裏銀座縦走(新穂高ロープウェイに撤退)
- GPS
- 23:28
- 距離
- 38.1km
- 登り
- 3,047m
- 下り
- 3,258m
コースタイム
- 山行
- 7:00
- 休憩
- 0:49
- 合計
- 7:49
- 山行
- 8:44
- 休憩
- 1:25
- 合計
- 10:09
- 山行
- 7:28
- 休憩
- 1:11
- 合計
- 8:39
天候 | 1日目 快晴 2日目 快晴 3日目 曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
1.バスタ新宿7:35発 白馬行き 信濃大町駅で下車 2.信濃大町駅14:20発 裏銀座登山バス 七倉山荘前で下車 ※七倉山荘で前泊 3.乗合タクシーで高瀬ダムまで 4人乗車したので割り勘で1人600円 ○帰り 1.新穂高ロープウェイ15:55発 濃飛バス 2.平湯バスターミナルで松本行き(17:55発)に乗り換え |
コース状況/ 危険箇所等 |
○高瀬ダムから烏帽子小屋 ブナ立尾根は急登だが、よく整備されていて歩きやすい。 ○烏帽子小屋から烏帽子岳 燕岳に似た白砂の稜線が続く。山頂直下のトラバースは少し気を使うが、鎖も足場もしっかりしている。 ○烏帽子岳から野口五郎岳 特に危険箇所はなし。道幅は広く、歩きやすくて爽快な稜線が続く。 ○野口五郎岳から水晶小屋 一部ざれた下りあり。巨岩が続く箇所があるので、場所によってはストックはない方が歩きやすかった。水晶小屋から裏銀座の稜線が一望できる。 ○水晶小屋から水晶岳 一部鎖と梯子あり。いずれも危険度の高いものではない。 黒部五郎、薬師、雲ノ平がよく見える。 ○水晶岳から鷲羽岳 特に危険箇所はなし。ワリモ岳から見る鷲羽岳は荒々しく男性的。 鷲羽岳から見る槍ヶ岳も素晴らしい。 ○鷲羽岳から三俣山荘 ざれた急傾斜の下りが続く。 三俣山荘側から見る鷲羽岳は本当に鷲が羽を広げているよう。 ○三俣山荘から双六小屋 特に危険箇所はなし。 ○双六小屋から新穂高ロープウェイ 秩父沢出合など3箇所で登山道の崩壊あり。9月21日の大雨による土砂崩れが原因とのこと。 通行は可能だったが、増水時は歩行困難になる恐れあり。 ※9月26日時点 |
その他周辺情報 | ◯水場(9/24~26時点) ・烏帽子小屋:1L 200円 ・三俣山荘:テン場に水場あり。渇水が心配だったが数日の雨で回復したらしく、充分な水量だった。 ・双六小屋:小屋前に水場あり。利用してないので詳細は分からないが、節水の案内が書かれていた。 ・鏡平小屋:500ml 100円 ・笠新道登山口:枯れている ◯前泊 七倉山荘 テント1張1980円 ※1回分の入浴料も含まれている ◯下山風呂 ホテル穂高 日帰り入浴大人1000円 |
写真
感想
裏銀座は来年の夏季休暇にやるつもりでした。ところが先日訳あって退職し、急遽暇になったので雪が降る前に決行しました。時間の縛りがない山行ができるチャンスはそうそうないので、実は天気さえ良ければ5泊6日で立山まで行くつもりでした。ただ、水木の天気が荒れそうだったので2泊3日で新穂高に下山しました。来年の夏は新穂高から立山の縦走をやりたいですね。
◯前泊 信濃大町駅から七倉山荘
バスタ新宿から白馬行き高速バスに乗り、渋滞もありつつ揺られること約5時間、信濃大町駅に到着。今にも雨が降りそうな雲でした。駅前のパン屋で明日の朝食を買い、裏銀座登山バスが来るまで待ちました。
しばらくするとバスが到着。旅館が送迎に使用するような小型のバスでした。信濃大町から七倉山荘までは1500円、クレジットやPayPayも使用可能だったのでクレジットで支払いました。山行において現金が手元に残るのはありがたかったです。
七倉山荘に到着後、受付を済ませます。
山荘の方に明日の行程を聞かれたので、タクシーで高瀬ダムまで行き、烏帽子小屋まで登ることを伝えると、他の宿泊者と相乗りできるように調整してくれるとのこと。相乗りの相手を見つけられるか不安だったので、とても助かりました。
テントを設営したらすぐに山荘内の温泉へ。緑を眺めならの露天風呂がとても気持ちよかったです。明日に備えて穏やかな一日を過ごせました。
◯1日目 高瀬ダム〜ブナ立尾根〜烏帽子小屋
3時ごろに起床。小屋の方から、5時20分には山荘の前に集合してください、と言われていたので余裕を持たせました。朝食をとり、テントを撤収して5時ごろに山荘の近くに行くと、タクシー乗り場にはアルペン号の登山者たちが先に集まっていました。
少しすると、七倉山荘に宿泊していた人達も集まりだしたので、スタッフさんの案内に従って4人でタクシーに乗りました。曲がりくねった峠道を走ること約15分、高瀬ダムに到着。準備運動を済ませたら出発し、トンネル、不動沢吊り橋、濁沢を経て登山口に取りつきます。
ブナ立尾根は噂通りの急登でしたが、踏み跡もしっかりしていて歩きやすかったです。さらに先週のバカ尾根歩荷トレーニングが効いたのか、5泊6日分のテン泊装備でありながら順調なペースで登れました。
烏帽子小屋に着いたのは9時40分頃でした。
受付を済ませテン場に向かいます。指定地はどこも箒ではいたように整っていて、とてもペグが打ちやすかったです。
テント設営後は烏帽子岳へ。山頂までは燕岳のような白砂の稜線が続きます。雲ひとつない快晴の中、遠く北には立山、北東には蓮華と針ノ木、西には赤牛と薬師、そして南には野口五郎岳に続く稜線が眺められ、壮大な景色になかなか歩が進みませんでした。
鎖場とトラバースを経て烏帽子岳に登頂。荒々しい岩肌のカッコいい山でした。
時間に余裕があったのでゆっくりと景色を眺めつつ、電波もよく届いたので明日以降の天気を確認しました。予報によると水曜は弱い雨で、木曜は雷雨とのこと。
水曜日に宿泊予定の五色ヶ原山荘に2泊して、雷雨をやり過ごすか?とも考えましたが、もしかしたら雷雨が早まる可能性もあります。なので、とりあえず明日は三俣山荘まで歩いて、その時の予報次第で予定を考えることにしました。
景色を堪能した後はテントに戻り、明日も早いので、夕飯を済ませたらすぐに寝袋に入りました。
ところが眠りについて2時間くらい経った頃、足先や背中に感じる寒さで目が覚めました。ダウンも着ているのに、じわじわと体の奥に染み込むような冷気です。
急いでレインウェアを着用し、寝袋のフードを被るといくらかマシになり、次第に寝付けましたが、高山の寒さを甘く見ていたことを思い知らされた一夜でした。
◯2日目 烏帽子小屋から三俣山荘
3時ごろに起床。
トイレに向かう途中、見上げると満点の星空でした。秋が近づいて空気が澄んできたからか、夏より一層綺麗で目を奪われました。
朝食はお茶漬けです。寝る前に戻しておいたアルファ米にお茶漬けの素を振りかけ、水を適量注ぐだけで出来上がります。Twitter(現X)で他の方が食べているのを真似してみました。
ガス要らずでそこそこ美味しいので、忙しい朝に適していると思います。(もちろんお湯で作った方が美味しいです。まだ寒かったから少し冷たかった...)
テントを撤収して4時半ごろに出発。寒いせいか、フライの結露がほとんどありませんでした。
三ツ岳まで標高差約300mをじわじわ登ります。次第に日が上り、赤牛岳と薬師岳のモルゲン、朱色に照らされた稜線がとても綺麗でした。
三ツ岳から野口五郎岳までは緩やかなアップダウンを繰り返します。
南東には、お盆に歩いた表銀座がバッチリ見えました。燕山荘から続く白砂の稜線の先は燕岳、表銀座の先に大きく聳え立つ大天井岳、荒々しく峻険な東鎌尾根から槍ヶ岳。一度歩いた道を別の角度から眺めるのは、誇らしいような不思議な気分でした。
7時半ごろに野口五郎岳に登頂。山頂から先は、時々ザレ場がありつつ東沢乗越まで下り、急登を越えると水晶小屋です。歩いてきた裏銀座の稜線が一望でき、美しさに息を呑みました。
小休止したらアタックザックに切り替え、40分ほど歩いて水晶岳に登頂。それまで見えなかった黒部五郎岳や、雲ノ平が目に入ります。黒部五郎のカールを間近で見たかったですが、また来年ですね。。
水晶小屋に戻り、次は鷲羽岳に向かいます。ワリモ北分岐からワリモ岳を越えると、鷲羽岳が目の前に現れました。後で三俣山荘側から見た姿とは対照的に、こちら側から見ると岩が荒々しいカッコいい山でした。
急登をパスして鷲羽岳に登頂。山頂から眺める槍ヶ岳が見事でした。
ここで電波が繋がったので、天気の最終確認をします。相変わらず水木の予報が悪い。五色ヶ原山荘の部屋は空いていたので、今から2泊予約すれば、木曜日の雷雨をやり過ごすこともできます。
ただ、そうすると黒部五郎と薬師を悪天候の中登る羽目になるかも知れません。せっかく名峰2座に登ったのに、ガスガスで何も見えなかった、、という結果は嫌だったので、3日目に槍まで向かい、4日目に上高地に下山する行程に変更しました。
山頂からざれた下りを約1時間歩くと、三俣山荘に到着です。プラス1800円で夕飯にビーフシチューが食べられるとのことだったので、申し込みました。テント泊しか経験がないので、山小屋の食事は初めてです。
テントを設営後、遅めの昼食や身支度をしているうちに夕飯の17時になりました。小屋2階の食堂はすでに宿泊客でいっぱいで、各テーブルに食事が用意されています。スタッフさんの案内で中央のテーブルに座りました。
すでに他の人達は食事を始めていて、自分のお茶碗は空の状態でした。お米はどこだろう、、とあたりを見回していると、向かいの席の方が「ここにありますよ」と米櫃を開け、お茶碗にお米をよそって下さいました。そうか、各テーブルの米櫃から各々がよそうスタイルなのか。
テーブルの人達は全員知らない人同士らしく、おかわりをする時以外はまったくの無言。「山小屋の食事ってこれが普通なのか、、?」と気まずさを感じながらも、黙々とビーフシチューを口に運びます。もっと山の話で盛り上がるイメージだったのですが、全員が知らない人同士だとこういうものなのですかね。。
夕飯後はテントに戻り、明日に備えて早めに寝袋に入ります。
昨日は寒さで痛い目を見たので、初めからレインウェアを上下着用します。さらにナルゲン湯たんぽを寝袋の中に入れ、寝袋の末端をアタックザックの中に突っ込むという対策をした結果、かなり暖かく快適に眠ることができました。
3日目 三俣蓮華岳から双六岳、新穂高ロープウェイ下山
3時半に起床。4時半には出るつもりだったので少し寝坊でした。
急いでお茶漬けを食べ、撤収をします。テント泊にはかなり慣れてきたので、
テントの撤収自体は30分くらいで終えられるようになりましたが、食事や道具の整理、トイレなどを済ませていると1時間半くらいはかかってしまいます。
5時20分ごろに行動開始。重い雲が空一面を覆い隠していました。
40分ほど急登を歩くと三俣蓮華岳に登頂です。
山頂でお会いした女性に写真を撮ってもらいましたが、この時点ですでにガスガス。
双六岳に向かおうとザックを背負い直した時、黒部五郎岳への分岐が目に入りました。「やっぱり黒部五郎に行ってしまおうか。ロング縦走のチャンスはなかなかないのだから」と一瞬、方向転換をしたくなりましたが、悪天候の中ロングコースを歩くリスクを考慮して思いとどまりました。
三俣蓮華岳から1時間半ほどアップダウンを繰り返し、双六岳に登頂しました。
相変わらずのガスガスで何も見えません。この頃には弱い雨が降り始め、冷たい風も吹いていました。
レインウェアを上下着用し、双六小屋に向かいます。
途中、天空の滑走路と呼ばれる有名な稜線を歩きましたが、視界不良で離陸できませんでした。天気のいい時にまた来たいですね。。
8時40分頃に双六小屋に到着。
小休止して、9時には槍ヶ岳に向けて出発する予定でした。
ところが、ベンチに座って西鎌尾根の方向を眺めていると、新穂高ロープウェイ方面に向かう人の多いことに気がつきました。
「現時点で小雨、さらに水曜日は確実に雨の予報だから、今日下山する人も多いのかもしれない」
そう考えたら、自分も今日、新穂高に下山したほうがいいような気がしてきました。西鎌尾根は前々から歩いてみたかったですが、この天候ではまともに展望を楽しめないし、濡れた岩場を歩くリスクも高くなります。そして槍は前に一度登ったし、明日雨の中テントを撤収するのもなあ、、と色々考え、結局新穂高に下山することにしました。
双六小屋を出発し、弓折分岐に着く頃には本降りになってきました。
時々休憩を挟みながら、鏡平山荘、秩父沢出合、わさび平小屋をパスし、新穂高ロープウェイまで一気に下山しました。
15時55分のバスまで時間があったので、ホテル穂高の日帰り温泉に入りフィニッシュです。
北アはまた来年ですね。ロング縦走に備えて、しっかり鍛えておこうと思います。
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