記録ID: 333693
全員に公開
沢登り
谷川・武尊
利根川水系 赤谷川本谷
2013年08月13日(火) ~
2013年08月14日(水)
- GPS
- 35:00
- 距離
- 20.3km
- 登り
- 1,676m
- 下り
- 1,590m
コースタイム
8/13
天神平ロープウェイ山麓駅4:20=
(車1台RW駐車場にデポし、もう1台で川古温泉へ)
川古温泉6:05−
8:45毛渡乗越方面登山道徒渉点(入渓点)9:00−
9:26マワット下ノセン(右岸高巻き)10:18−
10:20マワットノセン(右岸大高巻き)12:06−
14:28裏越ノセン(右岸大高巻き)15:59−
16:00左岸BP(タープ泊)
8/14
3:30起床
5:33BP発−
日向窪を登る
5:462段チムニー状滝手前左岸流水溝−
ドウドウノセン右岸大高巻き
7:26 1507ピーク西南西尾根上にある場違いな杉の木
斜め懸垂下降で一本先の南南西尾根(ドウドウノセン最上段滝に落ち込む尾根)
の露岩まで約45m下降
露岩上部より草付スラブの露岩ポイントまで50mトラバースしスラブ帯下降
9:44大高巻き終了9:55−
10:00最奥に8m滝擁する小ゴルジュ−
右岸側壁伝って小巻きを試みるも撤退し、戻って更に右岸ブッシュ帯を高巻き
11:36高巻き終了−
13:20標高1460m二俣状−
14:09標高1520m二俣
(右俣へ)
14:45標高1560m二俣状
(一旦左沢へ入るが藪多く戻って右沢へ)
16:46オジカ沢ノ頭避難小屋−
16:50〜17:20オジカ沢ノ頭17:33−
18:24〜18:35谷川岳肩ノ小屋18:45−
19:42熊穴沢避難小屋19:50−
20:30〜20:35田尻尾根分岐点−
田尻尾根下降
21:45〜21:58天神平ロープウェイ山麓駅=
川古温泉(車回収)
天神平ロープウェイ山麓駅4:20=
(車1台RW駐車場にデポし、もう1台で川古温泉へ)
川古温泉6:05−
8:45毛渡乗越方面登山道徒渉点(入渓点)9:00−
9:26マワット下ノセン(右岸高巻き)10:18−
10:20マワットノセン(右岸大高巻き)12:06−
14:28裏越ノセン(右岸大高巻き)15:59−
16:00左岸BP(タープ泊)
8/14
3:30起床
5:33BP発−
日向窪を登る
5:462段チムニー状滝手前左岸流水溝−
ドウドウノセン右岸大高巻き
7:26 1507ピーク西南西尾根上にある場違いな杉の木
斜め懸垂下降で一本先の南南西尾根(ドウドウノセン最上段滝に落ち込む尾根)
の露岩まで約45m下降
露岩上部より草付スラブの露岩ポイントまで50mトラバースしスラブ帯下降
9:44大高巻き終了9:55−
10:00最奥に8m滝擁する小ゴルジュ−
右岸側壁伝って小巻きを試みるも撤退し、戻って更に右岸ブッシュ帯を高巻き
11:36高巻き終了−
13:20標高1460m二俣状−
14:09標高1520m二俣
(右俣へ)
14:45標高1560m二俣状
(一旦左沢へ入るが藪多く戻って右沢へ)
16:46オジカ沢ノ頭避難小屋−
16:50〜17:20オジカ沢ノ頭17:33−
18:24〜18:35谷川岳肩ノ小屋18:45−
19:42熊穴沢避難小屋19:50−
20:30〜20:35田尻尾根分岐点−
田尻尾根下降
21:45〜21:58天神平ロープウェイ山麓駅=
川古温泉(車回収)
天候 | 8/13 晴れ時々曇り 8/14 晴れ(夕方ガス) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
・10台程度駐車可能 ・トイレ、登山届ポストなし |
コース状況/ 危険箇所等 |
■赤谷川本谷(阿弥陀沢) 前半部はマワット下ノセン、マワットノセン、裏越ノセン、そして ドウドウノセンと名だたる滝が行く手を遮り、その高巻き(すべて右岸) をオンサイトするのは極めて難しく、事前情報は必須。 しかしその事前情報を得ていても、踏み跡はほとんどなく弱点を見抜く オブザベーション能力と上腕パンプ寸前の藪漕ぎが必要であろう。 マワットノセン〜裏越ノセン間の巨岩帯を流れ落ちる連瀑帯突破も 右往左往しながら結構労力が必要だ。 ドウドウノセン上流の8m滝を越えれば、打って変わって奇勝の岩と滝、 トロ、釜はどれも美しく突破はそれほど難しくなくなり、 さらにそれら上部ゴルジュ帯を抜けると、前半の混迷がうそのように 果てしなく続く笹や草原の中を流れる平坦な開放的な小川となる。 遡行グレード:3級上 ‥型席RW駅駐車場に1台車をデポし、川古温泉へ他の車で移動する。 天神平から水上IC方面へ戻ると、水上駅入口と谷川温泉方面の分岐を過ぎ 少し下って猿ヶ京方面の分岐を右折する。 途中仏岩トンネルを潜り、下っていけば赤谷川に架かる橋の手前で、 川古温泉の看板が右手に出てくるので右折。 さらに進み右に川古温泉看板のところを鋭角に右折するとやや細い道になる。 少し走らせれば道の左側に車10台程度の駐車スペースがあるので ここを起点にする。 すぐ奥にある川古温泉は細長い一軒宿で、宿の先はゲートがある。 ゲートはその奥にも2つある。 地元の山岳家の話だとこの辺もヤマビルが出るそうなので、湿っているときは 虫除けスプレーなど要対策。(今回は見なかった) 長いややダートな林道をひたすら歩くと、1時間少々で左に鋭角に分かれた ダート道があるが、これは取水堰管理道であろう。 地図上の林道分岐はその先である。番号42と書かれた標識が木に括られている。 さらに30分で赤谷川林道終点の標識があり、ここですぐに河原に下りられる 明瞭な踏み跡がある。ここが笹穴沢(金山沢)二俣。 ここから先、毛渡(ケト)沢乗越に続く登山道は細くなり、トラロープで 小沢へ下りる箇所が2つほど出てくる。 2つ目のトラロ−プで下りる水のある小沢を過ぎれば、赤谷川徒渉点はすぐ。 地形図を見ると橋が架かっているのかなと思っていたが、橋などはなく、 登山道は徒渉しなくてはならないようだ。対岸の岩に大きな赤ペンキ矢印が あったが、水量多い場合は渡れないであろう。 ここからいよいよ赤谷川本谷の遡行が始まる。 右岸に落ち込むエビス大黒沢の滝、越ノ滝沢の滝などを見送ると、 右岸岩の奥にマワット下ノセン20mが堂々と水を落としているのが見える。 右岸岩のため全容を見ることはできない。 高巻きは右岸。今回は越ノ滝沢出合の中間部がバンド状になっている右壁を 登って平坦なテラスに出た。(卦蕁 後続は越ノ滝沢F1−6mをシャワーで登ってもらう。 テラスからブッシュ帯を落ち口先に向かいトラバースして巻く。 1Υ澆ら東ノ滝沢、熊穴沢と立て続けに合わさり、すぐにマワットノセン15m。 釜の左側を股上くらいで通過し、マワットノセン左側の不安定なガレルンゼを 登る。落ち口方向にトラバースできそうな弱点を探しながら登るが、壁状に なっており見つけにくい。 ルンゼは途中二俣になっており、左はかなり上部まで伸びているので、右を 詰めると壁に突き当たってしまった。上から霧状の飛沫が落ちているので 勝手ながらミスト状滝と命名する。 さてどうしたものかと思案していると、ミスト状滝基部より5m下がった箇所 から右へトラバースすれば小尾根に登れそうだ。 細いブッシュをホールドにしてトラバースするが足元がやや滑る。 何とか抜けきり尾根に乗りブッシュを漕いで少し登ってから、落ち口方向へと 右上すると低い壁状となったのでこれを越えてみる。 すると越した尾根状の反対側は切れ込んだ枝沢だった。 下の方には枝沢と本谷の二俣が見えたので、太目の木に50mロープ2本を掛け 懸垂する。ほぼバーティカルなフレーク状壁は一部脆く落石があった。 枝沢の最後は斜度も緩くなったブッシュで、ロープ45mほどで本谷に戻れた。 ロープ回収時は少し引っ掛かり気味であったので、少し登ってから回収する。 下降後マワットノセン落ち口を顧みると、もう一本下流側の小尾根から落ち口 上部に下りられそうに見えたので、最初にトラバースして上がった尾根を少し 下がってから巻いた方がよかったかもしれない。 なおマワットノセン直登は流芯右手が登れそうだが、釜が深かったので 今回はパスとした。 ぞし遡れば他者の記録でも出てくる巨岩が谷を埋め尽くし、その中に多くの 連瀑を架ける巨岩帯となる。 チムニー登りや謎解きみたいに右往左往させられるとは聞いていたので 今回は右岸側の壁基部になるべく沿いながら行ってみた。 後半部は河原に戻されチムニーやボルダリングを強いられたが楽しみながら 突破した。 サ雋簣∂涜咾終わると、左側が高さ100mありそうな圧倒される壁となり その向こうに一条の見事な裏越ノセン最下段F滝25mが見える。 ただ裏越ノセン手前の前衛小滝もちょっと悩まされる。 右壁を登って笹バンドをトラバースするか(卦蕁棔法⊂滝左手の岩を下から 回り込んで小滝左側から登るか。後者の方が楽だ。 さて裏越ノセンは過去記録だと釜が深くて冷たいので、名前の通り滝右側の岩を 数m登ってから滝の裏側のバンドを対岸にトラバースするというが、 やはり上の岩が窮屈そうで頭やザックが突っ返そうだし、渇水している今回で さえ結構なシャワーだし、おまけに流芯を突破してからクライムダウンする ところも嫌らしそうに見える。 幸い今回は水も少なく釜も埋まりがちなので、膝上くらいで滝の左側に渡れた。 水も思ったほど冷たくはなかった。さすがに酷暑続きだったからな。 裏越ノセン高巻きは左手のガレルンゼをひたすら登る。次第にブッシュの中の 流水溝のようになり、左側の壁状を見送りさらに登って、少し斜度が緩くなって から右へ藪を漕ぎながらしばらくトラバースして、適当なところで笹ブッシュを 頼りに下りてみる。 出たところは幅の広い支流である日向窪F1の上であった。 日向窪F1は左岸沿いにクライムダウンして本谷に戻る。 記録では踏み跡云々との記載もあるが当てにはできないのでオブザベーション& 藪漕ぎだ。 本当はドウドウノセン上まで行きたかったが、時間も押し気味なので 一日目は左岸岩畳状をビバークポイントとする。 流れからは1mもないところなので増水の危険がある天候下では使えないが 今回はようやく大気の状態も安定したので使った。 薪は少ないが、細かいものを集めてこじんまりした焚火ができた。 テ向窪出合から奥に存在するドウドウノセンは10段100mはあるそうだが、 その姿を見ることは高巻き中も叶わない。 最初に滝の全容を解明したのは東大スキー部が上部から下降のうえだと聞く。 直登の記録も出ているが、かなりの力と時間、そして当初からそれ目的と決め 準備を積み重ねたパーティのみであろう。 一般的には高巻くが、それも事前の記録情報を得ていたとしても、うまいこと 紐解くのは容易なことではない。 今回遡った高巻きは、まず水量は少ないが割合開けた日向窪を登る。 最初の2段F1を右から登り、いくつかの小滝を越えていくと、2段構成に なったチムニー状滝(8mくらいか)が正面に現れる。 出合から10分くらい。 チムニー滝の5mほど手前の右手に流水溝のような小岩が続いた小さな窪を ただひたすら登っていく。 やがて20m左手の小尾根は側壁となり、それも見送っていくと、上部が草付 露岩帯となる。 この急な露岩帯の概ね左隅を一心不乱に登り続ければ根曲がりブッシュの 繁茂するそれほど斜度のない数mの壁に突き当る。 少し右の方にトラバースして壁の切れたあたりから登ると、そこは1507m ピークから西南西に伸びる細い尾根上である。日向窪出合からはおそらく 高度差で130〜150mほど登ったか。 この西南西尾根は踏み跡などなく藪漕ぎ(シャクナゲもある)で、再び上部を 目指して登る。 すると雪国の藪とは無縁そうな高さ10m少しある杉の木が立っている。 この辺は展望もきき、ドウドウノセンが奔走しているであろう谷間、万太郎山 方面の稜線、そして下を見ればドウドウノセン上流部の平穏そうな本谷の河原 も見える。 さて、この杉の木の下に生えたおそらくもう一本の老木(やがて朽ちるで あろう)にお願いして50mロープを2本結束し懸垂下降させてもらう。 もう一本先の小尾根に乗り換えるためなので、当然斜め懸垂を余儀なくされる。 先の小尾根にある露岩帯まで行こうとするが、重力に逆らえず真下に下りて ロープを操出しながらトラバースはブッシュもありなかなか容易でない。 何とかドウドウノセン最上段のA滝に向かい落ち込んでいるこの尾根の露岩上 に下りると、上流側は広大かつ緩やかな草付スラブ帯となって本谷河原まで 続いている。 露岩から少し上がって露岩バンドを草が少ないスラブポイントまで慎重に トラバースしてから、スラブ露岩をつないでクライムダウンし、最後は右隅 の窪状をクライムダウンして本谷河原へ戻った。 過去記録者よりも右往左往してしまいかなり時間が掛かってしまった。 ドウドウノセンA滝の落ち口まで行き下を覗き込むと、釜というか函となって おり、その下のB滝につながる落ち口が見当たらない何とも奇勝。 ドウドウノセンが終われば安堵するような平穏な沢となるのだが・・・ Τ某管瑤魃曚┐唇妥箸般世襪げ聾兇縫襯鵐襯鶺なで歩くと、深いトロの奥に きれいな8m滝が見える。両岸はゴルジュとなっている。 右岸のバンド沿いに落ち口まで行ける雰囲気なので、安易に行けば滝すぐ 手前の凹みがスパッと切れており落ち口までは行けない。 では、とそのまま上のブッシュに向かって直上しても、一見バイルの刺さる 土状かと思えば、スラブ壁の上に張り付いただけの土と草であるし ブッシュまで届いてもその上10mは急峻な草オンリーの斜面なので 行き詰ってしまう。これにははまってしまった、 何とかブッシュまで上がり申し訳なくロープスリングで捨て縄して懸垂で 撤退できた。 結局、ゴルジュ手前の右岸から8m滝落ち口よりも10mほど高いあたりから 笹を掴みながらトラバースして落ち口上部に巻いた。 8m滝を越えてから沢が概ね北を向いている間は、美しい滝、釜、トロと 続き感嘆してしまう。上部ゴルジュ帯と言われる箇所はなかなか長いが 右を左をへつったり登ったり水と戯れたり非常に楽しい。 ただ増水時は凄いことになっているであろうが。 標高1450mあたりからは開放的な草原に囲まれた平穏かつ明るい河原となる。 黄色い岩肌は若干滑るけれども。 この明るい平和な渓相と今まで突破してきた険悪な高巻きとの二面性が 赤谷川本谷の魅力なのであろう。 標高1520m二俣は水量比1:3で右俣の方が本流のように思われるが 過去記録を見れば左俣に行く方がいざという時に万太郎山方面の登山道に 逃げられるので時間的にはよい。 今回は右俣へ歩を進める。途中雪渓の残骸が左岸に横たわっている。 標高1560m二俣は右沢がよい。左沢はすぐに強烈なブッシュとなるので。 右沢に入るとスノーブリッジがまだその形をとどめていた。小さいので 下をくぐると、断続的に雪渓がまだ谷に残っているが、左隅を問題なく 通過できた。 時折両岸から藪も覆ってきたり、ナメ状滝となったりする。 最後の詰めは俎山稜の踏み跡を期待して右側の笹薮帯に突入。 平泳ぎで一歩一歩藪漕ぎ登りをして山稜に合流するが、残念ながら 俎山稜に僅かな踏み跡もなく延々笹薮漕ぎを余儀なくされる。 結構疲れた頃、右斜め上にオジカ沢ノ頭避難小屋が見えたので そちらにトラバースする。 オジカ沢ノ頭から谷川岳肩ノ小屋まで1時間程度の登りは全身ボロボロ の体にはこたえた。 小屋で飲み物を購入し管理人さんに挨拶をしてヘッデン下山。 ロープウェイは17時までなので、天神尾根〜田尻尾根を下る。 田尻尾根は夜間でも踏み外すことはないが、スキー場脇に下りてから おそらくスキー場に沿った道は、途中ゴーロ場みたいになったりで 一時不安になったが、最後のユンボが見えたときはホッとする。 |
写真
感想
以前から行きたかった赤谷川本谷へようやく機会を得た。
川古温泉駐車スペースで出会った地元の山岳家の方にも
今日は条件よいよ〜と。
たしかに川古温泉の脇を流れる本谷の水量は
本当にこんなに水少なくてよいのかなぁと思わせるほどだが
これはすぐ上の取水堰堤のためだろう。
長い林道はこの先くたばらないようにローペースで歩いた。
マワット下ノセン、マワットノセン、巨岩連瀑帯、裏越ノセン、
そしてドウドウノセン、その奥の8m滝、どの滝の高巻きも
多少は期待していた踏み跡もあまりなく、結構右往左往して
時間を費やしてしまった。
藪漕ぎメインで腕も足も長袖ながらちくちく擦り傷だらけ。
もう少し効率的に攻めなくてはと反省中。
後半部は打って変わって「日本の名渓」に相応しい素晴らしい景観だった。
最後の詰めの笹薮漕ぎは結構なアルバイトで疲れる。
オンサイトもフラッシングもなかなか大変なので
3日間くらいかけた方がよいかもしれないね。
同行してくれたsawadonさん、otsuyanさんありがとうございました。
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