記録ID: 7224420
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍
北ア最深部を大満喫!(折立~黒部五郎~三俣蓮華~水晶~赤牛~平ノ渡~黒部ダム)
2024年09月07日(土) ~
2024年09月11日(水)
体力度
10
2~3泊以上が適当
- GPS
- 33:49
- 距離
- 54.1km
- 登り
- 4,615m
- 下り
- 4,523m
コースタイム
1日目
- 山行
- 2:57
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 3:30
2日目
- 山行
- 6:46
- 休憩
- 0:57
- 合計
- 7:43
3日目
- 山行
- 6:05
- 休憩
- 1:04
- 合計
- 7:09
4日目
- 山行
- 6:49
- 休憩
- 0:21
- 合計
- 7:10
天候 | 9/7 晴 9/8 曇のち晴 9/9 晴 9/10 晴 9/11 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
夜行高速バス(バスタ新宿→富山駅前):8600円 路線バス(富山駅前→折立):4500円 帰り 黒部ダム→扇沢:1800円 扇沢→長野駅前:3700円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
今回、長期連休が取れたので縦走の計画を立てた。太平洋日本海赤線繋ぎとは関係なく、日数が必要な山域で気になっていたのが、黒部五郎岳と赤牛岳であり、この二つに行く計画を立てることにした。この二つを両方とも行けるルートとして、折立から黒部五郎岳を目指し、水晶岳から北上して赤牛岳を目指し、読売新道で黒部ダムに下山することにした。高天原温泉にも寄って宿泊したかったが、上手くルート設定できなかったので、高天原はまたの機会に訪れようと思う。 縦走路中の宿泊地の候補は、太郎平小屋、黒部五郎小屋、三俣山荘、水晶小屋、奥黒部ヒュッテである。初日は折立に到着する時間的に、太郎平小屋に泊まるしかない。4日目に赤牛岳、読売新道に挑む日は水晶小屋に泊まっておきたい(3泊目)。となると2泊目は1日の山行距離のバランスから黒部五郎小屋とした。 5日に渡る山行は初めてなので、1日に歩く距離は10km程度とし、早めに小屋に着くようにした。結果的にこれが良かったと感じた。 <1日目> ▪️折立→太郎平小屋 折立には沢山の車が停まっており、バスも登山客で満員だった。こんなに人気ならもう少しバス便が多くても良い気がした。折立の登山口で準備してスタートした。序盤、アラレちゃんの看板までは急登が続く。雨で泥濘むと嫌な感じの道だ。アラレちゃん以降は斜度は緩くなっていき、所々に休憩できるベンチもある。そのうち整備された木道の階段が現れて、完全ではないが、ほぼ太郎平小屋まで続く。 ▪️太郎平小屋 早速チェックインして、昼飯に有名な太郎ラーメンを食べる。とても美味しかった。スープを飲み干すと、器の底に「CRAZY CLIMBER」の文字が現れる。とても気に入って「CRAZY CLIMBER」ロゴ入りのグッズを買ってしまった。 <2日目> ▪️太郎平小屋→北ノ俣岳 この日はガスっている中でのスタートである。宿泊者のほとんどが薬師岳方面に向かっていった。黒部五郎岳方面は寂しい限りである。小屋からしばらく木道が整備されており、快適に歩ける。雷鳥の姿もあった。その後はハイマツや笹の中を通り抜けていく。気持ちの良い縦走路を楽しみながら北ノ俣岳に着く。 ▪️北ノ俣岳→中俣乗越 引き続き歩きやすい道が続く。その後、堆積した岩の道となる。マークを目印に進む。赤木岳の横を過ぎても岩の道が続く。その後下ったところが中俣乗越である。 ▪️中俣乗越→黒部五郎岳 歩きやすい縦走路が続く。しばらく進むと黒部五郎岳に向かい標高を一気に上げていく。ジグザグの急登を登り切ったところが黒部五郎ノ肩である。ここにザックを置いて山頂にアタックした。山頂までは大きな岩が堆積した登山道となる。大きな岩=ゴーロがある黒部の山だから黒部五郎岳なのだと勝手に納得した。確かに野口五郎岳もこんな雰囲気だった気がする。山頂は誰もいなく独り占めだった。下の方に雄大なカールが広がっていて、恐いくらいの迫力があった。 ▪️黒部五郎岳→黒部五郎小屋 すぐにカールへ降りていく急降下となる。足元注意。カール内のガスは無くなっており、雄大なカールの中を歩くことに感動した。下りきると小さな沢と並走するようになり、どこから来たんだろうと思うような巨岩が転がっていたり、独特の景色を楽しめた。今、この巨大なカールにはおそらく自分一人だけである。遠くに黒部五郎小屋も見えてきた。終盤は樹林帯を進み、抜けると小屋到着である。 ▪️黒部五郎小屋 最近改築したのかと思うほど綺麗な小屋だった。トイレも臭いはほとんど気にならなかった。手拭い、Tシャツ、バッジを購入した。お気に入りの小屋にしたいが、また訪れることはあるだろうか… <3日目> ▪️黒部五郎小屋→三俣蓮華岳 この日は快晴で、三俣蓮華岳、黒部源流、祖父岳を経由して水晶小屋を目指す。 小屋を出発していきなりの急登開始であり、目覚めの一撃である。樹林帯を抜けて景色が見渡せるようになってくるとテンションがあがってきた。登り切ったところで山の向こうからの日の出となった。少しだけフラットな縦走路を歩く。次に三俣蓮華岳をトラバースする分岐点があるが、こんな天気の良い日に三俣蓮華岳からの絶景を外す訳にはいかない。以前に訪れた時の感動は忘れておらず、当然、三俣蓮華岳を目指す。山頂からの景色は圧巻!360°見渡す限りの山、山、山!この周辺の北アルプスを全部見渡せる図鑑のようだ。槍、穂高、笠、薬師、黒部五郎、立山、鷲羽、水晶などなど、こんな贅沢なポイントはなかなか無いと思う。北アルプス最深部にある三俣蓮華岳はお気に入りの山である。 ▪️三俣蓮華岳→三俣山荘→黒部源流→祖父岳 三俣蓮華岳を下った場所に三俣山荘がある。ネクターで水分補給して、赤牛岳のバッジを購入した。水晶小屋で売っていないリスク回避のためである(水晶小屋にも同デザインの赤牛岳バッジが売っていた)。続いて黒部源流を目指す。小さな沢沿いを下っていく。まもなく黒部源流の碑に着く。ただこの碑の付近には水源らしきものは無かった。水源に1番近い登山道はここだと言う事を示していると理解した。この後は雲ノ平方面を進み、まずは大きめの沢を岩づたいに徒渉する。そして激しい急登が始まる。この急登を登り切ると、フラットな台地が広がっており、気持ちよく進むことができる。部分的に木道も整備されている。 ★クマに遭遇★ 祖父岳分岐付近の木道を歩いていると、後方からガサガサという大きな音が聞こえた。この瞬間、間違いなく動物、しかも大きな動物だと思った。小動物ならあんな大きな音はしない。振り返ると10mくらい後ろに真っ黒なクマの姿が!しかもビッグサイズ!茂みの中から出てきた所らしく、こちらを見てうなり声なのか、鼻息なのか、ガルルーかブルルーみたいな音を立てていた。体感的にはここまでが2秒もかかっていないと思う。特に追いかけて来る様子は無かったが、こちらは素早く立ち去った。 クマ遭遇地点からすぐに祖父分岐がある。祖父岳までは岩場のジグザグを進んでいく。後ろからクマが来ていないか確認しながら登っていった。 ▪️祖父岳→水晶小屋 祖父岳からは岩苔乗越、ワリモ北分岐を通りながら、眺めの良い贅沢な縦走路を進む。最後、水晶小屋への急登を登り切って、この日の山行は終了した。 ▪️水晶小屋 事前にネットで調べて欲しかったTシャツを買った。バッジは前回購入している。小ぢんまりした小屋だがアットホームな雰囲気だった。 <4日目> ▪️水晶小屋→水晶岳 この日は念願の赤牛岳にアタックする。日の出と同時にスタートした。水晶岳までは距離は短いが、水晶岳に近づくにつれて登山道は険しくなっていき、慎重に登っていく。山頂は狭いが、周囲の山々や赤牛岳までの稜線を見て堪能した。赤牛岳まではあれだけ歩かなければならないのかと思った。 ▪️水晶岳→温泉沢ノ頭 水晶岳以降は人がいなくなった。水晶岳直下はガレていて慎重に下る。以降もガレ気味の登山道が続くが、景色も楽しみながら気をつけて進む。下の方に高天原山荘が見える。高天原からの登山道との合流地点、温泉沢ノ頭に着いた。 何かトラブル発生時に誰もいないのが気になる。この日に赤牛岳を通り奥黒部ヒュッテに泊まったのは自分含めて7人だと思う。 ▪️温泉沢ノ頭→赤牛岳 ガレた登山道に加えて、ザレ気味の登山道が増えてくる。赤牛岳までに複数のピークがあるが、いずれもピークは通らずにトラバースするので、その点は嬉しかった。とは言え赤牛岳までは何度もアップダウンを繰り返していく。赤牛岳は見えているのに中々近づかない。本当に遠い。段々と登山道の地面の色が赤っぽく変化していく。赤牛岳の色だ。山頂への最後の登りを登り切り、念願の赤牛岳に到着した!いやぁー嬉しい!この時のために持参してきた「レッドブル」と一緒に記念撮影した。もう来ることは無いかもしれない。そんな事を考えながら、しばし山頂からの景色を堪能した。 ▪️赤牛岳→読売新道→奥黒部ヒュッテ さあ、いよいよ黒部湖まで一気に下る読売新道である。はるか遠方に黒部湖が望める。あそこまで下りるのか…。 読売新道にはチェックポイントのような標識があり、赤牛岳が8/8で奥黒部ヒュッテが0/8としてある。ハッキリ言って読売新道はかなりしんどかった。事前情報で覚悟はしていたが、その通りだった。最後まで安心して歩ける場所がほとんど無く、常に何かに気を配っている感じだ。途中から奥黒部ヒュッテで入浴できる事だけを励みに歩みを進めた。 以下がだいたいの感覚である。 6/8まで ザレ場の急斜面から始まる。途中、崩壊地がありロープが張ってある。その後もゴーロ帯が続く。雄大な景色が広がっているのだが、なかなか堪能できない。 3/8まで 徐々に樹林帯に入っていく。道が狭く樹林との距離が近くてイライラする。苔むした石が多く、丁寧に歩かないと滑ってしまう。 0/8まで フラットに歩ける部分もでてくる。一方で巨大な木の根っこを越えていく場所が多くなる。道がよくわからなくなると、木の根の上に登山道があったり、下に登山道があったり道があったりする。奥黒部ヒュッテの直前まで気が抜けない。 読売新道は個人的には距離は長すぎるとは感じなかったが、その内容がしんどかった。お腹いっぱいである。自分には読売新道を登りで使って水晶小屋まで行くのは無理と思った。 ▪️奥黒部ヒュッテ 何といっても入浴できるのが素晴らしい!早く到着したので1番風呂を頂いた。記念に手拭いを買った。バッジは無いとのこと。この日は和室に3人でとても余裕を持って使えた。同室の方といろいろお話しさせて頂き、消灯まで楽しい時間を過ごすことができた。 <5日目> ▪️奥黒部ヒュッテ→平ノ渡 平ノ渡の時刻は6:20の次が10:20である。日の出が5:30でコースタイムが2時間で、しかもアスレチック的な登山道なので、暗い中で行動するのは避けたい。10:20発の船を目指すこととした。最初は沢に沿って歩いていく。事前情報通り丸太のはしごが多数あり、丁寧にクリアしていく。でも結構楽しい。丸太は劣化しているものもあり、足を乗せたらバキッと折れてヒヤッとしたので気をつけた方が良い。でも奥黒部でこんなに道を整備してくれている事に感謝である。いつの間にか沢の音が聞こえなくなったと思ったら、沢が湖となり流れがなくなったからだ。これがダム湖になる瞬間だ。平ノ渡では1時間ほど待ったが、同室だった方とお話しして待ち時間はあっという間だった。写真も撮って頂きありがとうございます。 ▪️平ノ渡→黒部ダム 船を渡る前に比べてはしごの数は多くない。あとは多少のアップダウンはあるものの、基本的に同じ標高を進む感じである。ダム湖の周囲に沿って道があるので距離が長い。終盤のロッジくろよんはカギがかかっていて入れなかった。中に自販機が見えるのに…。それ以降は舗装された観光コースとなる。こちらから黒部ダムに向かうの新鮮だ。やはり黒部ダムの存在感はすごくて。偉大な建築物だと思った。 長い長い北アルプス縦走が終わった!とてつもない達成感である!毎日の疲労度を振り返ってみても、このプランにして良かったと思った。自分の体力では1泊削るのはあり得ないと思った。天候にも恵まれたのも幸運だった。 |
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感想
長い長い北アルプス縦走が終わった!とてつもない達成感である!毎日の疲労度を振り返ってみても、このプランにして良かったと思った。自分の体力では1泊削るのはあり得ないと思った。天候にも恵まれたのも幸運だった。
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利用交通機関:
車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
5/5
やっとレポ見つけることができました!コメント遅くなってすみません。
あらためて、お互い素晴らしい縦走となりましたね。
レポも詳しく臨場感溢れていて、じっくり拝読させていただきました。
またどこかのお山、もしくは甲子園でお会いしましょう!
わざわざアカウント作ってまでコメント頂きありがとうございます😊❗️自分の工程を振り返っても充実感いっぱいですし、kyuruharuさんとお話しして、もっといろんな山に行きたい気持ちが高まっています😆
いやぁ〜、甲子園でお会いしたいですね〜❗️今年はまずはリーグ優勝ですね‼️
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