北アルプス縦走 剣岳〜槍ヶ岳〜燕岳 8泊9日縦走 (馬場島より早月尾根 in 剱岳〜槍ヶ岳〜燕岳〜合戦尾根out)


- GPS
- 69:05
- 距離
- 79.8km
- 登り
- 8,820m
- 下り
- 8,121m
コースタイム
2日目 早月小屋 4:00-7:50 剣岳 8:30-前剣-一服剣-12:35 剣沢(三田平)△ (8:35)
3日目 剣沢 2:15-別山-真砂岳-大汝山-雄山- 一の越-獅子岳-ザラ峠-11:45 五色ガ原△ (9:30)
4日目 五色ガ原 4:15-鳶山-越中沢岳-10:20 スゴ乗越小屋△ (6:05)
5日目 スゴ乗越小屋 3:40-間山-6:30 北薬師岳 6:45-7:30 薬師岳 8:05-9:40 薬師峠△ (6:00)
6日目 薬師峠 4:00-太郎山-北ノ俣岳-赤木岳-8:55 黒部五郎岳 9:05-12:55 三俣蓮華岳 13:20-13:50 三俣小屋△ (9:50)
7日目 三俣小屋 3:00-三俣蓮華岳-双六岳-樅沢岳-10:10 槍の肩△ (7:10) 設営後、槍の穂先へ
8日目 槍の肩 4:00-水俣乗越-7:10 西岳 7:15-10:25 大天井岳 10:40-13:10 燕山荘△ (9:10) 設営後、燕岳へ
9日目 燕山荘 5:30- 7:45 中房温泉 (2:15)
天候 | 1日日 <馬場島-早月小屋> 曇り時々晴れ 2日目 <早月小屋-剣沢(三田平)> 晴れ後曇り一時雨 3日目 <剣沢-五色ガ原> 晴れ 4日目 <五色ガ原-スゴ乗越小屋> 晴れ 5日目 <スゴ乗越小屋-薬師峠> 晴れ 6日目 <薬師峠-三俣小屋> 晴れ 7日目 <三俣小屋-槍の肩> 晴れのち曇り 夕方一時雷雨 8日目 <槍の肩-燕山荘> 晴れ 9日目 <燕山荘-中房温泉> 晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 タクシー 自家用車
馬場島までは以前バス路線があったが、かなり前に廃止になった為、現在は自家用車かタクシー利用に限られている。 馬場島の駐車場はそんなに広くないので、できれば前夜着が望ましい。 前夜は大体6割位埋っていたが、翌朝にはほぼ満車。キャンプ場上部にも少なからず駐車スペースがあるが、あまりアテにはできない。 ■中房温泉アプローチ 中房温泉からは路線バスにて穂高駅へ。路線バスと言ってもマイクロバス・ジャンボタクシー車両を使用しているので定員はそんあに多くは無い。 しかし、駐車場に運行会社(タクシー会社)の係員がおり、乗客が多そうと判断すると臨時便が出される。 中房温泉にも無料駐車場があるが、駐車台数はそんなに多くない(100台程度?)。路線バスでしゃくなげ荘で下車する人も多かった。しゃくなげ荘には大きな駐車場があるようで、ココで温泉に入って車で帰る人も多いようだ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
早月尾根は長くて急登がありますが、別山尾根のカニのタテバイ・ヨコバイ等の岩場に比べると、技術的には格段に易しいです。頂上直下になって初めて岩、クサリ場が出てくる程度。もし、子供、高齢者(?)であれば、断然早月尾根をオススメします。 一方、アルペンルート経由ですと、ついでに立山、奥大日というオプションを付加できますが・・・。前剣〜本峰までは子供、岩場に不慣れな人にとっては、ナカナカ厳しいです。 西鎌尾根と東鎌尾根を比較すると、西鎌はひたすら登るだけなので、割と楽です。千丈乗越からも1時間程度で槍の肩に着きます。一方、東鎌尾根はクサリ場やハシゴがあります。 地形図を見ると、大天荘から大天井岳経由して燕へのルート(破線)が引かれているが、実際には大天井から燕方面に直接降りることはできず、大天荘へ戻る必要があります。 槍の肩から燕山荘は長いです。CTで9時間とされています。とは言っても西岳や、大天井で切るには短すぎる。前日(三俣〜槍ノ肩)、槍ノ肩で切るのではなく、西岳まで行くと翌日(西岳〜燕岳)が楽だったかも。 トイレは、三田平(剣沢)、スゴ乗越小屋(小屋利用)、薬師峠、三俣山荘(小屋利用)にはトイペが設置されており、快適だった。これなら協力金100円も安いもんだと思ってしまうな。 中房温泉への下山後には、日帰り専用野天風呂「湯原の湯」(↓)に入りました。 http://www.nakabusa.com/daytrip/daytrip.html 登山口脇にあり、徒歩5秒ととても便利。「湯原の湯」にはビール、カキ氷、簡単な軽食があります。 サービス券↓を印刷すると、700円→500円で入浴できます。 http://www.nakabusa.com/top/ticket.pdf |
予約できる山小屋 |
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写真
感想
■■初日(8月18日)■■
4:00 起床
4:55 出発
5:05 登山口
6:05 松尾平(1,000m) 6:15
7:04 1,200m
7:51 1,400m
8:15 1,600m
9:14 1,800m
10:30 2,000m
11:40 早月小屋 (6時間45分)
4時起床、気温は23度。暑かった。蚊にも喰われるし、あんまし良く寝られなかった。夜半にどんどん車が上がってきており、馬場島荘前の駐車場は満車。今日の行程は、約7時間。ゆっくり歩いても昼頃には着くだろう。気楽に行こう。。。
水場とトイレはキャンプ場のを利用する。トイレには紙があるので有り難い。登山口はキャンプ場を通り過ぎてまだ先、車道を歩いた左側を少し歩いた先が登山口。
いきなりの急登。早月尾根には水場が無いので、私は4リットル、長男は2リットルの水を持ち上げる。これでは到底足りないんだが、初日にこれ以上のボッカは、腰(椎間板ヘルニア)に負担をかけない為やめておいた(今回の初日のボッカ量は約31Kg)。長男も19キロを超えているので、これ以上のボッカは避けておいた。
今日は初日でボッカ量も多いので、30分で1本休憩のペースで歩く。 登山口からは標高200m毎にアルミ板の標識があるのでペース配分の目安になる。
道はしっかりしているが、急登の連続になっているが、それが緩くなると松尾平に出る。ベンチもあり、良い休憩場所。
2,000mを超えると、痩せた尾根上を歩く事になり、なかなか休憩するスペースも無い。標高約2,100mら辺に避難小屋跡がある筈だが、気を付けていたにも拘らず、気がつかづに通り過ぎてしまった。
2,224mの小ピーク(小広場)を超えると突然目の前に小屋が現れる。テン場の脇の小さな建物がトイレ。お世辞にも快適とは言えない。当然紙も無い。
とりあえず、バテずに初日が無事に終了して良かった。
早速、テントを設営。と、直後にポツポツ雨が降り出し、遠くから雷鳴が聞こえ出した。大した降りにはならず、時折雲の合間から小窓尾根、剣尾根岳が見える。
やはり水が6リットルでは足りず(ここまでで随分飲んでしまった)、ミネラルウォーターを2リットル(800円)を購入。今晩は豚汁。ご飯の炊き具合も豚汁のできも上出来。ただし、乾燥野菜のうちジャガイモが硬い。15分位水で戻したが、もっと時間をかけて戻さなきゃいけないだろうか。今回作成した乾燥野菜は約380gの野菜(ジャガイモ、人参、玉葱)と肉の重量は100g弱。約4分の一の重量とはかなりの軽量化に成功。夕食は、それと毎日乾燥野菜を二人で10g。
今晩の夕食はぶっかけ豚汁とワカメサラダ。ゴハンの炊き上がりは上々。焦げ具合も良い。
△早月小屋テン場
約15張
500円/人
水場は無く、小屋でミネラルウォーターを購入(800円/2)
トイレは天場横(紙は無し)
■■2日目(8月19日)■■
3:55 早月小屋 出発
4:40 2,400m
5:30 2,600m
6:40 2,800m
7:45 別山尾根 分岐
7:50 剣岳 8:30
9:20 平蔵避難小屋跡 9:25
10:25 前剣 10:30
11:20 一服剣 11:25
11:33 剣山荘との分岐
11:50 剣山荘 12:05
13:35 三田平 天場(9時間40分)
2時30分、起床。素晴らしい星空、最高のアタック日和だ。夜中にさすがに少々涼しくなったのでテント本体も閉めたが、Tシャツのままで十分だった。
朝食を終わらせて小屋前に行くと続々と人が出てきている。でもまだ出発の気配は無い。3時55分、予定よりも早く2番手で出発する。Tシャツのまま歩き始める。少々肌寒いがスグに暑くなるだろう。富山の夜景を見ながらラテの灯りを頼りにゆっくり登る。
剣岳からの下り(カニのヨコバイ)で渋滞に巻き込まれたくないので、別山尾根からの登山者が大勢来る前に核心部を通ってしまおうと考え、なるべく早く出発するようにした。雲ひとつ無く超ピーカン。はやる気持ちとは裏腹に、荷が重く次々に抜かされてしまう。
シシ頭よりチョイ下辺りで小さな雪渓を超えるが、アイゼン不要。その後岩場が出てくるが、3点支持ができれば何ら問題は無い。ふと先(上)を見ると、何か標識らしき物と歩く人影がかすかに見える。30分程で別山尾根との分岐に到着。スグに3代揃って剣岳に到着。
剣岳山頂からは、遥か遠くに槍ヶ岳(ゴールは遠い)や富山平野と富山湾が良く見える。カニのヨコバイの手前もしっかりとした岩場で高度感抜群。長いハシゴを下って、クサリ場を下ると平蔵避難小屋跡(今建物はトイレ)がある。念の為、子供にはシシ頭辺りからヘルメットを被らせたが、大人でもヘルメット着用者がけっこういる。良いことだ。。。
剣山荘から剣沢小屋と天場(三田平)に向かう途中に剣沢雪渓を渡る辺り、もう少しで天場だという頃にポツポツ雨が降り出した。まだ大気が安定しきっていないようだ。本降りになる前に、急いでテントを張ってから管理小屋へ天場代を払いに行く。
この日は午後時々本格的な雨が降ってきた。行動中でなくてヨカッタ。トイレは天場を上流側から見て右手にある。紙もあり、有り難い。
水場はあるが、飲料には管理小屋近くの給水施設を使用し、天場中央の水場の生水は飲まない様にとの事(飲んだけど、別に何ともなかった)。
明日は1時起きの3時出発だ。18時には寝ることにする。夜にもけっこう強い雨が降るり、明日が心配だ。。。
剣岳への主なルートは別山尾根か早月尾根だろう。アルペンルートを使って別山尾根経由で2日は必要。しかし難易度からすると、遥かに早月尾根の方が容易だ。早月尾根のキャパが少ない。一方、別山尾根側は山小屋が多数あるし、立山や奥大日へもついでに行けるので、人気なんだろう。
△三田平テン場
受け付けは三田平のキャンプ場管理小屋(山岳警備隊詰所併設)
約数百張
500円/人
水場はあるが、飲料には管理小屋近くの給水施設
天場中央の水場の生水は飲まない様にとのこと(飲んだけど、別に何ともなかった)
トイレは天場の外れ(紙は有り)
■■3日目(8月20日目)■■
2:15 三田平 出発
2:30 別山乗越と別山直登との分岐
3:10 稜線 3:20
3:30 別山 3:40
4:15 内臓山荘との分岐
4:25 真砂岳 4:35
5:20 富士ノ折立
5:30 大汝山休憩所
5:33 大汝山 5:50
大汝山休憩所 6:00
6:20 雄山 6:50
7:35 一の越山荘 7:45
8:18 富山大立山研究所 8:23
9:50 獅子岳 10:00
10:45 ザラ峠 11:00
11:30 五色ヶ原 テン場分岐
11:45 テン場 (9時間30分
昨晩は夕方の雨に引き続き、夜も結構強い雨が降っていたが、1時に起床した際には満天の星空。昨日に比べて随分標高が高いので、Tシャツにシュラフ&シュラフカバーでも少々寒かった。
2時15分に満天の星空の下出発。しばらくは別山乗越へ向かうガレ場を歩き、15分程で分岐点に到達。昼間は何てこともない道なんだけど、ラテの明かりだけだと踏み跡を外してしまう事もあるので注意深く登る。ソコからは左にルートをとり、別山へ向かう。
分岐から40分程度で稜線に出る。富山の夜景がとてもキレイだが、コンパクト(デジタル)カメラじゃぁ上手に撮れないのが残念。
ここからは別山に登らずに、室堂側を巻くみちもあるが、当然別山へ向かう。10分程度、ダラダラ登ると別山に到着。天場からは1時間ソコソコで別山に到達できる。空身だともっと早く到達できるので、剣沢(三田平)に定着を張った場合など、晴れ沈の暇つぶしや日の出を見に手軽に行けそうだ。 別山からは富山の夜景、雷鳥沢、室堂の明かりがとてもキレイだ。
ここら辺りで2枚目の2万5千図に代わる。地図が変わると進んだーという気になる。 三田平から別山への(名無し)鞍部からずっとダラダラした稜線のアップダウンなので、まだ起ききらない体には丁度良い歩行だ。
大汝山休憩所は未だ空いていないし、誰もいない。今日の目的地は遠い。先を急ぐことにする。朝の静けさはきっとココまでだろう。
大汝山〜雄山も何てこと無く、スグに到着。さすがにツアー客、山ガールらも来ている。まだ時間が早いせいか、思った程先の人手ではないが、週(お盆の頃)には大賑わいだったんだろう。
一の越まではCTで30分程度なのだが、何度も道を譲っていたので、思った以上に時間がかかる。多少、浮石の残るガレ場だが、全く問題なく、小さな子供も頑張って登っていた。一の越山荘から先は、山荘の石垣の下を通って反対側の尾根に取り付く。一の越から南は、それまでの賑わいがウソのように静かになる。ツアー登山やファミリー登山とは出会わず、殆どが高年グループ登山だ。
ここから浄土山に行くか否か迷ったが、五色ヶ原までまだまだ遠いので、諦める(しかし片道15分、しかも思ったよりも早く五色ヶ原に着いてしまった事から、後になって行けばよかったなと後悔)。ココからは竜王岳には登らず、竜王岳の西面をトラバースしながら下る。鬼岳も登らずに東面をトラバースする。
獅子岳からは、約400mを一気にザラ峠に向かって下る。ジグザグに浮石を注意しながら下る。雲ってやはり低い所を探して尾根を越えるんだな。早い時間だが、ザラ峠はガスに隠れて、時折しか見ることができない。スゴから見る五色ヶ原側はなだらかだが、反対側は絶壁で、立山カルデラの外輪山となっている。
五色ヶ原に近づくと木道が現れる。天場は小屋へのルートを外れ、五色ヶ原の下流側に位置する。以前は、この分岐点近くに、青い屋根の五色ヶ原ヒュッテがあったが、2008年に無くなったそうだ。現在は五色ヶ原山荘のみが営業。分岐点から更に木道を10〜15分程下る所が五色ヶ原テン場。テン場の中央にはトイレ。当然紙は無い。
まだ時間は早い。スペシャル食の粉末ジュースを出す。さっぱりしてて暑い日にはとても美味しく感じる。
この日は時間もあるので、更にゼリーも作る。水場の流水に置いておくと30分程度で固まってしまう。有峰から室堂へ向かうファミリーの子供(小1)にも分けてあげる。「まぁまぁの味」と言いながら、食器をねぶる位の食べっぷり。見ててうれしくなる。
お昼を過ぎた頃あたりから、西方向よりガスが湧いてきたが、雨を降らす程ではなかった。17時頃からはガスも晴れ、とても穏やかな天気、今までで一番穏やかな日かも・・・。
17時40分、日が沈むとさすがに涼しくなる。Tシャツだけでは少々肌寒い。今晩の夕食はカレーライス。
し・か・し、エライ事に気がついてしまった。
カメラが大汝山付近でバッテリー切れ。こんな事もある想定し、予備バッテリーを2個、予備SDカードを1枚持ってきたハズなんだが、ザックのヘッドをあさっても見当たらない。ヘッドの内側の貴重品入れにも無い。う〜〜〜ん。まさか。五色ヶ原に着いてから、荷物を全部出して探すが、見当たらない。カメラの予備には、一緒にラテの電池も入っている。あと1週間、ラテに今入っている電池をどうしても持たせなければならない。マズイな、マズイ!
カメラは子供用のカメラと予備電池が1個ある。単4電池はイザとなったら天気図用のラジオとその予備電池を使わずを得ない。いやーーー、やっちまったなーーー。
18時、寝ることにする。天気が良く、放射冷却もあって夜半から冷えてきた。寝る時はTシャツでシュラフに潜り込むが、夜半に長袖シャツを着て寒さをしのぐ。
△五色ヶ原テン場
受け付けは五色ヶ原山荘
約百張
500円/人
水場は流水(給水設備有り)
トイレは天場脇(紙は無し)
■■4日目(8月21日)■■
4:15 五色ヶ原 出発
5:30 鳶山 5:40
7:10 越中沢岳 7:20
8:35 スゴの頭 9:00
9:35 スゴ乗越 9:40
10:20 スゴ乗越小屋 (6時間5分)
今日の行程はとてもムツカシイ。ムツカシイ理由は、五色ヶ原から次のスゴ乗越までは5時間と短すぎる。次のテン場は薬師峠(薬師岳下の薬師岳山荘にはテン場は無い)まで12時間30分。但し、参考にした地図・ガイドブックが古く(1991年発刊)、山中で見せてもらった地図では11時間〜11時半位とか。迷うトコだが、前日も三田平〜五色ヶ原まで約2時発で11時間半も歩いているので、たまにはのんびりした行程も良いかな。と、言う事で、この日はお隣のスゴ乗越までの5時間行程としたのだった。
もっとのんびり起きても良かったのだが、3時半に起床。ゆっくり出発準備をして4時15分に出発。しばらくは五色ヶ原の木道を歩く。20数年前にはこんな木道ってあったか記憶に無い。お花畑の季節は終わっているが、まだ高山植物が咲いている。余裕があればココでのんびりもう一泊しても良いのだが。晴チンには持って来いのテン場だ。
五色ヶ原の外れ頃で朝日を迎える。五色ヶ原上部には大きな雪渓が残り、五色ヶ原の多くのな高山植物に水分を供給しているんだな。たいしたもんだ。
鳶山の頂上はハイマツの中。ココからの展望も見事だ。鳶山より薬師岳、黒部五郎岳、笠ヶ岳。遠くは白山も見える。北の方を見ると、立山弥陀ヶ原から剣岳、立山、後立山の大パノラマ 。
鳶山からは背丈程のハイマツの中を緩やかに下り、樹林帯に入る。しばらく樹林帯を歩くと、草原状暖斜面に出るが、既に越中沢岳の緩やかな登りになっている。ダラダラ登るが、山頂近くになると多少斜度を増し岩の重なりをペンキ印に導かれると越中沢岳に到着。二等三角点の点名は「越中沢岳」でなく、「栂山」。
越中沢岳から今日の目的地、スゴ乗越小屋が樹林帯の中に見える。話では、「見えるがなかなか到達しない」らしい。スゴ小屋でも同じような感想を多く聞いた。小屋は見えるが、小さなアップダウンがボディブローのようにじわじわと利いてきたと・・・。
越中沢岳からスゴの頭に下る際に一箇所、ロープがあるが、ほんの数メートルだけど、ちょっとだけイヤらしい。
スゴ乗越から樹林帯の中を登り、いきなりテン場となっている広場に飛び出す。一番乗り。そりゃ、まだ10時20分だから。
受け付けはスゴ乗越(約徒歩2分)。スゴ乗越小屋は樹林帯の中にあるが、東方面の展望は開け、目の前には大きな赤牛岳がデーンと構えている。左(北方)からの稜線伝いに読売新道がある。きっと訪れる人も少なく、静かなんだろう。荒れているのだろうか、一度は歩いてみたいコースだが、長そうだ。。。テン場も無いし、通るならきっと下りで使った方が良さそうだ。
早く着きすぎたので、本日の昼食はスペシャル食のパスタ。半分の長さのサラスパ4食分を2人で食べてしまう。ソースはお気に入りの「まぜりゃんせ」レトルトでなく粉末なのが嬉しい。軽くて、ゴミも水気が垂れてこない。
この日の夕食は八宝菜。1袋が3〜4食分だが、多めに作ってもトロミが残るので、素はこれ位の分量が丁度良い。
△スゴ乗越テン場
受け付けはスゴ乗越(徒歩2分)
約20張
500円/人
水場は小屋脇(給水設備有り、無料)
トイレは小屋利用(紙は有り)小キジ場は小屋脇にあり
■■5日目(8月22日)■■
3:40 五色ヶ原 出発
4:30 間山旧テン場
4:55 間山
6:30 北薬師岳 6:45
7:30 薬師岳 8:05
8:35 薬師岳山荘 8:40
9:10 薬師平 9:15
9:40 薬師峠テン場 (6時間)
昨日、五色ヶ原から行動をスゴ乗越小屋で切ってしまったので、本日の行動も隣の薬師峠までの7時間半(新しいガイドブックでは6時間程度)と比較的短い行程だ。ゆっくり起きても良いのだが、習慣とは恐ろしい。2時半に起床。標高約2,265mだが、昨晩は少々肌寒さを感じる。
3時40分、小屋でキジ打ちを済ませて出発。小屋南側の樹林帯に入る。明け方は肌寒かったが、これまでと違い、夜明け前の風としては少々生暖かい。また、これまでの日々と違って西側に雲がぽっかり浮いている。天気は下り坂か?
樹林帯を抜け出し、緩やかな道になると、小さな雪渓が残る小広場がある。ここは間山の旧テン場だそうだ。確かに雪渓が残っているとテン場に良い広場だ。しかしスゴ乗越から1時間弱なので、わざわざココにテン場を作る必要も無かろう。ってコトで廃止になったのかも。どうせ作るんなら薬師山荘付近にテン場を作ってもらった方が、前日は五色ヶ原〜薬師山荘と丁度良い行程になる。と、自然環境を無視した勝手な意見であった。
広い見通しの良い尾根筋を登ると、日の出前、明るくなった頃に間山に到着。
さすがに薬師岳の登りで高度を上げると風が冷たくなってくる。2,600m辺りでは小さな二重稜線になっており、風が当たらず、寒くもなく暑くもなく休憩には持って来いの場所。
早くも上空に雲が浮いているが、穏やかな天気。丁度薬師辺りが中間地点かもしれない。日程的にも今日で半分だ。左手に金作カールの痩せた岩稜の尾根を下り、本峰まで一気に登る。時間が早く、風が心地よい。遠くからも本峰に人影が動いているのが見える。
薬師岳(2,926.0m)からの眺めは良い。雲の上がりが早く、回りの山々は雲に隠れるが、時折見える大パノラマは圧巻。今日の行動はココから2時間駆け下りるだけなので、周りの人達と話をしながら30分以上も過ごしてしまう。
薬師岳本峰からは、北側と異なり、広い尾根筋を下ると、10分もかからずに東南稜の分岐にたどり着く。ここはかつて愛知大学山岳部の大量遭難のあった現場。確かにホワイトアウトになるとだだっ広い南東尾根に迷い込む恐れもあるな。
夏の明るい時間なら踏跡もしっかりついているので、東南稜に迷い込むことも無いだろうが、夏でもガスに巻かれたり、ラテを点けての行動だと、しっかり「西側にルートを取る」と意識していないと危ないかもしれない。
愛知大学の遭難碑近くには、避難小屋があるが、屋根が落ちていて使用不可、そもそも小さすぎへんか思われる。人が寝られるだけの広さは無いと思われる。薬師山荘へはだだっ広い、滑りやすい砂礫の尾根を駆け下る。
薬師岳山荘は、持参したガイドブック(約20年前に購入)では、「薬師の肩休憩所」となっており、その本には「現在は休憩のみになっている」と書かれている。が、当然今では宿泊可。
薬師平からは木道となるが、風もなく暑い。
薬師平からは沢沿いの道になる。途中、踏跡が二手に別れ、右は樹林帯の中へ、左側は沢伝い。結局はその後合流するのだが、道標が欲しいところだな。どうも沢つ伝いルートが本道になっているようだ。なお更植生保護のため、樹林帯の踏跡を歩かせないように道標の設置が望まれる。下るに連れて沢沿いのルートは石が滑りやすく、注意が必要。カンカン照りの中を歩いての沢の水は冷たくて旨い!!
10時前には薬師峠のテン場(太郎小屋へは更に正面の小山を越えて20分程度)に着いてしまった。いくら何でも早すぎる。もっとゆっくり出発するか、薬師岳の頂上でゆっくりして来れば良かった。
この時間でテントが残置されているが、幾つかのテントは黒部五郎や薬師へのピストンに出かけているようだ。
テン場の受付に、管理小屋に行くが、閉まっており、受付は13頃からだそうだ。水場とトイレは歩いて30秒。ここのトイレはバイオトイレでニオイも殆どなく超快適。紙も設置され、こんな快適ならチップ100円だも安いもんだ。
早く着きすぎたので、禁断の行為に出てしまう。ここまで順調だし、水は豊富にあると、昼食に予備食の棒ラーメンを作って食べてしまう。朝の慌しい中で食べるラーメンと違い、のんびり食するラーメンは旨い。ただ、日陰が無く暑い・・・。
でもハイマツの木陰で気温を測ると、14時頃で23度位だ。コレだけなら過ごし易い気温なんだが・・・。
更にスペシャル食のプリンを作る。水場は流水になっており、水場のふっちこで重しを乗せて冷やすが、残念なことに水場の使用マナーが悪い。米を研ぐコトは誰もしないんで、きっと食器、コッファをココであらったんだろうな。昔の教えで、山中ではまず食器・コッファを洗わない。お茶を沸かしてティーバッグで擦ってから飲み干す。万が一、洗う場合も、米粒は一粒残らず食べる(下級生の役目)。水は水場で使わず、汲んできて使う(水場を汚さないように)と教えられたんだけどな。
こんな水場を見るとがっかりすると共に悲しくなっちまう。1時間後、様子を見に行くとカンペキに固まっている。作り方には、冷蔵庫で1時間以上と書かれているが、山の流水はソレ以上の冷却力なのか?プリンはハウスの「プリンミクス」で、牛乳不要。
http://housefoods.jp/products/catalog/pkgview.php?cd=82522&ct=1
我が大学の定番。そして今は我が家の定番。でもなかなか売っている店舗が少なく入手がムツカシイ。固まり具合もバッチリで、日陰の無いカンカン照りのテン場でこのデザートは実に嬉しい。
子供ははさすがにヒマを持て余して、往復30分の小屋まで2〜3回遊びに行く。。。
今晩はシチュー。ゴハンの炊き具合といい、カンペキ。
さすがに有峰からの入下山地点だけあって、また北アルプス北部・南部、雲の平方面への分岐と十字路のようになっているので、テントの数も今まで以上に多い。学生も4パーティー(全てワンゲルなのが少々さびしい)も来ていた。
次の日は、黒部五郎小舎の予定だったが、少なくとも三俣山荘。三俣山荘では翌日の行動に1時間程の登り返しのロスがあるので、できれば双六小屋まで行きい。
黒部五郎小舎までは約7時間、少々物足りない距離。三俣山荘までは9時間、まぁ問題は無いだろう。でも双六小屋までは11時間、コレは少々キツイかな。
昨日、今日と行動が短かったので、体力は回復したハズだ。それに装備もだいぶ軽くなった。幸か不幸か予備食まで減らしてしまった。で、明朝は2時起きで3時15分に出発と決めて、17時半頃シュラフに潜り込む。
今日で5日目が終了。日程も折り返し点を越えた。
ここまで心配していた腰も全く問題なし。日帰山行でも痛くなる右ヒザにも全く痛みは無い。コレは体重を減らしたおかげか。天候にも恵まれ、毎日満点の星空を見ながら歩き、ピークからは大パノラマを堪能できた。山の神に感謝、感謝。明日からは後半。今年は目的の燕まで行けそうな気がしてきた・・・。
△薬師峠テン場
受け付けはテン場の管理小屋
約100張
500円/人
水場は流水(給水設備有り、無料)
トイレは小屋利用(紙は有り)チップ制(100円)
■■6日目(8月23日)■■
4:40 薬師峠 出発
4:20 太郎小屋
4:30 太郎山
5:45 神岡新道 分岐
5:55 北の俣岳 6:05
6:40 赤木岳 6:50
8:45 黒部五郎の肩 8:50
8:55 黒部五郎岳 9:05
9:10 黒部五郎の肩 9:30
10:50 黒部五郎小舎 11:10
12:55 三俣蓮華岳 13:20
13:50 三俣小屋 テン場 (9時間10分)
あれだけ意気込んで寝たのに・・・。寝過ごしてしまった。3時だ。1時間も寝過ごしてしまった。慌しく朝食を食べ、出発準備をして、4時にテン場を出発。お、目標の起床から1時間で出発ができたではないか。こりゃ、かなりの進歩だ。
20分程で小屋を通り過ぎ、ラテの灯りを頼りに木道を歩く。じきに太郎山への分岐がある。昔(20ン年前)はこんな道標なかった。おかげで当時は太郎山を踏まずに縦走してしまった。
太郎山からは広い気持ちの良い稜線歩きがしばらく続く。
その後は次第に傾斜を強め、赤木岳の頂上直下は石屑が多いガレ場。ペンキ印を見失い、直登しようとするが、足場が不安定になり、頂上にいた人に教えられ、左側(東側)につけられたルートに戻ることができた。
黒部五郎岳へは、約250mの登りだが、思った程キツクなく、気がついたら肩についてしまったという感じだった。黒部五郎岳への登りで雷鳥を発見。黒部五郎の肩にザックをデポし、頂上に向かう。ザックの重さから開放さらた体は軽い軽い。天狗のように走って頂上に向かう。
誰もいない黒部五郎岳(2,839.6m) からは360度の大パノラマ。特に笠が岳の三角錐が格好良い。頂上から稜線通しルートは冬道。肩に戻ってから少し稜線沿いを歩き、カールの底へ。カールの上部にある雪渓から流れ出る水が旨い!!
赤い屋根の黒部五郎小舎でしばらく休憩。いくら何でもココで幕営は早すぎる。三俣山荘までか、双六小屋か迷うが、とりあえず三俣方面へ向かうことにする。三俣山頂と三俣山荘へ巻道の分岐点がある。子供がかなりバテているが、そのまま頂上へのルートをとる。
子供は、どうも7時間を越えると急にペースがダウンするようだ。腹は減っていなくとも、ムリしてでもエ切にならないようにレーションを食べさせた。物によって(カロリーメイトなんか)は水で流し込んでも食べろと。どうも腹が減っていない時はあまり食べていなかったようだ。でも、朝のラーメンだけで、こんだけの行動をまかなうエネルギーが体内に取り込まれるわけは無い。下界のように、満腹=エネルギー満ダンとはならないことを言い聞かせ、腹は減っていなくてもエネルギーはどんどん体内に注入するようにさせた。
しかし、黒部五郎小舎からの登り(分岐まで約320mの登り)でかなりペースが落ちている。時間が遅くなるだけならまだしも、泡を吹いて動けなくなってもらっては困る。というわけで、残り日数分・予備のレーションを持ってやることにする。
三俣蓮華岳からは、三俣山荘が眼科に。遠くには双六小屋が見える。ここから1時間かけて三俣山荘に下るか、2時間かけて双六まで行くか、大いに迷う。三俣山荘に下ると、明朝1時間の登り返しがある・・・。時間はまだ早い。う〜〜〜ん、う〜〜〜ん、う〜〜〜ん、迷う。
結局、悩んだ挙句、槍の肩のテン場を確保するために、明日も早く出ることにし、三俣山荘へ向かう。 三俣山荘への下りもけっこう遠い。こんな時間がかかるなら、双六に・・・と、この選択を後悔する。
もうすぐテン場と言う所で雷鳥が砂浴びをしていた 。樹林帯中を下り、沢に出ると、ソコがテン場になっている。明朝早い時間から登り返しをしなければならないので最上部に幕営する。小屋へは約3分。
疲れを取るにはスペシャル食のプリンを作り、今日は冷凍庫・雪渓に埋めるて固めることにする。
水場はテン場中間部にホースよりチョロチョロ流れ出ているが、テン場脇の雪渓から流れ出る水も飲めるんじゃぁないかな?実際に水場まで行かずに、この水を汲んで行ったけど、何ともなかったのだ。
本日はマーボ春雨(3人食)。多めに作ってもとろみが残っており味も濃くて美味しい。
△三俣山荘テン場
受け付けは三俣山荘(山荘まで約3分)
テン場代 500円/人
水場は流水(チョロチョロ、無料)雪渓からの流水でも良いんじゃない?
トイレは小屋利用(紙は有り)チップ制(100円)
■■7日目(8月24日)■■
3:00 三俣山荘 テン場 出発
3:30 双六岳 分岐
3:40 三俣蓮華岳 3:50
4:35 中道分岐(三俣蓮華岳〜双六岳の中間部から双六岳の登らずに双六小屋への巻道)
4:55 双六岳 5:15
5:42 中道分岐
5:43 三俣山荘 分岐
5:55 双六小屋 6:05
6:35 樅沢岳
9:00 千丈乗越 9:15
10:15 槍の肩 (7時間15分)
11:25 槍の肩
11:45 槍ヶ岳 13:45
14:00 槍の肩
今日は金曜日、夏休み(8月)最後の週末、狭い槍の肩にはきっと沢山のテントが張られるだろう。お昼前には着いて、テン場を確保せねばならない。昨晩は、双六山荘への巻道を選択し、双六山荘から双六岳へピストンともチラっと思ったが。。。
1時45分に起床し、撤収後に山荘へキジ撃ちに行く。3時、ラテの灯りを頼りに出発。
30分後、双六岳への分岐で1号に聞くが、当然のように「稜線通しに行く」という。ヨシ、決まった。真っ暗な中、三俣蓮華岳に到着。45分もかかっていない。昨日の下りと大差ない、かなり良いペースだ。
双六岳までは大したアップダウンもなく、昨日歩いてもそんなに時間がかからずに歩けただろうな。双六岳の二等三角点の点名は「中俣岳」。基準点名は「双六」じゃぁないんだ。。。
朝日の中、双六小屋へ向かう。だた広い尾根を、ただひたすら真っ直ぐ槍ヶ岳に向かって歩く。結局、当初からのこだわり、稜線通しであるくということが守れてよかったよかった。3年ぶりの双六小屋。既に殆どは出発しており、玄関前には誰もいない。ガンガン抜くぞ〜〜〜!
ここからは3年前に走破してるので、大体ペース配分、時間も読める。ただ、長男坊の体力が3年前に比べてかなり向上しているので、かなり早く、そして安心して登れるだろう。千丈乗越からは最後の急登を1時間で槍ノ肩に到着。思ったよりも早く。心配したテン場もまだガラガラ。幕営を、穂先に向かう。
遥か彼方に見えていた槍ヶ岳にようやく到着! 目標としていた(最終目標は燕だが)槍ヶ岳、1週間前、剣岳からは小指の先よりも小さく見えた槍ヶ岳に到着できたのは感無量。よくぞ頑張ったな。ほめてやろう。そして好天が続いたことに感謝。
11時45分頃に穂先に着いたのだが、まだ回りの山々も望むことができたが、じきにガスが上がってきて、真っ白。よかった、テッチの差で展望を望むことができた。その後晴れるのを期待して穂先で待機していたが、一瞬槍ヶ岳山荘が見える事はあっても晴れることは無かった。
流行なの?子供たちが登ってきた際に「とんがりコーン」を持ってきてた。で、指にはめて記念撮影。一人や二人ならともかく、何組もやっていたので、何か(CMかマンガ)でやっていたのかな?
さて、晴れ間は戻らないと諦め、2時間後に下山開始。曇ってはいたが、風も無く寒くなかったのでこんなに穂先にいることができた。
夕方、ポツポツト雨が降り出したかと思ったら、いきなり雷鳴が。そういえば先週の金曜日、ココで雷に打たれて死者が出たとか。
数回雷鳴が聞こえたら、小屋から『山荘の雷警報機が警報を発しています。十分にお気を付け下さい』とのアナウンス。隣のテントから『気を付けろったってテントの中でどうするんじゃぁ〜〜〜』と一言。確かにテントの中で縮こまっている以外無い。
そうこうしている間に雷鳴は聞こえなくなり、ホッっと一安心。
今晩はハヤシライスとワカメサラダ。
△槍の肩テン場
受け付けは槍ヶ岳山荘
約20張
テン場代 500円/人
水場は小屋で購入流水(200円/1リットル)
トイレはテン場外れに設置(チップ制 100円)
■8日目(8月25日)
4:00 槍の肩 出発
4:20 殺生ヒュッテ 分岐
4:40 ヒュッテ大槍 4:50
6:10 水俣乗越 6:15
7:05 ヒュッテ西岳
7:11 西岳 7:15
7:20 ヒュッテ西岳 7:25
8:47 ビックリ平
9:15 大天井ヒュッテ 9:30
10:10 大天荘 10:20
10:25 大天井岳 10:40
10:45 大天荘 10:55
11:10 巻道 分岐
12:40 蛙岩
13:10 燕山荘 (9時間10分)
15:20 燕山荘
15:40 燕岳 16:30
16:45 燕山荘
今日は実質的な縦走の最終日。表銀座を一気に駆け抜ける。計画では7時間。最後にしては短めでマズマズの行程。と思っていたのだが、テン場のお隣さんに「エェ〜〜、長いよ」と驚かれた。ん?おかしいな、楽勝のハズなんだけど。どうも計画の段階で計算間違いをしたようだ。改めて計算しなおすと9時間かかるではないか。
こりゃ、参ったな。今日の燕山荘のテン場は狭く、しかも今日は8月最後の土曜日。先々週にはお昼前には満杯とか。こりゃお昼前には着かなきゃ。張れなきゃ、一気に下りちゃう?
2時45分に起床。キジ打ちをして、4時出発(後で考えると、もう一時間早く出るべきだった)。
今回の山行で、ほぼ毎日、遥か彼方に富士山の姿を見ることができた。今年の山開き直前に長男坊を連れて富士山に登った。何年振りかに登ったんだが、やはり富士山は登る山ではなく、この様に遠くの山に登って、「おぉ、富士山が見える、カッコイイなー、キレイだなー」と鑑賞する山と(個人的には)思う。
昨日のテン場のお隣さんは九州から来て、今日北鎌尾根を登るとか。ヒュッテ大槍で追いつかれ、先に下りて行った。この方、H岡T高会に所属されていて、宮崎大学の先輩をご存じとか。超びっくり。私に登山のイロハを教えてくれた先輩だ。ダウラギリ気砲皸貊錣帽圓辰拭よろしくお伝え下さいと言って別れた。さすがH岡T高会、やる事がスゴイな。
東鎌尾根には西鎌にないハシゴが出てきた。なかなか長いハシゴだ。槍までの距離の目安が岩に書かれているので、東鎌尾根から槍に向かう人には良い目安になるだろう。
昨日までは椎間板ヘルニアを患った腰も大変調子が良かった。荷もかなり軽くなったので、安心しきっていたら昨日の後半辺りからちょっと左腰に違和感。痛いというわけではないが、寝違えたような感触(そういえば昨年やっちまった時もこんな感じだったか)。腰を曲げたり伸ばしたりすると若干の痛みを感じる
水俣乗越で休憩の際に最終手段、処方してもらっていたロキソニンを飲むことに。効く効く、十数分後には違和感が全く無くなった(とは言っても治ったわけではないので慎重に)。
ヒュッテ西岳に荷物をデポし、西岳に向かう。山小屋から数分、大天井側に歩いた所に分岐がある。小屋にザックをデポせずに、分岐にデポしておけば良かった。誰もいない西岳、なかなか眺めは良い。槍-穂高連峰が一望できる。
西岳まで当初の予定よりも時間がかかっている。こりゃ、本当に9時間以上かかるぞ。テン場が心配だ。今から思えば、昨日午前中に槍に着いているので、さっさと穂先に登ってココまで来るべきだったな。失敗失敗。
ヒュッテ西岳を出てじきに「赤岩岳山頂、アッチへ50m」という標識がある。でも通り過ぎてからで言われても・・・
気にはしていたのだが、それらしきピークは分からずに通り過ぎてしまった。地形図で確認すると、ピークよりも40m程下の東斜面をトラバースしていたようだ。分岐点も見当たらなかったように思う。せっかく、三等三角点「筆波美」があったのに・・・。
大天井ヒュッテに向かう途中でサルを発見 。そういえば何年も前にも東鎌尾根でラテの光に映るサルの群れを見た覚えがある。さすがに真っ暗な中でサルの群れを見ると怖かった。
ヒュッテ西岳から1時間チョイでビックリ平という小広場。こんなん地形図にもガイドブックにも載っていない。新地名?立看は新しくないけど・・・。
ここで槍の肩から持ってきた水も残り少なくなってきたので、水を500cc(300円)購入。何だかスゴく割高な気が・・・。小屋のスグ上に大天荘、常念方面とへ大天井岳巻道との分岐を大天荘に向かう。かなり急な登りに見えたが、思ったよりも楽に大天荘に着く。ココの冬季小屋は大学3年生の冬山にお世話になった。
地形図には、大天荘から大天井岳(2,921.9m)を経由して燕に向かう点線(ルート)が描かれているが、パトロールの人に聞くと、ピークから下りることはできないとの事。ザックをデポして大天井岳に向かう。大天井岳の三等三角点名は「天章山」。どうしたらこういう全く別名になるんだろうか?
大天井からは最後のテン場、燕山荘が見える。
蛙岩に着いたが、なぜ蛙岩かが分からない。20数年前の冬に来た際にも、その理由が分からなかった。が、ふと岩の上部を見ると、いた!カエルが!!確かにカエルの顔をした岩がソコにはあった。おぉ、なるほど、確かにカエルだ!長年のナゾが解けた。
徐々に近づく燕山荘に急ぐが、途中すれ違った人からは、「燕山荘、テン場一杯って言ってたよ」と聞いてすごく不安になりながら燕山荘に到着。燕山荘に着いた喜びよりも、テン場が確保できるかという心配が先に立って感動もない。
残念ながら、目標としていたお昼には燕山荘に到着できなかった。時間は13時10分。かろうじて既に設営されているテントと壁の間に設営 かなり傾いているけど、設営できただけ有りがたい。一晩だけの仮の宿、今晩我慢すれば明日はフトンが待っている。幕営できた喜びでようやく充実感が湧いてきた。
明朝、燕岳で朝日を拝んでから下ろうかとも思ったが、今日は時間がたっても天気が良い。せっかく晴れているんで、今日中に燕岳まで行って、最後の景色を堪能してくることにする。燕岳からは遠くにスタート地点の剣岳が見えるではないか!感無量。
眼科には街が見える、長い旅も明日アソコへ下りてオシマイだ
さて夕食はタマゴスープを用いた他人丼 で最後の晩餐とする。
△燕山荘テン場
受け付けは燕山荘
約25張
テン場代 500円/人
水場は小屋で購入流水(200円/1リットル)
トイレはテン場に設置(紙は無し)
■最終日(8月26日)
5:30 燕山荘出発
5:50 合戦沢ノ頭
6:00 合戦小屋 6:05
6:35 第三ベンチ
6:55 第二ベンチ 7:00
7:25 第一ベンチ
7:45 中房温泉 下山 (2時間15分)
長かったようで短かった9日間の縦走も今日の下山をもって終了。今日くらいはのんびりと4時に起床。既に周りのテントもゴソゴソしている。まずは朝食後、明けゆく空を見ながら撤収作業。撤収中に朝日が昇ってきた。山での朝日もこれが見納めだ
さて、今日は日曜日。帰りの電車も午後からは混みだすだろう。山は十二分に堪能した。早めに下山して温泉に入って帰ろう。5時半に3番手で下山開始。合戦沢ノ頭から中房温泉まで4キロもあるのか、たったの4キロか・・・。
あっと言う間に合戦小屋。ここまで来れば水があるだろうと思って少ししか水を用意してこなかった。残念ながら水場は無し。手洗い用の水はあるが、見た目に飲めそうにない。
こりゃ、ダッシュで下ってビールとジュースだ!!
名物のスイカが浮いているが、今年はパイナップルも売っているとのウワサを聞いた。が、今朝は浮いていなかった。
第三ベンチを過ぎる頃から登ってくる人がボチボチ現れた。第二ベンチここらまで下ると、大勢の登山者が上がってきて、待ち時間が結構多くなる。まぁ休憩にはイイんだけどね。あくまでも登り優先が原則なので、譲られ無い限りはキチンと待ちましょう。
燕山荘から2時間15分で中房温泉にゴーーーール!!!。8泊9日、約76キロき通した。万歳!!
9時半に開くと思われた、登山口前の「湯原の湯」が丁度8時にオープンしたので、早速入る事に。
一人700円なのだが、予めサービス券
http://www.nakabusa.com/top/ticket.pdf
を印刷しておいたので、500円/人で入る事ができた。
よーーーく洗ってから、温泉に。とても気持ちが良い。これを求めて9日間歩いたんだ。「極楽、極楽」と自然と口からでてしまう。最後に歯を磨いて、全身スッキリ。
「湯原の湯」にて9日間のガマンしたビールと子供は巨大カキ氷で乾杯。その後、バスで穂高駅へ。穂高駅から松本駅へ移動し、松本駅では6分の乗り換えで特急「しなの」に乗り込む。ゆっくり昼食をとる時間がなかったので、車内販売の弁当を購入。15時前には暑い自宅へ帰宅したのであった。
■■■ 今回の費用 ■■■
天場代……………8,000円
水代………………1,800円
トイレ………………1,000円
登山道整備寄付……100円
温泉………………1,000円
下山後飲食………4,810円
交通費………… 11,050円
=============================
合計…………… 26,760円
すごく長い距離を歩きましたね〜
9日間も天気が持って良かったですね〜
こちらは月山、栗駒山などに登る計画を練っています。
今日になって山行記録の存在に気付き、御礼が遅くなってしまいました、ファミリーの子供の父親です
天気も良く予定通りの縦走されたようで、私も安堵しました。
どこかのお山での再会を楽しみにしております
akiko2569こんにちは。
本当に長かったです。
天気ももってくれてよかったです。でも、剣沢と槍ヶ岳、早月小屋の時に軽い夕立がありました。
ほお、月山の計画も練っているんですか
akiko2569 くん
幸いにもずっと天気が良くてね、毎朝冬の星座を見ながら歩けて、とても良かったよ。
東北の山はなかなか行く機会がないので。山レコで雰囲気だけでも味わわせてもらうね。
1995 さん
こんにちは、よくぞ見つけ出してくれました。ありがとうございます。
こちらこそ、色々な話しを聞かせてもらい、ありがとうございます。今回は天気に恵まれ、予定通りゴールすることができました。山の神に感謝です。
こうやって山レコでコミュニケーションが取れるようになり、またどこかの山でお会いできるかもしれませんね。その際には、お子さんの成長を楽しみにしています。
すごい力作 記録ですね。
本当にいい天気でよかったですね。
息子さんは来年は中学生で部活があるかも
しれないけど、又親子大縦走の報告
楽しみにしています。
iwamichi さん
ごぶさたしております。発見して頂きありがとうございます。
ほ本当に今回は天気に恵まれました。
来年はどうなんでしょうか。まだ分かりません。
次男、三男が続いてくれれば良いんですが、そうでもなさそうで。
どこかの山でまたお会いできればと思います。
iwamichiさん
お久しぶりです。北海道は、寒いでしょうか?名古屋はまだまだ暑い日も何日かあります
日本ハムのCS&パリーグ優勝おめでとうございます。
中日は、惜しくも優勝こそ逃してしまいましたが、CSを勝ち上がり、日本シリーズで、日本ハムと、試合をすることでしょう。
これからもどうぞよろしく
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