裏銀座縦走(七倉山荘〜烏帽子岳〜野口五郎岳〜水晶岳〜鷲羽岳〜三俣蓮華岳〜双六岳〜新穂高温泉)
- GPS
- 54:29
- 距離
- 44.8km
- 登り
- 4,101m
- 下り
- 4,061m
コースタイム
- 山行
- 7:22
- 休憩
- 2:46
- 合計
- 10:08
- 山行
- 8:56
- 休憩
- 1:33
- 合計
- 10:29
- 山行
- 7:36
- 休憩
- 1:27
- 合計
- 9:03
天候 | ・1日目 小雨のち曇り ・2日目 曇り時々雨時々晴れ 強風 ・3日目 快晴無風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
自転車
・池袋20:00→松本23:35(どっとこむライナー \2200) 上の時刻より40分程遅延 ・松本→安曇野ちひろ美術館(レンタサイクル \530 約1時間半) ・安曇野ちひろ美術館→信濃大町(徒歩11 約2時間半) ・信濃大町5:15→七倉登山口6:00(裏銀座登山バス \1500) 帰り ・新穂高ロープウェイ12:55→平湯温泉13:28(濃飛バス \910) ・平湯温泉14:35→バスタ新宿19:15(濃飛バス \5700) 上の時刻より3時間弱遅延 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・トイレ 各小屋に大体あるので困ることは無いと思う。 ・水場(確認したもののみ) 烏帽子小屋(1リットル\200)、三俣山荘(無料) 他各山小屋、秩父沢、笠新道入口 ・充電(確認したもののみ) 烏帽子小屋(小屋泊者のみ) 三俣山荘2時間\100 ・テント ・烏帽子小屋 \2000 20張 小屋から3〜5分下る。 樹林帯の中で風よけになる。 水は小屋で購入。 ・三俣山荘 \2000 80張 山荘から3〜7分登る。 風は吹きっさらしの場所が多く、上に行くほど張りづらい。 水場は山荘前とテン場寄りの2か所。 ・積雪 登山道にはなし ・コースタイム 今回のコースタイムは途中チェックポイント外で休憩したり、晴れ待ちをしたり、撮影したりしているのであまり当てにならないと思います。 ただ、普段のルートよりヤマレコのコースタイムが1〜2割厳しめになっているので、計画の際は注意が必要です。 --- ・七倉登山口〜高瀬ダム 乗合タクシー\2400で行くのがスタンダード。 4人なら一人\600。 徒歩では最初のトンネルがライトなしなのでヘッデンがあった方が良い。 (たまたま自分が行ったときにライトが点いてなかっただけかも) 全編舗装路で最後の6つのカーブが登りになる。 ・高瀬ダム〜烏帽子小屋 不動沢吊橋と濁沢の木の橋を渡り、登山口に至る。 濁沢の橋は流されるなどして渡れない場合は登山できない可能性があるので、最新の状況は確認した方が良いと思う。長野県山岳遭難防止常駐隊のツイートによると、7/18に補修工事をして安全に渡れる状態とのこと。 濁沢キャンプ場は利用できないようだった。 登山口からはブナの樹林帯の急登。 100mごとに番号が振ってある。 時々景色が開ける。 ・烏帽子小屋〜烏帽子岳 ハイマツやシャクナゲなどの樹林帯と、 砂浜と花崗岩の稜線。 前烏帽子岳あたりまではコマクサが沢山咲いていた。 前烏帽子岳からは烏帽子岳、南沢岳、不動岳の稜線が美しい。 針ノ木岳蓮華岳や他にも沢山見えると思うがガスって全ては見えなかった。 烏帽子岳直下は鎖場が3つあり高度感もそれなりにある。 山頂標識の上にも鎖があり行ける様になっている。 ・烏帽子小屋〜野口五郎岳 テント場まで降った後、砂礫の稜線を登り返す。 その後アップダウンあり、がれ場あり。 三ツ岳は巻道で通らなかった。 野口五郎小屋は野口五郎岳のすぐ手前にあり。 コマクサが沢山咲いていた。 ・野口五郎岳〜水晶小屋 がれ場、ザレ場のアップダウン。 真砂岳は巻道となっていて行かなかった。 その後湯俣方面への分岐あり。 東沢乗越から水晶小屋への登り返しが結構しんどい。 水晶小屋付近は赤土が露出していて植生が少し異なっていた。 ・水晶小屋〜水晶岳 前半はなだらかなハイマツ帯。 後半梯子や岩場がある。 山頂標高が周辺より高くガスりやすそう。 ・水晶小屋〜三俣山荘 鷲羽やワリモ、祖父岳、遠くは槍穂高などが見える様になり景色が一変する。 分岐があり、ワリモ岳鷲羽岳経由で行ったが結構アップダウンが激しい。 ワリモ岳は景色は良いが狭い山頂なので、寄らずに巻道を使って空身で鷲羽岳を往復するのも良さそう。 ・三俣山荘〜双六岳〜双六小屋 テント場の石段を登り、ハイマツ林を抜けると丸山、三俣蓮華岳が見渡せる広場の様なところに出る。 さらに登ると巻道との分岐があり、三俣蓮華岳へは急登をひと登り。 丸山、双六岳はそれぞれアップダウンあり。 双六岳からはは有名な槍ヶ岳への滑走路稜線がなだらかに続いている。 途中から下りが急で石につまづかない様に注意が必要だった。 ・双六小屋〜新穂高温泉 序盤は意外にも登りが続いていた。 弓折乗越から弓折岳は寄り道ルートで、スルーする人が多かったけど、短いし、笠ヶ岳側の景色も良いので余裕があれば寄っても良いと思う。 弓折乗越からはずっと下りで、樹林帯がメイン。 この日は暑すぎて熱中症になりかけた。 登りは辛いと思う。 ワサビ平の手前に登山口があり、そこからはほぼ平坦な林道が続いている。 |
その他周辺情報 | 平湯温泉に無料足湯あり |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
装備
個人装備 |
調理器具
ライター
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
携帯
時計
ナイフ
カメラ
テント
テントマット
ヘルメット
|
---|---|
共同装備 |
調理器具
ライター
ヘッドランプ
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
携帯
時計
ナイフ
カメラ
テント
テントマット
ヘルメット
|
備考 | 連休は中央道が恐ろしく混むので多少高くても松本辺りから電車で帰ったほうが良かったかも。 |
感想
初めての裏銀座、初めての二泊三日以上のテント泊縦走で雨予報ということもあって、行く前から楽しみ半分不安半分な山行でした。
〜1日目〜
この日は裏銀座登山バスの記念すべき初陣という事で、小雨がぱらつく中何人もの登山者さんが待ち構えていました。
そのマイクロバスには大町駅と大町温泉郷から大体15名ほどの乗り込みがあり、約45分ほどで七倉山荘に到着しました。
タクシーで行けばかなり高くなってただろうに、登山バス開通には感謝しかありません。
おまけに大町市のキャラクター『おおまぴょん』の登山バージョンのピンバッジまでいただいちゃったので、大事にザックに付ける事にしました。
皆さん鉄オタみたいに車体を撮影(かく言う自分もですが)しててなんか面白かったです。
そこから高瀬ダムまでは乗合タクシーがあるのですが、ケチって歩いてしまいました。
真っ暗闇のトンネルが怖かった〜
後ろからくる車が視認してくれなかったらひかれているところです。
しかもそれまで徹夜で歩き倒していた影響で早くも膝裏が攣りそうになってしまいケチるんじゃなかったと後悔。
最後のダムの登りは壁の様に聳り立つ斜面をジグザグに登り、その間に往復で何回も同じ車に抜かれる切なさは言い表せないほどでした。
雨で増水が心配された濁沢も最近新しく橋がかけられたとのことで渡ることができました。
場所に関しては川自体が土手で見えなかったこともあり少々わかりづらい位置にありました。
土手沿いのを歩くと良いかもしれません。
その橋は丸太2本で組まれていたのですが、かつて揺れない橋の中でこれほど渡るのが怖かった橋はなかったかもしれません。
万が一落ちたら全ての計画が丸潰れだし大怪我では済まないかもしれない。SASUKEのように丸太が回転するタイプの可能性も捨てきれない。
幸い回転はしなかったのですが、丸太の隙間と朽ち気味なのが妙に怖くてへっぴり腰の凄いスローで渡り切りました。誰も見てなくて良かったです。
そんなこんなで登山口に着いた頃にはもうヘロヘロ。
雨の中のテント泊装備に北アルプス三大急登はさすがにこたえました。
最初から小屋までずっと樹林帯が続くため、最後の方はブナやダケカンバにもたれかかりながら気力だけで登り切った感じです。
初めて途中で無理かもと思いました。
12番から1番まで標高100m間隔で目印があり、それにメンタルが救われました。(逆に絶望した気もしなくはない)
小屋に着くとコマクサやイワギキョウの花畑がありました。
それまでの登山道と違いすぎる景色に夢ではないかと思ったくらいです。
テント場は20張とホームページに書かれてましたが、この日は倍近く張られた様です。
自分が来た正午頃には結構埋まってましたが、それでも平坦で風除けのある良いところが空いていました。ペグも刺さるしとてもお勧めなテント場だと思います。
大休憩して烏帽子岳に向かいました。
身軽ながらもまだ体の重さと頭痛が少々。
それでも綺麗なコマクサ達が集う綺麗な砂の稜線に心が踊りました。
さらに前烏帽子岳から見る烏帽子岳、南沢岳、不動岳の稜線の綺麗な事。
周りの北アルプスの山々に比べて標高が低めなので、ガスが降りて来なかったのが幸いしました。
烏帽子岳付近は岩登りっぽくなっていて、なだらかな山が多い裏銀座にあって適度にスリリングなのも魅力になってます。
狭い山頂ながら賑わってましたね。
この日は夕日は残念ながら見る事はできなかったのですが、雨風の影響はなく快適に過ごせました。
〜2日目〜
いよいよメインディッシュの日。
ですがかなりのどんより天気で時より小雨も。
雨具を着たり脱いだり忙しい日でした。
まぁこの時期にカンカン照りだと体力が持たないのである意味ありがたかったかも。
三ツ岳とか野口五郎岳とか、歩いて行く稜線が本当に美しくて感動しきりでした。
ここもコマクサの群生があり近くで見ても遠目で見ても美しかった。
しかし野口五郎岳に着く頃にはガスにまみれ暴風状態になり、せっかくの景色が見れず残念でした。
この山は雄大で美しくて、一目で名のある山だと分かる山だけにね。いい思い出にしたかったな。
思い出と言えば素敵な出会いもありました。
テレビやYouTubeなどでご活躍されているちゅーたさん。
突然の出会いにびっくりしました。
自分の様な一般人にも気さくに話しかけてくださってもう感激どころの騒ぎではなかったです。
なんか有名人の時間を独り占めしてるって思っちゃうとドキドキしますよね。
実はこの時東沢乗越から水晶小屋への登り返しで疲れ切っていたところだったのですが、不思議なもんで一気に全快しました。(チョロい)
クマを見たのを嬉しそうに話されていましたが、そちらには出会わずホッとしました。
結局ガスガスだったのでね。
ガスと言えばライチョウにも出会えました。
今回の山行では、三ツ岳の手前で一回。
鷲羽岳の付近で一回。
鏡平の付近で一回です。
やっぱり人が近くにいるとすぐ逃げてしまう様で、そのレアな出会いも人気の秘訣なんでしょうね。
百名山の水晶岳と鷲羽岳。
この二つは今回最も期待をしていただけに、こちらもガスって残念でしたね。
でも鷲羽岳は数分待つと晴れ間も見えて、槍穂高はガスでしたけど、鷲羽池も見事でしたし360度絶景でした。
この日の宿泊は三俣山荘のテント泊。
設備も規模も立派なものでしたが到着が遅くなり斜めの場所しか確保できなかったのが悔やまれます。
料理も味わってみたかった。
この日も夕日はほぼ見られなかったですが、夜は星が沢山見えるほど晴れていて明日に期待感が高まる夜更けでした。
〜3日目〜
2時頃目覚めると、昨日のどんよりが嘘の様に雲が全くない夜空でした。
これはゆっくり眠っている場合じゃないとすぐに支度を始めました。
テント場よりも少しでも高いところで日の出を見た方が絶対良いはずなので、『山頂日の出間に合うオジサン』としては行かずにはいられない。
三俣蓮華岳の山頂で無事迎えることができました。
鷲羽岳や湯俣岳、表銀座、槍穂高のシルエット。
逆側の黒部五郎岳や薬師岳、白山方面のビーナスベルト。
昨日見えなかった立山剱、水晶岳、笠ヶ岳。
これ以上ない日の出と言っても過言ではなかった。
昨日、一昨日とどんよりしてたのが余計に今日の嬉しさにつながった気がします。
これだから登山はやめられない。
そして双六岳。
こちらも三俣蓮華岳に負けず劣らず素晴らしい絶景でした。
お馴染みの槍ヶ岳までの滑走路もちゃんと見えました。
人工的に作ったのかと疑いたくなる様な絵になる景色ですね。
あとの下山は暑さとの戦いでした。
晴れてるとここまで体力の消耗が違うのですね。
予定より1時間半も早くに出発したはずが、鏡平山荘ではもう遅れている。
鏡平のかき氷や、ワサビ平のきゅうりも味わうことなく一目散に下山するしかなく、
これは残念すぎました。
ただワサビ平はまだしも鏡平まであのルートを登る気が起きるのはまだ先になりそうです。
今回の山行は自分の登山歴の中でも指折りの記憶に残る山行でした。
レコがめちゃくちゃ長くなってしまい、流石に最後まで読まれた方はいないでしょうけど、もしいたらここまで読んでくださってありがとうございました。
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