仙塩尾根〜仙丈から野呂川越で撤退も勉強になりました☆自身100レコ目
- GPS
- 10:59
- 距離
- 14.5km
- 登り
- 1,669m
- 下り
- 1,746m
コースタイム
7:00北沢峠−8:41大滝ノ頭−9:58小仙丈ヶ岳−11:24仙丈ヶ岳−12:18大仙丈ヶ岳−13:552755m地点−14:152676m地点−14:30ビバーク地点(苳の平上)
2日目
6:30ビバーク地点−6:35苳の平−7:05伊那荒倉山−7:12高望池−7:50独標−8:35横川岳−9:00野呂川越−9:37両俣小屋−13:16野呂川出合
天候 | 1日目(7/18):くもり一時雨 ※午後からほぼガス 2日目(7/19):くもり一時雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
復路:13:40野呂川出合−13:55広河原14:00−17:00甲府駅 ※広河原から甲府駅行きのバスは、夜叉神峠経由のルートが落石通行止めのため、 奈良田経由の臨時便が出ています 詳しくは、http://yamanashikotsu.co.jp/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山計画書は、仙流荘バス停で提出 ・ピンクテープ、マーク、ロープをきっちりたどれば迷うことはありません 地理院1/25000地形図で地形確認が望ましいです ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー [装備] ※予定では7/18-21(予備日7/22)の4日分の装備 ザック(オスプレージーニス88)、レインカバー、軽アイゼン、スパッツ テント(モンベル・ステラリッジ1)、木槌、マット、シュラフ#5 ダウンジャケット、ダウンパンツ、レインウェア、折りたたみ傘 トレッキング・シューズ(アクー)、パンツ(ファイントラック) 化繊シャツ(長袖2、半袖2)、靴下2 下山後着替え(Tシャツ、半ズボン、下着、靴下) ハイドレーション・プラティパス2Lx2、ナルゲン0.75L 食事1日目 (朝)おにぎりx2、(昼)おにぎりx2、(夕)アルファ米+カレー、プロテインバー 行動食:ドライフルーツ・ナッツ、板チョコ、羊羹、シリアルバー アミノバイタル:ドリンクx1、粒状x2 食事2日目 (朝)残飯+味噌汁、(昼)アルファ米x1、(夕)アルファ米+カレー、プロテインバー 行動食:ドライフルーツ・ナッツ、板チョコ、羊羹、シリアルバー アミノバイタル:ドリンクx1、粒状x2 食事3日目 (朝)残飯+味噌汁、(昼)アルファ米x1、(夕)アルファ米+カレー、プロテインバー 行動食:ドライフルーツ・ナッツ、板チョコ、羊羹、シリアルバー アミノバイタル:ドリンクx1、粒状x2 食事4日目 (朝)残飯+味噌汁 行動食:ドライフルーツ・ナッツ、板チョコ、羊羹、シリアルバー アミノバイタル:ドリンクx1、粒状x1 食事(予備):アルファ米x3、その他いろいろ マルチビタミン、ファーストエイドキット、ポイズン・リムーバー、携帯トイレx3 ガスストーブ(JetBOIL) コンパス、ナイフ、ホイッスル、ヘッドランプ、GPSロガー、AMラジオ 予備電池(単三x8、単四x8) 合計:23kg |
写真
感想
「仙塩尾根」仙丈ケ岳から塩見岳までの長い尾根
一番好きな”ロング縦走”です
■1日目
いつものように仙流荘から北沢峠に向かいます
この路線バス大好きです、ドライバーさんが所々色んな案内をしてくれます
おかげで綺麗な高山植物が見れたり、「鹿の窓」が見れたり、地層帯について教えてくれたり…
>
今回は初のエクスペディション仕様です
行程最低三泊(もしかして四泊・・・)
テントと食糧を背負って合計23kg
残雪期のフル装備とほぼ同じ、久しぶりの重さに足がフラフラします
この前来たときは仙丈ヶ岳まで標準タイムより1時間早かったのですが、今日はオンタイム
あ〜やっぱり甘くない
>
大仙丈ヶ岳では濃いガスと強風
先が少しでも晴れるまで30分待ちましたが、この先もガスと風でタイムも上がりませんでした
ハイマツの森林限界から樹林帯に入って、キレイに稜線が見れたり、
そうかと思えば、すぐ濃いガスで視界が覆われます
もう足が先に進みません
風をしのげる所にビバークしました
■2日目
朝は明るくなってから目が覚めました
見るとこれから行く先には塩見が!
初めてその尾根を見ました
長い、深い、そして広い!
と、同時に「やっぱり無理かな」と
昨夜NHKラジオで聴いた気象情報では西日本から北にかけて強い低気圧が土日、二つも!
しかも日曜のほうが強いと…撤退(★)を決めて下りることにしました
>
野呂川越では悔しい気持ち半分、ホッとした気持ち半分
なんとなくやりきれない気持ちで両俣小屋に・・・
でも、小屋番さんに「宿題はあった方がイイよ」と言ってもらい少し気分が晴れてきました
ありがとうございました
>
次は絶対塩見まで行くぞ!
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★撤退基準と状況判断について
ここからのレコは自分自身のための記録です
間違った認識があるかもしれませんが、後学のために残しています
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【状況判断】
■1日目
初のエクスペディション仕様の装備で、小仙丈ヶ岳まで予定よりタイムオーバー30分
さらに仙丈ヶ岳からガスで、大仙丈ヶ岳では強風による強いガス吹き上げで更に20分足止め
少しの晴れ間に16:30両俣小屋着を目指し降下開始
森林限界を下る樹林帯に入ってからもっとガスが濃くなって来た
このとき14:30、このままゆっくり行けば17:30両俣小屋にはつくかもしれないが、
−体力消耗
−初めての道
を考えて”リスクあり”と判断する
風よけ適地があったため、ビバークすることにした
夜NHKラジオ(長野放送局、名古屋放送局が良く入る)で気象情報を聴くと
「土日にかけて二つの低気圧。大気不安定で夕方から夜半にかけて局地的に雷や大雨に注意」(※注1)
と聴いて、明日のエスケーププランを考えておくことにした
当初登山計画書に書いたのは
−1・2日目判断:仙丈小屋または両俣小屋へエスケープ
−3・4日目判断:小屋滞留または三峰岳・大門沢経由奈良田または、最終目的地の鳥倉まで(※注2)
状況は
−すでに仙丈小屋と両俣小屋の中間まで来ている
−体力回復次第では明日早く立てば両俣小屋に寄らずに熊ノ平まで目指すことも出来る
−ただし三峰岳までの登り返しや断続的に続く小ピークなどで時間の見通しが立たないこと
局地的な雨や午後からの雷の可能性も考える
※注1:2日目、両俣小屋で小屋番さんから「それ”低気圧”じゃなくて、強い”寒気”だよ」と教えてもらう
つまり、自分の聞き違い・勘違い
※注2:現実的には、「大門沢経由奈良田」は大気不安定なら、逆にいかない方が良いと思われる
なぜなら三峰岳から間ノ岳から農鳥を通過するこの道は、雷要注意の道
■2日目
夜半、風とともに雨がテントをたたく音で目を覚ます
朝4時半に雨風止み、5時半に起き出す
昨日の夕食残飯と味噌汁を食べて急いで撤収し、6時半に出発したとき
ビバーク地点から南に初めて塩見までの尾根筋がクリアに見えた
北岳・甲斐駒もクッキリ、仙丈ヶ岳は山頂のみガスで隠れている
途中小雨あるものの順調に下るが、7時半すぎ伊那側で雷の音を遠くで聞く(※注3)
予定通り野呂川越に着くが、ここでGO/NOGOの最終判断をする
「リスクを負って先に進むか、撤退するか」
状況は
−体力:痛いところ無いが急な下りで少し足が効かなくなって来ている
−気力:この先行ってみたいと思うが「何が何でも!」という気持ちではなくなっている
三峰岳の登り返しを見たせいかも・・・
−天候:朝方見渡せた尾根もガスがかかって見えなくなった
−山域:初めての山域で小さいアップダウンが続く
最終的には、稜線上で風雨、雷にさらされる可能性と気力不足を考えて下山を選択した
特に2日目は、何とか熊ノ平に到着できても、3日目塩見辺りで、天候が不安定になる可能性がある
もしかして、熊ノ平までたどり着けば、テン泊をあきらめて小屋滞留もできるが、
道中の体力消耗にの状況よっては、1日目同様ビバークする可能性も大きいことで下山を決定
※注3:寒気の流れ込みにより、温かい空気が上昇気流に乗り積乱雲が発生することを
裏付けていると思われる
【反省点】
・気象知識の不足
−”寒気”と”低気圧”の違いが分かっていなかった
−”寒気”が流れ込むとどうなるか、事前に把握できていればと思う
−両俣小屋で小屋番さんと一緒にいた南アルプスのベテランさんによると、
この時期、特に海の日あたりは荒れやすいとのこと
・無理な行程計画・パッキング重量と疲労
−そもそも行程計画に無理があった、予備日設定をしたものの、最初から4泊設定が適当
−必要以上の食糧を持参してしまったことにより、荷物が重くなり消耗も早かった気がする
採取カロリーを考えてパッキングしたが、1日に食べれる分を大きく超えていたと思う
−「なぜ疲れるか」、「すこしでも疲れないで動けないか」理解できていない
でも自分の体力・筋力の限界は少しは分かってきている
⇒気象学的知識と生理学的知識を拡充すべし
⇒自分の経験と実力を考えて、計画は冷静に
コメント
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おつかれさまでした〜。
おニューのオスプレイ、いいですね〜。
しかし88リットルですか、ロング縦走する気満々ですねw
仙塩尾根、両俣小屋、どちらも惹かれますねー。
塩見岳は・・・僕には遠すぎます。
好天、好コンディションでリベンジですね。
「宿題はあった方がイイよ」。名言!
僕はしばらく忙しく、月1ぐらいの入山となりそうです(泣)
naoykさんのレコで妄想登山しますね。
これからも素敵なレコを。楽しみにしてまーす。
popさん、ありがとうございます
そうです!いつかリベンジです!!
全然意識してなかったのですが、こんな私でも100山行なんて・・・
※大小いろいろですが
いよいよ梅雨が明けました
popさんの妄想に少しでも役立てるように「ロング」、
ガンガン行きますよ〜
取り急ぎ8月アタマは日本の”Mont Blanc”
”白い山=白山” ロング行ってきま〜す
めげませんよ!!
南アの縦走お疲れ様でした。
装備万全の4日想定、仙丈〜塩見でしたか。
あいにくの天気で残念でしたね。
この時、私は関東にいましたが、不安定な空模様で、
山は俄雨か、雷雨だろうなと想像していました。
それにしても仙塩の長い稜線ですね。
そこを食糧含めて重量23kgは、すごいです。
(今の私にはとても無理)
私が初登山で23kgを背負った時、
一瞬で登山なんて止めようと思った重量でもあります。
さて、気象の知識は必要でしょうね。
梅雨明け10日、雷3日...沢山の格言がありますね。
梅雨末期の大雨、雷雨...など。
また森林限界上の稜線で、雷に有ったらどうするかとか。
気象とその対応は大切でしょうか。
でも今回は、いい経験をされましたね。
山の中の判断は、生死の分かれ目でもありますから
安全への選択は絶対と思います。
(すみません自分の事も言ってます)
今回のnaoykさん判断に賛成です。
次回は是非、塩見を踏破してください。
redsさん、ありがとうございます!
>梅雨明け10日、雷3日...沢山の格言がありますね。
⇒本当にそうですね
昨年の海の日の3連休も梅雨明けしたあとでしたが、南ア・白峰三山縦走も暴風でした
来年こそ、教訓を生かしたいと思います
>
23kg以上となると体重の1/3くらい
今年のGWに残雪フル装備で初めて経験しました
その頭があったので何とかなると思っていたのですが
”暑さ”を甘く見ていました・・・ずっしり感は登りに堪えました・・・
なんか「トホホ」な感じですが、いつも励ましていただいてありがとうございます
今後ともご指導、よろしくお願いしま〜す
naoykさん、こんばんは!
(遅コメですが・・・)
仙塩尾根行かれるとは聞いておりましたが、
いろいろと過酷な条件があった感じですね
23kgの歩荷に暑さ・・・これ、マジでキツイですよ
私の6月中旬の北岳・池山吊尾根山行の時も、水無しルート(雪も期待出来ず)だったので、3日分の水7リッターを積んで計22.5kg、しかもバス開通前のオフシーズンなので、誰も来ないし居ないしで、更には破線ルートだったので、それこそ不安いっぱいで「何かあっても全部自分でどうにかするしかないぞ・・・」そんな気持ち・覚悟で臨んでおりました。
今回のnaoykさんのルートも基本、あまり人が来ないルートのようでしたが、当日の気象状況やご自身の疲労具合、そしてビバークの判断などを見ていると、やはり全てそれらを自分で判断して、そして無事に下山する。
全て自分持ちの山行に思えました。
私の北岳同様、独りで全てを判断する時の感じを想い起させられるようでした。
>撤退基準と状況判断
とても参考になりました。私もまだまだ山初心者、そして未熟者ですので、今回の判断された詳細な状況、そして撤退に至るまでの経緯なども大変勉強になりました。ありがとうございました。
ぜひ、リトライ!
そして白山!?レコも楽しみにしています
lifterさん、励ましのお言葉ありがとうございます
今回特に感じたのは、「天候の判断」の大切さ
あとで答え合わせをしてみると、
強風+ガスは寒気流れ込みによる寒冷前線通過の影響でした
これまで、過去の天気図なんて見て考えたことなんて無かったので
少しはマシになったかな・・・
でも、同じ時期に塩見岳に登られた方のレコを拝見すると
ちょっぴり悔しい気持ち・・・が
>「何かあっても全部自分でどうにかするしかないぞ・・・」
⇒そうですよね
ソロって、その気持ちが大切なんですよね
そんな中、たった一人で誰にも会わずに、尾根・樹林帯を歩くことで得られる
静かな楽しみも再確認できました
今度の夏ロング”白山”
真摯な気持ちでしっかり計画立てて、望みたいと思います
今の自分より、ほんの少し高めの、でも調整可能な目標を立てて!
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