槍ヶ岳(北鎌尾根 貧乏沢ルート)
- GPS
- 25:29
- 距離
- 38.0km
- 登り
- 3,314m
- 下り
- 3,265m
コースタイム
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 8:36
- 山行
- 9:03
- 休憩
- 1:54
- 合計
- 10:57
- 山行
- 5:25
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 5:28
天候 | 1日目:晴れのち雨 2日目:晴れ 3日目:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
◼︎貧乏沢 貧乏沢はお勧めできない。序盤は薮漕ぎと軽いガレ場下りなのだが、水が出てくると厳しさを増す。岩は次第に巨岩となり、苔も深くなっていく。踏み跡は不鮮明なのでルートファインディングがかなめ。巨岩が現れ始めたら左岸に踏み跡不鮮明でも高巻くように意識した方がいいと思う。高巻かずに沢を下り続ける中で山靴が何度も浸水してメンタル的にダメになったところある。苔生す沢を下り続けるが何度も間違えて一度は完全に立ち往生して絶望した。 他の方の記録にもあるが、熊も確実にいる。新しい糞が沢上の岩にあった。鈴の音は滝や沢の音で掻き消されるので笛を吹き続けて存在証明し続ける方が良いと思う。 ◼︎天上沢 貧乏沢出合から北鎌沢出合までは天上沢沿いに歩く。はじめは急流だが北鎌沢に近づくにつれて流れの緩やかな箇所が出てくるのでそこで水を補給しておくと良い。北鎌沢出合付近は沢が伏流しているため水の補給はできない。北鎌沢出合のすぐ近くに小さなケルンあり。 北鎌沢出合は沢沿いの砂地にテン泊可能。10張いけるか行けないかくらい? ◼︎北鎌沢から北鎌コル 北鎌沢から右俣の分岐は真っ暗でよく分からなかった。進行方向右側を意識して歩けば大丈夫だと思う。岩→ナメ→巨岩→ブッシュ+ザレと急勾配でも変化に富むが基本は沢を歩くようにする。一部右側に高巻きの箇所あり。クライマーズホイホイは標高2280m付近にあり。晴れていれば間違えないと思う。ケルンがあるが北鎌のコルに向かって歩くことを意識すればモーマンタイ。 北鎌のコルはテント2張くらいの広さ。 ◼︎北鎌コル~P8 コルからP8までは灌木帯の急登を歩く。踏み跡が多いが稜線通しに自分が一番歩きやすそうなルートを選べば大丈夫。 ◼︎P9 P9(天狗の腰掛け辺り)までも同様だが、急登に加えて霜で滑りやすくなっているためハイマツに捕まりながらよじ登る箇所多数。 ◾︎独標(P10) IIIくらい 独標から潅木帯は終わり岩とザレのある歩きに変わる。 P10(独標)はトラバースを選択。逆コの字のように有名なスポットがあるが、足場が安定してるためなんて事はない。逆コの字だったものを抜けてすぐに独標ピークへの直登を開始するがここが中々ハードだった。ホールドは安定してたが浮石もチラホラあるので注意。独標ピークは北鎌尾根で一番広い休憩スポットと思われる。フラットな草地でテントも数張行けそう。独標ピークに立ってようやく大槍(P16)が顔を出す。その壮観さに感動しない人はいないだろう。 ◼︎P11~P13 独標を超えてからは次第に雪が見え始める。はじめはキックステップでどうにかなったが、中には根雪になってクラストしてしまってる箇所もあり。本格的なボルダームーブを使いまくる。P11からP13までは岩稜歩きとザレた斜面を少し降っては稜線に戻るのを繰り返す。想定外に西側(千丈沢側)が雪や氷で危険度増し増しだったため、若干危なくても稜線通しの方が確実と判断。 ◼︎P14(白ザレ峰) P14のルート取りは遠目では難しくて頭を抱えた。先行3人パーティの熟練者の方が直登ルートを取っていたので真似させていただいた。最後だけ天上沢側に間違えて逸れたところ、ザレが崩落しまくって落石祭りで焦った。 ◼︎P15と北鎌平 P14からP15にかけてはいよいよ氷が酷くてトラバースを取るパーティと無理してでも稜線通しにするパーティで分かれた。私は稜線通しにしたがキックステップも効かない箇所も多くしんどかった。 P15をこえれば北鎌平に出る。平というほど広くはないが5~6人くらいが休憩できる余裕はある。あくまで北鎌尾根では平らな場所というわけだ。 ◼︎大槍(P16) III+~IVくらい 北鎌平からは大槍へのアタックとなる。開始早々岩が凍っていて滑るため高度なバランスを求める箇所がある。長居すると指が千切れそうなくらい冷たいのでルートとムーブを定めて流れるように登るのが良い。そこを抜けるとまた凍った斜面の直登。これはなかなか難しくルート取りもパーティによって変わってた。どこも凍っていたので五十歩百歩だと思う。直登を抜けると一旦ひらけた場所に出る。横浜かたつむり会(谷川岳自衛隊出動で有名な)の慰霊碑がある。ここが最後のはんなりポイントだった。ここからは穂先へのアタックとなる。はじめは登りやすいホールドを見つけて直登する。その後、テラスのような場所に出るので天上沢側にトラバース。そこから同様に簡単なホールドを攀じ登って次は千丈沢側にトラバースしていく。するとチムニーと思われる場所に出た。残地のスリングもあり一旦登ってみたが凍っていることもあり足が滑ってかなり悪い。足を使わないチムニーは厳しいと判断してすぐ隣のフェースにカチが決まるルートが見えたのでハイステップとカチでゴリ押し。チムニーを抜けるとピークの祠が見えるので簡単で安定したホールドをサクッと登って祠からみんなにコンニチワ。この一般登山者で賑わう山頂に突然人が出てくる瞬間がたまらない。 ◼︎おまけ(下り) 大槍からの下りも結構きつい。北鎌で体力も筋肉も擦り減らしてるので慎重に。あとは一般道の話なので省略。 |
その他周辺情報 | 上高地温泉(1000円、午前受付は9時まで) |
写真
感想
◼︎感想
貧乏沢でびしょ濡れになり予期せぬ雨(これが上では雪だったと)に降られたり、びしょ濡れシュラフで凍えたり岩や斜面が凍っていたり何度も心が折れそうだった。同日アタックで出会った皆さんがいなければ達成できなかったと強く感じます。ここで感謝を。
ソロバリの集大成を無事終えられて良かった。
体力・技術いずれもトップレベルで伝説と呼ばれるだけあると感じた。バリルート達成で叫んだのはこれが初めて。
前腕、二の腕、大腿部、ふくらはぎが筋肉痛です。とてもしんどかったです。
◼︎概要
標高3180m国内5番目の標高を誇る槍ヶ岳には4つの稜線が伸びている。裏銀座に繋がる西鎌尾根、表銀座に繋がる東鎌尾根、大喰岳南岳大キレットを経て穂高を結ぶ稜線、そして北鎌尾根である。北鎌尾根には多くのドラマがある。壮絶なビバークの上に絶命する過程を記した「風雪のビヴァーク」で有名な松濤明や、社会人登山の先駆けとなり単独行で有名な加藤文太郎の遭難はよく知られている。他にも初登を早稲田大学と学習院大学が同日に登頂するなどドラマが付きまとう北鎌尾根だが、前穂高の北尾根、剱岳の八ツ峰に並ぶ3大バリエーションルートとして呼ばれることもある。
北鎌尾根には大きく3つのアプローチがある。一つ目は湯股ルート。湯股から水俣川を遡上して千天出合を少し天上沢沿いに進んだところからアプローチするもので北鎌をP1から登るときはこれを取る人が多い。
二つ目が水俣乗越ルート。こちらは槍沢を詰めて途中の大曲から水俣乗越に上がって天上沢源流部から北鎌沢出合に下る。上高地からアプローチできるため北鎌のコルからスタートする方はこちらを採用することが多い。一番人気のルートだ。
最後が貧乏沢ルート。大天井ヒュッテから少し降った貧乏沢のコル(貧乏沢下降点)から沢沿いに一気に天上沢との出合部まで駆け下る。北鎌のコルからスタートを切るのだが、こちらは水俣乗越ルートに比べて人気がなく記録も少ない。
今回は漫画「山を渡る」で触れられて気になったのでここを取ってみることにした。
◾︎装備
・行動食(2000kcal) 4日分
・プラティパス2Lを2つ
・ペットボトル500mLを1つ
・テント一式
・エアマット
・シュラフ(3season)
・下山後着替え
・ダウン
・紙の地図
・ナイフと笛(首からかける)
・モバイルバッテリー20000mAh
・携帯トイレ3つ
・簡易ハーネス一式と環付き2つ
いずれ挑戦したいと思っているところなので、これ見てモチベ高めながら確実に実力つけてたまには行けるようにしようと思いました
機会あれば共にバリやりたいですね…!
おつあり!
積雪は想定外。9月に行ければもっと気楽だったかも。エスケープルートないから死ぬ気で頑張りましたわ。
日帰り可能な優しめバリならやりましょう。
やった〜!
一緒に優しめの日帰りバリ楽しみにしてます!!
常に緊張の連続で体力もメンタルも擦り減ったわ
まだ全然ダメージ回復できてないわ笑
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する