初八ヶ岳、一期一会の一人歩き(赤岳〜横岳〜硫黄岳)
- GPS
- 26:51
- 距離
- 14.8km
- 登り
- 1,551m
- 下り
- 1,550m
コースタイム
09:50 赤岳山荘から出発
10:00 北沢南沢分岐点を南沢へ
11:50 行者小屋
12:05 文三郎尾根へ
13:20 阿弥陀岳〜赤岳分岐
13:40 赤岳山頂
14:40 赤岳天望荘着
25日
06:40 赤岳天望荘発
08:00 横岳奥ノ院
08:55 台座ノ頭
09:15 硫黄岳山荘
09:35 硫黄岳
10:25 赤岩の頭
11:20 赤岳鉱泉〜北沢へ
12:10 堰堤広場
12:35 赤岳山荘
天候 | 24日は晴れでしたが一面ガスの世界 25日は午後にはピーカン! |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
美濃戸口の八ヶ岳山荘前に登山ポストが設置してあります。 そこから車で赤岳山荘駐車場まで15分ですが、悪路で、登山客も歩いているので気を付けます。 行者小屋、赤岳鉱泉ではおいしい水が無料で飲めます。空き容器、コップがあると良いです。 南沢ルートは途中こまかく道別れしてまた合流するといった道が多く、迷いそうになりましたが、踏み跡や目印テープがあるので大丈夫でした。 文三郎尾根の階段、梯子、阿弥陀岳方面からの赤岳へのクサリ場、横岳全域の梯子、クサリ場は人と対向するときは特に注意が必要かと思います。 |
写真
感想
この日、本当は両親の蓼科旅行をプレゼントし、私は家で留守番の予定でした。
去年も自分の職場の夏休み期間に親に旅行に行ってもらい、自分は地元の山を毎日登っていたので、
今年もそれを考えていたのですが、ふと、蓼科はまさに八ヶ岳の麓じゃないかと気づき、
それなら自分も旅行についていって、八ヶ岳に登れるのではないかと思い立ったのです。
初めての八ヶ岳。登るならどこがいいか?
一泊二日は決まっていたため、そして親の旅行プランも考慮し、
蓼科から近い、美濃戸口から赤岳をめざし、横岳、硫黄岳の縦走を計画しました。
といっても、八ヶ岳のガイドブックにあったプランなんですが、これがちょうどいい!
と、計画したのは一週間前の出来事です。
百名山に登るのは、2年前の富士山、去年の大台ケ原山に続き3度目です。
普段は地元の555mの朝熊山ばっかり、本気で朝熊山ばっかりだったので、少し不安もありましたが、
現地までは一人ではないし、他の登山客もたくさんいるだろうから大丈夫だと自分に言い聞かせていました。
当日、美濃戸口から赤岳山荘まで車を行き、そこから南沢を目指します。
途中、同じ道を行く人、すれ違う人とあいさつを交わしながら、独特の雰囲気をもつ樹林帯を歩きます。
道は細かく枝分かれし、また合流するという一見迷いそうな道を、こっちか?こっちだな?と独り言をいいながら進みます。
空気は澄んでおり、涼しい気温でしたが、すでに汗だくで、なんとか行者小屋までたどり着きます。
しっかり水分補給し一息ついて、行く先を見上げると、ガスで覆われ、山の形もなにがなんだかわからない状態。
他の人たちは、ここでウェアを着込んで、防寒対策をしていますが、私はそのまま半袖のまま、文三郎尾根を目指します。
登れば登るほど霧に包まれていき、風も次第に強くなり、下りてくる人たちは、なぜか髪の毛が濡れています。
霧のせいだな、この先はさすがに半袖は無理かもと、ウインドシェルを着込み、赤岳頂上をめざします。
赤岳に差し掛かり、クサリ場をひとり、よじ登っていきます。あとに続く人も、先を登る人もいません。
不安につつまれながらようやく頂上にたどり着きます。
霧のせいで、そこからの景観は皆無でしたが、八ヶ岳主峰2899mを登り切ったという達成感は半端ありません。
山頂では数名に出会ったのみですが、そこで写真を撮ってもらったYさんに出会えたことが、今回の登山の大きなできごとになったのです。
お互い写真を取り合った後も、山頂でしばらく二人で話し込んでしまうくらい意気投合し、霧の中でしたが楽しい時間を過ごすことができました。
そのあとも一緒に下りていき、Yさんは頂上山荘へ、私は天望荘に向かいました。
天望荘では、なんといってもお風呂!たくさん流した汗を落とすことができたのは本当に気持ちよかったのです。
そのお風呂でも一緒になった方と楽しくお話ができ、ひとりで登ってきたけど、こんな出会いがあるんだなあと、嬉しく思ったものです。
そのあとの食事もお世辞抜きで美味しい、2722mの場所に建っているとは思えないほどのおもてなしでした。
私は大部屋だったので、2段づくりの寝室の下で一息ついていると、団体さんや他のグループの人たちで大賑わい。
ひとりは慣れていたはずなのに、さびしさがこみ上げてきました。
寝つけるようにと、ビールを買い、談話室に移動すると、数名がテレビを見ていたので私も混ぜてもらいました。
しばらくするうちに一人、二人と減っていき、となりに座っていた青年に話しかけてみると、快く相手をしていただき、人の温かさを、高い高い場所にある山小屋で思い知ることができたのです。そして、自分がかなりのさびしがり屋だということも。。
その青年は、なかなか寝られそうにないという私になんと耳栓まで進呈してくれたのです。
お返しにもならないけど、おつまみに買った、気圧でパンパンに膨れ上がったポテチを一緒に食べた時間は忘れられません。
耳栓のおかげでぐっすり寝ることができ、目覚めたら大部屋はすでにわいわいがやがやガサゴソガゴソの大賑わい!
みんな日の出を拝もうと、4時半でしたが準備に取り掛かっています。
と言っても朝食も5時からなので、自分だけ寝坊です!
寝ていた恰好のまま急いで外に出ると、さ、さむい!さすがにさむい!
部屋に戻りダウンを着、再び外に出て日の出を待ちます。
本当は赤岳へ登って見たかったのですが、当の赤岳はまだ霧に包まれたまま、、天望荘から見ることに。
昨日の天気を考えるとあまり期待はできなかったのですが、霧はかなり減り、下方の街並みも見えるほどです。
どんどん明るくなり、ついには太陽が顔を出しました。
富士山でも御来光を拝むことができましたが、それに負けることのない、最高の日の出を見ることができました。
その後、おいしい朝食をいただき、コーヒーを飲み、(そう、ここ天望荘ではコーヒー、お茶、白湯が飲み放題なんですよ)
今日はいざ横岳へ!
横岳はまだ霧に包まれ、先が見通せない状態で、クサリ場や梯子を霧の中よじ登ります。
次第に霧が晴れていき、振り返れば赤岳のてっぺんだけ霧がきえぽっかりと顔を出しました。
そのとき周りにいた中学生の団体さんも歓喜の声をあげていました。
その直後、山の斜面を見下ろすと、自分の影のあたりに虹がうっすらと見えました。
まだガスが立ち込めていたので、光の具合で発生したのでしょうか。
その刹那、自分の影の周りだけ、ぼんやりと円状に光が包み込んでいます。
ブロッケン現象だ!と驚きもやまぬまま写真を撮ろうとしましたが、撮った写真はもう消えていく寸前のもので、本当に一瞬のできごとだったのです。
そのすぐあとに、Yさんが後ろからやってきて、その感動を説明し、あの場所で起きたんですよ!と同じ場所に行ってみましたが、もう起きる気配なく、、、
ですが、再びYさんと再会し、再び意気投合し、その後も一緒に歩くことになりました。
お互いのいろんな話や、それからの晴れ渡った景色の感動を分かち合ったりと、一人歩きだけでは味わえない、山歩きのもうひとつの楽しさを知ることができました。
そのあともYさんとは硫黄岳まで共にし、Yさんは今日も山小屋泊まりで天狗岳をめざし、私は赤岳鉱泉をめざし、そこで別れることになりましたが、このような出会いができるのも、一人歩き同士だったからだというのもあったような気がします。
その後、下山直後の北沢の堰堤広場を越えたあたりで、山荘でお風呂で一緒になった方と再び顔を合わすことができました。
なんとその方も同じくらいの場所、時間帯で、ブロッケン現象を体験したとのこと。
起きる前の状況などを聞くと、本当に一緒だったので二人で感動を再び共にしました。
下山までもそのあと一緒に歩き、今回の八ヶ岳は無事終えることができました。
たくさんの高山植物、すれちがうひとたちとの挨拶、スリル満点の岩場、霧に包まれた幻想世界、そのあとの最高の晴れ渡る景色、山小屋でのおもてなし、一期一会の出会い、など、語るに語りつくせない。最高の八ヶ岳デビューになりました。
その後両親たちと合流し、両親は両親で蓼科旅行を満喫してきたようで、お互いの無事を安心しあうこともできました。
またいつかは八ヶ岳全山縦走!や北、南アルプスなど、目標も新たに、山への愛着がどんどんとわいてきます。
最近 レコを見かけないなぁと思っていましたが 今回は遠征されたんですね(^.^)
いろんな一期一会 そしてご両親への親孝行と充実した遠征になったことでしょうね(^_^)
私は近場の山ばかりなので moutonさんのレコを拝見し 高山の雰囲気を味わうことができました
ありがとうございました(*^_^*)
multifloraさん、お久しぶりです!そして、読んでくれてありがとうです。
私もいつもいつも地元の山ばっかりだったので、ずーーと同じ山だったので、記録することがなくなっていたのですが、今回機会に恵まれて行ってくることができました。
山登りは、どこで登っても山登りですが、有名な場所は有名なだけあるなあと、しみじみ思いました。なかなかいけないですが、またどこか目標にして、今日も地元の山に行ってきまーーす!
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