苦難と憧れの北方稜線_剱岳_熊と雪渓と人情の山旅

- GPS
- 109:40
- 距離
- 34.7km
- 登り
- 4,564m
- 下り
- 5,870m
コースタイム
8/14 剱沢キャンプ場5:10⇒5:40剣山荘⇒7:10一服剱⇒8:00前剱⇒10:25剱岳⇒12:50池ノ谷の頭⇒14:20三ノ窓⇒15:00発射台上⇒16:00小雪渓(ルートロスト)⇒18:50小窓 幕営(ビバークサイト) 休憩多数
8/15 小窓6:10⇒(ルートミス)⇒9:30鉱山道発見⇒11:50池ノ平小屋12:50⇒13:50仙人池ヒュッテ14:10⇒16:20仙人温泉小屋 素泊まり 休憩多数
8/16 仙人温泉小屋5:15⇒8:00仙人ダム⇒9:15阿曽原温泉小屋⇒12:10折尾谷⇒13:40志合谷⇒16:30欅平 休憩多数
欅平駅18:07-宇奈月温泉駅19:33-22:11立山駅
| 天候 | 8/13 快晴 8/14 快晴 8/15 晴れのち一時曇り 8/16 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図(気象庁) | 2013年08月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
http://www.alpen-route.com/access/access/access04.html ○午前10時半にマイカーで立山駅到着。 この時刻だと下山者がいるので、ちょっとしたコツで一番近い駐車場に停められます(絶対可能ではありませんが)。 午前11時台のケーブルに乗車。並ばずに乗車券を買え、すぐの便に乗れました。 初日剱沢止まりなら、この時間帯はオイシイです。 立山駅⇒美女平⇒室堂:片道2,140円(JAF割引後)+荷物代300円 ○欅平からの黒部峡谷鉄道は激混みでした。 黒部峡谷鉄道:増発臨時最終列車/欅平⇒宇奈月温泉:片道1,660円(普通車:壁の無い客車) 17:25発が通常の最終ですが、この日は最終18:07まで2便増便されました。 ○宇奈月温泉から立山駅へ戻る 富山地方鉄道:宇奈月温泉⇒寺田⇒立山/片道2,040円(“急行”まで運賃同額) ↓次項の地図データですが、GPSロガーのデータを無修正で使っています。 ○室堂から剱沢までの経路は手書きです。 ○小窓手前で経路が切れているのは電池の消耗によるもの(鈍足過ぎ)。 ○阿曽原から欅平までのデータがメタクタなのは原因不明です。 |
| コース状況/ 危険箇所等 |
今年はここ数年で一番残雪が多いそうです。 今回コースミスを2回やらかしましたが、自分の落ち度と雪渓が絡んでいます。 ○長次郎の頭と二枚岩のサイトの中間にあるトラバース:岩の割れ目に挟まっている石を手掛かりに下るところが恐いです。 ※通常使われるルートを外してしまったようです。 ○発射台を過ぎて急傾斜の雪渓が2箇所現れると解説されますが、コースに関係する2箇所の雪渓はお互いが見えないほど離れています。 発射台を過ぎて最初に現れる雪渓と、すぐ隣(小窓側)にあってやや低い位置の雪渓。ここでトラバースすべき雪渓は発射台側の一箇所のみです。 並んだ二つの雪渓を両方トラバースしてしまうと迷います。 発射台側はトラバースしますが、小窓側は上側を巻いて踏跡を次(2番目)の雪渓へ向かいます。 紛らわしい小窓側の雪渓の上側(雪の上ではなく雪渓外側上部の礫地)にはっきりした踏跡があります。踏跡は稜線と平行している感じです。 ○池ノ平・鉱山道の取り付き点は二番目の滝の滝壺より高い位置にあります。 小窓雪渓の最も幅の広い部分です。小窓雪渓が左へカーブし始めたら完全に行き過ぎています。 上記は剱岳から縦走した場合の紛らわしい場所です。池ノ平スタートなら問題ありません。 ○鉱山道・展望台を過ぎて池ノ平小屋まであと少しのところにも急傾斜の雪渓が残っていました。念のためアイゼンを付けました。 ○平の池で熊の親子が水遊びをしていました。正午頃です。普通に登山道のあるところです。 ○仙人温泉小屋へ向かう仙人谷にも大量の残雪がありました。雪渓と岸の両方を行き来しながらコースが付けられています。岸の取り付きに赤テープがあります。 こちらの雪渓はアイゼン無しでも歩けました。雪渓の上を長く歩く部分もあり、これで本当に良いのか不安になりますが、雪渓上の石に赤テープを巻いてあったりします。 最終的に左岸に取り付き点があります。ここを上がればもう雪渓に出ることはありませんでした。 ○志合谷のトンネルは地下水が染み出ています。水深はくるぶしよりやや上でハイカットの防水シューズでギリでしょう。 ●欅平駅へ降りたら補給の前にまず列車の予約を。繁忙期は飛び込みで乗れません。全て指定席です。 ●欅平駅最寄の日帰り温泉・猿飛山荘の入浴は午後4時までです。 ●車に戻った時点で午後10時を過ぎていたため、お風呂は富山市内のサウナを利用しました。 サウナ・アルプス http://www.sauna-alps.com/ 入浴24時間。宿泊可能。食事も午前1時頃まで出来ます。 |
| 予約できる山小屋 |
|
写真
昨年と違い天候の心配はまずありません。
午後4時半到着でも良いサイトが残っています。
(昨年も同様でした)
テン場奥にある石垣で囲まれた建物が野営管理所。剱沢小屋はその下にあります。
一人(一張りではない)一泊500円です。
水は一部塩素消毒されています(沢水もあり)。
ちょうど対向者が来たので伺ったところ、写真上から1/4辺りのバンドを使い、残置ロープで降りたとのこと。
技術・体力共に余裕の無い私は下から2/5辺りの易しいバンドを歩きました。
写真中央やや上・石の挟まった割れ目を下りました。
ザックが重く、挟まった石に下向きにではなく引き出すような荷重を掛けるため緊張しました。
後ろ向きに下るのは足元の確認がし辛いのが難点です。パーティなら誘導もしてもらえますが。
写真下から1/3程のところにある岩のバンドが通常のルートらしいです。残置シュリンゲがあるようです。
渡る前に撮っています。
改めて写真を見ると、雪渓対岸の上から1/3辺りで岩が切れて踏跡のようになっているのが分かります。
しかし、下から1/3辺りの雪渓手前側に赤リボンがあり、そこから雪渓上に踏跡がありました。
雪渓に到達しているはっきりした踏跡より数メートル下に赤リボンがあり、そこからこの雪渓上の踏跡が渡っています。
赤リボンを無視して、はっきりした踏跡の延長上を対岸へやや上り気味にトラバースすれば踏跡はすぐに見つかったでしょう。
写真左上に少し写っているのが隣り合ったダマシ雪渓です。
すぐ隣にあるこの雪渓をトラバースする必要は無く上側を巻くように明確な踏跡が付いています。
アイゼンを付けたついでに両方渡ってしまうと標高を下げ過ぎてしまいコースを見失います。
雪渓の下から登っても見える位置に丸印があります。
この大岩の下には鉱山で使っていたと思われる機械が置かれていました。
産業遺産になるのではないでしょうか?
しかし崩れた岩に半分埋まって無残です。
滝壺より鉱山道取り付きの方が標高は上です。
錆びたタンクはリベット止めで時代を感じさせます。
しかしヘリが実用になる前の当時、こんな重いものをどうやって運んだのでしょうか?
積雪時にソリで? 索道で?
本当はここまで1日で来たかったのですが半日も余分に掛かりました。
泊まりはしませんでしたがお風呂もありアットホームな雰囲気の良い小屋です。
http://www015.upp.so-net.ne.jp/Lips-of-Monroe/
小屋でお会いした皆さん、無事北方稜線を楽しまれましたか?
楽しいひとときをありがとうございました。
このサイズでも写真の解像度が低くて判別し難いですが、一番大きな池のすぐ下の小さな池(右端の池)に大きな動物の個体が居ます。
大池の手前側の岸、左から1/3くらいの草地のところに何かが顔を出しています。
写真左側から1/3くらいのところ、白く見える登山道がカタカナの“ノ”の字のようになった場所の右隣の小さな池付近に小さな個体が三匹ほど見えます。
一匹は横向き、もう一匹は水面に影が映り、さらに一匹は大池の干上がった部分に居ます。
真っ黒で四つ足、肩より腰のほうが高いので熊だと思います。
それにしても走り回る小熊のやんちゃで無邪気なこと!
間近で遭遇すれば金縛りになってしまいますが、遠くだと微笑ましい光景です。
棲む世界が分かれていればお互い平和に暮らせます。
正確には、たまたまいらしていた小屋番さんの奥さんと二人きりで一室!
遠く世間を離れた桃源郷でドラマは…何も起こりませんでした。。。
(つーか、枕に頭が着いた瞬間に電源落ちてダメ過ぎ)
僅かな平坦地にうまく建てられています。
古い登山道は小屋からそのまま仙人谷通しに下って阿曽原へ抜けていました。
(現在は崩落して通れません)
http://azohara.niikawa.com/album/index.php?q_dir=.%2Fimg%2Fkumokiri
梯子の最下部、下から4段ほど角度が変わっており、それまでの感覚でテンポ良く下っていくと足の掛かりが浅くなって踏み外す恐れがあります。(スカを喰らう)
一段一段確実に降りてください。
(登る分には心配ありません)
黒部川本流の水は澄んでいました。
ほぼ満水の状態。
対岸にあるコンクリート岩壁の四角い穴から出ている排水が黒部第四地下発電所からのものと思われます。
一旦発電に使った水を再利用してより下流の発電所の水に使い回します。
仙人ダムの水は欅平駅隣にある黒部第三発電所で使われます。
最初はダム管理所の屋上へ上がります。
屋上なのにこの堆積物。
いったい荒れるとどんな環境になるのでしょう?
それとも雪上にあった堆積物が雪解けして残ったもの?
写真中央奥、鉄柱の基部に赤テープがあります。
建屋に付いている赤テープも珍しい。
ずっと以前の20年前、黒部ダムから下ノ廊下を歩いたときは、黒部川を図中にある水路橋で渡ったと記憶しています(線路橋を兼ねていると思います)。
現在は通路が変わったのでしょうか?
機会があればまた下ノ廊下を歩いてみたいです。
(元々が登山道ではないのです)
仙人ダム付近では冬季の豪雪を考えて通路は全て屋内式になっています。
この通路もコンクリート製で強度がありそうです。
ここから再び露天の登山道になります。
鉄柵の扉には熊避けのためロックをするように書かれています。開放厳禁。
このすぐ先に関西電力人見平寮があります。
知る人ぞ知る秘密の補給所です。
着いた時間には誰もおらずテン場も無人でした。
小屋は完全予約制で、この日水平道で擦れ違った登山者は3パーティ5人のみ。
下ノ廊下はまだ通れず、仙人池方面から下る人が無ければ空いてガラガラでしょう。
温泉のことを考えると穴場の良い時期です。
水深が不明なのでゴムジョンを装着。ヘッドランプも出します。
水は非常に冷たいですが、疲れた足が引き締まって心地良い?(←痩せ我慢?)
※水深はくるぶしくらい。
靴を脱ぐか脱がないかのギリギリでした。
過去にはスネの中間くらいのときがありました。
山と高原地図には載っていません。
日照り続きで小さな沢はほとんど枯れていましたがここは貴重。
具合良く飲み易い高さに盆状のくぼみがあります。
下山した欅平駅は人ごみで地面が見えないほどの混雑ぶり。
降りてすぐ切符を買いましたが日帰り温泉は既に終了。
食堂も閉まっておりカキ氷は氷が欠品。アイスは食べ尽くされていました。
そうこうしているうちに立ち食い蕎麦まで終了。
私の相手をしてくれたのは自販機と薮蚊のみ。
宇奈月駅ではすぐ列車が来るので、乗換駅の寺田で蕎麦でもと思っていました。
しかしあったのはトイレと自販機だけ。駅員さんも一人の駅でした。
46分の乗り換え時間が長かった。
終点・立山駅まで乗ったのは私一人でした。
ヘルメットは市から供与された水防団用。
感想
○前回ゴールデンウイークの山行で肩を負傷。
ヘリによる救助を要請して関係者の方々に多大な迷惑を掛けてしまいました。
三ヶ月間の通院とリハビリ。山の趣味を見詰め直す冷却期間だと考えましたが、心の思いは建前と裏腹に山へ行きたい願望が大きくなるばかりでした。
折りしも来年から町内自治会の三役が回ってきます。そうなると数日に渡って家を空けることが出来なくなるのではないかと。
少なくとも2年は役が残るので、ますますジジイになってしまう。
昨年のように天候不順なら諦め易いところですが、どうも良さそうである。しかもお盆の週全日に渡って。こんなチャンスは北アルプスでそうは無いでしょう。
しかし次に救助要請のカードを切ったら一生山に行けないかも知れない。
もっとも北方稜線で救助要請って、ほとんど望みの無い状況ですよね。
要請ならまだしも、捜索なんて状況になっては絶対にいけない。
怪我ひとつ出来ない状況なので綿密に計画を立てました。
右腕は完治していませんが、8割がた使えます。
家族に「山へ行く」と話したときは「勝手にすれば」の反応でした。
○どんな状況でも面倒がらずに安全側に振ろう。そのために時間が掛かっても仕方ない。テントを持って時間切れに備え、一方で我慢出来る装備を減らす。
重量と容量減のためにシュラフをカット。いつもは持つテント着も下はカット。雪渓が利用出来ることを踏まえて水は3Lとしガスを多目に230g1缶持ちました。
アイゼン・ピッケル・ヘルメット・補助ロープを持ちました。
○北方稜線を歩いてみて、北鎌や西穂−奥穂には無い味と難しさがありました。
大型ザックを背負っての岩場トラバース。いくつかルートの選択肢があって何処が正解?あるいはどれも正解?
この踏跡(バンド)がゴールに通じているか?この緊張感がバリエーションの醍醐味と言うか恐さです。
雪渓トラバース前後のコース確認。今回の山行で散々だった点です。
・発射台を過ぎて現れる急傾斜の雪渓2箇所をトラバースする。
最初に現れた二つの並んだ雪渓。これがその2箇所だと思い込んだ私。見事に二つの雪渓を渡った先でルートを失いました。
正解は、見えている一つ目の雪渓は正しいルート上にある雪渓。すぐ隣は無関係の雪渓でした。
二つの雪渓を渡った先でルートを探しウロウロ。不明瞭な踏跡らしきものはありますが、今までの踏跡とは明らかに違う。ここじゃない。
正しいルートを見つけた方法は簡単でした。明瞭な踏跡があった最後の地点まで戻ったのです。頭では分かっていても現地だとつい面倒になります。しかしウロついた労力と時間を考えれば戻る方が早い。これも後で分かったことです。
・時間切れにより小窓で幕営。これは後のことを考えると大正解でした。
日照と疲れで食欲が無くそのまま眠ってしまい、夜半に寒さで目が覚めました。合羽をシュラフカバーの上に掛けたところ熟睡。辺りが明るくなって寝坊に気付きました。時計のアラームは掛けておいたのですが…
・鉱山道取り付き点を見つけられなかったのは、まさに思い込みによる典型です。
「二番目の滝が見えたら左岸に注意」のところ、「二番目の滝を過ぎたら左岸に注意」に刷り替わっていました。仙人温泉の小屋番さん曰く「二番目の滝の音が聞こえたら左岸に注意」だそうです。
こんなに早く鉱山道の取り付き点は来ない。第一左岸は崖ばかり。もっと下ったところの沢が合流している辺りだろう…←全然違いました。デタラメな妄想です。
小窓の雪渓が割れてそれ以上下れなくなるところまで下り、登り返しながら取り付き点を探しますが見つかりません。GPSのレコに右往左往ぶりが出ています。
見つかるわけがありません。取り付き点より下をいくら探しても。
正しいルートを見つけた方法はこれもセオリー通り地図を見たことでした。
山と高原地図36剱・立山で、旧鉱山道と書かれた文字に付いている5mmも無いような細い線の先端。ここが鉱山道の取り付き点でしょう。
標高2,200mくらいで小窓雪渓の最も幅広の部分らしいことが分かりました。時計の高度計を見ながら(相対誤差は確認済)雪渓をだいぶ登り返すと写真にある白縁の赤丸を描いた大岩と錆びたタンクが目に入りました。随分時間が掛かったものです。
・今回行って思ったのは、北方稜線のベストな時期です。やはり盛夏は体力を消耗します。少しでも曇ってくれれば(なおかつガスが出なくて)天候的にはベストだと思います。
夏が過ぎて日差しが弱まる秋からの雪が降り出す前の季節で、小屋泊で軽量化して一日で抜けるのが最良だと思います。
○裏剱は人情山小屋地帯です。
・稜線を降りて最初の池ノ平小屋。前身は小黒部鉱山の飯場だったと聞きます。
http://blogs.yahoo.co.jp/knbjb575/65115650.html
到着してすぐジュースを所望したところ、小屋スタッフの皆さんで昼食中でした。
おばちゃん「はい、3千円になります。」
私「3万円でなくて良かったですよ。」
おばちゃん「もっと冷えたの持って来るからね。」実際は3百円です。
初対面でこのノリです。
寸志を払って水場を使わせて貰いました。普通の使い方ではなくアイゼンを洗い、ヘルメットを洗面器代わりにして頭を洗いました。
水源があるとはいえ、たかが水ではありません。こんなに有り難いものです。
明日は北方稜線へ向かうと言う3パーティの皆さんと楽しく話しました。それにしても登山者のレベルと小屋のアットホームさのギャップがいい意味で深い味を出しています。
いつかは泊まりに来たい原風景のような小屋でした。
・仙人池ヒュッテ。ここはジュースを飲んだだけで通過しました。仙人池まで僅か10秒!すぐ隣だったんですね。紅葉のときはさぞやの光景でしょう。
出発するとき小屋番さんが「どうぞお気を付けて」と声を掛けてくれました。とてもよい気持ちになれました。
・仙人温泉小屋。今回の大収穫です。当初はここに泊まる計画はありませんでした。しかし日程が遅れて阿曽原までは行けない。しかし翌日を考えると少しでも進んでおきたい。そのボーダーラインにあったのが仙人温泉小屋でした。
食料はあるので素泊まりにしましたが、何と客は私一人とのこと。お盆の最中・終戦記念日なのに。雪解けの遅い裏剱はまだシーズンの始まりできっとメインは紅葉時期だと思います。
素泊まりとはいえ至れり尽くせり。温泉独占で湯温もお任せ。最初はぬる目にして足をマッサージしながら入り、次第に湯温を上げて温まります。
全身を洗った後に行動着も洗い脱水機まで借りました。もう寝る前に乾いています。テントも干せましたし、体がすっきりしたので食欲も回復。食べて栄養補給と同時に軽量化しました。
夜は歓談室にお招きして頂き、楽しい山談義が出来ました。お裾分けまで貰ってしまいました。しかも令婦人と一夜同室!(爆睡棄権…)
消灯間際、スタッフの皆さんが入浴していましたが、笑い声が絶えません。顧みて自分の職場で大笑いしたことがあっただろうか? この深山で幸福とは何だろうと考えてしまいました。(その後数秒で電源が落ちました)
翌朝もお味噌汁をお裾分けして貰い元気に出発。途中でトレランもしている奥さんに抜かれましたが、その日のうちに立山駅まで戻れました。
仙人温泉小屋の皆さん、その節は親切にしていただき大変助かりました。ありがとうございました。
・阿曽原温泉小屋。ここも自販機を利用しただけでしたが、小屋番さんに声を掛けていただきました。
・裏剱はピークハンターが訪れる場所ではなく玄人好みの渋い山域でしょう。そんな環境と小屋の規模が昔ながらの人情を保っていると思います。
右から左へ人を捌かなければならない小屋ではこうは行きません。
ジジイになったらきっとまた訪れたい素敵な山域でした。
○一度は行ってみたかった仙人ダム施設内の登山道!ようやく念願叶いました。
雲切新道が出来る前は仙人温泉小屋から直接阿曽原へ下れたので、ダム施設内が登山者に解放されたのは最近だと思います。
仙人ダムを訪れたのは07年以来6年ぶり。前回は黒部ルート見学会の一部で列車移動の途中でした。
○水平歩道を歩くのは93年以来20年ぶり4回目です。前3回共に下ノ廊下を歩いたときで9月でした。8月に歩くのは初めてです。
水平歩道も崩落が何箇所か有り高巻きがあります。しかし大半は以前のままに歩けます。自然条件の厳しいこの地で維持管理される方々は大変なご苦労だと思います。日頃からありがとうございます。
○これで自分の中の冒険的登山は一旦終わります。
☆単独での山行でしたが、同じ目的を持つ山屋さん達と人情厚い小屋スタッフとの出会い・語らいが非常に楽しく思い出深い山行になりました。
やっぱり山は良いものです。安全と環境に配慮して楽しみます。
北鎌で傷になったメガネのレンズも換えようと思います。デジカメも区切りが付いたので買い換えたい。生地の剥離したテントも…
いいや先立つモノが無いぞ。小僧も高3だし。
長文読んでいただきありがとうございました。
どうぞ皆さんも良い山行を!
歩行37km
コメント
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昨年の同じ時期に、まったく同じコースを歩きました。昨年も残雪が多いといわれたのですが、今年はそれ以上のようですね。
仙人温泉、テント場がなかったので私は通過しましたが、非常に気になっていました。とてもそさそうなところですね。今度はゆっくり訪れてみたいものです。
こんばんは。
早速のレスありがとうございます。
北方稜線へ行くにあたっては、mtaka2010さん始めヤマレコの皆さんのレポが大変参考になりました。
それでも体力の無さと知識のあやふやさ。
しかしそのおかげで仙人温泉小屋を知るところとなりました。
山深い地にあって一日単位の歩行距離を考えると中間地になってしまい不利な点はありますが、仙人温泉小屋は泊まった人だけが得する穴場のパワースポットですね。
いかがわしい都市伝説的なものと“実効性”が違います。
機会があれば是非行ってみてください。仙人とお酒が飲めれば最高ですよ!
mtaka2010さんはけっこう渋いところを攻めていますね。山は楽しくなくちゃです。
もう少し歳を取ればさらに余暇の自由度が増す(ハズ)です。
どうぞまた良い山行を!
お手本にしたいリスク管理です。
自分もぜひ歩きたいこのコース。参考に勉強させていただきます。
しかも良い出会いや温泉もありすばらしいレコですね。
体お大事になさってくださいね。
復帰なによりでした
メタさん、レスありがとうございます。
私と同じ、初槍が北鎌からだったんですね!
ため息が出るようなカッコいい写真です。
どうして私のときは濃霧だったのだろう?
リスク管理などと大層なことはしていません。
無事帰ること、自分を客観視することに努めましたが実際にやると難しいです。
歳のせいか、思い込みが強かったり横着が出たり、単独ですと自由なだけに危険もあります。
体力が無く鈍足なのに行きたいところは多い。
一度イエローカードを出してしまったので常に慎重でないと次は無いと思っています。
メタさんの今後のご活躍を楽しみにしています。
どうぞ印象的な山行を!
同志、今日の今日までレコに気が付きませんでした。
(知恵袋の書き込みを見て、あれ?と気が付きました)
出勤前の朝なので詳しく読んでいませんが、とうとう行かれたのですね!
あのような事件があったあとだけに、怪我のこと、家族のこと、色々クリアしなければならないことは多かっただろうなと想像します。
今後もレコ、楽しみにしています!
BIMOTAさん、こんばんは。
いつもレスありがとうございます。
お察しの通り怪我より家族の了解を取り付ける方が難題でした。
カミさんはまだしも同居の親が心配します。
弟をオートバイ事故で亡くしていますし(私事でスミマセン)自身にも前科が付いてしまいましたので。。。
しかし、やっぱり行きたい。絶好のチャンスであればなおのこと。
絶対に無理はしないと普段に増してノロノロ歩いてきました。この天候だから許された時間ですが。
でも行ってしまえば笑みが浮かんでしまう現金者です。
そしていつかはBIMOTAさんも持っているアノ場所の写真が欲しいと思う始末です。
不治の病は治りませんね。
暫くは二歩足だけで行ける山をボチボチと歩こうかと。
BIMOTAさんのレコ大変参考になりました。ありがとうございました。
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