空木岳 越百山 南駒ヶ岳 雲上の旅 伊奈川渓谷から
- GPS
- --:--
- 距離
- 25.5km
- 登り
- 2,570m
- 下り
- 2,557m
コースタイム
- 山行
- 10:00
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:40
- 山行
- 8:30
- 休憩
- 1:10
- 合計
- 9:40
週末の土日の山行で、天気予報は1日目晴れ、2日目は雨のち曇りであったが、その通りとなった。
ただし、稜線上は時々ガスに巻かれるものの視界は悪くなく、むしろ雲の群がりが幻想的で良い感じだった。
天候 | 1日目 晴れ後曇り 2日目 雨のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
関西電力が管理しているので、駐車場までの林道は舗装されています。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
越百山までの登山道で崩落個所がありましたので注意。 仙涯嶺から南駒ヶ岳までの岩場で崩落箇所があり、トラバース時に注意。 仙涯嶺から南駒ヶ岳への縦走路、摺鉢窪避難小屋へのカールに雪渓が残っています。 アイゼンは使用しませんでした。今回の全体の行程の中では要らないと思いました。 越百小屋の小屋主さんの話では、今年は雪が例年より早く溶けたそうです。 例年ならこの時期、まだ1mぐらいの雪が残っているそうです。 |
その他周辺情報 | 摺鉢窪避難小屋は15〜20名ほど泊まれそう(トイレあり) 越百小屋、木曽殿山荘は7月1日から営業開始 越百小屋は小屋主さんが小屋開きに向けて奮闘中だった。 木曽殿山荘はまだ完全シャットアウトで人気(ひとけ)が全くなかった。 |
写真
感想
中央アルプスの100名山といえば、木曽駒ヶ岳と空木岳。
5年前、初めて木曽駒ヶ岳に登って以来、いつかは空木岳へ登ろうと思っていました。以降、計画を立ててはみるものの、天候不順で計画自体が流れることが続き今年で5年が過ぎました。空木岳との相性が良くないのか、さすがに5年も経つと少し焦りの気持ちが出てきました。
「はやく空木岳に登っておきたい」そう思うようになりました。
昨年の7月にも木曽駒ヶ岳から空木岳への縦走を計画したのですが、夏山シーズンの盛りで、朝4時半の時点で500人が既に菅ノ台で行列。 しらび平行のバスに乗れたのは始発から1時間後の12本目のバスで、余りの人の多さに辟易してしまいました。また、あいにく山行途中での天候悪化で雨風が強く、宝剣岳から島田娘まで行って折り返して千畳敷へ降りてしまいました。
今年こそはという思いを持って空木岳に臨みました。
今年は夏山シーズン前のまだ人の少ない時期に登ろうと決めていました。それに、夏山は気温の上昇により直ぐにガスが湧いて出てくるので、眺望を望むのが意外に難しかったりしますが、6月の梅雨前であれば反って安定していると思いました。
当初はその続きの縦走路、檜尾尾根からスタートする計画を立てていたのですが、いろいろと調べて行くうちに、伊奈川ダムから越百、南駒を経由するコースが良く思えてきました。越百山は300名山、南駒ヶ岳は200名山、空木岳は100名山です。
かの深田久弥も越百山から南駒ヶ岳を経由して空木岳へ到ったとのこと。さらに、南駒ヶ岳は深田久弥が最後まで空木岳とどちらを100名山に選定するか悩んだ山であり、多くの登山者の方々も空木岳からみる南駒ヶ岳が素晴らしかったとの感想を記していたことも決め手となりました。
自分の場合、仮に100名山達成だけを目指して空木岳のみをピークハントをしたとしたら、空木岳の山頂から立派な南駒ヶ岳を見たときに、きっと南駒ヶ岳を登らなかったことがずっと心に残るだろうと思ったことも今回のコース選択の理由でした。
また登ればいい話なのですが、「空木とともに、南駒も登っておきたい」という気持ちが強くなったのです。
それに、コスモという何とも浪漫のあるカッコいい響きの山もある、そう考えたら、この周回コースに是が非でもという思いになりました。
丁度日付の変わった夜中に伊奈川ダム上の駐車場に到着、あたりは真っ暗闇だったけれど、満天の星空が綺麗だった。
朝5時には目覚め、そそくさと準備を済ませて登山を開始した。
このコースを周る場合、日帰りなら装備を最低限に軽くして行く。自分は1泊の予定なので防寒と水・食料を万全にしていたので結構重い装備になりました。ただ、日帰りにせよ、1泊にせよ、朝5時から6時の間にはスタートを切らないといけないだろうと思います。
林道歩きを終え、登山道に入ってから越百小屋までは高低差約1,000m超の急登。
越百小屋につくと、小屋主さんが小屋開きの準備に取り掛かっていたところで、山バッジを切らしていたこともあってか、コーヒーとそば茶を振る舞ってくれました。
この山域の話をいろいろと聞くことが出来て、安心して進むことができました。
越百山は白砂と花崗岩のなだらかで広い山頂で、甲斐駒ヶ岳の山頂に似ているかと思いました。小屋主さんの話だと、南越百まで行けば、燕岳に似ている雰囲気だそうです。
越百山を後にすると次は仙涯嶺を目指します。
この嶺は、カッコいい岩の城で、尖んがった岩峰群と今朝谷へ切れ落ちた絶壁がまるで要塞のような姿で眺めていて飽きない。今朝谷を見下ろし、伊那谷と南アルプスの山々が一望できて素晴らしい眺望が広がっていました。そして行く手の南駒ヶ岳はボリュームがある岩の塊で、迫力のある山容が望めました。
仙涯嶺から南駒ヶ岳にかけては、岩場を通過する縦走路。恐竜の背のよう岩場の稜線を気を付けながら、でも楽しみながら通過してゆきます。南駒ヶ岳周辺には雪渓がまだ残っていました。
南駒は、さすが100名山の選定を最後まで迷った山だけに、そのボリュームのあるドッシリとした存在感は、仮にこちらが100名山と言われても違和感を感じさせないと思いました。
きっと、空木と南駒あわせて100名山でもおかしくないだろうと思いますし、登ることができて大満足でした。
摺鉢窪カールには広い範囲で雪渓が残っており、アイゼンなどがなければ手こずるかもしれません。実際に固い雪渓で、なかなかキックしても掘れず苦労しました。
何とか下りも登りもこなすことが出来ました。アイゼンやピッケルは有れば万全、でも今の時期、全体の行程からすれば使用するとすればココだけなので迷うところです。
翌日は夜中より降り始めた雨が朝のうちも止まず、しばらく小屋で待機することに。
雨の中無理をし稜線に出たときに強い風が吹いていたとしたら、冷たい雨風にさらされてかなり危険な状況になるかもしれないからでした。
幸い、しばらくすると雨もやんでくれていよいよ空木岳へ。
稜線へ出ると、雨が空気中のごみをキレイに洗い流してか、目の前に御嶽山、遠く白山までもが美しい姿で雲に浮かんでいるかのように姿を現していました。特に目の前の御嶽山は実に神々しかった。
赤椰岳からの眺望も素晴らしい。早朝の澄んだ空気のなか、南駒ヶ岳、空木岳、西に御嶽山、東に伊那谷と南アルプスの360度の眺望が広がっていました。写真撮影でなかなか前へ進めません。
いよいよ空木岳へ。
何とか今の天気の状態を保っていてほしい、空木岳の山の姿は眺めることができたけれど、空木岳の山頂からの眺望も見てみたい。そんな祈りにも似た願いを込めて、はやる気持ちを抑えつつ、ひとつひとつの岩場をクリアして進んでゆきました。
そして、ついに空木岳の山頂へ。
5年越しの願いが叶っての登頂は、本当に感無量。目の前には木曽駒ヶ岳、宝剣岳の山塊。後ろを振り返れば存在感のある南駒ヶ岳。やっぱり、空木岳からみる南駒ヶ岳は期待通りで、仮に南駒ヶ岳に登っていなかったら登りたくなっただろうという思いに間違いはなく、越百山から南駒ヶ岳を辿ってきて本当に良かったと満足感でいっぱいでした。
これまでの中央アルプスについてのイメージは北アルプスほどに鋭く高い峰々がある訳でもなく、南アルプスほどの高く広大な山域がある訳でもない、木曽駒ヶ岳への登りやすさからか、イージーでどこか俗っぽいイメージすら持っていました。
ところが、越百山から南駒ヶ岳を経て空木岳の稜線を辿ったことで、こんなに迫力のある岩岩とボリュームのある山塊が連なっていることを知り、中央アルプスの本当の魅力に今さらながら気づいたように感じました。またとても静かで山深いことも、これまでのイメージが覆り、すっかり魅了されてしまいました。
快晴の山行も良いけれど、モヤってかえって遠くの眺望が利かないことがあります。今回は時折雨やガスが出るような山行だったけれど、雲の流れや漂いが何とも言えない幻想的な光景を生み出し、雲上の旅として、とても印象深いものとなりました。
またいつか、この山域に戻って味わいたいと思います。
kotattiさん
初めまして。
こんなコース取りがあったのですね。
いつかは越百山に行きたいと思っていました。
摺鉢窪避難小屋が立派になっていたのには驚きました。
私が利用したころは岩室でした。
本多勝一もびっくりですね。
いつかたどりたいと思います。
ご訪問ありがとうございます。
岩室とは味わい深そうですね。想像もつきません。
越百小屋も小屋主さんはいい感じの人で、泊まってみたかったと思っています。
とても素敵な山域でした。
はじめまして。
ちょうどこのコースの山行を計画したいと考えておりました。
木曽義仲の力水は水量は少なかったでしょうか?長丁場ですので水場のことが気がかりで…。
でも避難小屋の周辺に雪がたくさん残っているようですのでいざという時には雪から水が作れそうで安心できました。
詳細な報告ありがとうございました。
参考にさせていただきます。
ご訪問ありがとうございます。
木曽義仲の力水は手ですくえますが、流量が豊富とはいえませんでした。
仙人の泉にいたっては、コップがないとすくえず、染み出ている程度。
越百小屋の小屋主さんも「いざとなれば雪渓を溶かすといいよ」と言っていました。
雪渓は南駒ヶ岳周辺か、空木岳の池山尾根側以外はなかったように思います。
越百側の遠見尾根の上の水場は未確認です。
ご参考になれば幸いです、よき山行を!
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