 室内に公衆電話(使用可能)がありますが、当日の営業は臨時休業でした。 ■柳谷の崩落地(1,424m) 穂高平小屋から約25分で柳谷の崩落地に到着です。 ここは通年落石があり、降雨や地震直後の通行には特に注意が必要です。 ■ネボリ谷(1,494m) 柳谷の崩落地から約15分でネボリ谷に到着です。 右俣林道で唯一ガードレールがあり、積雪期には雪で埋まります。 ■奥穂高岳登山口(1,537m) ネボリ谷から約10分で奥穂高岳登山口に到着です。 奥穂高岳登山口〜白出小屋跡(小屋番の駐車場)〜樹林帯を通過して重太郎橋へ向かいまが、右俣林道から熊笹に隠れているので道迷いに注意が必要です。 ルートを間違えて白出沢出合から沢沿いを登っても重太郎橋まで行けますが、大きいゴーロ帯で時間が掛かります。 林道ゲート〜白出沢出合で6.5kmの右俣林道は終了です。 ■重太郎橋(1,888m) 奥穂高岳登山口から約45分で重太郎橋に到着です。 樹林帯から白出沢に下降すると3本の角材で出来た重太郎橋(幅50cm)を岩切道のある右岸へ渡渉します。 以前は角材4本で幅の広い橋が今季は3本と狭いですが、長さ3mの重太郎橋をゆっくり渡りましょう。 当日(登りのみ)の天候は安定していましたが白出沢本流(鉱石沢と白出大滝は水量が豊富)の水量は多く、増水した場合は重太郎橋〜鉱石沢の区間は岩場・鎖場・はしごに増水の危険が加わります。 橋が流失しても水量が通常時ならば橋の上部と下部で飛び石で渡渉が可能です(写真添付) 登山時に増水や橋が流失した場合は登山中止やルート変更ができますが、下山時に増水や橋が流失した場合は逃げ場がなく鉱石沢上部の樹林帯に登り返してビバークする以外にエスケープルートが思いつきません。 岩切道(重太郎橋〜鉱石沢)が白出沢ルートの核心部ですれ違いが困難になり落石・滑落地帯なので登山前後の天候に大きく左右されるルートです。 核心部の詳細は時系列で写真を掲載しています。 調べると白出沢や滝谷が増水した動画があるのでぜひ確認して下さい。 ■天狗沢出合(1,919m) 重太郎橋から約10分で天狗沢出合に到着です。 岩切道は右岸にあり、天狗沢は左岸にあるので道迷いの心配がありません。 重太郎橋〜白出大滝の岩切道の区間は高さ10〜20mあり高度感を感じる場面で、この区間が岩切道の核心部です。 岩切道は砂・砂利・ガレ場のトラバースになりますが、鎖があるので少し安心できます。 滑落・落石の危険が高いので不安になりますが、技術的に難しくありません。晴天時には深いV字谷の岩壁に挟まれた岩切道が楽しめます。 天狗沢出合に道標はありません。 ■鉱石沢出合(2,030m) 天狗沢出合から約25分で鉱石沢出合に到着です。 天狗沢出合〜鉱石沢出合〜最終鎖場はトラバースやはしごがありますが、技術的にに難しくありません。 晴天時の水量で滑落しても高さ5mなので即死は回避できますが、トラバース道と沢の距離が近く増水時には怖い場所です。 最終鎖場の下部では岩切道〜最終水場を渡渉・直登しますが増水時には重太郎橋を通過できてもここで敗退濃厚です。 下山時には雨が降りガスの中を通過しましたが、濡れた1枚岩や水が流れる岩切道では神経を削られます。 以前は鉱石沢の道標がありましたが当日は見つかりませんでした。 ■荷継小屋跡(2,200m) 鉱石沢出合から約30分で荷継小屋跡に到着です。 最終鎖場を登り切ると荷継小屋跡まで熊笹・木の根・ガレ場の急登の樹林帯です。 荷継小屋跡は石垣のみ残り、荷継沢を対岸(左岸)へ100m渡ります。 晴天時でも道迷いポイントになりガレ場には複数の踏み跡があります。下山時には雨が降りガスの中を通過しましたが、悪天候では迷いやすい場所だと感じました。 荷継沢の100m手前から下山者2名がルートを外して荷継沢を下降(白出大滝の上部へ続く)するのを確認しました。どちらも樹林帯へトラバースせず勢いよく下り、30分後に登り返してきて登山道に復帰しました。 白出沢上部から下ってくると右岸にある荷継沢の道標が岩に隠れていたり、荷継沢のトラバース〜荷継小屋跡〜樹林帯から登山道が視界に入らず無意識に荷継沢を下りやすいと感じました。 荷継沢の道標や倒木に巻かれたピンクテープが100mのトラバースにはありますが、落石や雪崩で消失するので特に注意が必要です。 詳細は時系列で写真を掲載しています。 ■スベル・アビナイヨ(2,617m) 荷継小屋跡から約85分でにアビナイヨに到着です。 荷継小屋跡〜穂高岳山荘は逆くの字の形になり、荷継沢を100m左岸へトラバースして、100m登った標高2,300mになると稜線が確認できます。 荷継小屋跡〜白出のコルは幅が約100mの浮き石だらけのガレ場の急登です。稜線まで左岸〜中央〜右岸と白い丸印や矢印のペンキマークと倒木に巻かれたピンクテープに沿って登りますが、登りではマーキングは見えますが下りではペンキマークが見えません。 落石や雪崩で流されたペンキマークが付いた岩もあるので、迷ったら稜線を目指して登りましょう。 稜線まで浮き石が多く落石を落とさないように、落とされないように注意が必要ですが不可能です。 特に下りでは下山路が不鮮明で、何度も足元が1〜2m崩れるので下側に登山者がいなければ自由に歩き、パーティーで下山する場合は安全な距離を保ちましょう。 アビナイヨの大岩の目印は◎(二重丸)です。 稜線の右側に焼却炉の煙突、左側に穂高岳山荘のトイレの屋根が見えてそこから登り上げます。 ここから稜線まで90分と標高差366mあり、最後の踏ん張りどころです。 ■穂高岳山荘(2,983m) アビナイヨから約90分で穂高岳山荘に到着です。 白出沢から穂高岳山荘へ登り上げて、ザックをデポしてアタックザックで奥穂高岳に向かいます。 奥穂高岳まで日帰り・小屋泊を問わずテラスにザックをデポする登山者がほとんどなので、貴重品の管理と盗難に注意が必要です。 奥穂高岳から岩壁に取付き2段はしごを登ると高度感があり、鎖場をトラバース(防止転落ネット)します。 ここが核心部になり小ピークを3つ越えると奥穂高岳に到着です。 この稜線上に4個の幕営適地がありますが晴天時・積雪期・緊急時に限ります(写真添付) トイレは有料で1回100円、水場は0.5L→100円、1L→200円でどちらもテント泊と小屋泊は無料です。 ※穂高岳山荘と白出のコルは同じとします。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ★その他の注意点 奥穂高岳・白出沢ルートは距離22.3km・標高差2,150m・コースタイム15時間45分になります。 今回のルートで核心部は岩切道の滑落と落石、荷継小屋跡〜穂高岳山荘の落石(8〜9割が浮き石)です。 日帰りで登頂するには天候・体調・装備・気力・急登を登れる体力とルートファインディング能力が必要です。 日照時間が短い秋〜冬に日帰りする場合は、遅くても日没前に荷継小屋跡〜重太郎橋を通過する事が重要で奥穂高岳登山口まで通過できれば安心です。 同ルートを早い人であれば10〜12時間、平均15〜16時間で日帰りできます。 岩切道の崩落から2年ぶりに開通した白出沢ルートは奥穂高岳への最短ルートですが急登・岩場・標高差があるルートです。 ★白出沢ルートについて 白出沢ルートは深いV字谷になり天狗沢・鉱石沢・荷継沢・セバ谷・複数の支沢が白出沢本流に合流します。 奥穂高岳登山口〜重太郎橋まで樹林帯、重太郎橋〜鉱石沢出合(最終鎖場)まで岩切道のトラバース、鉱石沢出合〜荷継沢まで急登の樹林帯、荷継沢〜穂高岳山荘まで標高差800mのガレ場の急登です。 白出沢は渡渉・増水・橋の流失・鎖場・はしご・滑落・落石・雪崩の危険が非常に高いルートです。 天候が安定している時期に通行すると安心・安全です。 ★岩切道について 幅30〜60cmの岩切道は岩の上に砂・砂利・1枚岩がありとても滑りやすいです。岩切道は高さ5〜20mの高さがあり登山者のすれ違いが困難です。 危険な場所は鎖があるので、安全な鎖の切れ間でお互いに声を掛け合い譲り合いましょう。 岩切道の鎖は100%安全ではないので全体重を預けるのは危険です。鎖の支柱が打ち込まれた岩壁は脆く、下山時に手を掛けた岩壁が崩れて落石が発生したり、落石が直撃してちぎれた鎖がありました。 岩切道では高さ・滑落・落石の危険と恐怖を感じますが、休憩しないで素早く通過しましょう。 天狗沢や鉱石沢への道迷いはありません。 ★荷継沢について 荷継小屋跡(石垣のみ)から10mで荷継沢の道標があります。対岸(左岸)へ100m渡り100m登った標高2,300mから穂高岳山荘の石垣が見えます。 荷継沢を登り涸沢岳西尾根に登る事も可能(直近の記録あり)ですが、ほとんどの登山者が白出沢から穂高岳山荘を目指します。 荷継小屋跡の手前の樹林帯から単独男性2人が下ってくるのが見えましたが、樹林帯へトラバースしないで荷継沢を下ります。 2人目も先行者に釣られてどんどん沢を下り、30分後に登り返して登山道に復帰しました。 下山時に雨とガスに包まれて見通しが悪いと道迷いしやすい場所だと感じました。 ★荷継小屋跡〜穂高岳山荘のガレ場について この区間は8〜9割が浮き石で落石に注意が特に必要です。 ガレ場の岩には白いペンキマークで丸印や矢印がありますが右岸・中央・左岸を歩いて稜線に向かいます。 ペンキマークは登りでは見やすいですが、下りではほとんど見えません。 歩いている上下に登山者がいる場合は落石を落とさないように、落とされないように注意が必要です。 特に下りでは1〜2mの長さで足場が何度も崩れるので、下部に登山者がいなければガシガシ下ります。上部に登山者がいる場合は正規のルートを外れて比較的に安全な距離を保てる場所を歩くと安全です。 パーティーの場合は落石に備えて距離を置きましょう。 稜線が見えても標高差800mあり足場も悪く体力を削られて、アビナイヨから稜線までが長く感じます。 ★登山ポスト 登山ポストは新穂高登山指導センターと林道ゲートに設置されています(どちらも登山計画書とペン有り) ★水場 地図では奥穂高岳・白出沢ルートに鉱石沢出合(最終鎖場)に水場が1つあります。ここが最終水場になり穂高岳山荘まで3〜5時間の急登が続くのでしっかり補充しましょう。 地図にはありませんが新穂高登山指導センターの10m手前の車道、林道ゲート〜穂高平小屋の右俣林道沿いに沢水があります。 ★駐車場について 駐車場の詳細は上部のコース状況に掲載しています。 冬場に利用する事が多いので、平日で50〜80台も駐車していて驚きました。 新穂高第3駐車場は最上段・上段、中段・下段があり、登山口が近い最上段とトイレ(シーズンのみ)がある下段が人気です。 車中泊する場合は、川の水音が大きい下段に駐車すると車のエンジン音や早出の場合は気になりません。 ★山小屋の営業について 奥穂高岳・白出沢ルートには穂高平小屋と穂高岳山荘の2つの山小屋があります。 事前に営業期間や宿泊の予約の有無(小屋泊・テント泊)の確認が必要です。 日帰りでも、緊急時に備えてツェルトを必ず持参しましょう。 ★マーキングについて 奥穂高岳・白出沢ルートには各所に道標やピンクテープがあり、登山ルートを予習していれば道迷いする場面はほとんどありません。 重太郎橋〜穂高岳山荘の区間は落石・雪崩・悪天候でマーキングが消失する可能性が非常に高いです。 積雪期にはマーキングが雪で埋まり、登山道は消えてルートファインディング能力が必要です。 ★天候や服装について 交通規制・登山口までのルート・登山ルートに注意が必要です。 同時に大雨注意報・雷注意報・土砂災害警報にも注意が必要です。 奥穂高岳・白出沢ルートの6〜7割が樹林帯になり、荷継沢〜穂高岳山荘まで急登・浮き石のガレ場です。 奥穂高岳登山口〜重太郎橋の樹林帯は、朝露と雨の場合は体に触れた草木で衣類が濡れます。 当日の山行では下山時に荷継沢〜新穂高第3駐車場まで雨が降ったのでザックカバー・ゲイター・タオル・合羽があると快適です(全て持参しましたが未装着) 当日は気温11℃〜16℃あり、平均気温は13℃です。 悪天候では装備や服装(着替え)に注意しましょう。 ★幕営適地について 無雪期の奥穂高岳・白出沢ルートでは幕営適地がいくつかあります(写真添付) 新穂高第3駐車場〜奥穂高岳登山口の右俣林道沿いはどこでも幕営可能で、日帰りで疲れた場合や日没を迎えて6.5kmの林道を歩きたくない場合に利用できます。 奥穂高登山口〜重太郎橋の樹林帯は狭くて平地がないのでテントやツェルトを被ってビバークは可能です。 重太郎橋〜鉱石沢出合の岩切道は幕営適地なし、鉱石沢出合〜荷継小屋跡の樹林帯は狭くて平地がないのでテントやツェルトを被ってビバークは可能です。 荷継小屋跡〜穂高岳山荘はガレ場の急登で幕営適地はほとんどありませんが、落石に耐えられる強心臓の持ち主は岩を整地すればソロテントが張れます。 穂高岳山荘〜奥穂高岳は4個の幕営適地があります(写真添付) 幕営する場合は携帯トイレを持参して、必ずゴミを持ち帰りましょう。 ★熊の出没について 奥穂高岳エリアは熊の生息地になり、想像以上に身近に熊がいます。 林道ゲート〜奥穂高岳登山口〜重太郎の樹林帯、鉱石沢出合〜荷継沢の樹林帯で熊の出没に注意が必要です。 ★新穂高第3駐車場まで国道158号線(上高地公園線)の自動車の運転は、動物の飛び出しや落石が多いので注意が必要です。 また大雨による林道の崩落・通行止め・雨量規制・土砂災害・台風の交通規制に注意しましょう。 ★奥穂高岳・白出沢ルートでは、スマートフォンの電波が8割入りました。(時期・天候・機種による) 穂高平小屋〜鉱石沢出合の区間は圏外が多く、標高を上げると電波状況は改善されます。 暑さ・寒さ・高所の影響でバッテリーの消耗がとても早いので、予備のモバイルバッテリーが必ず必要です。 ★当日の奥穂高岳・白出沢ルートでは登り20名(白出沢→5名・穂高岳山荘〜奥穂高岳→15名)と、下り4名(奥穂高岳〜穂高岳山荘→3名・白出沢→1名)の登山者とすれ違いました。 日照時間が短くなりましたが日帰りでは装備・服装・天候が重要です。 特に単独登山者の場合はセルフレスキューとルートファインディング能力が必要になり、ツェルトと地図とヘッドランプの携帯が必須です。 ★ヘルメットとウインドシェル(上)を全行程で使用、ストックは新穂高第3駐車場〜重太郎橋までの登りで使用しました。 ★コロナ禍で多くの山小屋が閉鎖しています。 登頂できても山バッジの購入ができず困りますが、穂高岳山荘で山バッジ(10種・600円)の販売があります(写真添付) ★緊急時の連絡先 〜難の場合→高山警察署→電話0577-32-0110(代表) 登山指導センター→電話0578-89-3610 ★今回の山行の危険箇所 ヾ篝敍擦粒衢遏ν鄒 荷継沢〜穂高岳山荘の落石 J羚盂抻柿顱舛呂靴瓦粒衢遏ν鄒 ★登山ではスマートフォンなど電子機器に頼りすぎてはいけません。バッテリーのリチウムイオン電池は暑さや寒さに弱く、すぐに使えなくなります。 電池切れ・故障・紛失を想定してアナログ機器も併用して使えるようにしましょう。 地図・コンパス・ルート・分岐点など登山計画書の作成時点から覚えて緊急事態に備え、登山記録を残して次の登山に活かしましょう。 登山では技術・知識・経験が全く通用しない場面に直面します。 ★無雪期でも先行者の踏み跡があるからといって100%安心しないで下さい。その踏み跡が正解とは限りません。 また登山道や踏み跡が草木で隠れて道迷いしやすい状況です。 ピンクテープ・道標・赤旗を目印にして、道に迷ったら分かる所まで戻るのが鉄則です。 ★標高・距離・気温・天候・風速・写真撮影・ルート工作・危険箇所の確認をしながら登るので、コースタイムより遅くなります。 登山ルートや歩行時間は参考程度にして下さい。 ★コロナ禍なので登山の前後には店舗に原則立ち寄らず食事もテイクアウトや車内で済ませ、限りなく人との接触を避けましょう。 マスク・除菌シート・除菌スプレーを携帯して健康第一に努めましょう。 ★登山の出発前に、車のルームライトや灯火類の消し忘れによるバッテリー上がりに注意が必要です。 また登山で車の鍵の紛失や落し物は致命傷になり、探し出すのは極めて困難です。こまめに落し物やジッパーの開閉を確認しましょう。 しっかり貴重品は管理して、荷物のデポなどで盗難の被害に注意が必要です。 ★登山では、食事(行動食)・水作り(水汲み)・トイレ・着替え・装備の着脱など季節を問わず面倒で後回しになりがちです。 これらは早めに済ませて落石・滑落など危険回避に神経を使いましょう。 ★奥穂高岳・白出沢ルートでは、新穂高第3駐車場(シーズンのみ)・新穂高登山指導センター・穂高平小屋・穂高岳山荘に4つのトイレがあります。 それ以外は原則トイレがないので必ず紙おむつ・携帯トイレを持参しましょう。 ★強い紫外線を浴びて重度の日焼けや、紫外線の照り返しで視力低下による怪我や事故に注意が必要です。 日焼け止めクリーム・リップクリーム・サングラス・防虫ネット・虫除けスプレー・長袖があると便利です。 ★新穂高第3駐車場→03時00分に気温15℃、奥穂高岳→11時50分に気温11℃、新穂高第3駐車場で18時05分に気温16℃です。 気温の温度差は少ないですが紫外線が強く、体調管理や服装選びが難しくなります。 当日の日の出→05時31分、日の入り→17時50分と活動時間は短くなり、日の出と日の入り1時間前にはヘッドランプが必要です(ルートは樹林帯が長く日陰が多いため) ★奥穂高岳・白出沢ルートは重太郎橋〜奥穂高岳の区間で落石に注意が必要です。 特に荷継沢〜穂高岳山荘では浮き石が多いので、登山道の上下に登山者がいないか注意が必要です。 単独行なので鳥の鳴き声・荒い呼吸・風の音・水の音しか聞こえません。 落石を発見した場合は、後続の登山者に恥ずかしがらず大声で「ラーク」と知らせてあげましょう。 ★今回の山行と誤算 台風の影響で8月から7週続けて雨の山行になりましたが、夏の雨に対する抵抗感が少しなくなりました。 暑い夏では汗で濡れるより雨で濡れた方が快適、晴天時より悪天候の山行は集中力が高く、無事に下山できた場合は自信になります。 当初の計画では天候がよい前日に登り穂高岳山荘でテント泊、天候次第で奥穂高岳・涸沢岳・北穂高岳を予定していました。 週末の天気予報では3,000mの稜線で雪予報があり、奥穂高岳の初雪を期待して山行を1日にずらして日帰りに切り替えました。 予報は外れて奥穂高岳の登頂後にガスに包まれて、荷継沢から雨が降り悪夢の岩切道を通過します。岩切道は水が流れる状態でしたが重太郎橋の流失もなく安全圏に戻り、予定通り日没前に奥穂高岳登山口を通過します。 左足首を怪我していて往復13kmの右俣林道をマラソンシューズで歩き、重太郎橋〜登山靴に履き替える予定でしたが全行程をマラソンシューズで歩きました。 今回の反省点は4つあり1つ目はマラソンシューズを履き替えなかった事でアビナイヨで落石が当たり靴の生地が薄いので痛いです。 2つ目は下山時の荷継沢から雨が降り、荷継沢が休憩地にも関わらず合羽・ゲイター・登山靴・ザックカバーを装着しなかった事です。 3つ目は記入済みの登山計画書を駐車場に忘れて、新穂高登山指導センターで書ける状況なのに未提出で登山を決行した事です。 4つ目は穂高岳山荘のテラスにココヘリGPS端末を忘れた事です(帰宅後に交番から電話あり) 収穫は怪我した状態でしっかり日帰りで20km歩けた事と雨の岩切道を経験できた事です。 8月に雨の早月尾根と西岳〜戸隠山を経験した事で、雨の岩切道を落ち着いて楽しめました。 ★新穂高第3駐車場の10km圏内はガソリンスタンドやコンビニがなく、とても不便な場所です。 場所によって車中泊の禁止や火気厳禁など禁止事項がありますので注意が必要です。 長く細かい説明になりましたが『安全第一』で奥穂高岳を楽しんでください。 |
その他周辺情報 | ■新穂高温泉・深山荘 ■営業時間→(露天風呂)09:00〜21:00 →(内風呂)12:00〜15:00 ■休館日→不定休(要確認) ■料金→(露天風呂)大人500円、小人300円。 →(内風呂)大人700円、小人500円。 ■マスクの着用義務あり。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘルメット
ウィンドシェル(上)
ツェルト
温度計
モバイルバッテリー10000mAh2ケ
風速計
手袋
半袖シャツ
インナーシャツ
靴下
ちり紙
携帯トイレ
地図
登山計画書(控)
ヘッドランプ
熊鈴
腕時計
ゼリー飲料3ケ
おにぎり4ケ
ちくわ115g
ザック40L
スマートフォン2台
ボールペン
プラティパス(水2L)
ペットボトル(水0.5L)
マラソンシューズ
登山靴
マスク
ゴミ袋
現金
腰コルセット
ココヘリGPS端末
帽子
熊除け銃(火薬)
ザックカバー
タオル
塩あめ33g
防虫ネット
アームカバー
レッグカバー
長ズボン
三脚
粉末アミノ酸3本
ワイヤー
ストック
バンテージ
足首サポーター
投光器1
000ルーメン
スリング120cm
合羽(上下)
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感想
■2022年/奥穂高岳・白出沢ルート(日帰り)
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■2022年09月26日(月) はれ
実家 11:30 1,000m 29℃
新穂高第3駐車場 19:08 1,040m 17℃
着替え・荷作り 19:08〜21:30
消灯 21:30〜02:30
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■2022年09月27日(火) はれ/くもり
※奥穂高岳・白出沢ルート 登り
起床 02:30 1,040m 15℃
着替え・荷作り・朝食 02:30〜03:00
新穂高第3駐車場 03:00 1,040m 15℃
登山指導センター 03:09 1,090m 15℃
林道ゲート 03:14 1,126m 13℃
小鍋谷ゲート 03:28 1,275m 13℃
穂高平小屋の近道 03:39 1,237m 13℃
穂高平小屋 04:00 1,320m 13℃
柳谷 04:27 1,424m 13℃
ネボリ谷 04:41 1,494m 13℃
奥穂高岳登山口 04:51 1,537m 13℃
重太郎橋 06:38 1,888m 11℃
天狗沢出合 06:48 1,919m 13℃
鉱石沢出合 07:12 2,030m 13℃
荷継小屋跡 07:42 2,200m 12℃
荷継沢 07:43 2,200m 12℃
アビナイヨ 09:06 2,617m 12℃
白出のコル 10:37 2,983m 13℃
穂高岳山荘 10:37 2,983m 13℃
荷作り・昼食 10:37〜11:00 15℃
穂高岳山荘 11:00 2,983m 15℃
奥穂高岳 11:50〜12:00 3,190m 11℃
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■2022年09月27日(火) くもり/雨
※奥穂高岳・白出沢ルート 下り
奥穂高岳 12:00 3,190m 11℃
穂高岳山荘 12:34 2,983m 11℃
荷作り・昼食 12:34〜13:20
穂高岳山荘 13:20 2,983m 11℃
白出のコル 13:20 2,983m 11℃
アビナイヨ 14:05 2,617m 13℃
荷継沢 15:05 2,200m 13℃ 雨
荷継小屋跡 15:05 2,200m 13℃
鉱石沢出合 15:20 2,030m 14℃
天狗沢出合 15:36 1,919m 14℃
重太郎橋 15:52 1,888m 13℃
奥穂高岳登山口 16:38 1,537m 15℃
ネボリ谷 16:45 1,494m 15℃
柳谷 16:56 1,424m 15℃
穂高平小屋 17:11 1,320m 15℃
穂高平小屋の近道 17:31 1,237m 15℃
小鍋谷ゲート 17:38 1,275m 15℃
林道ゲート 17:49 1,126m 15℃
登山指導センター 17:53 1,090m 15℃
新穂高第3駐車場 18:05 1,040m 16℃
着替え 18:05〜18:10
実家 18:05〜21:30 1,000m 16℃
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■2年ぶりに白出沢ルートが開通された。
奥穂高岳の最短ルートで15時間かかる。
テント泊予定が週末時点で雪予報があり
初雪を期待して貴重な秋晴れを見送った。
前夜の予報でも雨は大丈夫そうだけれど
台風の影響で半日早く天気が崩れるはず。
日没までに安全圏に下り計画通りの山行。
雨の林道を6.5km再び暗闇で独り歩く。
8月から7週続けて雨の登山が続くけれど
夜間歩行と同様に高い集中力が保てる。
山では短い秋を迎えて10月末には雪が降る。
雪山を迎える前にもう一踏ん張りしたい。
ジャンダルム、西穂高、大キレット、北鎌尾根
9月は死亡事故が多く、八ヶ岳も同様だ。
当日は穂高岳山荘で霜があり富士山も初冠雪。
雪山の準備をしながら短い秋山を楽しもう。
ココヘリGPSを穂高岳山荘に忘れるミス。
予定を変えて来週も新穂高登山口になりそう。
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■体重→61.0kg 荷物→10kg
日の出→05:31 日の入り→17:50
移動距離(合計)→22.30m
(登り→11.03km・下り→11.27m)
移動時間(合計)→13時間46分
(登り→08時間27分・下り→05間19分)
休憩時間→01時間19分
無事に下界に戻られて安心しました。
山を登る限りまたどこかでお会いすると思います。
私の名前は中山なので山登りは使命です。
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