北アルプス黒部源流ラウンド100km(剱岳、立山、薬師岳、黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳、野口五郎岳、烏帽子岳)
- GPS
- 58:56
- 距離
- 98.3km
- 登り
- 9,819m
- 下り
- 10,110m
コースタイム
- 山行
- 6:35
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 6:47
- 山行
- 7:21
- 休憩
- 3:41
- 合計
- 11:02
- 山行
- 12:20
- 休憩
- 1:22
- 合計
- 13:42
- 山行
- 9:02
- 休憩
- 1:36
- 合計
- 10:38
- 山行
- 14:51
- 休憩
- 2:57
- 合計
- 17:48
天候 | 8/4(日)晴れ 8/5(月)晴れ 夕方から雷雨 8/6(火)晴れ 午後から雷雨 8/7(水)晴れ 午後から雷雨 8/8(木)晴れ 夕方から雷雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス タクシー 自家用車
https://www.alpen-route.com/access_new/access/parking.html その他にも大町市営第2駐車場なども無料 ・扇沢駅から黒部ダムまで関電トンネル電気バス、条件あえばweb予約可能 https://tateyama-kurobe.alpen-route.com/ticket/jp/information.html ・七倉温泉で扇沢駅までタクシーで6480円 信州アルピコタクシー 0261-23-2323 http://www.alpico.co.jp/taxi/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
・内蔵助平 - 真砂沢ロッジ:沢、急坂、ハシゴなどを通過。崩落地はロープの連続。 ・剱沢雪渓や剱岳の岩場を登るため軽アイゼン・ヘルメット必須。 ・立山の岩場やスゴ乗越界隈に急登急坂があるためヘルメットがあったほうが無難。 ・薬師峠まで沢の増水に注意。太郎小屋から先、徐々にdocomo入らなくなり圏外に。 ・不動岳-船窪岳付近はアップダウンも大きく、崩落した花崗岩のザレ場で足を置くところがないなかロープで何とか体を支えながら少しずつ10mほど下る場所もあるため、落石や滑落に注意。人もあまり入っておらず、ハシゴも木製で整備不良、ひとまずつけてあるロープを頼りに崩落地を進む箇所が多数あり。ヘルメットは必須。 |
その他周辺情報 | ・真砂沢ロッジと船窪小屋は賞味期限間近のビールのため格安(350ml300円など)でいただける。もちろん在庫限り。 ・薬師岳山荘は素泊まり6800円を後日振込も受付してくれた。たまたまかも。 http://www.yakushidake-sansou.com/ ・七倉山荘の日帰り温泉は18:00までだった、Webでは19:30。650円 http://www.webmarunaka.com/nanakura/ |
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
ガスカートリッジ
コッヘル
マッチ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
ツェルト
マット
ビビィ
ヘルメット
携帯トイレ
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感想
Total 105.5km、D±9197m、50時間6分(休憩除く)
Day1 8/4(日)
天気:晴れ
コース:扇沢 -(関電トンネル電気バス)- 黒部ダム - 内蔵助平 - 真砂沢ロッジ(ツェルト泊)9.3km、D±1140m、6時間35分
危険情報:沢、急坂、ハシゴなどを通過。崩落地はロープの連続。
7:30扇沢から黒部ダムまで電気バス、きっぷ売場に並びたくなければWeb予約が無難。日曜7:30始発バスの当日きっぷに5:30時点で10名程度並んでいた。出発前に駅員さんの弁当売りパフォーマンスが上手!ぜひ現地で聞いてください。内蔵助平まで水場は豊富にあるため、2L持っていれば十分。内蔵助出合を左へ。右の下ノ廊下からさらに仙人谷、水平歩道で欅平までいつか行ってみたい。阿曽原温泉でテン泊と露天風呂は最古だろうなー。内蔵助平から登ってハシゴ谷乗越の先は剱岳がいよいよ見えてくる。雄大だ!真砂沢ロッジの手前で沢にかかる仮橋を渡るが年によって掛ける場所が違うので見つけにくい。向かって右下流側のピンクテープが目印になった。沢で頭を洗い体を拭いて今日一日の汗を流した。一部雪渓を渡る。真砂沢のテン場はフラット。水場もビールを買うのも近い。賞味期限間近のビールが安く、雪でキンキンに冷やして、赤身肉のステーキとともに頂いた。
Day2 8/5(月)
天気:晴れ 夕方から雷雨
コース:真砂沢ロッジ - 長次郎出合 - 剱沢キャンプ場(ツェルト設営) - 剱岳(2999m) - 剣山荘 - 剱沢キャンプ場(ツェルト泊)、14.8km、D±1636m、7時間20分
危険情報:雪渓や岩場を登るため軽アイゼン・ヘルメット必須。
4:15スタート。真砂沢から剱沢のあいだは日本三大雪渓の剱沢雪渓を登る。もう一つの三大雪渓の白馬大雪渓よりも長く、落石はほとんどない印象。途中、長次郎谷や平蔵谷から剱岳へアタックする人たちを見かけたが、とても無理。アイゼンやピッケル、経験値がないと。。。剱沢キャンプ場でツェルト設営し、空荷でいざ剱岳へ!途中おなかが痛くなってトイレにすげー困った。平蔵小屋跡で大小できるが傾きかけた鍵のないボロ屋で用を足さざるを得ない。もちろん携帯トイレです。。。クサリ、ハシゴの連続で緊張がつづくが、5日目の不動岳や船窪岳のハシゴやロープより作りがしっかりしているので、カニのタテバイヨコバイも安心して通過できた。山頂では木刀とビームサーベルを選べる。もちろん両方のバージョンで記念撮影w剣山荘はめちゃ綺麗。宿泊者向けに浴室もある。で、ここには生ビールがある。俺はコスパ優先で缶ビールにカレーで大満足。安上りなオトコw剱沢キャンプ場に行くまでの沢で頭を洗い体を拭いて今日一日の汗を流した。剱沢キャンプ場のテン場はちょっと斜め。水場は近くにあるが、ビールは10分離れた剱澤小屋のみ。夕方になって空が怪しくゴロゴロと。ツェルトは水浸しに。友人のテントに避難して宴会しましたw
Day3 8/6(火)
天気:晴れ 午後から雷雨
コース:剱沢キャンプ場 - 別山乗越 – 立山(大汝山3015m、雄山2991m) - 一ノ越山荘 – ザラ峠 - 五色ヶ原山荘 - スゴ乗越小屋 -薬師岳(2926m) - 薬師岳山荘(小屋泊)、23.4km、D±2580m、12時間20分
危険情報:岩場や急坂があるためヘルメットがあったほうが無難。
2:00スタート、みんなと別れてソロで。星空、星空、星空!スマホカメラの限界を感じた。。。雄山までは特に危険と感じる箇所なく、淡々と楽しく登って到着(4:00)。雄山神社(峰本社)のお社は雄山山頂にあり、参拝には500円の拝観料が必要だし、まだ開いてなかったので断念。すぐに下った先の一ノ越山荘ではdocomoがよくつながった。ザラ峠からは平坦で木段とお花畑が広がり、前方の五色ヶ原山荘を見ながら散策。癒されます。五色ヶ原山荘からスゴ乗越小屋まで行程がながく登り返しも多いうえ水場がない。五色ヶ原山荘の水場(でっかい三連貯水タンク、7:15)でしっかり水を補給した。200m前後の登り返しを3回、やっとスゴ乗越小屋(10:30)。ここのトイレは最近改装されたようでとても綺麗。で、楽しみの小屋飯!ここのカレーは5〜10食限定で、日替わりでスパイスから調合している本格派。この日はビーフのスパイスカレー(前日はチキンカレー)、疲れた胃袋にしみわたるスパイスが力を与えてくれました。12:00、おなかもいっぱいになったところで薬師岳に向かってスタート、早々に雷鳥さんこんにちは。嬉しいけどいつも雷鳥のあとは嵐なんだよなー。北薬師岳を通過して間もなく大雨と雷、肌寒い。。恐ろしくて一旦避難。ザックはゴミ袋に入れてストックとともに登山道に放置。岩場で遮るものもないけど、レイン上下とツェルトを首まで着て上半身だけ岩の下に身を隠し、銀マットを雨除けにして1時間雷雨が通過するのを待ちました。目の前を真横に稲光が走るし、近くに何度も雷が落ちるし、助けを呼ぶような女性の悲鳴が何度も聞こえ、生きている心地がしませんでした。あの声の主は大丈夫だったのか。。。嵐がおさまったので薬師岳山頂に向けてスタート、体が震えて寒い。しっかり動いて体温の上昇を促した。14:50薬師岳山頂、まだ雷がゴロゴロと鳴るのでそそくさと通過。。次はゆっくり楽しみたいな。16:00薬師岳山荘到着、この先の薬師峠キャンプ場でツェルト泊の予定だけど、ツェルトはずぶ濡れだし行く先方面は黒い雲と雷がゴロゴロ。。。チキンの私は1時間近くも悩んだあげく小屋泊に。。。手持ちの現金を減らしたくないので受付のお兄さん(イケメン)に相談、何と宿泊代は後日振込でいいと!神だ!素泊まり\6800、すぐにその場でネット振込みしました(女将さんそれ見てビックリ)。
Day4 8/7(水)
天気:晴れ 午後から雷雨
コース:薬師岳山荘 - 薬師峠 - 太郎平小屋 – 北ノ俣岳 - 黒部五郎岳(2839m) - 黒部五郎小舎 - 三俣山荘(ツェルト泊)、21km、D±1458m、9時間
危険情報:薬師峠まで沢の増水に注意。太郎小屋から先、徐々にdocomo入らなくなり圏外に。
2:15スタート、ツェルトもレインも乾燥室で完璧に乾いた、ありがたい。靴は生乾き、しょうがないのでマメ対策にガーニーグーの回数を増やした。太郎平小屋から木段の平坦な道が続き、きっと周りはきれいな景色が広がっているんだろうけど、真っ暗でひたすら木段と星空を眺めて楽しんだ。4:40、北ノ俣岳の手前で夜が明けると、そこはハクサンイチゲの大群落。山をはじめてから草花に興味を持ち綺麗だなーと感じるようになった。歳だなこりゃw。黒部五郎岳までほとんど人に会わず、静か、綺麗な緑、左手に雲ノ平山荘がぽつんと。去年黒部五郎岳に初めて登った時、雲ノ平のぽつんと感が何ともいえない雰囲気でいつか泊まってみたいと思った。7:30黒部五郎岳到着、眼下に絶景のカールが広がる。草木の緑と点在する巨岩のグレー、雪渓の白にそこから伸びる沢水が日の光で輝き、やっぱり絶景、ここは大好きです。黒部五郎舎まで水場が沢山、美味しい。ついでに下流に害のない沢で頭を洗い体を拭いて靴下と靴を洗濯。ガーニーグー足裏メンテ。9:40黒部五郎小舎着、冷やしトマトが美味しそう。ちょっとお腹が空いているけど三俣山荘のジビエ丼まで我慢だ!手持ちのアルファ米とプロテイン、水を補給して早々に移動、三俣山荘へ。途中、チングルマ、ミヤマキンバイ、また雷鳥さん。少し雲が出てきた、雷雨にならなければいいが。三俣蓮華岳は巻いて、巻き道は水量豊富でお花畑にはミヤマキンバイ、ハクサンボウフウ、コバイケイソウ、ミヤマダイコンソウなど。雪渓を渡ってやっと三俣山荘に到着(11:40)、念願のジビエ丼に大満足です。出来れば烏帽子小屋のテン場まで行きたかったがCT60%で6時間半、順調に進んでも18時を回ってしまうので三俣山荘のテン場で一泊。テン場に荷物を置いて空荷で鷲羽岳・水晶岳をピストンすることに。が、鷲羽岳の中腹で雷鳥さんのお告げがやはりゴロゴロと。さすがに3度目、雷雨になるのが分かったので三俣山荘に引き返し、我慢していた冷え冷えビールを飲んでいると(サイフォン式コーヒーは次回のお楽しみ)、13:30頃土砂降りの雷雨に。テン場は確保していたけどツェルトはあえて設営していなかったので水没は免れました。16:00雨があがり外へ出ると雨はあがり日差しと青空が。正面は槍ヶ岳、よく見ると虹が!虹と尖った槍ヶ岳、手前の硫黄岳の赤茶色の山容が素晴らしい景色、山荘から皆出てきて撮影タイムに。鷲羽と水晶には行けなかったので、18:00過ぎに就寝し超早朝に出発することに。下半身が寒く、ビビィ+銀マットに加える防寒対策が必要と感じた。
Day5 8/8(木)
天気:晴れ 夕方から雷雨
コース: 三俣山荘 - 鷲羽岳(2924m) - 水晶岳(2986m) - 水晶小屋 – 東沢乗越 - 真砂分岐 - 野口五郎岳(2924m) - 烏帽子小屋 - 不動岳(2601m) - 船窪岳(2303m) - 船窪乗越 - 船窪小屋 - 七倉温泉(下山)、37km、D±2383m、14時間51分
危険情報:不動岳-船窪岳付近はアップダウンも大きく、崩落した花崗岩のザレ場で足を置くところがないなかロープで何とか体を支えながら少しずつ10mほど下る場所もあるため、落石や滑落に注意。人もあまり入っておらず、ハシゴも木製で整備不良、ひとまずつけてあるロープを頼りに崩落地を進む箇所が多数あり。ヘルメットは必須。
0:00三俣山荘は深夜出入りOKとの事だったので、山荘に入って荷造りと水分&セブンの豆大福を補給し、スタート。鷲羽岳の登りはやや風が強いが、ヘッデンを落とすと満天の星空!天の川に流れ星、もう写真を撮りたくて仕方がない!!鷲羽、水晶岳ともに深夜で眺望は望めなかったが、さぞ綺麗なんだろーなー、次回のお楽しみ。水晶小屋でdocomoが入ると聞いていたのに確認を忘れ、東沢乗越で慌てて嫁に生存確認のlineを。4:40真砂分岐付近で夜明け、右も左も絶景が見えはじめ、気分高揚!目の前の野口五郎岳に急ぎました。5:35野口五郎岳に到着、ここからの眺めは右の稜線(槍、大天井、燕)も左の稜線(薬師、赤牛(読売新道)、立山)も絶景、遠くには富士山も。ずーっと眺めていられます。10分先には野口五郎小屋、昔ながらの木製の山小屋、ここ4日間見てきた真新しい山小屋と違って雰囲気は抜群です。お腹が空いたのでカップラーメンを頂いていると、荷揚げのヘリが来るので小屋の扉を閉めてと。風で小石が小屋内に入るらしい。数分するとプロペラ音が発煙筒の先からどんどん近づいてくる。初めて見た荷揚げ、迫力満点でした。この先烏帽子小屋までの裏銀座はフラットで歩きやすく、今までの行程に比べ本当に楽、楽しい山歩きを堪能しました。8:00烏帽子小屋到着、すでに8時間行動しているのもあってまたお腹が空いたので、カップラーメンを頂く。アルファ米はとっくの昔に飽きて喉を通らなくなってますw烏帽子小屋から船窪小屋までCT8時間、小屋の主人曰く、アップダウンも大きく、崩落した花崗岩のザレ場、ハシゴやロープも多く、思った以上に時間がかかる。その間水場もない。水を1L\200で購入し、手持ちと合わせて2Lでスタート。小屋の主人の言うとおり、アップダウンは薬師岳のスゴ乗越界隈より酷く、足場のない崩落した花崗岩の急なザレ場を何度も通過。船窪乗越手前では、ロープで何とか体を支えながら少しずつ10mほど下り、足を滑らせ体に生傷を作りながら何とか船窪小屋に14時過ぎに到着。ここは夜間に通過するとことじゃないです。昼間でも怖かった。当初、船窪小屋から北葛岳→蓮華岳→針ノ木小屋→針ノ木雪渓→扇沢を計画していたけど、体力気力共にほとんどなく、このまま進んでも事故になるだけと思い、カレー味のカップラーメン(またか!)を2杯食べ、賞味期限切れ間近の格安ビールを頂いて七倉温泉に下山することにしました。船窪小屋のあたりは人もまばらで北アルプスの雰囲気をゆっくり堪能するにはいいと思う。そしてランプの小屋で夕食もかなり充実しているらしく、いつか宿泊してみたい小屋でした。15:15下山開始、七倉温泉まで標高差1400mを下り続けます。5日間酷使した両足に下りの負担は大きく、マメは手足ともに酷く、太腿の筋肉も力が入らなく、途中何度も腰を落として休む始末。山は厳しい。。。18:00七倉登山口に無事下山、七倉山荘で温泉に入ろうとすると既に店じまいと。交渉し18:30までに出る約束で5日ぶりのお風呂に入り、すげー幸せでした。七倉温泉から扇沢にタクシーで移動6500円。またも土砂降りの雷雨に。一度は船窪小屋のテン場でツェルト泊も考えたけど、下山して正解でした。
今回、長距離を縦走するので軽量化のためツェルト泊を選びましたが、天候の急変にとても弱く、小屋泊も柔軟に取り入れないと体がもたないと痛感しました。それか多少重くてもダブルウォールのテント泊が無難ですね。
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