爆風の白峰三山縦走
- GPS
- 23:44
- 距離
- 24.9km
- 登り
- 2,729m
- 下り
- 3,349m
コースタイム
- 山行
- 2:27
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 2:53
- 山行
- 6:31
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 7:47
- 山行
- 7:51
- 休憩
- 1:50
- 合計
- 9:41
- 山行
- 3:05
- 休憩
- 0:04
- 合計
- 3:09
天候 | オールウェザー |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
近鉄富田駅→みえ川越IC→白根IC(伊勢湾岸、新東名、中部横断道 6,450円) →市営芦安第3駐車場(無料) →広河原(山梨交通広河原線1,160円+協力金300円) ※南アルプス登山バス、マイカー規制、南プスリザーブ http://yamanashikotsu.co.jp/route_bus/route_sp_info/hirogawara/ 帰路 7/14(金) →第一発電所バス停→広河原(山梨交通バス 1,310円)→芦安(同 1,630円) →白峰会館温泉(750円)→白根IC〜(中部横断道、新東名 6,140円)→名古屋駅 |
コース状況/ 危険箇所等 |
広河原→白根御池小屋 2.5km 急登(300m/kmほど)ながら、きちんと整備されていて歩きやすい。 →二俣から右俣ルート 1.0km かなりの急登(390m/kmほど)、きちんと整備されてるけど落石要注意。 →北岳山頂 1.6km 急登(300m/kmほど)、岩稜帯あり。 →北岳山荘 1.5km 山頂から吊尾根・北岳山荘トラバース道分岐まで距離440mで200mほど岩稜帯の急降下。トラバース道は木階段が多い。 →中白根山、間ノ岳、西農鳥岳、農鳥岳、大門沢下降点 7.25km 標高3000m(3189〜2800m)の稜線、岩稜帯歩き。 →大門沢小屋 2.6km 1130mの急降下(440m/kmほど)、路面は特段の問題なし。 →奈良田第一発電所 6.0km 830mの降下(140m/kmほど) 10cmほどドボン渡渉が数箇所。 |
その他周辺情報 | 白峰会館温泉 750円 https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/sisetsu/shisetsu/lodge/ |
写真
感想
白峰三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)を縦走してきました。
相棒のだいさんとは雲ノ平、裏銀座に続いて3年連続の夏遠征。
当初候補は他に南アルプス荒川三山、鳳凰三山と北アルプス鹿島槍・五竜・唐松縦走。
北アルプスは4連続なので、南アルプスを初めて歩いてみよう。
3候補のうち、どこに行こうか?
遠征の魅力は遥か先まで続く稜線とピーク、山小屋を巡る縦走が最大の楽しみ。
白峰三山は南アルプス縦走ルートで一番人気ということでココに決定。
3000m峰5座を繋ぐのは初めてだ。
北アルプス表・裏銀座の縦走路は標高2700mほどだけど、3000mってどんな感じだろう?
天空の縦走路、北岳山頂から稜線上に連なる3000m峰4座は美しい!
とイメトレしてたけど、2700m以上はガスと雨で展望なし。
10m先がやっとな時もあった。
そして何よりも最大の敵は爆風。
風上に体を預けても倒れない強風は何度も経験があるけど、今回は力を入れないと簡単に押し返される。
これまでグゥオーという風の音は聞いた事があるけど、バリバリーという音は初めて聞いた。
風の強弱が無く、ズーット爆風、体感20m、いやそれ以上かも。
耐風姿勢を取っていていても、体を持っていかれコケる事、何度も。
爆風に流され足を置こうと思った位置に置けず、よくも捻挫しなかった。
道幅が狭く谷との際ではコケたら真っ逆さまに転落するので耐風姿勢でカニ歩き。
雨が下から顔面を叩いて痛いけど、コケないように全集中、痛いどころではない。
6時間ほど体幹に全力を入れて歩き続けたので疲れは何倍も。
夜布団に入った時も爆風を受け続けた右半身が硬直していて睡眠薬のお世話に。
それと3000mで荒天時に疲労凍死すると聞いた事があるけど、本当だ。
今回も農鳥小屋で休憩出来なかったら危なかった。
歩ける間は何とか体温が維持できるけど、休憩中はガタガタ震えがきて低体温症になり、もし歩けなくなったら簡単に向こうの世界に行けるぞ。
そもそも何故こんな日に登ったのか?
出発前の天気予報はわりと良く、気になったのは、てんくら風速15m予報。
低山では15m予報でも何とかなったけど、3000mは違うのか?
二日目、北岳山荘出発時に進むか、撤退するかを相談。
撤退も北岳を越えるので、それなりにキビシイけど何人もの人達が撤退していく。
ひとまず間ノ岳まで行ってみて、どうにもならなければ撤退しようと。
ちょうど同じルートで思案中の竜胆さんと一緒することに。
途中雷がゴロゴロ鳴りだしたので再び相談。
撤退しよう。どちらでもいい。進もう。
山荘で聞いた予報では、一日同じ状態か、少し回復傾向と。
結局、私の希望を聞いてもらい進むことに。
ただこの後、更に爆風のレベルが上り大苦戦、間違った判断に二人を付き合わせ危険な目にあわせてしまい大反省。
この日、大門沢小屋に降りたのは私達の他に一人。
北海道から遠征されてきた方で、やはりしゃがみ込んで爆風を凌いだと。
小屋番さんにも私達のキャンセル連絡がなく、よく来られたねと心配をかけた。
今後、もっと天候の見極めと撤退の判断をキチンとしなければ。
昨年の裏銀座の晴天続きと正反対のキビシイ山旅をお供してもらった、だいさんと竜胆さんに深く感謝します。
最後に北岳山荘から一緒してもらった竜胆さんはユーラシア大陸を自転車で縦・横断された超人。
国内も自転車で山々を巡っていて、これから甲斐駒が岳へ行かれると。
改めて世の中は広いなぁと、つくづく実感。
◇7/11(火)晴れ 広河原→白根御池小屋
だいさんに近鉄富田駅までクルマで迎えに来てもらい、新東名、中部横断道白根ICから芦安Pへ。
山梨交通バス(広河原線)で広河原へ。
広河原で昼食後、遠征恒例の二人で円陣?を組んで緩〜く気合を入れ、スタート。
第1・2ベンチを経て今日の宿白根御池小屋へ。
白根御池は小さな池だけど新緑のダケカンバ越しに北岳(3192m)ドーン!
◇7/12(水)晴れ、曇り、雨 →北岳→北岳山荘
北岳へGO!
大樺沢二俣の正面にそびえ立つ北岳バットレスはド迫力。
大樺沢コースは通行止めで右俣コースへ。
2500mまで登ってきたら、ガスに覆われ一気に冷え込んできた。
肩ノ小屋で昼食休憩、冷えた体を中から温める。
北岳(3192m)山頂はガスで展望なし。
山頂三角点の半径3メートルだけ風が弱く不思議。
楽しみにしていた農鳥岳に続く3000mの縦走路、仙塩尾根、富士山も一切見えず残念。
強風下、今日の宿北岳山荘に到着。
光を取り入れやすいよう東側に縦3段の窓が特徴的なデザインは、黒川紀章氏の設計で54年前の建築とは思えない。
当時2900mまで重機をバラして上げたというから驚きだ。
◇7/13(木)暴風雨 →中白根山、間ノ岳、西農鳥岳、農鳥岳→大門沢小屋
中白根山(3055m)、間ノ岳(3159.5m)から農鳥小屋へ。
当初泊まる予定だったけど、オヤジさんがご病気で営業されず。
オヤジさんが守ってこられた農鳥小屋で休憩できなかったら体力が続かなかったかも。
西農鳥岳(3051m)、農鳥岳(3025.9m)を何とかクリア。
ちなみに農鳥岳は麓で田植え時期に残雪が鳥の形に見える事が由来。
大門沢下降点の立派な指導標は、下降点が見つからず遭難された方のご遺族と山岳会が設置されたもの。
今みたいにマーキングもなく、ガスが出たら分かりにくい。私レベルではGPSがないと…
1100mほどを一気に下り、今日の宿大門沢小屋に到着。
◇7/14(金)雨、曇り、晴れ →第一発電所→広河原→芦安
5時前に出発、第一発電所8時46分発のバスを目指して800mほどを一気に下山。
広河原、芦安へバス2台を乗り継ぎ、クルマに帰着。
◎宿泊
□白根御池小屋(一泊二食(夕・朝)10,500円)南プスリザーブ予約
夕食16時半、朝食4時半、水無料、宿泊者お湯・お茶無料
https://shiraneoike.ashiyasu.com/
□北岳山荘(一泊二食(夕・朝)12,300円)南プスリザーブ予約
夕食16時半、朝食4時半、宿泊者水無料
https://minami-alpskankou.jp/?page_id=5611
□大門沢小屋(一泊二食(夕・朝)10,500円)電話予約
夕食16時半、朝食は弁当に変更、水無料
https://www.daimonzawa.com/
◇オマケ
だいさんから早々に遠征候補をもらったけど、のんびり調べてたらGWになってしまった。
白根三山縦走に決めるも、南アルプスは初めてで交通アクセスと山小屋選びに迷走。
クルマor電車、芦安in or 奈良田in、6軒の山小屋の組み合わせはパターン多過ぎ。
一旦決めたプランも、農鳥小屋が営業せずで組み直し。
下山は奈良田まで歩けるので奈良田inが便利だけど、往路のバス便が少なくタクシー高額(1.5万円)。
モデルプランは小屋2泊だけど稜線でゆっくりしたいのと、アクセス・時間の都合で今回のプランになりました。
◇もうひとつ
農鳥小屋のオヤジさんの近況をあきさんのレポで散歩されてたと知る。
「山はひよって歩け。ビビりながら歩いて、迷ったら安全側を選択しろ。」
※あきさんのレポから引用
この言葉を忘れないようにしよう。
https://yamap.com/activities/25431496
こんにちは!!
白峰三山縦走お疲れ様でした!
風波も、白峰三山縦走をしたくて
計画を考えたことがありました。
しかしながらコロナ禍により、
地図上シミュレーションのみで頓挫中です。
今回、newayさんの山行で
天候不良(荒天)が予想されているのに
「行ける所まで行こう
ダメなら撤退」
風波も2016年10月
前穂〜奥穂〜涸沢岳〜北穂〜涸沢カール〜蝶ヶ岳 4泊5日縦走
穂高岳山荘の小屋番さんに
穂高岳山荘から涸沢岳、北穂高岳経由で涸沢カールを目指そうとしていた時
天候が崩れるから止めたほうが良いよと忠告を受けました。
しかし、その時はまだ青空があり風も穏やかなので
「行けるところまで行って、駄目なら戻ります」と返事して縦走を始めました。
しかし、歩き始めて直ぐ、涸沢岳通過で急激に天候悪化
更に進むと、強風とアラレとなり
戻るのも、鎖場が凍り付き
体も冷え、危険な状況になり何とか、
穂高岳山荘まで戻った記憶があります。
この時の教訓として
小屋番さんの忠告は、その山の真の情報なので素直に受け取る。
3000m級(2000m以上では同じと思います)では、行けるところまで行って、駄目なら戻る
は、
「駄目なら、戻れず、命にかかわる」
でした。
お互い、これからも、安全に万全を期して、
楽しく、長く、山を楽しみましょう。
風波
こんにちは。
10月の涸沢岳で強風とアラレですか!
鎖場が凍り付くとは恐ろしいですね。
白峰三山は穂高のような鎖場がないので、そこまでの危機感はなかったです。
「駄目なら、戻れず、命にかかわる」、その通りでした。
事前にさんざん調べてトレーニングを重ね初日は晴れ、さあこれから3000mの縦走という時に撤退の判断がつかなかったです。
レポにもあげましたが、農鳥小屋オヤジさんの言葉を忘れないようにしたいと思います。
はい。お互い長〜く楽しみましょう。
どうも有難うございました。
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