赤石山脈主稜縦走:聖岳、赤石岳、荒川三山、三伏峠
- GPS
- 33:25
- 距離
- 43.3km
- 登り
- 5,156m
- 下り
- 4,491m
コースタイム
<11日>(椹島ロッジ6:30〜(バス送迎)〜)6:45 聖沢登山口 〜7:22 出合所小屋跡〜8:18 聖沢吊橋〜9:17 造林小屋跡〜10:10 乗越過ぎ(聖岳見える)〜10:43 吊橋〜11:25 岩頭展望台 11:30〜12:15 聖沢の橋〜13:01 聖平小屋<泊>
<12日>4:50 聖平小屋〜5:16 薊畑〜6:10 小聖岳〜7:33 前聖岳山頂 7:42〜9:12 聖兎のコル〜10:02 兎岳避難小屋 10:06〜10:28 兎岳山頂 10:42〜11:36 小兎岳〜12:38 中盛丸山〜13:02 百間洞下降点〜 13:20 見晴峠〜13:53 百間洞山の家<泊>
<13日>5:05 百間洞山の家〜6:04 百間平 6:08〜6:43 大斜面下のコル〜7:47 赤石岳山頂 8:00〜8:27 小赤石岳〜9:22 大聖寺平〜9:55 荒川小屋 10:06〜10:30 水場〜10:54 お花畑入口(扉あり)〜11:30 荒川中岳 11:35〜11:40 中岳避難小屋 11:50〜12:11 中間コル〜12:41 悪沢岳山頂 〜13:05 中間コル〜13:27 中岳避難小屋<泊>
<14日>4:57 中岳避難小屋〜5:15 荒川前岳〜6:05 方向指示板〜6:30 下り終了〜7:20 高山裏避難小屋〜8:21 板屋岳 8:28〜9:00頃 大日影山〜9:34 バイケイソウ〜10:20 小河内山〜10:25 小河内岳避難小屋 10:35〜11:03 前小河内岳 11:06〜11:41 烏帽子岳〜12:10 お花畑(20分ほど水場往復)〜12:40 三伏峠小屋<泊>
<15日>5:47 三伏峠小屋〜6:09 塩川小屋分岐〜 6:36 ルンゼ先の水場〜6:54 中間地点〜7:09 湯口山分岐コル〜7:59 鳥倉登山口(9:11〜11:00 伊那大島駅)
天候 | 基本的に晴。午後に曇り。下山まで雷はなし。ただし15日下山した後、付近で雷を伴った豪雨があったようで、諏訪湖花火大会も中止になりました |
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過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
●しずてつジャストライン南アルプス登山線(今年から予約制) 静岡駅9:50→畑薙第一ダム13:15:http://www.justline.co.jp/rosenn/noriai201305281800.html 片道3000円 7/13〜8/31の間 (畑薙第一ダムで登山計画書記入) ●東海フォレスト送迎バス 畑薙第一ダム13:30→椹島ロッジ14:30:http://www.t-forest.com/alps/bus_sawara.html 行きに3000円支払い乗車。東海フォレスト関連宿泊施設の宿泊料金の一部として使用可能。帰りのバス乗車の権利を得るには、同宿泊施設に1泊し領収書をいただく必要あり(テント泊は無効)。また二軒茶屋ロッジ予約の場合、同ロッジまでの送迎が可能 7/13〜8/31を中心に4/27〜営業終了(椹島ロッジの場合、2013年は11/10まで) <帰> ●鳥倉登山口 http://www.ibgr.jp/rosen/torikura/torikura-time.html JR伊那大島駅、松川インター行バスが1日2本運行。9:10、14:25発。8/25まで 鳥倉登山口〜伊那大島駅間 運賃は1620円だが、荷物代が別途半額必要。合計2430円 <高速バス> ●阪急バス・しずてつジャストライン共同運行高速バス 京都駅前23:20→静岡駅6:08:http://www.justline.co.jp/kousoku/shizuoka_osaka_jikoku.html 片道 ●松川インター、JR飯田駅から名古屋、大阪方面の高速バスあり。松川インターは本数少なく予約終了になる場合が多い。飯田線で飯田駅前まで出ると、高速バスが1時間に1本名古屋駅南の「名鉄バスセンター」まであり |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ 1
ガイド地図 1 山と高原地図42「塩見・赤石・聖岳」
笛 1
筆記具 1
ナイフ 1
飲料 1 ハイドレーションに1.5L、途中で購入した500mlペットボトル2本にも供給
バンドエイド 10
タオル 1
携帯電話 2 従来携帯とiPhone4。10000mAhの充電用電池も
雨具 1セット
防寒具 2 ジャケット、ベスト。使用せず
スパッツ 1 使用せず
手袋 1 岩場に
替え衣類 3
入浴道具 シャンプー、リンス
ザックカバー 1
非常食 11 レトルトごはん9食、カロリーメイト、チョコウエハース
ガスストーブ 1
ストーブ用ガス 2
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感想
前日夜行高速バスで京都から静岡入。3時間半以上待ってしずてつジャストラインの井川登山バスに乗りました。
トイレ休憩を挟み、バスや車が行き交うとは思えない狭い急な富士見峠を越えて、井川のダムへ。井川駅で2回めのトイレ休憩。
井川の集落を過ぎ、大井川をさかのぼり、渇水のダム湖を見ながら進むと、畑薙第一ダム手前の乗り換え場所に着きました。ここで下山までのな登山計画書を書く場所があって、井川観光協会の方がチェック…。ふぅ〜無事通った(安堵)
ここから先は東海フォレストの送迎バス。1時間東俣林道のダートコースに揺られて椹島ロッジへ。
広い敷地に川沿いにテン場。南アルプスや尾瀬など山岳地帯を根城に多くの山岳写真を撮影されてきた白籏史朗さんの写真館が存在。
翌日東海フォレストの送迎バスで聖沢登山口まで送っていただく。
登山口は闇の中に続いています。
午前7時前スタート。急登から始まります。ここはゆっくりと足を進めます。
40分の苦闘の後、今度はトラバース。狭く、時折木の桟道になっていて滑りやすく、左側の谷に落ちないよう慎重に進みました。
やがてトラバースが下り貴重になり、反対に谷が上がってきて聖沢吊橋が見えた時…
「サササッ」
谷から小さな子熊が吊橋との間、目の前30mを横に通り抜けて行きました。こちらには気づかなかったよう。
山側は岩で隠れているので、クマが出てこないかと恐る恐る進みます。
ユッサユッサと揺れる吊橋を渡り、対岸へ。対岸側には団体旅行の人たちが。皆吊橋の向こうにクマが通っていたのを見ており、「怖くなかった?」と聞いてきます。
後から考えれば確かに怖かった((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル。
それからまた急登。森の中で涼しく、下りと違って歩幅を小さく取って行けば疲れも少ないので、一歩一歩で。
長い上りでしたが、2時間後、標高2000mの乗越までたどり着くと、谷の向こうに聖岳が見えました。
高低差はそこからは少ないですが、ここからが厄介。
狭くただ置いただけの動く木の桟道も含めたアップダウンの多いトラバース。崩れている所は上へ退避。
途中の吊橋も敷いてある板が穴だらけです。
暑さでダレてきた頃、滝見台に到着。
滝と聖岳、そして青空。段々と山が深まってきます。
そして右側の谷が段々と近づいてくるのですが、ドッコイ降ろさせてはくれない。
支谷を横切った後、なんと峠越え。急な上りと下りと暑さで精神的な疲労が一気に来ました。
谷にやっと降りた時にはフラフラ。ここからは、川沿いに平坦ですが、もたつくように歩きます。
3度川を渡り、沢で水浴びして休憩し、午後1時ようやく聖平小屋に到着です。
小屋受付にあったフルーツポンチが、疲れを癒してくれます。
まだ山小屋泊の感覚に慣れないまま眠れず。
翌日は5時前に出発。
まずは木の桟道を通り、主脈お縦走道に合流します。
ここからは聖岳まで長い上り坂。最初から急でした。最初お花畑の中を登っていきます。
2度下るところがあって、稜線で風が強くなると小聖岳。
ここからしばらく左側がえぐれていて、去年の西穂高岳みたい。まだ感覚が取り戻せてないので、慎重に進みます。
そして砂礫の中頂上への登り。斜度もそうですが、とにかく長い!
もう嫌になってくるほどゴールが見えません。下を振り返ると、「あそこから登ってきたのか…」
1時間悪戦苦闘して午前8時前、ついに聖岳の頂上に!
これから行く兎岳や赤石岳、遠くには荒川三山の姿も。富士山も見えました。
頂上から見る百間洞山の家は近いように見えて、この後が長かった!
聖岳から兎岳を見ながら下りに入ります。
高度差というよりも、左側が落ち込んだりガレ場・ザレ場の連続で神経を使ってなかなか先へと進まない。
左側がえぐれて砂礫の急な下りになっている所が一番面倒でした。
森林限界から下に降りても、狭い木の根に足を取られながら、今度は右側を気にしなければいけない。
1時間の所を1時間半かけてようやく聖兎のコルにたどり着きました。この日最大のハイライトはここ。
しばらく岩場沿いのトラバースの後、登り返し。緩いですが、この頃から暑くなってきて体力をさらに削ります。
兎岳避難小屋は登山道から少し下っているのと、物々しい外見から行く気になれず(内部は整備されてるようです)、そのまま山頂へ。
聖岳から3時間…。書かれている人が口を揃えて言いますが、自分もこの聖〜兎間が道中最も苦しい区間でした。
兎岳山頂からは、大沢岳までアップダウンが。標高差も結構あり今の体力ではしんどそう。コースタイムで歩くのはもはや不可能。とにかく一歩一歩足を進めるのが精一杯。暑さもそれに拍車をかけます。正直夏山は2000m台後半級でも、朝早く出て前半でペース上げてでも、午前中に目的地に着くのが望ましいです。昼になればなるほど、汗をかき、水の消耗も増えて体のバランスも壊しやすいですから。
ここからはしんどかったという記憶しかなく、中盛丸山と大沢岳コルから百間洞山の家の下りも木の根に足を取られやすく、体の中もカラカラです。
百間洞山の家に水を引いている沢に辿り着いた時には、頭や手を水で拭いリフレッシュ出来ました。結局聖平小屋から9時間もかけて14時前に百間洞山の家に。
ここは狭いながらも外見も中身もオシャレで清潔な屋根裏部屋付のログハウスな小屋です。
夕食の名物トンカツがとても美味しかった! 動物性たんぱく質で栄養が付きました。本当はご飯や味噌汁おかわりしたかったけど、道中の疲れで食欲が余り湧かず食べれず、でした。トンカツだけはしっかり完食!
近くには展望台があり、夕方日暮れの時に聖岳の稜線が赤く染められる所がとても綺麗でした。大沢岳や百間平など山に囲まれてる中にこんな素敵な小屋があることに感激です!
比較的混雑してて足を互い違いに向けて寝ます。ま、お盆休みということを考えると、北アルプスや富士山、北岳に八ヶ岳と比べると空いてる方ではないかと。
アクセスは不便かもしれませんが、ここはずっといたい聖地です。
翌朝も日の出前に出発です。靴ずれ対策に靴下を2枚ばきにしました。百間平まではダラダラした登り。朝は涼しいので、あまり苦になりません。あっさりと台地に!
赤石岳までの稜線や、登ってきた聖岳、中盛丸山、そして大沢岳を背後に見ながら柵沿いに緩い上りの快適な尾根道を歩きます。
ガレた大斜面が現れると、赤石岳までの登り。最初はガレ地をトラバースで登り、それからジグザグにカールの横を進みます。
「あともう少し」の看板が現れて、赤石避難小屋も見えたのですが、ここからのゴーロ帯が長い。ゴーロを避けて登ったり下ったりで、最後は窪地に降り、山頂を目指します。そしてついに標高3120mの山頂に!
ここの展望は素晴らしいものがありました。
小赤石岳まで延びる稜線。そして向こうには悪沢岳と荒川中岳・前岳。白峰南陵を挟んで雲海の中に富士山!
さらに日本一高い一等三角点が存在感を出しています。一等三角点はこの前比良山系の蓬莱山で初めて見ましたが、やはり日本一の標高の場所は感慨が違います。
赤石岳を後にして稜線沿いの気持ちいい歩きを楽しみます。
赤石小屋への分岐を見て、小赤石岳へ。ここも赤石岳に負けず劣らずの頂上で、振り向いて眺める赤石岳の砂礫のピークはさすが盟主!
そこから小赤石岳の肩からしぶといガレ場の下り。ゆっくりペースで行けば何てことありません。
大聖寺平のケルンにたどり着き、そこから荒川小屋まで気持ちのいいトラバースです。
少しハイマツ帯の中をくぐり、荒川小屋。
テン場と水場は少し下にあります。
ここは荒川カレーが名物で、みんな外のテーブルで美味しそうに食べてますが、まだ10時なので悪沢岳まで歩けるかも知れないと思い、
少しの休憩で出発します。
緑の中をトラバース気味に登ると、荒川小屋がどんどん小さくなります。
ここにチョロチョロですが、水場がありました。
標柱から本格的な登り。岩ゴロもちょっとだけありましたが、基本的にはダラ坂。
体力的にはキツイですが、小さな歩幅でゆっくり進んで、フェンスで覆われたお花畑へとやってきます。
ここは斜面沿いに高山植物があって、その中をジグザグに登るので、たっぷりと自然を味わうことができます。オススメの場所です。
その後、岩場の登りを登りつめると荒川前岳と中岳のコル。中岳避難小屋へは右に曲がります。中岳は少しガスってました。
中岳避難小屋には11時45分。いい感じ。
小屋の主人にザックを預けてもらい、アタック用のリュックで悪沢岳へと向かいます。
千枚岳方面の天気が心配で、トレランみたいに飛ばします。
150m下って岩場のコルに。ジグザグの登りの後、核心部の岩場に。3点ホールドで上がりますが、傾斜がきつい(*_*;。
ま、距離は短いですけどね(^_^)。
登りが段々緩くなりコルから30分、小屋から50分で広い頂上に。
南部最高峰をやりました!
千枚岳方面の視界はほとんどなく、大井川の渓谷からはガスがどんどん吹き上げてきます。
上は黒い雲。これはまずいと、すぐに引き上げ。
慌てながらも、さっきの岩場は慎重に。
ジグザグも一気に下って20分でコルへ。
さすがに疲れが見え(夜結構動悸がありました)、小屋まではペースダウン。
のっそりのっそり登ると、意外とあっさりロープで保護された緑の中に入り、中岳避難小屋に戻ってきました。
13時35分。荒川小屋でカレーを食べていたカップルが到着していました。
夕方まで小屋の中と外を行き来して、何度も悪沢岳を見てました。
小屋のご主人は個性的な方で、とにかく消灯まで話が付きないものでした。
夏の3ヶ月ずっと居続けないといけないので、健康を保ったり、大変なお仕事だなと実感。
夕方無線でかなり深刻な要救の連絡があり、身の引き締まる思いです。暗くてヘリが飛べるのが翌日になるとのことなので、その後どうなったかが心配です。
翌日、5時前に外に出ると東の空の朝焼けが素晴らしい。悪沢岳が黒くてこの山域の深みを感じさせます。
荒川小屋との分岐を直進。前岳はスルーして、いきなりの核心部、荒川崩落地を通ります。
ザレてて狭い刃先の上を歩くよう。勾配も下り方向に急でここは多少時間掛かっても、姿勢を低く、時には滑り台のようにお尻をつけて少しずつ前進します。
左の長野側に落ちないように6度ほどそれを繰り返し、右のカールに降りる道が見えてきました。
早朝のため谷底はガスで全く見えません。視界20mくらいか。
大きな石のガレ場のジグザグ道で浮石が多いです。道はしっかり作られています。
標高差600m。長い下りですが、どんどん降ります。やがて霧が晴れ谷底と左側に前岳から続く稜線が見えました。
どこまで降りていくのだろうか見当が付かない。
30分ほど降りたあたりで標柱が。森林限界の下になりハイマツ帯。まだまだ下る。
真っ直ぐな下り斜面になって、枝が引っかかりガレ場よりこっちの方が面倒。
30分弱で広場に。
ピンクのテープがトラバース道を示しています。
そこからはアップダウン多少ありの道。森に入ったりハイマツ帯に出たり。1箇所だけ鎖の下りもあり。
後半水場があり、少し細いですが水の補給には十分! ここでペットボトルに水を注ぎ、袋入りポカリを混ぜます。
高山裏避難小屋で半袖に。7時半。そろそろ直射日光が気になる頃です。
板屋岳までは左が崩れた尾根の登り。崩壊地と草地を交互に歩きます。
晴れてて小渋川の展望が素晴らしい。
板屋岳は標柱あり。どこが本当の頂上かは不明。
急坂を下り、北側が落ち込んだトラバースに。ここが樹の枝が道に絡んでいて、道幅も狭く相当面倒でした。
時間がかかるので、焦って飛ばしていると、垂れ曲がった木の幹に額がゴッツンコ(>_<)。
すぐに瀬戸沢ノ頭の広場に出ます。
ここで大日影山に入る道が分からず5分ほど行ったり来たりでタイムロス。
低い草の間にか細い道を発見。
森に入り、短くもきつい坂を登ります。
大日影山の標柱は発見できず。
ここからは少しずつ高度を上げながら、お花畑や林の中を歩く快適な道。
日陰が多く、稜線歩きの南アルプスとは思えない穏やかな道。
バイケイソウが点在し、ルンルン気分で歩けました。
いつの間にか森林限界を過ぎ、小河内岳への急な登りに入ります。
岩場がちょっとあるダラダラ坂。
一歩一歩踏みしめながら、最後の大きな登りだ。頑張れ!
30分ほどで広い小河内岳の山頂に到着していました。
頂上を独占。そういえば、今日はここまですれ違うひとは数人。
荒川岳までと違って静かな山域です。
空を見ると天候が怪しい。三伏峠小屋まで2時間あまりだけど持つかな。
これから進む道はハイマツの緩い尾根。左側が崩壊してるのは板屋岳以降ずっと同じ。
小河内岳避難小屋に寄るも、入荷するタイミングが16日で食料を手に入れられず。
携帯ご飯で腹ごしらえです。
前小河内岳を過ぎ、左側の崩壊度が増します。登山道はそれを避けながら進みます。少しアップダウン。
私の時はガスってましたが、もし晴れてれば爽快な尾根歩きが楽しめそうです。
烏帽子岳に到着。塩見岳が大きな存在として見ることができました。
ずっと四日間歩き続けれたもんね。大きいけど手の届く存在になってきたよ。次はやっぱり仙塩尾根に行きたい!
森林限界の中に入り、崩壊地沿いのザレ場と、森の斜面のトラバース道。全体としては下ります。
最後の登り返しがきつかった。喉はカラカラ。小河内岳あたりから飲む水の量も増え、三伏峠小屋で調べたらあの高山裏避難小屋手前の水場から2L消費してた。
熱射病的なフラフラ感に耐えながら、左に大崩落地がある広場に来ると、右にはロープで区切られたお花畑の下りが「おいでおいで」と誘ってる(≧∇≦)。
導かれるようにマツムシソウのあるお花畑を下りました。
三伏峠小屋自体は水場がないと聞いていたので、10分ほど下った水場へ汲みに行きます。コンコンと湧き出て、体中水浴び。無人なのに何故かラジオが流れていました。帰りの登りは緩いけど、今日一日歩いた分でしんどかった。さらにお花畑から森の中に入り(ここで大井川水系とはお別れです)三伏峠までも緩い登り。
塩見岳からの道とY字型で合流して、テント場が見えると、日本一高い峠と言われる三伏峠です。
三伏峠小屋はメインの2階建ての小屋と平屋のサブ小屋があり。売店も在庫が多く充実してました。
塩見岳と荒川岳の交点で登山口にも近いので、さぞや混むだろうと覚悟していたのですが、意外にもガラガラ(2階には予約の団体客)。道中で一番開放感を感じながら泊まれました。
百間洞と反対に和風の食事処みたいな食堂でおでん。食べきれないほどのボリューム。昔の山はカレーライスが当たり前と聞いていて、去年の富士山の山頂小屋もスーパーで売ってる使い捨て容器のレトルトカレーだったのを考えると、すごく豪華。小屋のおじちゃんもすごく面白く、日本アルプスで穴場の山小屋はココです(きっぱり)
翌日は午後から天気が崩れる予報。小屋の主人も「早く出たほうがいいぞー」。塩見岳や荒川岳など遠出をする人が朝食を終えるとすぐどんどん出ていきます。
そんな中、下山するだけの自分はゆっくり5時40分に出発。いよいよ長かった南アルプスの山ともお別れの日です。
ささやかな庭園のある小屋を出て、森の中を進むと、岩まじりの急な下りが始まります。
登山口に近いのか階段も一部ありました。
写真のとおり、看板で残りどれくらいか知らせてくれます。
通行止めになっている塩川小屋方面を分岐し、足元の木の板がグラグラする桟道が点在する北面のトラバース道。
滑りやすい岩場もあって気が抜けません。
やがて森の中のアップダウン。豊口山の分岐からは南面に移ってどんどん高度を下げていきます。
カラマツ帯を抜けると、広場が見えて山道を抜け出します。ゴール!!
ここがバス停のある鳥倉登山口でした。時刻は午前8時前。
すでに10人以上の関西の大学生を筆頭に待っています。15番目に並びます。
ザックを置いて林道を散策。登りの客を載せたバスがやってきます。それから30分後客扱い開始。17人で定員。
運賃の他にザック代が必ず半額取られるのが「うーん」かな。伊那大島までは表記上は1620円ですが、実態は2430円。急な山の林道も含めて2時間走るからこんなものかもしれませんが表記の仕方がどうなのかな。
とにかく自分の足で思いザックを背負った事を考えれば、乗せて行ってもらえるのは有難いです。
実はこの後も家まで大変だったのですが。
ま、ここでは言わないでおきましょう。
伊那大島から飯田線で飯田駅へ。最新型電車は揺れも少なくて快適でした。
飯田駅からは高速バス。名古屋へは1時間に1本出てます。飯田線に乗るより早くて安い。2時間余りで名古屋に付きました。
飯田インター手前の住宅地でほぼ満席に。バスの中は直射日光もあって暑かったー。
名鉄バスセンターから名古屋駅までは結構歩きます。名古屋駅前の日の丸を見て、平和を実感する8月15日。
金券ショップで近鉄の株主優待券。急行に飛び乗ります。
この車内がとても暑かった(*_*;。
伊勢中川で乗り換え。車中ちょっと嫌なことがあって、大和八木。
雷雨の後の蒸し暑い曇り空。南アルプスからの遠さと高度さを実感。
最寄りの駅からは頑張れば歩いて帰れるのですが、バスを使って19時半に自宅に帰還。
下山から11時間半。バス乗車から10時間半。
「家に着くまでが本当の登山」が自分の口癖ですが、まさにそれを実感する最終日になりました。
それだけ南アルプス南部は奥深いってこと。
光岳には行けてないし、三伏峠まで着たからには仙塩にも行きたい。
この初めての長丁場は、新たな山紀行のスタートとなりそうです(*^∇^*)
(終わり)
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